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幕間 私達の歩んできた道 9
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会議室に残された全ての資料や、街が保有している備蓄、素材、魔道具なども確認し、先の作戦での各部隊が報告で上げてくれたレポートも目を通し終える。
後で、メイドちゃんが持っているであろう姫様から受け取っている各プランの詳細が書かれている紙を見せてもらおう。
それを読めば、先の作戦の全容を理解できるだろう。
会議室から出て、塔の天辺へと向かう途中でティーチャーに出会い、ある報告を受ける、奥さんである研究塔の長である彼女も出産が近いみたいで、今後は直ぐにでも対応できるように病棟での寝泊まりが決まったとの嬉しい知らせを貰った、産まれるときは私が絶対に立ちあうから心配しないで大船に乗ったつもりでいてね!っと、笑顔で応えると
「はい、同期であり、医療班のみならず、この一団の長である貴女であれば、何も心配はしていません、妻を、愛する子をお願いします」
頭を深々とさげられてしまう、それと同時に、私の中にある気持ちが落ち着いていくのを感じ取れる。
この人は一途な人だと、きっと、一夫多妻制であろうと、他の人を愛したりはしないのだろう、何処かに側室でっという淡い期待も僅かに残っていたけれど、それが今のこの瞬間に泡となって弾けて消えた…そんな気がする、貴方に思い描いた理想の家族像を私は叶えてみせるよ。
これに伴い、医療班の人に大先輩に伝えるようにお願いする、私もいつでも出産に立ち会えるように、仮眠室の一室で寝泊まりするからと伝えるようにお願いし、塔の天辺へ向かって歩いていく。
この一瞬で本当に色んな出来事が起きる、たぶん、この街に住んでいる人達も悔いが無いように動き始めているからだろう、あちこちでカップルが生まれている気がするのはきっと、気のせいでは無さそう、決戦が近いのだから、子孫を残そうとするのは大事だし、想いを伝えるのは大事だよね。
だからといって、今の状況で私に声を掛けてくるのはあれかな?気を使われているのかな?うーん、よくわかんないけど、愛想笑いだけして去ろうかな…そう思っていたけれど、そう出来なかった、ぅぅぅ。
塔の天辺委向かうだけで本当に、色んな人に声を掛けられてしまう、医療班の若手の女子とか、隠蔽部隊の若手の男の子とか、騎士部隊見習いの男の子とか、新しい団長に挨拶をしたいのだろうけれどー、そのー、ごめんねー?皆の希望する答えを、選択肢を間違えちゃったみたいで。
好きですーっと言われても、応援ありがとう、一緒に頑張ろうね!って握手をすると残念そうな顔をするのは、きっと選択肢を間違えたのだろうってわかってるけどー、どういう意味が含まれているのかわからないの、ぅぅ、団長は人の心がわからないからなぁってのが心に響くよぅ…
なんとか、塔の天辺に到着するとメイドちゃんが紅茶を淹れてくれるので、先ほど起きた出来事を言うと、笑顔で腕をつままれてしまったんだけど?ぇ?私、怒られるほどの間違えた選択肢を選んじゃったってこと?ぅぅ、反省しないと…
後、長の出産の為に塔での寝起きをやめて病棟で寝泊まりするからって伝えると頬を膨らませてぽかぽかと叩かれてしまった、寂しいのはわかるけどー、しょうがないじゃーん!お産って、この街で経験することなんて一生、絶対に無いって思ってたからー!貴重な経験になるの~!医療に携わる者として、得難い経験になるのよー!
医療人としての想いを伝えるとしょうがないですねぇっと、納得しきってはいないけれど納得してくれたみたいなので、頭を撫でながら、会議での議題など、今後の方針を伝える、もし、私が居ない間に宰相から連絡が来たら伝えてもらう様に話をしていると、ちょうど、宰相から連絡が入り、現状報告会が始まる。
壁の状況は早くて三か月もあれば、補強なども終えて完成するかもっと言う状況、女将のブートキャンプで数多くの兵士達が基礎的な体力と筋力を向上させて、更に、お爺ちゃんもそれに参加して、王国の騎士団全員に獣との戦い方を女将と共に指導してくれている。
女将の旦那が定期的に色んな物資を運んでくれることになり、ブーツキャンプの精鋭達が次々と体重が増えているという、嬉しい知らせが届いた。
筋肉は重いからね!鍛えすぎて体重が落ちてしまうのが一番良くないからね!
私達の街も頑張って鍛え上げていかないといけない、現状、魔力コントロールが苦手な人はひたすら魔力コントロールで、それが終わっているベテラン勢は、更なる高みへと至る為の模擬訓練をしていくのが正解かな。
魔力コントロールは非情の難しいから教えれる人が多く入ればいいのだけれど、うーん、私も多少は心得があるだけで、教えれるかな?今度顔を出してみよう。
通信が終わったので、暫くは自身の研究に没頭する。気になるページがあるので実践してみよう。
姫様が造りだした槍、姫様は自身の髪を触媒にして生み出していた、その原理を紐解きたくなり、槍の説明を見ていくと非常に面白い性質だった。
試しに、髪の毛一本を抜き取り、それを触媒にして術式を発動させてみると、思いの外、簡単に槍を生み出すことが出来た、試しにもう一本、毛を抜こうとしたら、メイドちゃんがどうせなら私のでも出来るのか試してみてくださいと、毛を一本渡されたので、試しにしてみると、生み出すことが出来た。
生み出した槍は小指サイズくらいの非常に小さく脆そうなのだが、込めた魔力量によって大きさも変わるし、硬さも変わる、不思議な性質を持ち合わせていた。
説明文には、魔力を込め続けることで、魔力が霧散することなく、槍の中へと内包されていき、魔力を圧縮する性質があると書かれているが、魔力を込めようとすると一度に一定の範囲以上の魔力を内包できないみたいで、少しずつ少しずつ、時間をかけて槍を成長させないといけないのだと推測される。
因みに、メイドちゃんが自身の力で槍を創ろうとするが髪の毛から一向に変化しなかった、コツとか教えて欲しいと言われても姫様の解説通り、手順通りにしているだけで、自分でもどうして、こんなにすんなりと術式が発動したので、根本的な原理に対して理解が追い付いていないので、説明が出来ないのだからどうしようもない。
小さな槍に魔力を込めるのはメイドちゃんでも出来るみたいなので、お互い、日々、自然と失われていく魔力を槍に込めるという日課を追加した。
槍を持ち運ぶのに、どうしようかと眺めていたらメイドちゃんが
「どうせだったら、お揃いのアクセサリーにしましょう!槍はこの大地に住まう人々であれば、希望の象徴なのですから」
手早く、金のチェーンを付けてくれてネックレスにしてくれる、槍のサイズも変幻自在にある程度、変えれるので、小指の第一関節分くらいの大きさに固定してアクセサリーっぽく仕上げてもらった。
その後も、夜まで本を読んでいく、一通り読み終わったら、姫様の一族の本も読まないといけないのだけれど、これはいつになるのかわからないなぁ。
読むだけならたぶん、直ぐに終わる、けれども、それを糧にするのであれば、話は違う、少しでも理解し、小さなレベルでもいいので、秘術を発動できる状態にしておかないといけないからね、私ではこれが必要になってこれは必要になる場面はこないだろうっていう取捨選択という判断が出来ない。
読みふけっているとメイドちゃんに肩を叩かれるので、どうしたのだろうかと顔を上げると、良い時間になるので、姫様の病室へと向かって行く。
夜になると人が少なくなっているので、道中で声を掛けられることが無いのですんなりと姫様の病室へ辿り着く。
何時もの様にノックして、No2の声と共に中に入り、No2の隣に椅子を置いて、物語を聞いていく。
今回の内容はNo2も語るのが辛い内容で涙を流しながら寄り添って話をしてくれた。
デッドラインでの道中で竜に救われたんだね、その恩を返す為に戻ってきたって言うけれど、戻るきっかけを探し続けてただけじゃないかなって思ってしまうくらいこの人は、この街に愛着を持っているって、感じ取れる。
その竜のおかげで、本来、あの瞬間に死ぬはずだったお父さんもお母さんも一命を取り留めた、当時のお母さんでは魔力操作を完璧に操れていなかった、けれど、竜が導いてくれた影響もあって術式への理解度も急上昇して魔力を扱うことに長けるようになった。
問題はその後、北でも南でも猛威を振るった特別性という悪魔に、此方側の優秀な人材を一瞬で殺され、ベテランさんも命を失いかけて、膂力最強という自分のアイデンティティを粉砕されてしまった女将、抗う術もなく、闘う力も残されていない、全滅することが必定…
命をかろうじて繋いでいる状況でお父さんが出来ることはただ一つだけだった
涙を流しながら、そこから先は何も言えなくなってしまったNo2…お母さんのその気持ちは痛い程わかるよ、私だって、最高の友達でかけがえのない人が目の前で何度も何度も死にそうになっているのを見ていたんだもの。
辛い思い出を鮮明に思い出してしまったのか泣き止むことのない、先人を抱きしめながら、静かに時間が過ぎていく…
すすり泣く声も落ち着いてきたけれど、体の震えが小さく続くので、大丈夫そうかと、顔を覗き見ると…顔が青い?
呼吸も安定していない…直ぐに察する始まったのだと、ドアを開けて声を出すと直ぐにスタッフが勢揃いとなり、お産室にNo2を運び始める
さぁ、長い夜の始まりだ!!!
術着のまま、どかっとベンチに座り、マスクと帽子を外すと同じように大先輩も、私と同じようにどかっとベンチに座るとお疲れっと絞り出すように声を出したと思ったら寝息が聞こえてきた、ご年齢を考えると徹夜は堪えますよね…
神秘的な体験を終えた後は、どうしても意識がぽーっとしちゃう、私の子供じゃないのに産まれた時なんて全員が涙を流して喜んだもの。
死の大地で新しい生命が産まれるなんて思ってもいなかったから…
嗚呼、これが感無量ってことなのかなぁ?…
何も考えず、何も思考せず、ただただ、先ほどの一連の出来事に、心が惹かれているのが解るのと同時に、涙が溢れ出てくる、どうして自分の体は男性なのだろうかと、こんなにも望んでやまないのに私では一生体験することが出来ない、子を生すという願い、魂の底にこびりつく様に離れることのない願い…
つい膝を抱え込み、嬉しいはずなのに、心の中は嬉しさと悲しさと切なさでぐちゃぐちゃになっていく。
それからは、暫くの間は医療班として仕事を続けていく、No2が抜けた穴を埋めるためだけど、医療班としての仕事はそんなに多くなく、主に新人の教育や勉強会が主な仕事だった、午前中は手の空いている時間に勉強会をほぼ、個別で行い、午後からは各部隊の人達と会って現状の悩みを聞いてはまとめていき、夕方に開催される幹部会で話し合う内容であれば議題として話し合い解決していく。
会議が終わると次は夜の仕事として塔に登り、宰相や女将と現状の新着状況や兵士達の練度状況などを確認していく、あと2週間もすればブートキャンプも終わりを告げるので、こちらで更なる研鑽を積みたい人達と共に2週間後には此方の街に戻ってくるみたいで、宰相も壁の建設に目処が付き次第、王都に帰還せずにこちらに向かう手筈になっている。
宰相的にも王都でする業務はもうないみたいで、人類存続の為に出来ることをする、繋がれた意志を、渡された使命を果たす為に、愛する世界を守るためにこの街に来ると決意を固めていると熱く語っていた。
宰相の熱い思いを受け止めた後は、メイドちゃんと一緒に塔の天辺でご飯を食べて、寝泊まりする宣言からもう次の日にはもう解除された、長の子供が産まれるまで病棟で寝泊まりしようかと思っていたら、No2のお産のおかげで医療班全員がこれなら楽勝です!っと、豪気になっているので、陣痛が始まったらお呼びしますので、貴重な仮眠室を占拠しないでくださいと追い出されてしまった。
なので、塔の天辺で一緒に寝ると言うと嬉しそうに笑顔で受け入れてくれた、まさかねぇ?言ったその日に産まれるなんて思わないじゃない?それを経験したスタッフ全員が、貴重な経験を得たのもあって、次の番は誰が担当するのか終わらない会議が起きたくらいだもの。結果的に、その時間帯に登板でいる人が担当することってことで着地したんだよね。
寝るまでの間に始祖様の秘術を研究し会得できるやつは会得していく、何処かで必要になる可能性があるのであれば全て叩き込んでいく、選択肢は無いよりかある方が絶対に良い、この先に待ち受ける人類存続の最終決戦で知識不足で手詰まりになるなんてことは避けるべきだ。
その為、此方の本は私が他で作業している間にメイドちゃんが写してくれているみたいで、それを元に術式研究所や研究塔所属で手が空いている人達は読むようにしてもらっているのだけれど、そのチームは姫様からの勅命で生産しないといけないものが非常に多いので読む暇はないだろう。
そうなると、把握しきるのは私の仕事だよね、苦手だと思っていた術式だけれど、最近はそこまで苦手意識が無い、簡単とはいかないけれど、何とか理解できるって感じかなー。
毎日が忙しく過ぎていく、特に何かが起こっているわけでもないのに忙しかった。
そんな日々が一週間過ぎたころ、長も産気づき子供が産まれた。
長も、子供も、元気に問題なくお産が終わった、No2の時もそうだったけれど、子供が産まれて、新しい命を一目見ようと色んな部隊の人達が病棟に現れては赤ちゃんを見て涙を流す人もいれば、内から湧き上がる感情に全身が震えている人もいた。
決意を深く固めている人も数多くいた、敵が攻めてくる前に敵を攻めに行く前に、ベイビーブームがくるかもなって大先輩が冗談交じりで言っていたけれど、実現しそうな予感がする…だって、夜とかの公園で普段見ない組み合わせの人達が二人で寄り添っているの見たりするし、食堂でご飯を食べる人が気持ち減ってるから、各々用意して、仲良く食べてるんじゃないかって勘ぐっちゃう…
当然、大先輩も、その奥様も、No2と長の子供を見て大泣きして喜んでいた。我が子の様に、感涙し大先輩があんな笑顔をするなんて見たことが無かった。
No2の子供は黒髪で元気にすくすく育っている、抱っこした時に驚いたのが思った以上に重く感じたことかな
長の所の子供は金髪の女の子でどことなく長に似てるから長に似た綺麗な人に育っていくんだろうなっと、ほんの数分、会っただけで未来を夢見てしまう不思議な体験だった。
後、胸の辺りが凄くムズムズして、見てるだけで頬が緩んで、無いはずのお腹がきゅぅってなるような気がして、母性が溢れそうだった…
それと、一週間もすればNo2もジョギングしたりと運動をするようになったみたいで、早朝とか公園で走っている姿を見かけるようになった。
赤ちゃんの世話は、もう、皆で取り合いになるくらいしたがるので、No2が多少目を離しても問題は無いと思う、医療班のメンバー全員が手厚く見ていると思う。
病室を移動しているときに、偶々、うん、本当に偶然だったんだけど、ティーチャーと長が産まれてきた子供を見つめながら大粒の涙を流して支えあっている姿を視ちゃったものだから、次、声をより一層かけづらくなっちゃったなぁ…私も、ああやって家族になりたかったなぁ、引きずってないもん!!もう吹っ切れた!!!ちくしょぉ、吹っ切れたって思っても、やっぱりまだ、微妙に理想な姿を見てしまうと尾を引かれちゃうなぁ…
そうそう、メイドちゃんって、子供とか興味無さそうな人だと思っていたけれど、赤ちゃんを見てから心なしか、お腹をさすってはこっちを切なそうに見てくるの、その気持ちわかるよー!私もすっごく欲しいもん!!お互い相手がいないのは寂しいよねって、うんうんと肩を叩いて慰めたつもりなんだけど、どうしてだろうか。
釈然としない表情をしていた。
子供が産まれてから三日か、四日経ったかな?事前に、非戦闘員である街の人達全員に、王都で準備が終わり次第、大穴へと遠征することを伝えることにしたんだよね、だから、自分たちの人生を考えて行動してくださいって伝えたんだよ、ね、思っていた以上に皆この街が好きみたいで誰も離れようとせずに出来ることが無いか、暇を感じることもなく仕事を探してくれている、ありがたいことだよね。
あと、非戦闘員の人達も赤ちゃんを見てから、こう、なんていうか色づくというか、ね?カップルが増えてきた気が凄くする…
その状況を何気なく大先生に話すとさ、本能的に子孫を残そうとしているのかもしれないって、いっていたけれど、単純に子供の可愛さに目覚めただけじゃないですか?っていうとちげぇねぇっと嬉しそうにしていた。
夜の定時連絡で、宰相にも女将にも子供が無事産まれてすくすくと元気に育っていますよってちゃんと報告したらね、女将もその事をずっと気になっていたみたいで、子供が無事産まれたことを我が事のように受け止めてくれているみたいで凄く嬉しそうな声と同時にすすりなく声が聞こえてきた。
宰相にも報告するとみんな同じ反応で涙を流しながら喜んでいた
No2は色んな人に愛されているね、こんなにも周りに喜んでもらえるなんて彼女が命がけで歩んできた結果、様々な人と繋がり、共に歩んだ道が繋がっていってさ、その全てから愛されているんだよね。本当にすごい人だよね、ちょっとアレなところがあるけれど、そのアレな部分がまた身近に感じるのかな?高嶺の花って感じがしなくなるのかな?確かに黙っていれば美人だもんなぁ…溢れ出る色香よりも溢れ出るアレな人って感じだもんなぁ…
さぁ、そんなことを考えてると怒られちゃう怒られちゃう、仕事仕事っと…
それから、更に一か月たちお爺ちゃんに送る為の写真を撮影した
No2と長が子供を抱っこし、後ろには医療班が勢揃いした写真、それ以外にも、お爺ちゃんに教えを乞うていた人達の写真を添えて送ろうとするとベテランさんから封筒を渡された、一緒に送ってほしいと…どう考えても中身がいかがわしいものとしか思えないので、取り合えず、快く受け取り中身を検めると文だけだった?
人様の文を覗き見るのはしてはいけない行為なので、そっと中身を戻したときに、封筒に違和感を感じる!?
もう一度封筒をよく見ると巧妙に隠された内ポケットみたいなのがあって、そこに一枚の写真が入っていたので出してみると
色街のお姉さんが下着姿でウィンクしている写真が出てきて裏面に【遊びに来てね】っと、色街の住所が書かれているので、すっと抜き取り捨てようかとおもったが…
これは反省して欲しいのでみんなが映っている写真の封筒にいれておいた
これで、おばあちゃん連合もその写真を見るだろう、反省してね?
王都に向かう場所に封筒を渡してっと、これでよし!!そういえば、女将のブートキャンプも長引いてしまったみたいで、明日か明後日には帰ってくるんだよね?出迎えてあげないとな…
一か月も過ぎたのに、姫様が起きる気配は無い、封印術式も15日に一度くらい行っている、触媒は私の血液で…
No2も子育てをしながらずっと姫様の世話をしている、体を拭いたり関節を動かしてあげたりマッサージをしたりと…
今度、No2の体調が万全になったときに、姫様の脳細胞へと医療の手を伸ばすことが決まった…
脳細胞にアクセスする場合は非常に危険で記憶などが混濁されることになるので、姫様の記憶を少しでも知り、これは姫様の記憶と断定できるようになっておかないと意識が持っていかれる可能性が高いとNo2からご指摘を受けたので、今日の夜から、No2が知りうる限りの話をしてくれることになる…
デッドラインを超え、実家から戻ってきた後の話をしてくれるっと、実家にいた間の話はどうも、記憶が混濁しているのか、物忘れしちゃったのか詳しく思い出せないから話せないだって、まぁ、そういうこともあるよね、悲しい出来事の後はどうしてもね、記憶が飛んでしまうのは仕方が無いよ、心のストレスが耐え切れなくなるから…
一か月も猶予をくれた、あいつ等もきっと、最後の決戦に向けて確実に何かをしているはずだ…
出来れば先手を取りたいが功を焦ると全てを失う、万全とはいかなくても万全に近い状況に持っていく…
その為には姫様の意識はやっぱり必須だと私は感じている、呼び起こすのは人類の為?姫様の身を案じて?…
決まってるじゃない
姫様の身を案じてよ、私は彼女に何一つ恩を返しきれていない、貴女の生末を私は…共に歩みたい、最後まで。
後で、メイドちゃんが持っているであろう姫様から受け取っている各プランの詳細が書かれている紙を見せてもらおう。
それを読めば、先の作戦の全容を理解できるだろう。
会議室から出て、塔の天辺へと向かう途中でティーチャーに出会い、ある報告を受ける、奥さんである研究塔の長である彼女も出産が近いみたいで、今後は直ぐにでも対応できるように病棟での寝泊まりが決まったとの嬉しい知らせを貰った、産まれるときは私が絶対に立ちあうから心配しないで大船に乗ったつもりでいてね!っと、笑顔で応えると
「はい、同期であり、医療班のみならず、この一団の長である貴女であれば、何も心配はしていません、妻を、愛する子をお願いします」
頭を深々とさげられてしまう、それと同時に、私の中にある気持ちが落ち着いていくのを感じ取れる。
この人は一途な人だと、きっと、一夫多妻制であろうと、他の人を愛したりはしないのだろう、何処かに側室でっという淡い期待も僅かに残っていたけれど、それが今のこの瞬間に泡となって弾けて消えた…そんな気がする、貴方に思い描いた理想の家族像を私は叶えてみせるよ。
これに伴い、医療班の人に大先輩に伝えるようにお願いする、私もいつでも出産に立ち会えるように、仮眠室の一室で寝泊まりするからと伝えるようにお願いし、塔の天辺へ向かって歩いていく。
この一瞬で本当に色んな出来事が起きる、たぶん、この街に住んでいる人達も悔いが無いように動き始めているからだろう、あちこちでカップルが生まれている気がするのはきっと、気のせいでは無さそう、決戦が近いのだから、子孫を残そうとするのは大事だし、想いを伝えるのは大事だよね。
だからといって、今の状況で私に声を掛けてくるのはあれかな?気を使われているのかな?うーん、よくわかんないけど、愛想笑いだけして去ろうかな…そう思っていたけれど、そう出来なかった、ぅぅぅ。
塔の天辺委向かうだけで本当に、色んな人に声を掛けられてしまう、医療班の若手の女子とか、隠蔽部隊の若手の男の子とか、騎士部隊見習いの男の子とか、新しい団長に挨拶をしたいのだろうけれどー、そのー、ごめんねー?皆の希望する答えを、選択肢を間違えちゃったみたいで。
好きですーっと言われても、応援ありがとう、一緒に頑張ろうね!って握手をすると残念そうな顔をするのは、きっと選択肢を間違えたのだろうってわかってるけどー、どういう意味が含まれているのかわからないの、ぅぅ、団長は人の心がわからないからなぁってのが心に響くよぅ…
なんとか、塔の天辺に到着するとメイドちゃんが紅茶を淹れてくれるので、先ほど起きた出来事を言うと、笑顔で腕をつままれてしまったんだけど?ぇ?私、怒られるほどの間違えた選択肢を選んじゃったってこと?ぅぅ、反省しないと…
後、長の出産の為に塔での寝起きをやめて病棟で寝泊まりするからって伝えると頬を膨らませてぽかぽかと叩かれてしまった、寂しいのはわかるけどー、しょうがないじゃーん!お産って、この街で経験することなんて一生、絶対に無いって思ってたからー!貴重な経験になるの~!医療に携わる者として、得難い経験になるのよー!
医療人としての想いを伝えるとしょうがないですねぇっと、納得しきってはいないけれど納得してくれたみたいなので、頭を撫でながら、会議での議題など、今後の方針を伝える、もし、私が居ない間に宰相から連絡が来たら伝えてもらう様に話をしていると、ちょうど、宰相から連絡が入り、現状報告会が始まる。
壁の状況は早くて三か月もあれば、補強なども終えて完成するかもっと言う状況、女将のブートキャンプで数多くの兵士達が基礎的な体力と筋力を向上させて、更に、お爺ちゃんもそれに参加して、王国の騎士団全員に獣との戦い方を女将と共に指導してくれている。
女将の旦那が定期的に色んな物資を運んでくれることになり、ブーツキャンプの精鋭達が次々と体重が増えているという、嬉しい知らせが届いた。
筋肉は重いからね!鍛えすぎて体重が落ちてしまうのが一番良くないからね!
私達の街も頑張って鍛え上げていかないといけない、現状、魔力コントロールが苦手な人はひたすら魔力コントロールで、それが終わっているベテラン勢は、更なる高みへと至る為の模擬訓練をしていくのが正解かな。
魔力コントロールは非情の難しいから教えれる人が多く入ればいいのだけれど、うーん、私も多少は心得があるだけで、教えれるかな?今度顔を出してみよう。
通信が終わったので、暫くは自身の研究に没頭する。気になるページがあるので実践してみよう。
姫様が造りだした槍、姫様は自身の髪を触媒にして生み出していた、その原理を紐解きたくなり、槍の説明を見ていくと非常に面白い性質だった。
試しに、髪の毛一本を抜き取り、それを触媒にして術式を発動させてみると、思いの外、簡単に槍を生み出すことが出来た、試しにもう一本、毛を抜こうとしたら、メイドちゃんがどうせなら私のでも出来るのか試してみてくださいと、毛を一本渡されたので、試しにしてみると、生み出すことが出来た。
生み出した槍は小指サイズくらいの非常に小さく脆そうなのだが、込めた魔力量によって大きさも変わるし、硬さも変わる、不思議な性質を持ち合わせていた。
説明文には、魔力を込め続けることで、魔力が霧散することなく、槍の中へと内包されていき、魔力を圧縮する性質があると書かれているが、魔力を込めようとすると一度に一定の範囲以上の魔力を内包できないみたいで、少しずつ少しずつ、時間をかけて槍を成長させないといけないのだと推測される。
因みに、メイドちゃんが自身の力で槍を創ろうとするが髪の毛から一向に変化しなかった、コツとか教えて欲しいと言われても姫様の解説通り、手順通りにしているだけで、自分でもどうして、こんなにすんなりと術式が発動したので、根本的な原理に対して理解が追い付いていないので、説明が出来ないのだからどうしようもない。
小さな槍に魔力を込めるのはメイドちゃんでも出来るみたいなので、お互い、日々、自然と失われていく魔力を槍に込めるという日課を追加した。
槍を持ち運ぶのに、どうしようかと眺めていたらメイドちゃんが
「どうせだったら、お揃いのアクセサリーにしましょう!槍はこの大地に住まう人々であれば、希望の象徴なのですから」
手早く、金のチェーンを付けてくれてネックレスにしてくれる、槍のサイズも変幻自在にある程度、変えれるので、小指の第一関節分くらいの大きさに固定してアクセサリーっぽく仕上げてもらった。
その後も、夜まで本を読んでいく、一通り読み終わったら、姫様の一族の本も読まないといけないのだけれど、これはいつになるのかわからないなぁ。
読むだけならたぶん、直ぐに終わる、けれども、それを糧にするのであれば、話は違う、少しでも理解し、小さなレベルでもいいので、秘術を発動できる状態にしておかないといけないからね、私ではこれが必要になってこれは必要になる場面はこないだろうっていう取捨選択という判断が出来ない。
読みふけっているとメイドちゃんに肩を叩かれるので、どうしたのだろうかと顔を上げると、良い時間になるので、姫様の病室へと向かって行く。
夜になると人が少なくなっているので、道中で声を掛けられることが無いのですんなりと姫様の病室へ辿り着く。
何時もの様にノックして、No2の声と共に中に入り、No2の隣に椅子を置いて、物語を聞いていく。
今回の内容はNo2も語るのが辛い内容で涙を流しながら寄り添って話をしてくれた。
デッドラインでの道中で竜に救われたんだね、その恩を返す為に戻ってきたって言うけれど、戻るきっかけを探し続けてただけじゃないかなって思ってしまうくらいこの人は、この街に愛着を持っているって、感じ取れる。
その竜のおかげで、本来、あの瞬間に死ぬはずだったお父さんもお母さんも一命を取り留めた、当時のお母さんでは魔力操作を完璧に操れていなかった、けれど、竜が導いてくれた影響もあって術式への理解度も急上昇して魔力を扱うことに長けるようになった。
問題はその後、北でも南でも猛威を振るった特別性という悪魔に、此方側の優秀な人材を一瞬で殺され、ベテランさんも命を失いかけて、膂力最強という自分のアイデンティティを粉砕されてしまった女将、抗う術もなく、闘う力も残されていない、全滅することが必定…
命をかろうじて繋いでいる状況でお父さんが出来ることはただ一つだけだった
涙を流しながら、そこから先は何も言えなくなってしまったNo2…お母さんのその気持ちは痛い程わかるよ、私だって、最高の友達でかけがえのない人が目の前で何度も何度も死にそうになっているのを見ていたんだもの。
辛い思い出を鮮明に思い出してしまったのか泣き止むことのない、先人を抱きしめながら、静かに時間が過ぎていく…
すすり泣く声も落ち着いてきたけれど、体の震えが小さく続くので、大丈夫そうかと、顔を覗き見ると…顔が青い?
呼吸も安定していない…直ぐに察する始まったのだと、ドアを開けて声を出すと直ぐにスタッフが勢揃いとなり、お産室にNo2を運び始める
さぁ、長い夜の始まりだ!!!
術着のまま、どかっとベンチに座り、マスクと帽子を外すと同じように大先輩も、私と同じようにどかっとベンチに座るとお疲れっと絞り出すように声を出したと思ったら寝息が聞こえてきた、ご年齢を考えると徹夜は堪えますよね…
神秘的な体験を終えた後は、どうしても意識がぽーっとしちゃう、私の子供じゃないのに産まれた時なんて全員が涙を流して喜んだもの。
死の大地で新しい生命が産まれるなんて思ってもいなかったから…
嗚呼、これが感無量ってことなのかなぁ?…
何も考えず、何も思考せず、ただただ、先ほどの一連の出来事に、心が惹かれているのが解るのと同時に、涙が溢れ出てくる、どうして自分の体は男性なのだろうかと、こんなにも望んでやまないのに私では一生体験することが出来ない、子を生すという願い、魂の底にこびりつく様に離れることのない願い…
つい膝を抱え込み、嬉しいはずなのに、心の中は嬉しさと悲しさと切なさでぐちゃぐちゃになっていく。
それからは、暫くの間は医療班として仕事を続けていく、No2が抜けた穴を埋めるためだけど、医療班としての仕事はそんなに多くなく、主に新人の教育や勉強会が主な仕事だった、午前中は手の空いている時間に勉強会をほぼ、個別で行い、午後からは各部隊の人達と会って現状の悩みを聞いてはまとめていき、夕方に開催される幹部会で話し合う内容であれば議題として話し合い解決していく。
会議が終わると次は夜の仕事として塔に登り、宰相や女将と現状の新着状況や兵士達の練度状況などを確認していく、あと2週間もすればブートキャンプも終わりを告げるので、こちらで更なる研鑽を積みたい人達と共に2週間後には此方の街に戻ってくるみたいで、宰相も壁の建設に目処が付き次第、王都に帰還せずにこちらに向かう手筈になっている。
宰相的にも王都でする業務はもうないみたいで、人類存続の為に出来ることをする、繋がれた意志を、渡された使命を果たす為に、愛する世界を守るためにこの街に来ると決意を固めていると熱く語っていた。
宰相の熱い思いを受け止めた後は、メイドちゃんと一緒に塔の天辺でご飯を食べて、寝泊まりする宣言からもう次の日にはもう解除された、長の子供が産まれるまで病棟で寝泊まりしようかと思っていたら、No2のお産のおかげで医療班全員がこれなら楽勝です!っと、豪気になっているので、陣痛が始まったらお呼びしますので、貴重な仮眠室を占拠しないでくださいと追い出されてしまった。
なので、塔の天辺で一緒に寝ると言うと嬉しそうに笑顔で受け入れてくれた、まさかねぇ?言ったその日に産まれるなんて思わないじゃない?それを経験したスタッフ全員が、貴重な経験を得たのもあって、次の番は誰が担当するのか終わらない会議が起きたくらいだもの。結果的に、その時間帯に登板でいる人が担当することってことで着地したんだよね。
寝るまでの間に始祖様の秘術を研究し会得できるやつは会得していく、何処かで必要になる可能性があるのであれば全て叩き込んでいく、選択肢は無いよりかある方が絶対に良い、この先に待ち受ける人類存続の最終決戦で知識不足で手詰まりになるなんてことは避けるべきだ。
その為、此方の本は私が他で作業している間にメイドちゃんが写してくれているみたいで、それを元に術式研究所や研究塔所属で手が空いている人達は読むようにしてもらっているのだけれど、そのチームは姫様からの勅命で生産しないといけないものが非常に多いので読む暇はないだろう。
そうなると、把握しきるのは私の仕事だよね、苦手だと思っていた術式だけれど、最近はそこまで苦手意識が無い、簡単とはいかないけれど、何とか理解できるって感じかなー。
毎日が忙しく過ぎていく、特に何かが起こっているわけでもないのに忙しかった。
そんな日々が一週間過ぎたころ、長も産気づき子供が産まれた。
長も、子供も、元気に問題なくお産が終わった、No2の時もそうだったけれど、子供が産まれて、新しい命を一目見ようと色んな部隊の人達が病棟に現れては赤ちゃんを見て涙を流す人もいれば、内から湧き上がる感情に全身が震えている人もいた。
決意を深く固めている人も数多くいた、敵が攻めてくる前に敵を攻めに行く前に、ベイビーブームがくるかもなって大先輩が冗談交じりで言っていたけれど、実現しそうな予感がする…だって、夜とかの公園で普段見ない組み合わせの人達が二人で寄り添っているの見たりするし、食堂でご飯を食べる人が気持ち減ってるから、各々用意して、仲良く食べてるんじゃないかって勘ぐっちゃう…
当然、大先輩も、その奥様も、No2と長の子供を見て大泣きして喜んでいた。我が子の様に、感涙し大先輩があんな笑顔をするなんて見たことが無かった。
No2の子供は黒髪で元気にすくすく育っている、抱っこした時に驚いたのが思った以上に重く感じたことかな
長の所の子供は金髪の女の子でどことなく長に似てるから長に似た綺麗な人に育っていくんだろうなっと、ほんの数分、会っただけで未来を夢見てしまう不思議な体験だった。
後、胸の辺りが凄くムズムズして、見てるだけで頬が緩んで、無いはずのお腹がきゅぅってなるような気がして、母性が溢れそうだった…
それと、一週間もすればNo2もジョギングしたりと運動をするようになったみたいで、早朝とか公園で走っている姿を見かけるようになった。
赤ちゃんの世話は、もう、皆で取り合いになるくらいしたがるので、No2が多少目を離しても問題は無いと思う、医療班のメンバー全員が手厚く見ていると思う。
病室を移動しているときに、偶々、うん、本当に偶然だったんだけど、ティーチャーと長が産まれてきた子供を見つめながら大粒の涙を流して支えあっている姿を視ちゃったものだから、次、声をより一層かけづらくなっちゃったなぁ…私も、ああやって家族になりたかったなぁ、引きずってないもん!!もう吹っ切れた!!!ちくしょぉ、吹っ切れたって思っても、やっぱりまだ、微妙に理想な姿を見てしまうと尾を引かれちゃうなぁ…
そうそう、メイドちゃんって、子供とか興味無さそうな人だと思っていたけれど、赤ちゃんを見てから心なしか、お腹をさすってはこっちを切なそうに見てくるの、その気持ちわかるよー!私もすっごく欲しいもん!!お互い相手がいないのは寂しいよねって、うんうんと肩を叩いて慰めたつもりなんだけど、どうしてだろうか。
釈然としない表情をしていた。
子供が産まれてから三日か、四日経ったかな?事前に、非戦闘員である街の人達全員に、王都で準備が終わり次第、大穴へと遠征することを伝えることにしたんだよね、だから、自分たちの人生を考えて行動してくださいって伝えたんだよ、ね、思っていた以上に皆この街が好きみたいで誰も離れようとせずに出来ることが無いか、暇を感じることもなく仕事を探してくれている、ありがたいことだよね。
あと、非戦闘員の人達も赤ちゃんを見てから、こう、なんていうか色づくというか、ね?カップルが増えてきた気が凄くする…
その状況を何気なく大先生に話すとさ、本能的に子孫を残そうとしているのかもしれないって、いっていたけれど、単純に子供の可愛さに目覚めただけじゃないですか?っていうとちげぇねぇっと嬉しそうにしていた。
夜の定時連絡で、宰相にも女将にも子供が無事産まれてすくすくと元気に育っていますよってちゃんと報告したらね、女将もその事をずっと気になっていたみたいで、子供が無事産まれたことを我が事のように受け止めてくれているみたいで凄く嬉しそうな声と同時にすすりなく声が聞こえてきた。
宰相にも報告するとみんな同じ反応で涙を流しながら喜んでいた
No2は色んな人に愛されているね、こんなにも周りに喜んでもらえるなんて彼女が命がけで歩んできた結果、様々な人と繋がり、共に歩んだ道が繋がっていってさ、その全てから愛されているんだよね。本当にすごい人だよね、ちょっとアレなところがあるけれど、そのアレな部分がまた身近に感じるのかな?高嶺の花って感じがしなくなるのかな?確かに黙っていれば美人だもんなぁ…溢れ出る色香よりも溢れ出るアレな人って感じだもんなぁ…
さぁ、そんなことを考えてると怒られちゃう怒られちゃう、仕事仕事っと…
それから、更に一か月たちお爺ちゃんに送る為の写真を撮影した
No2と長が子供を抱っこし、後ろには医療班が勢揃いした写真、それ以外にも、お爺ちゃんに教えを乞うていた人達の写真を添えて送ろうとするとベテランさんから封筒を渡された、一緒に送ってほしいと…どう考えても中身がいかがわしいものとしか思えないので、取り合えず、快く受け取り中身を検めると文だけだった?
人様の文を覗き見るのはしてはいけない行為なので、そっと中身を戻したときに、封筒に違和感を感じる!?
もう一度封筒をよく見ると巧妙に隠された内ポケットみたいなのがあって、そこに一枚の写真が入っていたので出してみると
色街のお姉さんが下着姿でウィンクしている写真が出てきて裏面に【遊びに来てね】っと、色街の住所が書かれているので、すっと抜き取り捨てようかとおもったが…
これは反省して欲しいのでみんなが映っている写真の封筒にいれておいた
これで、おばあちゃん連合もその写真を見るだろう、反省してね?
王都に向かう場所に封筒を渡してっと、これでよし!!そういえば、女将のブートキャンプも長引いてしまったみたいで、明日か明後日には帰ってくるんだよね?出迎えてあげないとな…
一か月も過ぎたのに、姫様が起きる気配は無い、封印術式も15日に一度くらい行っている、触媒は私の血液で…
No2も子育てをしながらずっと姫様の世話をしている、体を拭いたり関節を動かしてあげたりマッサージをしたりと…
今度、No2の体調が万全になったときに、姫様の脳細胞へと医療の手を伸ばすことが決まった…
脳細胞にアクセスする場合は非常に危険で記憶などが混濁されることになるので、姫様の記憶を少しでも知り、これは姫様の記憶と断定できるようになっておかないと意識が持っていかれる可能性が高いとNo2からご指摘を受けたので、今日の夜から、No2が知りうる限りの話をしてくれることになる…
デッドラインを超え、実家から戻ってきた後の話をしてくれるっと、実家にいた間の話はどうも、記憶が混濁しているのか、物忘れしちゃったのか詳しく思い出せないから話せないだって、まぁ、そういうこともあるよね、悲しい出来事の後はどうしてもね、記憶が飛んでしまうのは仕方が無いよ、心のストレスが耐え切れなくなるから…
一か月も猶予をくれた、あいつ等もきっと、最後の決戦に向けて確実に何かをしているはずだ…
出来れば先手を取りたいが功を焦ると全てを失う、万全とはいかなくても万全に近い状況に持っていく…
その為には姫様の意識はやっぱり必須だと私は感じている、呼び起こすのは人類の為?姫様の身を案じて?…
決まってるじゃない
姫様の身を案じてよ、私は彼女に何一つ恩を返しきれていない、貴女の生末を私は…共に歩みたい、最後まで。
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