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とある人物が歩んできた道 ~泥沼の中での一歩は遅い~

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財源の確保を試行錯誤していたら、思いのよらない物がたくさん売れてしまった。
先輩の奥様が趣味で絵を描くことが判明したので、みんなで童話でも出してみる?っと話題になり。
始祖様伝説の内容を少々アレンジして出したら、飛ぶように売れてしまった…

えー?これが売れるの?って驚いたよ、ほんっと、だってさー始祖様の武器を槍から剣に換えてみたり、純愛物語にしてみて、これは原作ブレイカーってみんなで笑いあって、
絵はすごく綺麗だけどさ、話が元ネタと別物すぎるから絶対に売れないって思っていたのに、飛ぶように売れてしまって思いがけないところでお金を得てしまった。

悔しいことに術式の本よりも売り上げが良くて、奥様がそっち方面で意欲的になってしまって、次回作を作る!って息巻いていたのを諫めるのにすごく大変だった。

財務の人が市場を冷静に分析して、
「王都では本そのものを買う文化が少ないから、こういった民衆の娯楽的な本が少なくて作る人も少ないから目新しさで売れたんじゃないの?」って、推測
じゃぁ、尚更、このブームを消さないためにも次を出そうよ!って奥様が乗り気だったけど、財務の人が冷静にバッサリ切ってくれました

「もう、始祖様をこするのは厳しいよ、あれが売れたせいで一部のある場所からちょっとお叱りみたいなのが発生したからね?次は、完全オリジナルになるけど、売れる自信ある?」
奥様もそれを聞いて冷静になる、絵は描けても文章は創れない!原作が無ければどうしようもない!!
でも、奥様の意欲を消すのはもったいないってことで、色んな専門書を奥様の絵を添えて出版するのはどうだろう?っという意見もあっていろんな本を作ることに。

童話の絵本が一番売れたけど、その次に出した本もそこそこ利益が出た、術式をわかりやすい奥様の絵で説明した初心者っていうよりも、子供達に教えるような本を出したら、そこそこ売れた。
後は、畜産の旦那が出している専門書。
これまた、奥様の力を借りて綺麗な絵をつけて、読みやすい本にしたら、これもまたそこそこ売れた。
他にも本を出したけれど、大きな利益は得れなかった。

頑張って美容専門の本を出したんだけど、売れたことは売れたけどニッチすぎる内容過ぎて購入者が少なかったのが敗因だと思う。
騎士様が作った武術指南書対獣編も売れたのは売れたけど…
一部隊で一冊くらいの売れ行きで赤字だった…
内容とかものすごく高評価なんだけど、何冊も要らない、まわし読めばいいかなって評価で騎士様が肩をがっくりと落として寂しそうにしてた。

あとは、先輩が出す医療の本ってのがあるんだけど、定期的に販売されてるみたいで、売れ行きもそこそこある、固定での購入者がいるみたい。
っていっても、これは新しい試みじゃなくて前々から先輩のお小遣い稼ぎで出してたやつなので、財源にしにくい…
お願いすれば出してくれると思うけれど、微々たる量なので、頼みにくい。
王都で散在しても尽きないくらい荒稼ぎしてるのであれば、お願いするけど~本当に、微々たる売り上げなので、頼みにくい、そこまで金がないのか!?ってなっちゃう。

売れそうな本って難しい…
童話が一番売れたのは予想外、この波に乗りたいけれど!話を作れる人がいないので、そのうち、何か面白い話が生まれたら創るって感じなのよね~。
化粧品とか作って売るのも考えたけれど、投資する金額と回収できる金額がプラスになるには、な~~~が~~っく、利益が出るのに時間が掛かりそうで、緊急的な財源確保には向いてないので断念。

後は、昔から頼りにしていた畜産から得られる金額を増やす考えもあったけれど、売り先が王都だけで、現状でも若干作物が余ってしまっているので、これ以上の売り上げは望めない。
運送しようにも王都以外に持っていく間に腐っちゃう…
日持ちするやつを育てたとしても運送コストと売り上げが釣り合わない…
売りに行けば行くほど赤字になっちゃうし、最前線の街で作られました!って、作物ってだけで売れ行きが悪そう。
王都では長い付き合いで信頼があるからこそ最低限売れているだけで、もっと欲しいなんて声がない…

闘うだけしか能のない僕はダメダメだぁっと膝を抱えて部屋の隅っこで転がってないで建設的な話をしましょうよ?騎士様。

まぁ、その姿を見れるだけでも私にとっては役得だけどねぇ、この姿を絵に残したいなぁ…


…絵だけで売れたりしない?


この閃きを財務の人に確認すると、王都でも当然絵描きとして、芸術関係で、活動している人がいるけれど、貴族の人に高く買ってもらうなどがないと生計が成り立たないので絵だけで売るのは厳しいっという意見が出たので、この話はなかったことに!

何か事業を始めてもいいけれど、長期的なのか短期的なのか計画的に考えて、尚且つ、市場を把握していないと、
いざ、事業を始めたとしても財源へと成長するころには、私、お祖母ちゃんになってるかもね、ハハっと笑いを誘ってみても反応しないくらい、落ち込んでいる騎士様…

もう、変なところで子供なんだよねぇ、まぁ、そこがまた可愛いなぁってにやけちゃう辺り私もダメダメなんだけど、
とりあえず、目標予算は、ぶっちゃけると確保できつつあるみたい。

そりゃ、これ以上あれば、あるに越したことはないけどね、一応、売れた絵本から得た利益についての使い道は、既に全員に説明してあるので、関ってくれた全員から許可も貰っています。
来る日に備えて武具を新調したりする方針でいいんだけど、出来れば、もう少し予算があれば術式の方にも回してほしい。

奥様がそっちに時間割いちゃったから、解析が一つも進んでないの…
あの人、マルチタスクが出来ない人でこれをする!って決めたらそれ以外できなかったの…
絵を描き始めたらもう、それ以外のことが集中できないみたいで、大変だった。

なので、術式について詳しい人材を増やしてほしいけれど、そういう人たちが好き好んでこの街に来るのかと言うと答えはNO
私が出向いて、研究すればいいんだけど~…

騎士様から離れたくないっていうか、騎士様がいるから!

私の全てにおいてブーストが補正がかかって動けてるだけであって、騎士様がいないのなら、たぶん、何もうまれないよ?研究なんて失敗続きで帰ってくる自信がある!!

騎士様に、戦士達の取り組みはいかがですかー?っと、会議室の隅っこで転がってる筋肉の塊に呼びかけてみると、これはさすがに、すねている場合じゃなくなったみたいで立ち上がって現状を伝えてくれる。

そろそろ、坊やを独り立ちさせるみたいで、最初は乙女ちゃんとのツーマンセルで動く予定で、ある程度上手いこといけるようになったら、部隊も任せる予定。
因みに、何時、行かせる予定なのか確認すると、次回の探索を予定、二人でとあるエリアの探索と可能であれば殲滅任務に出てもらう予定で、本人たちにも伝え済み。

戦士の方は思っていた以上に順調そう。

次に、補充される予定の戦士候補生は坊やに教育を頼む予定で、次回の探索で自信を持ってもらえれば話す予定っか…すごく計画的で順調そう。

いいなぁ、こっちも人材が欲しいけれど、術式は育てたらいいってわけにいかないのよね~。
素養がある人じゃないと厳しくて、そんな素養がある人がこの街を志望するとは思えないのよねって愚痴ばっかり言っていると
財務の人が「なら、術式のめちゃくちゃ難しくて難解な本を出しませんか?」っと提案してくれる、その意図は?

「この街では、術式について新機軸の新しいものを生み出そうとしている人物がいるとアピールするんですよ!」なるほど!確かに、それは、ナイスアイディアだわ。
そのアイディアを採用し、どうせなら敵から手に入れた戦利品である魔道具についての解析や分析内容を記載した本を出すことに、値段もターゲットをその手の人に絞るので数は少なめで高い値段で売ることに。

現時点で解析が終わった魔道具もあるみたいで、奥様を捕まえてそのデータを貰って出版する流れとなった。

術式班も次の指標が出来たので、今日の会議はこれにておしまい!
財務の人も普段であれば基本的に王都で仕事なんだけど、事情を上司に話したら、王子の件が落ち着くまではこちらでの仕事を優先していいことになったので、殆ど、この街で寝泊まりをしている。
馴れない生活と、重なるプレッシャーに、今までしたことのない商売の真似事もしているので財務の人が心底疲れているご様子だった。

騎士様も、日々の激務に、会議に、指導に、方針に、相当疲れているみたいで、弱音を絶対に見せない人でもこの会議室の中では全力で疲れや、弱音を見せてくれる。
財務の人がいなかったら確実に色仕掛けでも甘い仕草でも何でも使って、騎士様の心の拠り所になってしまえばもう、落とせるところまで自信が凄くある!

でも!今それをやってしまうと、たぶん、その場限りの気まずい関係になってしまうので、一夜だけでいいのならありなんだけど…
ん?既成事実作った方がいいのかもしれない、っていうか一発で孕めばなお良し!じゃないよ!そんな的確にその日に合わせて誘惑なんてできるわけないじゃん!!
それが叶っているのであれば前回、叶ってますー!!

疲れ果てた皆に、前と同じようにお湯を沸かして事前におばちゃん、もとい、お姉さんから強奪、もとい、用意してもらった焼き菓子を準備して紅茶を入れて皆で一息入れる。
紅茶を飲めば飲むほど、課題が脳裏をよぎってしまって、落ち着かない。
疲労を回復するための栄養剤とかそういうのも開発しないといけないし、あの丸薬の味も改良しないといけないんだよなぁ…

本当に一歩ずつ一歩ずつ、歩幅はすごく小さいけれど歩いている感じ。
このペースで間に合うのかという不安もすごくある。

騎士様の見立てでは、あと2年は耐えれると思いたいっていってたけど、いつ来るかわからない爆弾って言うのも辛い…
そういえば、騎士様のご実家って、今も仲はよろしいのか尋ねてみると「非常に関係は良好だよ」っと教えてくれる

そちらにも協力を仰げないか聞いてほしいと頼んでみると
「既に、頼んでるよ、王子が連れていきそうな騎士の練度と、個々の能力の向上を徹底的に叩き込んでほしいって」
聡明な騎士様が何もアクションを行い訳がないですよねー、さすがですぅ…

全員、その後は何も言葉を話さず紅茶を飲みながら焼き菓子を堪能した後、解散となった。


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