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幕間 祝勝会
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鏡に映し出された姿はどう見ても
女性だった
下のアレはついているけれど
胸がお尻が…一段階はアップしている!?
どういう事!?っと姫様の方へ向くと
「へっへー!ちょっと盛った!」ちょっとってレベルじゃなくない?
得意げに鼻を上に向けている、更衣室にいた他の女性たちがキャーキャーっとすごーいっと黄色い歓声をあげながらマジマジっと私の胸をお尻を見ている。
こんな自然にバストアップできるなんて、お尻の形も凄く綺麗、美しいですわぁ、皮膚もプルプルっで瑞々しくていいですわねぇ~っと言いながら、ちょっと失礼っと一言いうと、胸やお尻を触わってくる。
うっそ!これすごーい!やだぁ、触っても何か詰め物をしたような感じがしないー凄くナチュラルに本物としか思えないですわー、お尻も同じですわよー
ぁ、あの、揉みしだかないでいただけます?ちょっと恥ずかしいよぉ…
開放された後は、もう、姫様に質問の槍が怒涛の嵐の様に降り注ぐ。
姫が、美意識がめちゃくちゃ高いご令嬢の質問に一つ一つ丁寧に答えている間
私はずっと鏡の前の自分に見惚れてしまっていた。
だって、鏡の中にいる自分が、幼い頃から、ずっと憧れていた女性像そのものだったから。見惚れないという選択肢が無いの。
夢描いていた本当の自分のイメージ通りだったから、今まで見ていた男の体が実は悪い夢で、
いつもなら瞼を閉じた時にだけ見ることが出来た幻の姿が実は本当の姿だったんじゃないかというくらい自然体だった、その姿を見れば見る程、感情が、奥底に押し込めていた感情が自然と涙となって溢れ出てくる
今までの偽りだった自分の姿ではなく、心の中に鮮明に宿るイメージと今見えている姿イコールとなって繋がる、何度、見返しても、すっと心に染みてきてしっくりとくる、今まで、嫌いだった姿だったのが、一気に親近感がわき、今まで感じたことが無いほどの愛おしさを感じれる。
幼い頃から抱えていた劣等感や、馴染めない心、過去にあった失恋の感情が溢れてきて、大波となって全身から発露する
自然とその場に泣き崩れ、いい大人になったにも関わらず大粒の涙を流して嗚咽を漏らしてしまった、その場にいる女性全員が集まってくれて、醜かった私を抱きしめてくれる。
よかったねと、やっと正直になれるんだよ、おめでとうっと、みんながいろんな言葉を投げかけてくれる、それがまた嬉しくて涙がより一層溢れてしまい、どうやってもとめることができなかった。
一緒に抱きしめてくれたみんなも私につられてなのか、皆泣いていた、メイドちゃんも姫様も一緒に涙を流していた。
ぁぁ、なんだ、私の心と体の事ってみんなにバレバレだったんだ、ばれないように隠してたつもりだったんだけどなぁ…
だってさ?体は男なのに、心は女性だなんてさ、気持ち悪いと思わない?可笑しいと思わない?皆はそんな事無く、ありのままで受け入れてくれていたんだ。
知らなかった、気が付かなかったなぁ、認めてくれたのも、嬉しくて、うれしくて、私もみんなと一緒に女性として生きてもいいんだよって伝わってきて、
うれしくてうれしくてなみだがかんじょうがとまらないよぉ
この場にいる、全員の感情が落ち着いた頃に、ゆっくりと少しずつ、優しい笑顔で離れていく
私も、この部屋から出る為に、服を着ようとしたけれど、辺りを見渡すが、服が無い…
思い返す術前の記憶、そういえば、全部洗濯籠に…
さぁっと血の気が引くのが解る、自室にいかないと服がない?…
ちらっと姫を見ると「・・・・」早く着替えなよっという顔でこっちを見ている…
助けを乞うべきか?それとも術着で私室まで戻るか?…
ぇ、なにこの自分が女性だよって自覚できるレベルの体になった瞬間に降り注ぐ強制イベント。
こんな裸同然の服で、自室にまで取りに行くイベント?姫様に頼ったらどうなのって?
・・・・どんな服を持ってくるのか想像が出来る!!選択肢が無い事をいいことに!とんでもねぇのを持ってくるよ!わかる!姫ならやる!!
っぐぅ、ぅぅぅぅ…せめて下着!肌着だけでも欲しい!!それさえあれば、術着でもそこまで気にならない!!術着の下が裸ってのが一番困るぅ!!
だってぇ、その、お胸のぽっちがより一層、そのぉ、強調されちゃってるんですぅ…こ、これは恥ずかしい…世の女性が気を付けている理由がわかったよぉ…
胸辺りを気にしている様子をみてピーンと姫がきたの
「ぁ!そっかショーツ!忘れてた!普段してないからないよね!えっとね、サイズちょっと合わないかもしれないけどこれつかって」
ぱっとメイドちゃんから袋を渡される姫、それをすかさず、私に渡される袋…用意していただとぉ!?
「ぁ、ありがとう」
その用意周到さに驚きがあるけれど、嫌な予感もする。。。
際どい下着じゃないよね?っという不安が顔に出ているのがばれたのかニマニマと邪悪な笑みを浮かべている。
恐る恐る袋の中を見てみると、可愛い見た目だった、色は白色と水色かな?水色のラインが入った小さなフリルが付いてて、真ん中に青いリボンがあるゆるふわなショーツだった。
憧れていた女の子女の子している下着にちょっと感極まりそうだった、奥にもう一枚入ってて、出してみると同じデザインのパンティーが入っていた、上下お揃いのデザイン、なんて、なんて!最高すぎるぅ!
こんな可愛いの着ちゃっていいのかな?ってそわそわしていると「いいんだよ」っと笑顔で応えてくれる。
下着を履いて、鏡の前に立つと、鏡には可愛い下着を着た女性が立っていた、その姿を見て、また泣きそうになる。
「ほらほら、感極まってばかりいないで、他にもイベントが待ってるんだから早く服着なって」
ほれほれっと手をパンパンっと叩いてせかされるので、意を決して術着を着ると直ぐに姫は服が無いと察したようで深く追求せずに
「いこっか」
にっこりと腕を組んで歩き始める、まって!服取りに部屋にいきたいんだけど!
「だーめ!みんな待ってるんだからね?」
っぐ、私の言いたいことが言わなくても伝わっているのがわかる!…ん?みんながまっている・・・だと?・・・・
まだまだ、麻酔の影響で足に完全に力が入らない私にとって、姫の力には負けてしまう。
抵抗も空しくみんがいると思われる場所に連れていかれる、この状況で助けてくれる誰かは!?唯一部屋に残っている女性はメイドちゃんだけ…
にっこりとした笑顔の後、姫様は右に、メイドちゃんは左と、両サイドから腕を組まれて完全に抵抗することが不可能だと悟ってしまった・・・・
っていうか、貰ったショーツぴったりなんだけど…あれ?サイズが合わないかもって言ってなかったっけ?・・・・もしかしなくても・・・計画通りなのか?・・・・
この先起きる出来事、全てが、姫の手のひらの上なんじゃないかとたまに思うときがあるけれど、今回もなの?
まだ何か大きな逃げれないイベントが待ってる可能性がたかいってこと!?
かぽっとメイドちゃんに、かつらをかぶせられる、手鏡で確認させられる…火傷を負う前と同じ髪型で毛質も色もそっくりなウィッグだ…用意周到じゃない?これじゃ、何処からどう見ても私ってわかるよね?…別人です作戦は通用しない…過去にやった、よその国の淑女ですという言い訳はできない!!
どうやって逃げようかと、どうやって誤魔化そうかと、どうやって別人のふりをすればいいいのか、考えていると、そのままずるずると連れていかれる、
何も策が思い浮かばないので、抵抗する気も、もう起きない…なる様になれっだ!!
病棟から外へと通じるドアを開けると大きな声が街全土に響き渡るかのごとき、お腹の底まで届くくらいの音量だった。
「おかえりなさーーーーーい!!」
ドアの外には医療班だけじゃなく、騎士の人達、戦士の人達とみんなが揃って出迎えてくれた。
主要メンバーが勢ぞろいしている状況を見て姫様が大きな声で
「ただいまー!みんなの団長が完全復活したよーーーー!!」
両手を上げてイェェェェェェイイイっと声を上げると、目の前にいるみんなも同じようにイエエエエエエエエイっと叫んでジャンプした。
その声は天高く轟き、大地が震える程であったっていうか、皆で一斉にジャンプすればそりゃ大地も震えるよね!?
全員が地面に着地した後に姫が音声を拡大+広域に広がる術式を使って空に向かって叫んだ。
「それじゃお待ちかねのーーーー!!!祝勝会の始まりだぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!」
その声にさらにみんながウオオオオオオオオオオオオオっと雄たけびを上げている
私もつい、その反応につられて、両手を上げてウオオオオオオっと叫びながら大きく体をを弓なりにそってジャンプする
その姿を見てメイドちゃんが慌てて、こっちに走ってくる?どうし・・た・・ぁ・・・あ”!?
術着は開けやすい、着地と同時に、はらりと紐がほどけ、術着が床に落ちる…それすなわち、私の服装は下着のみとなる…
大勢の目の前で、私は下着姿のみの姿をさらしてしまう、お風呂場とかで、裸のみで服を着ないでウロウロしてたりしていたから、別に今更、裸何て見られてもなんてことないと思っていた…
けれど、女性の体に近づいたからこそわかってしまった、
目の前にいる男たちの目尻が下がり、鼻の下が伸び、目線の先が私の胸に集中しているのがわかる・・・・全員から執拗に見られているとわかった瞬間、顔が真っ赤に染まり、顔が炎で焼かれているのかと錯覚するくらい熱くなる。
「ひぃ、きゃぁぁぁぁぁぁっぁぁ!!???」
自然と、甲高い声で乙女の様に叫びながら、両の腕を胸を隠す様に前にし、足を内に閉じ、誰にも見せまいとしゃがみ込む。
慌ててメイドちゃんが布をかけてくれたけど、心臓がバックバックっと自分のものとは思えないくらい激しく鼓動しているし、顔から火が出そうなくらい熱い!!は、恥ずかしい!!!これが、羞恥心なの!?男の人ってみんなあんな感じで女の人を見ていたの!?女の人はどうやってあの視線に耐えられるの!?
その眩しき姿を見た野郎どもが歓喜の雄たけびをあげる、先ほどの祝勝会の開始の合図よりも、大きく更に!もっともっと大きな声で雄叫び上げ続けている。
「これを見たみんなはどうおもうーーー!?」
姫が間髪入れず拡声音波で叫ぶ、それに呼応して野郎どもが叫び返す
「最高でーーーーーーーーす!!!」
現場は更にヒートアップしていく
「団長はーーーーー!?」姫が叫ぶ
「可愛い!!!」野郎共も一緒に叫ぶ
「性別はーー!!」姫が叫ぶ
「誰よりも女の子ーーーーー!!!」野郎どもの喉が裂ける様な雄叫びが響き渡る
「「Yeeeeeeeyahhaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa」」姫と野獣どもが叫びあっている、これ、なんの儀式なのかな!?かな!?
こ、こんなわからせかたは、な、ないんじゃないのぉ!?恥ずかしさで死にそうだよぉ…
現場の熱に困惑していると、医療班の女性陣が慌てて隊服をもって駆けつけてきてくれたので一旦、病棟の中に入って着替えさせてもらった
集まった隊員の話を聞くと、ずっと、ずっと長い間、私がカミングアウトしてくれるのを全ての部隊の人達が見守っていたそうで、今回の流れの何処かで、わからせてやる!って姫様が仰っていたの。
たぶん、姫様もこんな形でカミングアウトさせるつもりは無かったと思いたいけれど、何処までが姫様のご計画の内なのかは私達では計り知れないから、何とも言えないけど、こんな辱しめを受けさせたいとは思ってないと思いますからね?っと、こんな事態になったとしても、皆は姫の事を信頼しているので、必死に、姫様をフォローしている。
うん、わかってるよ。みなまで言うないうな。私だってわかっています。悪気が無い事くらい。
姫様が、こんな女性の尊厳を守らないようなことしないから、たぶんアクシデントに便乗したんだと思う。
迂闊に場の空気に流されて、はだけやすい術着で、派手な動きしちゃった私にも非がある。
けれど!後で姫様のお尻を軽く抓っておく、それくらいはさせてね!
姫のお尻ちぎっちゃだめよ?っといつの間にかNo2も起きてきたのか冗談を言っていた。
あの騒ぎだもんね、起きない方がおかしいよね。
皆に持ってきてもらった隊服を着て、違和感を感じる。
…ねぇ、隊服って結構ゆったりとした服装だよね?
…なんか窮屈に感じるけど、サイズって…Mサイズ?いつもと変わらない?
………っということは、ゆったりとした服でもちょっと窮屈に感じる=普段着は、体のラインが出るピッチリとしたタイトな服が多い…つまり、今の私の体型だと…はいらない?…
ぇ?お気に入りの服…着れなくなる可能性が浮上してきてない?…ま、まさか…ね?…
ずれたウィッグを戻して、先に待ち受ける不安を考えないようにして祝勝会へとみんなで移動することに。
さて、団長が病棟で着替えている間に、祝勝会を開始しよう。
こっちだよーっと、病棟前に集まった全員を祝勝会の会場へと誘導していく。
祝勝会場には、色んな料理を色んな料理人たちに準備してもらっている、各々が好きな様に好きなものを選んで食べる。ビュッフェスタイルとなっている。
お酒も相当な種類を用意してもらっているので、お酒好きでも納得の選りすぐりのラインナップにしてもらってます。
祝勝会の開始も宣言して私はのんびりと椅子に座って、皆が楽しそうにしているのを眺める。うむ、これはこれで有意義かな。
こんな大きな規模の祝勝会の費用は誰が持つのかって?
今回は私の私財から出す予定だよ。まっかせて!
結構な値段になるけど大丈夫かって?別に何日でも開催できるくらい余裕がありましてよ!私の私財の量から見て、全くもって痛くない、寧ろドンドン使って経済を回したいくらいさ!
それにさ、悲しい出来事の後はさ、少しでも明るい話題が欲しいじゃないの。
暗いままでさ、死者に想いが気持ちが引っ張られ過ぎるのは良くない、死は死を呼ぶ。
その為に、明るい話題として団長の帰還+さらに綺麗になって帰ってきたよー!って話題を提供しようとしたんだけど…あんなアクシデントになるとは思ってなかった!
後ついでに、可能であれば、団長がみんなに、カミングアウトさせようとは思っていたけれど、肌見せであそこまで盛り上がるとは思ってもいなかったから、つい、便乗して誘導しちゃった!てへぺろぃ☆彡
先の光景や流れを思い出す、うん…怒りが収まるまで団長に近寄らないでいるのが賢明ね、確実に手が飛んでくるのは予想できる、お尻がまた真っ赤になっちゃう…
お尻が真っ赤になるのはいやだけど!!それ以上の恥ずかしさを味わった団長の女性としての顔を拝めるチャンスでもあるので!私は、団長に叩かれても一向に構わない!しっかりと責任をとるさ!ふひひ
のんびりと椅子に座っていると、色んな野郎どもが私にお礼を述べに来る。
、
団長をみんなが憧れている一人の麗しきご令嬢だと、自覚させていただきありがとうございます!だの
最高の青春の一枚をありがとうございます、先の光景を一生の思い出としてメモリーさせていただきます!だの、だが、その記憶は消せ今すぐ
あちらで、カメラで隠し撮りしてたやつがいたけど、とっちめておきましたよ!だの、
それはよくやった褒めて遣わす!っで、データは当然、消したんだろうな?なぜ沈黙する?おい?こら?
隠し撮りをしたやつを注意したことを私に教えて、私がそいつらを追及している間に現物をコピーして増やそうなんて考えてないだろうな?おい?データは消す様に!
…返事がないなぁ、戦乙女全員から嫌われたくないよねぇ?
現行犯が持っていたカメラをすっと差し出してくる、うむ、苦しゅうない。褒美を遣わそう。
対価としてメイドちゃんからいくらかの現金を受け取ってその場から離れていく【現行犯】
私が、だれがどの動きをしていたのか、見ていないと思っているのかなー?君が、カメラで隠し撮りをしていた張本人だと知っているよー?罪を擦り付けるのはよくないよねー?
ふぅ、やれやれ、本人も隠し撮りするつもりはなかったのだと思うよ、普段から、カメラで色々と写真を撮ってるのが趣味みたいな人だから、記念に撮ろうとしたらまさかはだけるなんて思わないじゃん?…故意じゃないよね?なんだろう、なんか色々と思い当たる節が、不安が拭い切れない
流石にね、カメラは後で返すけど写真のデータを保存する道具は使い捨てが多いからね。多少はお金を包ませてあげないと、素直に言う事を聞かないからねーこれくらいのはした金なんて気にしないさ!だが!お前は前科がありそうな気がして仕方がないので!要注意人物として戦乙女達に通達させるからね?
まったく、油断ならない野郎どもだよ、まったく。
私だからこそ、ちゃんと温和に落としどころもしっかりとしてあげれるけど、一部の狂信的なファンに見つかったら生きて帰ってこれないよー?まったく、欲望に従い過ぎだよねー男子って!!
ほれ、あっちを見て見なよ、No3なんて未だに放心状態で、手に持ってるスープが入った器をフォークで飲もうとして、何度も何度もフォークがスープと口を行き来してるけど、
何も掬えてないからね?何も口の中にはいってないからね?もにゅもにゅと口を動かしたり噛んだりしてる仕草しているけど、口の中には何もはいってないからね?
ほげーっと魂抜けちゃってんじゃん。
他にも、団長の熱狂的で狂信的な恋の奴隷達は天を仰いだり、そそくさと背中を丸めながら自室に戻ったり、地面に突っ伏して祈りを捧げたりしている。
罪深い人だよ、ほんっと、こんなにファンがいるのに、自覚してないなんてどんだけ、気が付かなかったんだろう?鈍感ってさ、凄い罪作りだと思わない?
最初は分かっててやってる人だと思ったよ?
うわぁ、この人、男に媚びる人かぁって思ってたら、完全に天然だとは考えが追いつかなかったよ。
生粋の女性だったら、もっともっと破壊的な罪を作っていたのでは?っと思ったけれど、色々とややこしい事情があって複雑な事情が絡んで絡みまくったからこそ、ここまでの熱狂的で狂信的なファンが生まれたんだと理解したよ。
ある程度さ、察しが良くてね、頭の回転も速くて、しっかりと状況判断も出来るし周りの動きとかも良く見えている団長が気が付かないわけないもんね。
複雑な事情があるからこそ、気が付かないふりをしていたのか、自己韜晦が凄いのか仲良くなって長い事、一緒にいてようやくわかったよね。
野郎どもの挨拶が終わると、のっしのっしとお酒とお肉を持った女将がやってくる
どうやら女将も、先ほどの事件を見ていたようで、団長の変化に喜びがあるけれど、女性の肌を公の場で晒すんじゃないのっとお叱りを受けてしまった。
私だってそんなつもりは無かったんだけどなぁ、次からはもうちょっと用意周到に準備を怠らないようにしよう、私はいつだって一手遅いから。
女将の持ってきたお肉を、女将にあ~んって食べさせてもらっていると隊服を着た団長がNo2と一緒に会場にやってくる。
団長は、先ほどの事件をまだ引きずっているのかNo2の袖を掴み、後ろに隠れながら恐る恐るっというよりも恥ずかしそうにやってくる。
その甘えてくる仕草にNo2は物凄くご満悦のご様子だった。顔がもうデレッデレだった。目尻も下がって、頬が緩みっぱなしだ。
そのNo2の姿を見た女将も、そりゃそうなるよねっと事情を知っているのか納得しているご様子だった。
取り合えず、今日の主役を椅子に座らせて、皆でもてなしてあげた。
今回の功労者はダントツで団長だもの、本人はそんな自覚はなくて、色々と失敗したって思ってそうだけど!意外と自己肯定感が低いからね!この妹は!
この場にいる全員が、団長が一番、頑張ったと思ってるよ、もっと、自分がしてきたことの結果に結果に胸を張って誇ってもいいのに。
団長の姿を見て、色んな人が挨拶に来る、医療班のみんなや、騎士や戦士に所属する戦乙女達、それだけじゃない医療班とはあまり関りの無い隠蔽部隊に研究塔のメンツ、技術班も挨拶に来ていた。
普段から女性達とあまり深く関わろうとしなかった団長と話がしたかった女性陣も多く、この場が良い機会となって、色んな質問が飛び交っていた、肌の手入れの仕方とか、髪の手入れの仕方とか、プロポーションを維持する秘訣を教えて欲しいとか、女性としての悩みばかりを相談されていた。
そうだよねー私だって、初めて会ったときはなんて綺麗な肌!髪!妖艶で艶やかな人なんだ!?って感じたもの。
女性として気になるよね!私もたっぷりと教えてもらって、あ、これは無理だ、スンゴイメンドクサイって思って殆ど実践できてないけどね!ふひひ、私と同じ思いを抱くがいい!!
乙女トークに団長が楽しそうに花を咲かせていると
おんやぁ?乙女の集団の向こう側からティーチャーがこっちに向かって歩いてくるねぇ、何かこう、決意めいたものを感じるねぇ
ちらりと乙女トークをしている集団たちを見ると、ははぁん、そういうことねぇっとティーチャーの思惑を察する。だって背中に隠している花束でわかるよねぇー?
異様な雰囲気を纏ったイケメンが乙女の集団に入っていく、その雰囲気を察した乙女たちが色めき立ちながら道を譲っていく
その光景はまるで、使用人たちがお辞儀をして王子様が王妃様に会いに行く様な煌びやかな光景だった。
そして、目的である女性の前に到着すると
さっと片膝をつき花束を突き出し「結婚してください!!」と、勢いよく告白をする、当然返事は「はい、喜んで」わかり切っていた答えだった二人は陰で付き合っているのをみんな知っていたからね、一人を除いて…
その告白を見た団長がずっと私の腕を握りしめている、すっと私の腕に顔を押し付け始める、うん、泣きなさい、お姉ちゃんの腕で良かったら存分に泣きなさい。
こっちに来て初めての恋だったものね、失恋するのを重々承知で、陰ながら恋していたんだもんね。
ティーチャーと研究塔の主である長が二人で抱きしめあっている光景を後目に団長と一緒にそっとその場から離れていく。
新しい祝い事にその場がドンドンとヒートアップしていく中、二人で少し遠くの静かな場所に移動すると、声にならない声で泣きじゃくる団長が落ち着くまで抱きしめてあげた。
長い長い片思いに決着がついたんだもの、感情を爆発させたいよね。
団長を慰めながら、ここ最近の事を思い返していた。ここ数日は色んな事が起こり過ぎて流石の私もキャパシティーを超えそうだ。
今日は、本当に色んな事が起きたなぁ、祝い事もあれば、前に進む出来事もあって、祝い事もあって、停滞していた想いに終止符がうたれて、一人の女性が色々な経験を一度に済ませちゃった。
そりゃ、感情が情緒が不安定になるよね、まったく、タイミングが良いのか悪いのか、何かが進むときは色々と同時に起こることが多いよね、きっと、みんな、次に進むための切っ掛けを欲しがってるんだよね。
こうやって人の気持ちは、何処かで前進していく、立ち止まることを許さないように、進んでいく、時計の針と一緒。
私も前に進めているのかな?お母様…私の針はあと、どれくらい持ちそうですか?…教えて欲しいな…
女性だった
下のアレはついているけれど
胸がお尻が…一段階はアップしている!?
どういう事!?っと姫様の方へ向くと
「へっへー!ちょっと盛った!」ちょっとってレベルじゃなくない?
得意げに鼻を上に向けている、更衣室にいた他の女性たちがキャーキャーっとすごーいっと黄色い歓声をあげながらマジマジっと私の胸をお尻を見ている。
こんな自然にバストアップできるなんて、お尻の形も凄く綺麗、美しいですわぁ、皮膚もプルプルっで瑞々しくていいですわねぇ~っと言いながら、ちょっと失礼っと一言いうと、胸やお尻を触わってくる。
うっそ!これすごーい!やだぁ、触っても何か詰め物をしたような感じがしないー凄くナチュラルに本物としか思えないですわー、お尻も同じですわよー
ぁ、あの、揉みしだかないでいただけます?ちょっと恥ずかしいよぉ…
開放された後は、もう、姫様に質問の槍が怒涛の嵐の様に降り注ぐ。
姫が、美意識がめちゃくちゃ高いご令嬢の質問に一つ一つ丁寧に答えている間
私はずっと鏡の前の自分に見惚れてしまっていた。
だって、鏡の中にいる自分が、幼い頃から、ずっと憧れていた女性像そのものだったから。見惚れないという選択肢が無いの。
夢描いていた本当の自分のイメージ通りだったから、今まで見ていた男の体が実は悪い夢で、
いつもなら瞼を閉じた時にだけ見ることが出来た幻の姿が実は本当の姿だったんじゃないかというくらい自然体だった、その姿を見れば見る程、感情が、奥底に押し込めていた感情が自然と涙となって溢れ出てくる
今までの偽りだった自分の姿ではなく、心の中に鮮明に宿るイメージと今見えている姿イコールとなって繋がる、何度、見返しても、すっと心に染みてきてしっくりとくる、今まで、嫌いだった姿だったのが、一気に親近感がわき、今まで感じたことが無いほどの愛おしさを感じれる。
幼い頃から抱えていた劣等感や、馴染めない心、過去にあった失恋の感情が溢れてきて、大波となって全身から発露する
自然とその場に泣き崩れ、いい大人になったにも関わらず大粒の涙を流して嗚咽を漏らしてしまった、その場にいる女性全員が集まってくれて、醜かった私を抱きしめてくれる。
よかったねと、やっと正直になれるんだよ、おめでとうっと、みんながいろんな言葉を投げかけてくれる、それがまた嬉しくて涙がより一層溢れてしまい、どうやってもとめることができなかった。
一緒に抱きしめてくれたみんなも私につられてなのか、皆泣いていた、メイドちゃんも姫様も一緒に涙を流していた。
ぁぁ、なんだ、私の心と体の事ってみんなにバレバレだったんだ、ばれないように隠してたつもりだったんだけどなぁ…
だってさ?体は男なのに、心は女性だなんてさ、気持ち悪いと思わない?可笑しいと思わない?皆はそんな事無く、ありのままで受け入れてくれていたんだ。
知らなかった、気が付かなかったなぁ、認めてくれたのも、嬉しくて、うれしくて、私もみんなと一緒に女性として生きてもいいんだよって伝わってきて、
うれしくてうれしくてなみだがかんじょうがとまらないよぉ
この場にいる、全員の感情が落ち着いた頃に、ゆっくりと少しずつ、優しい笑顔で離れていく
私も、この部屋から出る為に、服を着ようとしたけれど、辺りを見渡すが、服が無い…
思い返す術前の記憶、そういえば、全部洗濯籠に…
さぁっと血の気が引くのが解る、自室にいかないと服がない?…
ちらっと姫を見ると「・・・・」早く着替えなよっという顔でこっちを見ている…
助けを乞うべきか?それとも術着で私室まで戻るか?…
ぇ、なにこの自分が女性だよって自覚できるレベルの体になった瞬間に降り注ぐ強制イベント。
こんな裸同然の服で、自室にまで取りに行くイベント?姫様に頼ったらどうなのって?
・・・・どんな服を持ってくるのか想像が出来る!!選択肢が無い事をいいことに!とんでもねぇのを持ってくるよ!わかる!姫ならやる!!
っぐぅ、ぅぅぅぅ…せめて下着!肌着だけでも欲しい!!それさえあれば、術着でもそこまで気にならない!!術着の下が裸ってのが一番困るぅ!!
だってぇ、その、お胸のぽっちがより一層、そのぉ、強調されちゃってるんですぅ…こ、これは恥ずかしい…世の女性が気を付けている理由がわかったよぉ…
胸辺りを気にしている様子をみてピーンと姫がきたの
「ぁ!そっかショーツ!忘れてた!普段してないからないよね!えっとね、サイズちょっと合わないかもしれないけどこれつかって」
ぱっとメイドちゃんから袋を渡される姫、それをすかさず、私に渡される袋…用意していただとぉ!?
「ぁ、ありがとう」
その用意周到さに驚きがあるけれど、嫌な予感もする。。。
際どい下着じゃないよね?っという不安が顔に出ているのがばれたのかニマニマと邪悪な笑みを浮かべている。
恐る恐る袋の中を見てみると、可愛い見た目だった、色は白色と水色かな?水色のラインが入った小さなフリルが付いてて、真ん中に青いリボンがあるゆるふわなショーツだった。
憧れていた女の子女の子している下着にちょっと感極まりそうだった、奥にもう一枚入ってて、出してみると同じデザインのパンティーが入っていた、上下お揃いのデザイン、なんて、なんて!最高すぎるぅ!
こんな可愛いの着ちゃっていいのかな?ってそわそわしていると「いいんだよ」っと笑顔で応えてくれる。
下着を履いて、鏡の前に立つと、鏡には可愛い下着を着た女性が立っていた、その姿を見て、また泣きそうになる。
「ほらほら、感極まってばかりいないで、他にもイベントが待ってるんだから早く服着なって」
ほれほれっと手をパンパンっと叩いてせかされるので、意を決して術着を着ると直ぐに姫は服が無いと察したようで深く追求せずに
「いこっか」
にっこりと腕を組んで歩き始める、まって!服取りに部屋にいきたいんだけど!
「だーめ!みんな待ってるんだからね?」
っぐ、私の言いたいことが言わなくても伝わっているのがわかる!…ん?みんながまっている・・・だと?・・・・
まだまだ、麻酔の影響で足に完全に力が入らない私にとって、姫の力には負けてしまう。
抵抗も空しくみんがいると思われる場所に連れていかれる、この状況で助けてくれる誰かは!?唯一部屋に残っている女性はメイドちゃんだけ…
にっこりとした笑顔の後、姫様は右に、メイドちゃんは左と、両サイドから腕を組まれて完全に抵抗することが不可能だと悟ってしまった・・・・
っていうか、貰ったショーツぴったりなんだけど…あれ?サイズが合わないかもって言ってなかったっけ?・・・・もしかしなくても・・・計画通りなのか?・・・・
この先起きる出来事、全てが、姫の手のひらの上なんじゃないかとたまに思うときがあるけれど、今回もなの?
まだ何か大きな逃げれないイベントが待ってる可能性がたかいってこと!?
かぽっとメイドちゃんに、かつらをかぶせられる、手鏡で確認させられる…火傷を負う前と同じ髪型で毛質も色もそっくりなウィッグだ…用意周到じゃない?これじゃ、何処からどう見ても私ってわかるよね?…別人です作戦は通用しない…過去にやった、よその国の淑女ですという言い訳はできない!!
どうやって逃げようかと、どうやって誤魔化そうかと、どうやって別人のふりをすればいいいのか、考えていると、そのままずるずると連れていかれる、
何も策が思い浮かばないので、抵抗する気も、もう起きない…なる様になれっだ!!
病棟から外へと通じるドアを開けると大きな声が街全土に響き渡るかのごとき、お腹の底まで届くくらいの音量だった。
「おかえりなさーーーーーい!!」
ドアの外には医療班だけじゃなく、騎士の人達、戦士の人達とみんなが揃って出迎えてくれた。
主要メンバーが勢ぞろいしている状況を見て姫様が大きな声で
「ただいまー!みんなの団長が完全復活したよーーーー!!」
両手を上げてイェェェェェェイイイっと声を上げると、目の前にいるみんなも同じようにイエエエエエエエエイっと叫んでジャンプした。
その声は天高く轟き、大地が震える程であったっていうか、皆で一斉にジャンプすればそりゃ大地も震えるよね!?
全員が地面に着地した後に姫が音声を拡大+広域に広がる術式を使って空に向かって叫んだ。
「それじゃお待ちかねのーーーー!!!祝勝会の始まりだぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!」
その声にさらにみんながウオオオオオオオオオオオオオっと雄たけびを上げている
私もつい、その反応につられて、両手を上げてウオオオオオオっと叫びながら大きく体をを弓なりにそってジャンプする
その姿を見てメイドちゃんが慌てて、こっちに走ってくる?どうし・・た・・ぁ・・・あ”!?
術着は開けやすい、着地と同時に、はらりと紐がほどけ、術着が床に落ちる…それすなわち、私の服装は下着のみとなる…
大勢の目の前で、私は下着姿のみの姿をさらしてしまう、お風呂場とかで、裸のみで服を着ないでウロウロしてたりしていたから、別に今更、裸何て見られてもなんてことないと思っていた…
けれど、女性の体に近づいたからこそわかってしまった、
目の前にいる男たちの目尻が下がり、鼻の下が伸び、目線の先が私の胸に集中しているのがわかる・・・・全員から執拗に見られているとわかった瞬間、顔が真っ赤に染まり、顔が炎で焼かれているのかと錯覚するくらい熱くなる。
「ひぃ、きゃぁぁぁぁぁぁっぁぁ!!???」
自然と、甲高い声で乙女の様に叫びながら、両の腕を胸を隠す様に前にし、足を内に閉じ、誰にも見せまいとしゃがみ込む。
慌ててメイドちゃんが布をかけてくれたけど、心臓がバックバックっと自分のものとは思えないくらい激しく鼓動しているし、顔から火が出そうなくらい熱い!!は、恥ずかしい!!!これが、羞恥心なの!?男の人ってみんなあんな感じで女の人を見ていたの!?女の人はどうやってあの視線に耐えられるの!?
その眩しき姿を見た野郎どもが歓喜の雄たけびをあげる、先ほどの祝勝会の開始の合図よりも、大きく更に!もっともっと大きな声で雄叫び上げ続けている。
「これを見たみんなはどうおもうーーー!?」
姫が間髪入れず拡声音波で叫ぶ、それに呼応して野郎どもが叫び返す
「最高でーーーーーーーーす!!!」
現場は更にヒートアップしていく
「団長はーーーーー!?」姫が叫ぶ
「可愛い!!!」野郎共も一緒に叫ぶ
「性別はーー!!」姫が叫ぶ
「誰よりも女の子ーーーーー!!!」野郎どもの喉が裂ける様な雄叫びが響き渡る
「「Yeeeeeeeyahhaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa」」姫と野獣どもが叫びあっている、これ、なんの儀式なのかな!?かな!?
こ、こんなわからせかたは、な、ないんじゃないのぉ!?恥ずかしさで死にそうだよぉ…
現場の熱に困惑していると、医療班の女性陣が慌てて隊服をもって駆けつけてきてくれたので一旦、病棟の中に入って着替えさせてもらった
集まった隊員の話を聞くと、ずっと、ずっと長い間、私がカミングアウトしてくれるのを全ての部隊の人達が見守っていたそうで、今回の流れの何処かで、わからせてやる!って姫様が仰っていたの。
たぶん、姫様もこんな形でカミングアウトさせるつもりは無かったと思いたいけれど、何処までが姫様のご計画の内なのかは私達では計り知れないから、何とも言えないけど、こんな辱しめを受けさせたいとは思ってないと思いますからね?っと、こんな事態になったとしても、皆は姫の事を信頼しているので、必死に、姫様をフォローしている。
うん、わかってるよ。みなまで言うないうな。私だってわかっています。悪気が無い事くらい。
姫様が、こんな女性の尊厳を守らないようなことしないから、たぶんアクシデントに便乗したんだと思う。
迂闊に場の空気に流されて、はだけやすい術着で、派手な動きしちゃった私にも非がある。
けれど!後で姫様のお尻を軽く抓っておく、それくらいはさせてね!
姫のお尻ちぎっちゃだめよ?っといつの間にかNo2も起きてきたのか冗談を言っていた。
あの騒ぎだもんね、起きない方がおかしいよね。
皆に持ってきてもらった隊服を着て、違和感を感じる。
…ねぇ、隊服って結構ゆったりとした服装だよね?
…なんか窮屈に感じるけど、サイズって…Mサイズ?いつもと変わらない?
………っということは、ゆったりとした服でもちょっと窮屈に感じる=普段着は、体のラインが出るピッチリとしたタイトな服が多い…つまり、今の私の体型だと…はいらない?…
ぇ?お気に入りの服…着れなくなる可能性が浮上してきてない?…ま、まさか…ね?…
ずれたウィッグを戻して、先に待ち受ける不安を考えないようにして祝勝会へとみんなで移動することに。
さて、団長が病棟で着替えている間に、祝勝会を開始しよう。
こっちだよーっと、病棟前に集まった全員を祝勝会の会場へと誘導していく。
祝勝会場には、色んな料理を色んな料理人たちに準備してもらっている、各々が好きな様に好きなものを選んで食べる。ビュッフェスタイルとなっている。
お酒も相当な種類を用意してもらっているので、お酒好きでも納得の選りすぐりのラインナップにしてもらってます。
祝勝会の開始も宣言して私はのんびりと椅子に座って、皆が楽しそうにしているのを眺める。うむ、これはこれで有意義かな。
こんな大きな規模の祝勝会の費用は誰が持つのかって?
今回は私の私財から出す予定だよ。まっかせて!
結構な値段になるけど大丈夫かって?別に何日でも開催できるくらい余裕がありましてよ!私の私財の量から見て、全くもって痛くない、寧ろドンドン使って経済を回したいくらいさ!
それにさ、悲しい出来事の後はさ、少しでも明るい話題が欲しいじゃないの。
暗いままでさ、死者に想いが気持ちが引っ張られ過ぎるのは良くない、死は死を呼ぶ。
その為に、明るい話題として団長の帰還+さらに綺麗になって帰ってきたよー!って話題を提供しようとしたんだけど…あんなアクシデントになるとは思ってなかった!
後ついでに、可能であれば、団長がみんなに、カミングアウトさせようとは思っていたけれど、肌見せであそこまで盛り上がるとは思ってもいなかったから、つい、便乗して誘導しちゃった!てへぺろぃ☆彡
先の光景や流れを思い出す、うん…怒りが収まるまで団長に近寄らないでいるのが賢明ね、確実に手が飛んでくるのは予想できる、お尻がまた真っ赤になっちゃう…
お尻が真っ赤になるのはいやだけど!!それ以上の恥ずかしさを味わった団長の女性としての顔を拝めるチャンスでもあるので!私は、団長に叩かれても一向に構わない!しっかりと責任をとるさ!ふひひ
のんびりと椅子に座っていると、色んな野郎どもが私にお礼を述べに来る。
、
団長をみんなが憧れている一人の麗しきご令嬢だと、自覚させていただきありがとうございます!だの
最高の青春の一枚をありがとうございます、先の光景を一生の思い出としてメモリーさせていただきます!だの、だが、その記憶は消せ今すぐ
あちらで、カメラで隠し撮りしてたやつがいたけど、とっちめておきましたよ!だの、
それはよくやった褒めて遣わす!っで、データは当然、消したんだろうな?なぜ沈黙する?おい?こら?
隠し撮りをしたやつを注意したことを私に教えて、私がそいつらを追及している間に現物をコピーして増やそうなんて考えてないだろうな?おい?データは消す様に!
…返事がないなぁ、戦乙女全員から嫌われたくないよねぇ?
現行犯が持っていたカメラをすっと差し出してくる、うむ、苦しゅうない。褒美を遣わそう。
対価としてメイドちゃんからいくらかの現金を受け取ってその場から離れていく【現行犯】
私が、だれがどの動きをしていたのか、見ていないと思っているのかなー?君が、カメラで隠し撮りをしていた張本人だと知っているよー?罪を擦り付けるのはよくないよねー?
ふぅ、やれやれ、本人も隠し撮りするつもりはなかったのだと思うよ、普段から、カメラで色々と写真を撮ってるのが趣味みたいな人だから、記念に撮ろうとしたらまさかはだけるなんて思わないじゃん?…故意じゃないよね?なんだろう、なんか色々と思い当たる節が、不安が拭い切れない
流石にね、カメラは後で返すけど写真のデータを保存する道具は使い捨てが多いからね。多少はお金を包ませてあげないと、素直に言う事を聞かないからねーこれくらいのはした金なんて気にしないさ!だが!お前は前科がありそうな気がして仕方がないので!要注意人物として戦乙女達に通達させるからね?
まったく、油断ならない野郎どもだよ、まったく。
私だからこそ、ちゃんと温和に落としどころもしっかりとしてあげれるけど、一部の狂信的なファンに見つかったら生きて帰ってこれないよー?まったく、欲望に従い過ぎだよねー男子って!!
ほれ、あっちを見て見なよ、No3なんて未だに放心状態で、手に持ってるスープが入った器をフォークで飲もうとして、何度も何度もフォークがスープと口を行き来してるけど、
何も掬えてないからね?何も口の中にはいってないからね?もにゅもにゅと口を動かしたり噛んだりしてる仕草しているけど、口の中には何もはいってないからね?
ほげーっと魂抜けちゃってんじゃん。
他にも、団長の熱狂的で狂信的な恋の奴隷達は天を仰いだり、そそくさと背中を丸めながら自室に戻ったり、地面に突っ伏して祈りを捧げたりしている。
罪深い人だよ、ほんっと、こんなにファンがいるのに、自覚してないなんてどんだけ、気が付かなかったんだろう?鈍感ってさ、凄い罪作りだと思わない?
最初は分かっててやってる人だと思ったよ?
うわぁ、この人、男に媚びる人かぁって思ってたら、完全に天然だとは考えが追いつかなかったよ。
生粋の女性だったら、もっともっと破壊的な罪を作っていたのでは?っと思ったけれど、色々とややこしい事情があって複雑な事情が絡んで絡みまくったからこそ、ここまでの熱狂的で狂信的なファンが生まれたんだと理解したよ。
ある程度さ、察しが良くてね、頭の回転も速くて、しっかりと状況判断も出来るし周りの動きとかも良く見えている団長が気が付かないわけないもんね。
複雑な事情があるからこそ、気が付かないふりをしていたのか、自己韜晦が凄いのか仲良くなって長い事、一緒にいてようやくわかったよね。
野郎どもの挨拶が終わると、のっしのっしとお酒とお肉を持った女将がやってくる
どうやら女将も、先ほどの事件を見ていたようで、団長の変化に喜びがあるけれど、女性の肌を公の場で晒すんじゃないのっとお叱りを受けてしまった。
私だってそんなつもりは無かったんだけどなぁ、次からはもうちょっと用意周到に準備を怠らないようにしよう、私はいつだって一手遅いから。
女将の持ってきたお肉を、女将にあ~んって食べさせてもらっていると隊服を着た団長がNo2と一緒に会場にやってくる。
団長は、先ほどの事件をまだ引きずっているのかNo2の袖を掴み、後ろに隠れながら恐る恐るっというよりも恥ずかしそうにやってくる。
その甘えてくる仕草にNo2は物凄くご満悦のご様子だった。顔がもうデレッデレだった。目尻も下がって、頬が緩みっぱなしだ。
そのNo2の姿を見た女将も、そりゃそうなるよねっと事情を知っているのか納得しているご様子だった。
取り合えず、今日の主役を椅子に座らせて、皆でもてなしてあげた。
今回の功労者はダントツで団長だもの、本人はそんな自覚はなくて、色々と失敗したって思ってそうだけど!意外と自己肯定感が低いからね!この妹は!
この場にいる全員が、団長が一番、頑張ったと思ってるよ、もっと、自分がしてきたことの結果に結果に胸を張って誇ってもいいのに。
団長の姿を見て、色んな人が挨拶に来る、医療班のみんなや、騎士や戦士に所属する戦乙女達、それだけじゃない医療班とはあまり関りの無い隠蔽部隊に研究塔のメンツ、技術班も挨拶に来ていた。
普段から女性達とあまり深く関わろうとしなかった団長と話がしたかった女性陣も多く、この場が良い機会となって、色んな質問が飛び交っていた、肌の手入れの仕方とか、髪の手入れの仕方とか、プロポーションを維持する秘訣を教えて欲しいとか、女性としての悩みばかりを相談されていた。
そうだよねー私だって、初めて会ったときはなんて綺麗な肌!髪!妖艶で艶やかな人なんだ!?って感じたもの。
女性として気になるよね!私もたっぷりと教えてもらって、あ、これは無理だ、スンゴイメンドクサイって思って殆ど実践できてないけどね!ふひひ、私と同じ思いを抱くがいい!!
乙女トークに団長が楽しそうに花を咲かせていると
おんやぁ?乙女の集団の向こう側からティーチャーがこっちに向かって歩いてくるねぇ、何かこう、決意めいたものを感じるねぇ
ちらりと乙女トークをしている集団たちを見ると、ははぁん、そういうことねぇっとティーチャーの思惑を察する。だって背中に隠している花束でわかるよねぇー?
異様な雰囲気を纏ったイケメンが乙女の集団に入っていく、その雰囲気を察した乙女たちが色めき立ちながら道を譲っていく
その光景はまるで、使用人たちがお辞儀をして王子様が王妃様に会いに行く様な煌びやかな光景だった。
そして、目的である女性の前に到着すると
さっと片膝をつき花束を突き出し「結婚してください!!」と、勢いよく告白をする、当然返事は「はい、喜んで」わかり切っていた答えだった二人は陰で付き合っているのをみんな知っていたからね、一人を除いて…
その告白を見た団長がずっと私の腕を握りしめている、すっと私の腕に顔を押し付け始める、うん、泣きなさい、お姉ちゃんの腕で良かったら存分に泣きなさい。
こっちに来て初めての恋だったものね、失恋するのを重々承知で、陰ながら恋していたんだもんね。
ティーチャーと研究塔の主である長が二人で抱きしめあっている光景を後目に団長と一緒にそっとその場から離れていく。
新しい祝い事にその場がドンドンとヒートアップしていく中、二人で少し遠くの静かな場所に移動すると、声にならない声で泣きじゃくる団長が落ち着くまで抱きしめてあげた。
長い長い片思いに決着がついたんだもの、感情を爆発させたいよね。
団長を慰めながら、ここ最近の事を思い返していた。ここ数日は色んな事が起こり過ぎて流石の私もキャパシティーを超えそうだ。
今日は、本当に色んな事が起きたなぁ、祝い事もあれば、前に進む出来事もあって、祝い事もあって、停滞していた想いに終止符がうたれて、一人の女性が色々な経験を一度に済ませちゃった。
そりゃ、感情が情緒が不安定になるよね、まったく、タイミングが良いのか悪いのか、何かが進むときは色々と同時に起こることが多いよね、きっと、みんな、次に進むための切っ掛けを欲しがってるんだよね。
こうやって人の気持ちは、何処かで前進していく、立ち止まることを許さないように、進んでいく、時計の針と一緒。
私も前に進めているのかな?お母様…私の針はあと、どれくらい持ちそうですか?…教えて欲しいな…
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