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おまけ ベテランさんのちょっとした過去話

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一仕事終えたのであるが、何時ものルーティーンの様に、色街に走り出したいのは山々であるが…

出頭命令が届いたのである、何処からだと思う?決まっているであろう、実家からである。赤紙が届いたのであるぅぅう、中身は、たったの一言だけ

「帰ってこい話がある」

はわ、はわわ、はわわわ、心当たりが色々とあり過ぎて戦々恐々であるぅぅぅ、嫁に会いたくないであるぅぅぅ、姫様のせいで道が舗装されちゃったから移動用の便利な物まで作っちゃったからお手軽に手紙もくるし、短文で帰ってこいって気軽に呼びつけるのであるぅうぅぅぅぅ…

まぁ、そのおかげで!色街に!手軽にいけるのが!!さいっこうなんですけどね!!!でへへ


…おかげ様で、そっちで欲求を満たしまくっているので、ここ最近はうっかり、戦乙女に手を出してはいないであるぞ?・・・・セクハラはしてるであるがな!!

っというわけで、腹ごしらえしてから実家に帰るのが今の予定である、実家方面の街に向かう夜行バスがあるので、それまでの間、特に予定もなく暇なのである。
まぁ、そんな時は先輩であり姉弟子である女将のお店でぐだぐだと管を巻くのも宜しい!

扉を開けると直ぐにカウンターがある、女将は暇そうに欠伸をしながら新聞を読んでいる。

扉を開けて客が入ってきたのであるから愛想を振りまくのが接客と言いうものでなかろうか?いや!女将の甘い接客なんてダレトクであるか!?誰も得しない!
…なら、このままでよいであるな。うん、一瞬想像してしまって、下のがやめろ、萎えるっと言われたのである

「おかみー今日のおすすめは、なにであるかー?」
ドカっと椅子に座ると「ぁぁん?まだ早くないかー?うちの営業はあと1時間は先だよ」
…いわれてみればそうであるな、まだお日様も落ち切っていないのである。

はぁっと溜息をつきながら読んでいた新聞をばさっとその場に置き、椅子から立ち上がる女将、何だかんだと言いながら甘いのが女将の良い所であるな。

「ったく!しょうがないねぇ!日替わりでいいかい?」日替わりという名の具が毎日違うから日替わりっというシチューといつものブーメランの香辛料焼きであるな。
「後、おすすめの酒があれば欲しいのである」
さけ?っというワードに反応するのであるアル中め…知っているのであるぞ、若かりし頃のようにお酒を飲み過ぎて医者から注意され、旦那からお酒は控えるように!偶になら許す!っと言われていることを。

「ったく良いご身分だねぇ!お日様があるうちからお酒なんてさぁ!」テーブルにドドンっとキンキンに冷えたビールが置かれる
…なぜ、大ジョッキが2杯も?…吾輩も、流石に駆けつけ一杯って感じで一気飲みなんてしないであるぞ?…まさか…

すぐさま、シチューが出てくる、肉は焼いてる最中で、後から出すとのこと、まぁ先に一杯飲むのも良いかとジョッキを一つ手に取ると女将もジョッキを手に取る…
ニカっと笑って「今日も生きれたことに感謝だ!」何時もの掛け声に咄嗟に体が反応し、一緒にジョッキを天に掲げた後ぐいーっと一気に飲み干す

…っは!?ついうっかり若い頃の様に一気飲みなんてしてしまったのである!?吾輩だって年齢を考えないといけない年齢なのであるぞ!?

っというか先ほどの掛け声も反則であるぞ!師匠がいつも吾輩達と任務が終わった後の飲みにいき、最初にいう掛け声ではないか!染みついた習慣で反応してしまうのである!!

「っかはぁ!さいっこうだぁねぇ!!姫様のおかげで冷蔵庫だっけか?適度な温度で冷やす道具を作ってくれたおかげでいつでも、めたくそ美味い脳に響くくらいキンキンに冷えてるさいっこうのビールが飲めるってもんさ!!!」

くぅぅぅっと堪能しているところ悪いのであるが飲んでの良いのか?今日の営業は、どうする気であるか?
「ん?ぁぁ…今日はあたしも呑む!」ふんっと空っぽになった大ジョッキをテーブルに置くが、どうするつもりだ?

「お酒が入っているのに仕事が出来るのですか?先輩」異議申し立てはついつい、昔の癖で敬語が出てしまう

「大丈夫さ!何せ便利な道具を姫様がこさえてくれてね!」にぃっと不敵な笑みで笑ってカウンターから道具?みたいな物を取り出したのである。

見たことが無いのであるが、構造的にベルが付いているので、音が鳴るのは分かるのであるが?
「これはねぇ、原理は説明してもらったけどチンプンカンプンだったねぇ、でも使い方は至ってシンプルさ、これを鳴らすともう一つの同じような道具も同じように音が鳴るのさ!」
チーンっと指で弾いて音を鳴らす。

「そう、そして!片方をうちの娘に渡していてね、お店に出て欲しい時に鳴らすと、応援に来てくれるようになっているのさ!」
姫様はやりようによっては通信に革命をもたらすような道具を女将にさらっとあげるなんて!?ううむ、姫様は私利私欲で動くのであるからなぁ、吾輩の勝手な予測であるが

姫様が女将と飲みたいけれど!女将は仕事があるから飲めない!



娘が応援に来てくれたら飲めるけどねぇ・・・



なら!よんじゃおうよ!



娘は、旦那のところだから呼びに行くのも時間がかかるさぁねぇ、その間、店はどうするんだい?



なら!ここに居ながら呼べるようにすればいいんだね!任せて!

っといった流れなのが簡単に予測できてしまうのである。

女将が鳴らしていないのにチーンとベルがなる
「ほらね?鳴っただろう?娘の都合が良い時は一回だけ鳴らす事、そんな風に、娘と相談して決めてるのさ」すっとカウンターに道具をしまう。
それ一つで屋敷が立ちそうなくらい非常に有効活用出来そうな魔道具であるなぁ…

「まったく、アンタも、姫様も、団長もさ、みんな忙しそうで滅多に飲みに来ないんだからたまにはいいだろ?」
豪快にニカっと笑う、その笑顔で戦場で窮していたみんながどれくらい励まされたか、貴女が居るだけで戦場の士気が、安心感から高揚する我らの姫みたいなもんで、だけど、姫なんて呼び名がね、姿形が言葉の意味と似合わないので、物を粉々にする粉砕機っという道具と姫をかけて剛腕の粉砕姫(ふんさいき)っと渾名が付いたのである。

「そうであるな、たまには良いか・・・」
亡き師匠に心の底で祈りを捧げ、二人だけの飲み会が始まる。

お酒も進み、昔話に花が咲き始める

「まさかねーあんたがあの、戦姫と結ばれるなんて誰も予想してなかったねー!」
いつも、二人だけで飲むとこの話題に行きつくのである、吾輩の恥部…もしかしなくても、姫様や、団長に話してないよね!?さらっと話してそうである。

「吾輩もである、戦士達の高値の花であり、見るだけで心が潤いに満たされる麗しきご令嬢であり、刺突剣を持たせれば戦場一!吾輩でも勝てないであるからな」

吾輩のお嫁さんはそれはもう器量よしの高値の花であった、実際に吾輩と違って高貴な生まれであるし、貴族と結婚も決まってるという噂があるくらいの吾輩の様な学の無い品の無い、どうしようもない下民なんかが声をかけるのを躊躇うくらいのとびっきりであるからな。


ぇ?どうして結婚に至ったのであるかって?・・・・やっちまったからさ、出来ちゃった婚・・・・ぁ!ちゃんと同意、どうい?あるから!強引にじゃないよ!
簡単な経緯は、一人前としての試験というか、師匠からの課題で、二人で魔物を殲滅する課題の最中に、熊タイプの強敵と出会ってしまって、出会ったからには倒さないといけない、何故なら熊タイプは執念深く逃げれない。
足も速ければ、体力も化物、挙句の果てには、匂いを辿っての追跡までしてくるのである。

故に、出会ったが最後、戦うしか選択肢がない、本当に死ぬかと思うくらいの激闘であった。

吾輩と妻である戦姫は、お互いの死を覚悟して戦っていた、元々、三人でよく師匠にしごかれていたので、模擬戦とか色々としてきたので、手の内は理解しているし連携も何度も何度も行い、視線を潜り抜けてきた。

だけど、今回はいつもなら師匠が居て女将が居て、他にも隊員がいた、このように二人だけで会敵するなんて死ぬ未来しかなかった。

それでも、二人で協力して倒せるはずの無い、格上を奇跡的に、運よく倒すことが出来たのである。

その、余りにもな、その、お互いの心の高ぶりがその、高まり過ぎて、興奮が冷めなくて、お互い抑えることが出来なくてね、そのね?高ぶる雄と雌が二人っきりになるとね、

その・・・やっちゃた・・・・できちゃった・・・・

でも、後々分かったのであるがお互い、その時の感情については後悔などは一切してないのである。
今も吾輩は愛しているのである、故に、吾輩も弱くなったものである、守らなければいけないものが増えすぎて、敵に対して、受ける方ばかりになってしまったものである。

「確かにねー、あたしだって、本気でやりあったら勝てる気がしないさぁねぇ、まず攻撃が当たる気がしない」
そう、吾輩の嫁は動きがとても速く、その速さは天下一、師匠も舌を巻く程である、獣というよりも人と戦う事に重きを置いた剣術故に、獣に特化した吾輩達では相手にはならなかったのである。

「あの洗練された動きは皆が憧れたものであるからなー」吾輩がそうつぶやくと
「美貌もふくめてだろー男ってのは単純でいけねぇーなーここにもとびっきりの別嬪がいるってのにな!ガァッハッハッハ」山にしか見えない力こぶを魅せられながら言われても

「っは」っと鼻で笑ったら拳が脳天に直撃する。手がはやいんだよこの人は!

二人で談笑しているといつの間にか娘さんが来ていて、気が付くと店の中も人が増えてきて娘さん一人で切り盛りできているのかと目線で追うが、特に問題はなさそうだった。
女将も酒が入っていてもこの程度で足元が覚束なることなんてなく、意識もしっかりしているので普通に飲みながら働いている、なんか手慣れてない?実は、陰で飲んでない?っという疑惑が過ってしまうのである。

夜行バスが来たら連絡貰えるように、さっきまで飲み食いを別テーブルでしていた後輩に伝えてあるので、バスが来るまでここでゆったりと過ごそうと思っていたら。
扉が開いたら、珍しい人がはいってくるではないか、こちらに気が付いたみたいで微笑んでくれながら隣の席に座る。

「珍しいじゃないの、ベテランさんがここでお酒飲んでるなんてね、いいのー?いいとこいかなくてー?」人をからかうときの様にニヘェっと悪い笑顔をしながら、左指をある形にする、その手の形はやめい!TPOを弁えたまえ!相変わらず、しゃべると残念なご令嬢であるな、だから貰い手がいないのであるっと言うと女将から拳を貰うので言えないのである。

「あらぁ!団長じゃないか!ってちがったちがった、ついつい、もう譲ったんだっけね、なんて呼べばいいのかねぇ?」
女将が料理を運んだついでに自分のジョッキになみなみとビールをついで戻ってくる。

「別に、何でもいいわよ、副団長でも、No2でも、お局様でもね~行き遅れは殺すわよー?」
なぜ、最後のフレーズだけこっちに睨みを聞かせて目線を合わせて言うのであるか?怖いからやめてほしいのである。
それに、団長の座を譲ってからもう…1年は過ぎたであるかな?年を取ると時間の感覚が狂ってくるので、一年なんてついこの間の様な感覚になってしまうのである。

医療班の元トップであり、今は副団長、No2もこの店にくるのであるな、珍しそうに見ていると
「もしかして年上もOKなの?おばさんにも手を出そうとしてるのー?」ジト目でこちらを見てくる、年上といっても吾輩よりも5年ほどしか変わらないのである。
寧ろ、吾輩が若かりし頃の憧れの人でもあったのである、見た目だけは…しゃべるとこの人は、ほんっと…残念な美人さんである。

「っふ」っと鼻で笑ったら拳を女将から頂くのである、痛いのである

No2はシチューと干し肉等のつまみを頼んで、お酒はワインを頼んでいた、相変わらず、気品がある方だ。しゃべらなければ…

三人でお酒を飲みながら談笑する、昔あった出来事や、ぶっ飛んだ思想の姫様の話や、気丈に振舞っているけれどちょいちょい抜けていて意外と天然な団長の話などに花を咲かていると、ふとNo2が女将のカウンターの上に飾られている肖像画を見て呟く。

「こうやってさ、三人そろうと昔を思い出すね」

そう、No2の思い人である、現医療班の団長である人のお父さん…我らが師匠…今ではもう遠き存在になってしまった人…
どうしても女将が営んでいる酒場には、師匠の私物も大量に置いてあったりするので、思い人を否が応でも思い出してしまう。

そこに飾ってある全身甲冑も師匠が使っていたもの、壁に飾ってある業物の殆どが師匠が愛用していた武具の数々。

この店に飾ってある殆どの武具が師匠の愛用品だ、絶対に師匠の事を思い出してしまうから、ここには、No2は来ないのだと思っていた。

女将は得意武器が、ウォーアックスでぶっちゃけるとそれ系統以外は、てんで扱えない、女将の事を知っていて、尚且つ師匠の事を知らない人からすると、どうして武具をこんなにも大事そうに飾っているのだろうと不思議に思うだろう。

女将にとっても師匠という存在はとても大きな存在となっている。

なぜ、女将の酒場に形見である武具が置いてあるのかというと、ご実家でそれを扱える人が居ないので手入れとかするの大変なのでそちらで有効活用してくださいっと言われたので女将が全部引き取ったのである、師匠の武具の手入れは師匠の弟子たちが担当していたので慣れたものである。

肖像画も、引き取りを断られたのである、ご実家の方に師匠は嫌われているのかと思ったら、似てないからいらないっと断られたのである
勇ましくて悠々としていて壮大な感じが素晴らしいと思うのであるが、確かにご家族の家に飾るとなるとあまりにも無骨すぎるのであるな、吾輩も習って勇ましい肖像画などを実家に送ろうとしたときに女将に止めてもらって正解だったのである。


No2が師匠に想いを馳せていたなんて、当時のメンバー全員が気が付いているし勿論、師匠も気が付いていた。
師匠は、この時代には珍しく一途な人で、奥様とお子さんが大事で大事でそれ以外を欲しなかった。

師匠のご実家は、武家で尚且つ、由緒ある家系で、王家直属の騎士、その中でも筆頭騎士と言われるほどの家系だ。
幼き頃からありとあらゆる武具の扱いを教育されていたので、弓だろうと斧だろうと槍だろうと両手剣だろうと並大抵以上に扱える。

成長した師匠も、本来であれば、実家を継ぐ予定であったのだが、


ある日ある場所で恋をした


その恋が抑えきれなくなり恋とか愛をずっとその人に語っていた、明くる日も、どんな時も、いつもその人に愛を語りに出てきた、それに見かねてなのか、その人が師匠にある条件を出したのである、その出した条件が

「私嫉妬深いから、私以外の人と結婚できるような立場の人と一緒になんていれないわ」

そうこの大陸の殆どが一夫多妻制である、貴族や立場の高い人は養う事が容易であるのと世継ぎが絶対的に必要で、世継ぎも数多くあれば、もしもに備えることが出来るので、貴族や王族などの位が高い者たちは一族発展のために、側室などを多く持っていることが多い。

まぁ、平民のものであれば、複数の女性や子供達を養う事なんて難しいので基本的に側室なんて不可能である。

つまり

貴族という立場から降りる覚悟があるのなら話を聞こう、無いのであれば消えろっという意味である。

師匠は、自分の立場を理解していて、平民である女性が貴族の申し出をそんな風にあしらって貴族を追い出した気高さにより一層ご熱心になってしまって、家に「勘当してくれ!」って帰ったその日に懇願し、家と名を捨て惚れた女性の前で「家が無いので泊めてくれ!」っと土下座したそうだ。

そこまでして、想ってくれるのなら、それはもう、私の見た目じゃなくて、心から恋をして愛しているのだと女性は理解してくれて、結婚することが出来たんだとよく、お酒の席で語ってくれた。

師匠は、戦うしか能が無いので、金を稼ぐにはココが大陸中一番稼げる!ってことで、子供が出来たので出稼ぎにやってきた、立場も貴族を捨て、一傭兵っという立場で。

それでも、周りはもう気を使い倒したと思う、だって、持ってきた武具が、鎧も含めてガッツリ王家の紋章が入ってる王家ご用達の一級品だもの。

勘当してもらったが、装備は俺専用に調整されているから他の奴が扱いにくい!引き取りても王家の紋章付きなんて厄介事が待ってるから引き取りたくなんてないだろうから、当然持ってきた!っと豪快に笑っていたけれど、女将の酒場に飾ってある武具を見回す、これ全部、当時の価格で売ると、軽く王都の一等地に庭付き一戸建てを建てれるほどの価格になるだろうに。

王家の紋章付きだから売れないわけなんて無い、商家とか富豪であれば、箔が付くので喉から手が欲しい逸品である。

世間知らずといいますか、何というか、武具全部売ってしまって、奥様とお子さんと一緒にのんびりと服屋を営めば良かったのに。

師匠は変わっている人だった、誰にでも気さくで優しくて、凄く面倒見が良くて、平民だとか貴族だとか全く気にしない人だった、心の器が大物過ぎてかっこよくて男の中の漢であった。
平民出の俺にも気さくに接してくれて、王家の技だろうかなんだろうが、生きる為にお前には必要だろうって感じで俺の事を心配してくれて秘匿するべき技も教えてくれて、心の底から全てに置いて師匠だった。俺の、おれの、ししょうだった、、、憧れだった、、、


ふぅ、語りたいことはやまほどあるのであるが、今宵はここまで!何故なら先ほど吾輩の実家がある街まで行く夜行バスがもうすぐ出発するそうである。
はぁ、平民出のしがない凡骨が貴族の家に婿入りすると肩身が狭いのであるぅ…吾輩、人一倍稼いでいるのであるぞぉ?少しは、その、ね、多めにみて、あぁ、折檻されるのは嫌なのであるぅ…

あの細身の剣の切っ先で刻まれるのは嫌なのであるぅ、回復の術式を起動して回復したらまた刻むあの拷問はもう嫌なのであるぅ、お酒でなんとか乗り切ろうと思ったのであるが、怖い物は怖いのであるぅぅぅ

その光景を見た娘が憐憫の眼差しで見るのがもう、パーパの威厳何て粉微塵に刻まれてしまうのであるぅぅぅぅ…くそう、夜ではあんなに愛し合って大人しくて可愛いのに!!ちくしょう!!貴族になったんだから、裕福なんだからさ!ちょっとくらいお目こぼしちょうだいよ!!!



「ではな、女将、吾輩行ってくるのである」戦場に赴くような漢の顔つきで店を出ると、女将とNo2がその表情から察したのか何も言わず見送ってくれた。


「・・・あいつ、生きて帰ってこれるのか?」


先輩聞こえてますよ・・・・それは、吾輩が一番知りたいのであるぅぅぅぅぅぅ・・・・色街のお嬢たちよ、吾輩。。。もう会えぬかもしれぬ(血の涙を流しながら)


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