純黒なる殲滅龍の戦記物語

キャラメル太郎

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第9章

第165話  元の時間軸へ

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 クリスタルに見える壁や天上が罅割れながら流動し、波が収まると修復。波が訪れて再び罅割れる……という事を繰り返している不思議な空間、時空の狭間。シモォナの権能によって時空間を跳ぶ際に通ってきた道。そこにリュウデリアは出て来た。

 体が勝手に不思議な空間の通路を進んでいる。行きのようにシモォナが展開した空間は必要ないのかと疑問に思ったが、良く見れば体に薄くバリアが張られている。どうやら前のように一塊でバリアを張るのではなく、個人個人にこのバリアを張っているらしい。自身がそうなのだから他のオリヴィア達も同じだろうと考える。

 それにしてもと、流れる川の水のように虚空を進んでいく中で胡座をかき、脚に肘を突いて掌に顎を乗せながら周りを見渡す。流動的な動きを見せて罅割れてから元の状態に戻るという、一連の動きを見せる摩訶不思議空間。奥行きに果てはなく、進む以外に道は無い。時間を超越する時空の狭間。

 シモォナが過去に跳ばす事にならなければ見ることは生涯無かっただろう光景。それを目に焼き付ける。オリヴィアと……今は友のバルガスとクレアも同伴しているが、旅をする中で綺麗な景色を見るというのも趣があって良いと考えていた。宛ての無い自由気ままな旅。愛しい者との旅は楽しく、時に強そうな奴と殺し合えれば完璧だった。



「ふわぁ……ぁふ。……はぁ。エルワールとの戦いで中々に体力を使い、ヘイススの為に魔力の殆どを使用して眠いな。元の時間軸に戻るまで寝ているか?やることも無いしな」



 何というマイペースだろうか。胡座の状態から体勢を変えて仰向けに寝そべり、頭の下で両手を敷いて脚を組む。完全にリラックスした眠りに入る体勢だった。普段は背中にある翼が邪魔で今の格好は取れないので新鮮なのだ。

 時空の狭間に空気は無いので、翼を使って飛ぶことは出来ない。魔力を放出して推進力として使い、移動することも出来るが、それをすると変な時間軸に跳ばされてしまう可能性が有るのでやめておいた。今の流れに任せるのが1番だ。

 何だかんだ、本来の力の解放であったり、強敵の黒き獣エルワールとの戦闘で疲労があるのだろう。瞼を閉じればものの数秒で眠ってしまった。寝ている間に目的の時間軸に辿り着くだろうと呑気に考えながら。手と胸を負傷しているとは思えない姿に溜め息を吐きたくなるが、彼にはどうしようもないのは事実。少しの睡眠を与えるのも良いだろう。

 大気も無く、空気中に魔素が無いので魔力を作り出すことができないので莫大な魔力の殆どは失われたまま。傷を回復していないので、まあ多少痛む中で眠っているリュウデリアは、閉じていた瞼をぴくりと反応させて目を覚ました。ものの10分くらいの短い睡眠だった。

 何かを察知したリュウデリアは楽な体勢をやめて進んでいる方向とは逆、つまり背後を振り返る。彼の感知領域に何かが入った。寝惚けた頭を振って集中すると、すぐに誰なのか解った。バルガス、クレア、そしてオリヴィアだった。しかしその気配は恐ろしい速度で迫っている。

 緩やかに進んでいるリュウデリアと比べて十数倍の速度である。何を間違えばそんな速度でこっちに向かってくるのかと、イマイチ眠気が取れない頭を傾げた。まあ、同じように向かっていたという確証が得られただけ良しとしよう。そう考えて振り向きながら待っていると、小さな点だったものが少しずつシルエットを見せてきた。やはり彼等である。



「──────ぉおおおおおおおおおおおおッ!?本当にこんな速度で大丈夫なンだろうーなッ!?異常じゃねーよなッ!?流石にオレはこの空間のことは知らねーぞッ!?」

「行きの……時は……こんな……速度で……進んで……いなかった。そもそも……クレアが……後ろから……ぶつかって……きたのが……始まり。私と……オリヴィアは……離れて……いたが……緩やか……だった」

「おぉ……速い速い。ん?あ、リュウデリアが居たぞ」

「本当か!?おっ!気づかなかったわ!おーいリュウデリア!受け止めてくれ!速度落としてェンだよ!」



「はぁ……いきなり無茶言うな」



 やって来たバルガス、クレア、オリヴィアの一様は縺れていた。オリヴィアはクレアの頭の上に乗っている形でことの成り行きに身を任せているようで、叫んでいる内容を聞くと一番最後尾に居たクレアが、何らかの理由で速度を誤って突っ込み、必然的に進む速度を加速させたらしい。

 人間大の大きさではなく、本来のサイズで居るバルガスとクレアと違ってリュウデリアはシモォナと最後の会話をするために人間大になっていた。巨大な塊が2つ迫ってくるのは迫力があるが、仕方がないので彼はそのまま受け止める事にした。体の向きを変えて両手を前に出し、やって来た体を受け止める。

 背後に魔力を放出して推進力を得る。バルガスの体を受け止めて、その後ろに居るクレアの事も一緒に減速させた。少しずつ速度を落とさせていくと、リュウデリアが進んでいた時と同じくらいの速度になったので魔力放出をやめた。

 魔力放出をすれば済む話だっただろうにと愚痴れば、確かにそうだなと軽い返事が返ってきて溜め息を吐く。そうしていると、クレアの頭の上に乗って座っていたオリヴィアが立ち上がり、リュウデリアの元へ向かって来た。それを両腕を広げながら待ち構えると、大きく罅割れた胸元に飛び込んでくるのでしっかりと抱き留めた。



「リュウデリアだけの姿が無いから不安だったが、先に居たんだな。良かった。安心したぞ」

「俺が最後尾に居ると思ったが、そうではなかったらしいからな。俺もオリヴィアをこうして抱き留められて安心している」

「ふふっ。あぁ、大分傷付いているな。今治癒をするから待ってくれ」

「頼む」



 傷付いているリュウデリアの傷を治癒するために両手を向けるオリヴィア。純白の光が彼の体を包み込み、負傷した傷を鱗ごと瞬時に治していった。貫通して風穴が開いた左掌の傷も、大きく砕けて痛々しい胸の傷も全てだ。

 完全に治った体を眺めて適当に動かすと、いつも通り完璧に治ったとオリヴィアに報告した。良かったと微笑みながら頬を撫でてくる彼女に顔を近づけ、するりと頬擦りをした。くすぐったそうにクスリと笑うオリヴィアは、リュウデリアの背に腕を回して背中を撫でたり翼の付け根を撫でたりして互いの存在を確かめあった。

 強者との戦いの際は基本オリヴィアは近づかない。どんな攻撃が来ても良いように物理と魔法の無効化を施したローブがあっても、強すぎるリュウデリアの純黒なる魔力による攻撃はローブの防御力を貫通してしまうのだ。

 なので治癒要員であるオリヴィアだが、戦いの際はリュウデリアから離れる。今回は離れている距離が大きかったので何事も無いだろうかと、ふとした時に考えていた。こうして触れ合って、確かに此処に居るのだと感じれば、もうどうしているだろうかと考える必要はない。

 リュウデリアはオリヴィアを抱き締めながら、長い髪に鼻先を付けて匂いを嗅いだり、背中に回した手で背を撫でて彼女の程良い柔らかさを堪能した。オリヴィアもリュウデリアの純黒の鱗を撫でたり、胸に額を付けたりとして堪能した。



「いやー、しっかし……結局美味しいところはリュウデリアに持ってかれちまったなァ……」

「最後に……感じた……気配は……尋常では……なかった」

「あぁ、あれは獣が神界の龍脈からエネルギーを吸い取って無理矢理進化しおってな。過去で一番の力を持っていた」

「マジか。良いなー。■■■■■を解放したらアッサリぶっ殺しちまったから物足りなかったぜ」

「私も……■■■■■を……解放したら……すぐに……殺して……しまった」

「結局そのまま戦うことはできず、■■■■■を使う羽目になったが、実に良い気分だった。……ん?各々銘を与えたのに、まだ聞き取れんな」

「あ、確かに。でもアレじゃね?銘を解放してやるっつーより、力を解放しねーと認識できねーやつだろ」

「まだ……謎の……多い……武器だ。そんな……事が……あっても……不思議では……ない」

「解放したお前達の力は凄まじいものだったな。離れていた筈の私達の方まで届いていたからな」

「捲き込まねェようにするの結構大変だったンだぜ?領域の範囲が広すぎてよ。何でもかんでも捲き込みそうになったわ」



 互いの存在を感じ合っているリュウデリアとオリヴィアに呆れたような目線を向けた後、クレアは思い出したように獣との最後の戦いのことを話した。遠く離れたところに居たバルガスとクレアだったが、神界の龍脈からエネルギーを得て、強大な力を手にした獣ことエルワールのことは察知していた。離れても凄まじいと思える強さだったのだ。

 専用武器の解放による恩恵は凄まじく、それぞれが強すぎる力を手に入れた事を解っていた。膨れ上がる気配に魔力。自身がそうだったように、肉体の強さも格段に上がっている事だろうと。実際は持っている本来の力を取り戻しているのだが。

 初めての専用武器の解放に、リュウデリア達は語り合っていく。こんな感じだったな。こんな事が出来た。全能感に浸っていた。制御はもう出来た。どんな戦い方が良いか。そんな話をして盛り上がり、オリヴィアは離れたところでどんなことをしていたのかを聞いて情報交換をしていた。

 3匹と1柱で楽しそうに語り合っていた彼等だったが、話を終わらせる事になった。時空の狭間に亀裂が入っているところが見えてきたのだ。元の時間軸に出るためのものだろう。漸く長いようで短い出来事の本当の終わりである。しかし、ここで1つ異常事態が起きた。一行の身を包んでいたバリアが解かれてしまったのだ。時空の狭間から身を護る為のバリア。それが無くなれば、呼吸が出来ない。

 最初は驚いて嘔吐いたが、すぐさま魔法で空気を創り出して事なきを得た。バリアが無いことによる体への影響は特に無いようだ。しかし少し先にある亀裂が小さくなって閉じようとしている。それは流石にマズい。こんなところに置いて行かれたら、残る道は全滅だろう。故に、人間大になったバルガスとクレア、リュウデリアはオリヴィアを抱えながら魔力放出をして亀裂に向かって猛進した。



「あの女オレ達が元の時間軸に到着する前に死にやがったな!?」

「流石に……この空間に……置いてけぼりは……ない。魔素が……無いので……魔力が……回復せず……抜け出す……道も……無い」

「亀裂の閉じる速度が早いな……ッ!!オリヴィア、俺に掴まっていろッ!速度を上げるぞッ!」

「分かった……ッ!!」



 オリヴィアを離さないようにしっかりと抱き締めながら猛スピードで時空の狭間を駆け抜ける。亀裂が閉まろうとする速度も早く、今のままだとギリギリだろう。リュウデリアはオリヴィアを抱き締める力を強めながら速度を更に引き上げた。そうして彼等は、閉じようとする亀裂の中へ辛うじて入ることが出来たのだった。





















 陽が差す。太陽の光を体に浴びて温かい。吹き抜ける風が心地良く、小鳥の囀りも聞こえてくる。魔法を使わずとも空気を吸う事が出来、大気に含まれる魔素を体が自動的に取り込んで魔力へと変換して回復しているのも感じられる。つまり、元の時間軸へ帰ってきたのだと解る。

 シモォナに連れて行かれる前に居た、港町へ向かう道。過去の時間軸へ至る前に居た場所に到着したリュウデリア達は辺りを見渡し、帰って来れた事にふぅ……と息を吐き出した。一時はどうなることかと思ったが、どうやら何ともなかったらしい。

 ちゃんと全員居るか確認する為にそれぞれの顔を見て、頷き合う。飛ぶ力が無かったオリヴィアは、リュウデリアが強く抱き締めていたので置いて行かれることはなかった。バルガス、クレアもしっかりと居る。どうやら大丈夫なようだ。

 全員戻って来られて一件落着。そう言いたいが、リュウデリア、バルガス、クレアは目を細めていた。何かに気がついた様子にオリヴィアは首を傾げる。どうした?と聞くと、閉じかけた亀裂に飛び込んだことが悪かったのか、少し弊害が生まれていると言った。



「恐らく、過去へ行った時から数週間が経っているな」

「ん?シモォナの権能は時間の跳躍をしていた時間だけ経過するのではないのか?」

「その術者が途中で死んで危なく時空の狭間に取り残されるところを、無理矢理通ってきたからな。何か異常が起きても仕方ねーわな。んま、そこまで悲観することでもねーだろ。たかが数週間だ」

「そうか……。それにしても、どうして時のズレがあると解ったんだ?」

「此処から……そう……離れていない……ところに……スカイディアが……あるのだが……かなりの……龍が……集まっている」

「前に、約一ヶ月後“御前祭”なるものが開催される……と言っていただろう?その為に龍がスカイディアに集まっているから、少なくとも数週間が経過していると解った。過去へ行く前はまだ日にちが開いていたからな」

「なるほど、そういうことか」



 元の時間軸へ戻る最中にシモォナが死んでしまった。それで帰るための亀裂が閉じていき、無理矢理通った事で歪みが生まれてしまった。そもそも時を渡る為の術者の権能が消えた時点でどうなるかは解らなかった。運が悪ければもっと遥か未来に跳んでいたかも知れないのだ。彼等はまだ運が良い方だ。

 そして、龍の住まう天に浮かぶ大陸スカイディアに、次々と龍が集まっている。龍が開催する催し物の“御前祭”が近々始まろうとしているのだろう。中々に良いタイミングなのではなかろうか。過ぎてしまっていたら行っても意味が無いが、数日内に開催されるというのならば行くしかない。



「はー、良かった良かった。してやりてーと思ってたのに、到着したら終わってましたじゃ白けるからなァ」

「それなりに……楽しみに……していた……催し物だ。むしろ……運が……良かった」

「くくッ。さァて、集まった龍の中に居れば良いがな」

「楽しそうにだな。まあ、他の龍にはご愁傷様とだけ言っておくか」



 ケタケタとあくとい笑い方をして嗤うリュウデリア、バルガス、クレアは、スカイディアがあるだろう方角を見上げた。波乱と言わずとも、少しは愉しめる祭典になれば良い。折角数多くの龍が集まったというのに、つまらないものだったら気分が悪くなる。そうなったら






 過去の神界から帰還を果たした一行は、また新たな出来事に介入する。だが今回は介入してしまう……ではなく、自分から介入するのだ。さて、彼等は龍でありながら、他の龍にどのような影響を及ぼすのだろうか。彼等の話はまだまだ終わらない






 ──────────────────


 時空の狭間

 シモォナの時渡りをする際に通った空間のこと。美しいクリスタルでトンネルのような形を形成し、常に流動している。その度に罅割れているが、流動の波が収まると修復される。それを永遠に繰り返す。

 今回元の時間軸に渡る前にシモォナが死んでしまった為に帰るための亀裂が閉じかけ、無理矢理渡った弊害なのか数週間の時が跳んでいた。




 龍ズ

 俺の専用武器もすごかったが、お前のもすごかったな!と褒め合っている。感じられる気配や魔力が天井知らずだったので、普通の状態で戦えば勝てないと悟らせるほどのもの。これから専用武器は使っていく所存だが、一カ所に3匹の専用武器が解放された場合、恐らく大陸が1つ無くなる。




 オリヴィア

 時空の狭間で匂いを嗅がれた時、水浴びもしていないので恥ずかしかったが、リュウデリアを抱き締めるとそんな考えがどっか飛んでった。

 半永久的に死なない神なので、数週間の時が跳んでも全く気にしない。だって彼女の歳は数せ……誰か来たようだ。




『作者より』

 ここまで如何だったでしょうか?これにて第九章は幕を引き、次は第十章に入ります。既に100万文字は突破しており、良く書いているものだと自分でも思います。

 主人公がカマセにされやすい龍であり、人化は絶対しないというコンセプトの元書いているお話ですが、ここまで読んで下さっている読者の方々には感謝の気持ちで一杯です。もう人間も神も殺しまくっているリュウデリアが愛されていてとても嬉しいところもありつつ、皆物好きだな……と思います(超失礼)。

 ちなみにですが、ハーレム展開はありません。ヒロインは1人……1柱?です。人化もしません。それは決定事項です。

 そして、この小説は復讐に燃えるだとか、スローライフだとか、成り上がりだとか、そういう確固とした目的を主人公のリュウデリアは持ちません。強いて言えば、ヒロインと共に旅をして、知識を吸収し、新しいものを見たり聞いたりし、時には命の奪い合いをする。それが目的です。ちょっと変わった龍なのでね。

 応援して下さっている方々。及び面白い、主人公がカッコイイ、好き、作者最高(言ってない)と言って下さっている読者の皆さん、ありがとうございます。とても嬉しいです。至らないこともあると思いますが、どうかこれからもお付き合いください。あ、誤字報告ありがとうございます。超助かります。ホントに……。


 最後に……評価とか応援とかしてくれたら、チョロい作者はおだてられてモチベーションが鰻登りになるかも知れませんよ(ボソッ)



 では、是非ともこれからもよろしくお願いいたします!



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