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第9章
第164話 迎える限界
しおりを挟む「──────どうしたどうしたァッ!?神の力はやはりこの程度かッ!!それでは到底俺を消すなんぞ夢のまた夢だッ!!」
「い、いやぁ……やり過ぎなのでは……ハッ!んんっ、た、助けてくださーい!」
「何故だッ!何故我々神の力が奴に届かないッ!」
「あの純黒は何だッ!?アレを受けて死ぬと復活ができんッ!!」
「た、助けてく──────」
「狼狽えるなッ!奴は1匹だぞッ!?畳み掛けろッ!!」
黒き獣、エルワールとの戦いを終えて待っていたのは、リュウデリアを危険視して消してしまおうと向かってくる神々との戦いだった。左手にはヘイススが握られている。握り潰さないように細心の注意を払っているので潰れることはない。が、戦いの流れ弾を食らった場合その限りではない。
囚われの身となっているヘイススを救い出す為に戦いの神々が向かってくるのを、普通に蹴散らして殺していくリュウデリア。適当に演技をして渡すのではなく、本気で殺しにいっていた。となれば、神々が次々と死んでいくのはごく自然のことなのだろう。
数百柱は居ただろう戦いの神々は、残り数十程度になっていた。その間、リュウデリアにダメージを与えた者は居ない。左掌が貫通し、胸に大きな傷を受けているにも拘わらずだ。倒せるどころか殺されて数を減らし続けていた。
純黒が神の体を浸蝕して犯し、核まで手を伸ばす。染め上がれば死に、復活することは無い。ただそのまま死んでいくのだ。そんな異常はすぐに気がついた。だが気がついたからと言って対処できるものではない。神々はただただ一方的にころされいった。
手の中で死なないようにできるだけ優しく握られ、遠心力などで押し潰されないように、あまり動かさないように心掛けられながら、この命を救ってくれた地上の生物、リュウデリアがどれだけの強さを秘めているのかと不思議に思った。
魔力……というものを内に秘め、爆発だったり氷だったり雷を生み出す為の媒体として使用しているのは言葉から察する。だがそれは、謎の金属に貼った符に殆どを使ったと話していた。つまり、殆ど戦う力が残っていないという意味なのでは?と思う。でもリュウデリアは魔力に頼りきりな戦い方はしない。その身1つでも脅威である。
「おい、ヘイスス」
「あ、はい。何でしょうか?」
「そろそろお前をあの阿呆共に渡す。それと同時に俺も連れが居るところへ戻る。お前は身柄を確保された後、いつも通りに過ごしていろ。ただし、来たる日のことは忘れるな」
「……はい。分かりました。決して忘れず、未来のリュウデリア様に武器を造ります。本当に、助けていただきありがとうございました」
「良い。気にするな。では、達者でな。未来でまた会おう」
「はい!お元気で!」
数の減り具合に神々が多大な危機感を抱き、焦りを見せて攻めの手を弛めたタイミングで、対峙しながら会話をする1匹と1柱。命を救ってくれた恩人ならぬ恩龍に、ヘイススは感謝の言葉を贈った。あのままならば死んでいただろうから。
助けたリュウデリアからしても、未来に於いて素晴らしい武器を造ってくれたヘイススに感謝の気持ちを持っている。造ってもらう切っ掛けが過去に跳んだ自分自身なのだとしても、この先数千年の時を経て、約束を守ったヘイススは賞讃にも値する。
これでもう来たるべき時まで会うことはないと思うと、ヘイススは少し惜しい気分になる。そこで人知れず、こっそりとリュウデリアの純黒の鱗に手を這わせて撫でた。硬く、艶やかで黒よりも黒い純黒の鱗。口でも言ったが、心の中でもう一度ありがとうと思いながら。
「──────やはりお前達神も大した強さを持たぬ癖に口だけは達者な塵芥だなァ?お陰で興が冷めた。この女はくれてやる。喰う気も失せた。俺は他に強い神が居ないか探すとしよう。あぁ、うっかり神界を滅ぼしても悪く思うなよ?俺は悪くない。悪いのはお前達神程度が住んでいる新界の脆さだ。くくッ。フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」
「きゃっ!」
「大丈夫か!?」
「何て奴だ」
「神を愚弄する愚かな生物め……ッ!!」
「神罰が下ることを覚えておけ……ッ!!」
無雑作に思えながら、神々に向かってヘイススを投げた。数が少なくなった神々は投げて寄越されたヘイススを受け止めてリュウデリアに向けて剣呑な目を向ける。散々殺されているので、怒りに任せて向かっていっても殺されるのがオチだ。
故に神々は睨み付けることしかできない。それを解っていて嗤うのだ。お前達は所詮その程度なのだと、隠す気も無い悪気を見せつけて。
最後にヘイススをチラリと見たリュウデリアは、瞬間移動をしてオリヴィアとシモォナの近くだった場所へと転移した。先程まで居た巨体が消えたことにザワつく戦いの神々を傍目に、ヘイススはまた会いましょうと小さく呟いた。
リュウデリアが戦いの神々と戦い始めるより前のこと、オリヴィアは魔力で肉体を強化しながら速度を上げて移動していた。目指す先はシモォナの居る場所。自身とは反対方向にある神々の集まる場所へ行っただろう彼女のところへ向かうのだ。
はぐれてしまったことに、少し苛立ちが自分に対して湧いてくる。リュウデリアに頼まれた事でもあるというのに、この体たらくは何なのかと。傍に居れば良いだけの仕事すらも全うできなかった不甲斐なさが心の中で燻っていた。
肉体を強化したオリヴィアの疾走は風の如くであり、景色が背後に流れていった。途中で混乱した神物の群れとかち会うが、大きく跳躍することで回避し、着地と同時に走りを再開する。この速度ならば目的のシモォナの元へはすぐだろう。事実、村に辿り着き、避難させているだろう方角へ向かえば彼女は居た。
途中で大きな足跡や爆発跡があったりしたので、もしかしたらリュウデリアと獣が1度ここへ来たのかも知れないと察した。それでも元の時間軸に戻されていないところを鑑みれば、彼女は無事であるということは窺えるだろう。
「探したぞ、シモォナ」
「……っ!オリヴィアさん!って……痛い痛い痛いっ」
「解っていて単独行動したな?私の傍から離れるなと言ったというのに。途中で見た戦闘跡からリュウデリア達が来ただろう。捲き込まれて死んだらどうするつもりだった?ん?」
「ご、ごふぇんらふぁい……っ!」
天変地異で持ち上がった岩が落ちてきたことでできた、迫り上がっているように見える岩に背を預けて休んでいるシモォナの傍に寄り、頬を抓った。肉体を強化しているので今のオリヴィアの筋力は相当に強く、本気で痛がりながら涙目で抓っている腕をタップした。
今度は傍から離れたりしないようにと、もう少し力を入れて釘を刺すと、シモォナは懸命に何度も頷いたので手を離した。心なしか伸びているように感じる頬を手で擦りながら涙目で見上げてくる彼女の前に立って見下ろす。
フードに手を掛けて後ろにやって外す。仕舞っていた長い純白の髪を出してふるりと頭を振る。美しい艶やかな髪が靡いているのをぼんやりと眺めているシモォナに声を掛けると、ビクリと肩を跳ねさせた。その姿にはぁ……と溜め息を吐く。
「あとどれくらいだ?」
「な、何がですか?」
「…………………。」
「えーっと……あはは。やっぱりオリヴィアさんには解っちゃいますよね……。今の質問の答えですけど、そうですね……本当にあと少しです。それがもう、私の限界です」
「……はぁ。本当にお前は……」
「呆れてしまいますよね……。でも、いいんです!私の命で神界が守れるならそれで。悔いなんかありませんよ!」
「……そうか。まあ、お前が良いと言うのならば構わん」
「ふふ。ありがとうございます」
儚げに微笑むシモォナに、オリヴィアは何度も溜め息を吐く。話している内容は至極単純。発動し続けている時間跳躍の権能が保つ時間と、本来の発動限界時間を大きく超える為に犠牲にしているシモォナという神の寿命と言うべきものだ。
時間を超える事ができる権能を持つ神、シモォナ。彼女は権能を発動し続ける為に、制約として自身の神として存在できる寿命……いや、もっと簡単に言えば『シモォナ』という存在を削っていた。命を削っていることと何ら変わらない行為は、オリヴィア達をこの時間軸に跳ばしておくために必要な事だった。
そもそも、権能として行使できると言えど、時間の跳躍には術者に多大な負荷が掛かるため、あまり使えない力なのだ。それを数千年未来に行き、ましてや未来に居る存在を複数過去の時間軸に跳ばし続けている。二重で負荷が常にのし掛かっているのだ。
何となくだが、オリヴィアにはシモォナが少しずつ弱っているように感じていた。最初はそんな風には見えなかったが、無理して笑っていたり、反応したりしている姿を見て確信した。存在を削ってでも権能を使用しているのだと。
それらを踏まえた上での残り時間だったのだが、どうやら殆ど時間が残されていないらしい。あと少しで権能が、つまりシモォナに限界が訪れるという。神界を守れるならばこの程度……と言っているが、座っている彼女は辛そうだ。それでも微笑む。天変地異が止み、全て終わったのだと分かったから。
「思えば、彼等にも何となく気づかれていなんですかね。無理矢理食べ物を口の中に突っ込まれた時のあれ、もしかして食べて英気を養え……って意味だったりして。あの辺りから削り始めましたから。まあ、本当に単なる意地悪だったのかも知れませんが」
「さて、それは私にも判らない。だがリュウデリア達は、より深いところまで視ているぞ。他者では気づかず解らないような、深いところを。彼等はそういった事が得意だからな」
「じゃあバレてますね……。でも何も言ってこないのは呆れてか、それともどうでもいいか……分からないなぁ……」
「お前が決めて実行している事だから、お前の意思を尊重して何も言っていないだけだと思うがな。強敵と戦う機会を与えてくれたお前を一切何とも思っていないとは流石に考えられん……と言っても、リュウデリア達の考え方は私達やその他の者達と違うから確証は無いがな」
「あはは!確かに。まあ、少しくらい認知してくれていれば、寂しくはないですね。ちょっと他の神を殺されちゃいましたけど、神界を守ってくれたことに変わりは無いですから」
途中のトラブル。神界を滅ぼす獣を見つけるよりも早く神を殺し始めてしまうという、未来から呼んだシモォナの度肝を抜いた出来事。今では苦笑いで済ませられるが、あの時の衝撃と言ったら……交渉を自分でやると言い出すくらいのものだ。
獣に襲われて、身を挺して守ってもらい、未来へ跳んで占いに出た獣を斃せる存在を見掛けるまで時跳ばしを行い、見つけて交渉した後は過去に連れて来て、大きな負荷に苦しめられながら権能を維持してここまできた。獣は斃され事だろう。あの黒龍ならば絶対にやってくれた。出会って短い間だったけれど、戦いに於いては信用しているのだ。
「──────ッ!?引き寄せられ……っ!?」
「大丈夫ですよ。私の権能で来た者達全員に同じ現象が起きてます。逆らわずにジッとしていてくださいね。元の時間軸に戻すだけですから」
「……本当にもう限界だったんだな」
「はい。残念ながら、これでお別れです。神界を救ってくれた彼等に、どうかありがとうと……お願いします」
「……分かった。伝えよう。お前も良くやった。……ではな」
「はい!さようなら、オリヴィアさん」
最後は元気な笑顔を浮かべたシモォナに、良くやったと言葉を掛けた。オリヴィアの背後の虚空に時空の亀裂が生じた。この時間軸に来るときに通ったものだ。変に動くと何処に出ることになるか分からないので、ジッとしていておいた。
吸い込まれていき、あっという間に居なくなってしまったオリヴィアが居た場所を眺め、こほっ……と咳をしながら血を吐き出した。かなりマズい状況だ。限界がもうすぐ目の前まで来ている。今ここで死ぬわけにはいかない。目を瞑って1度大きく深呼吸する。そうして目を開けると、視界に映るのは純黒の脚だった。
「ふん。やはり限界だったか」
「……やっぱりバレてましたか」
「アレで隠しているつもりなら、お前は役者にはなれんな」
「ですね……。……ありがとうございました。神界を救ってくれて。お陰で神々に未来があります」
「神を助けたという認識はない。俺は強き者との殺し合いを望んでお前の話に乗っただけだ」
「何となくですが、そう言うと思いました」
「……まあ良い。ん?……そろそろ俺も戻る頃合か。ではなシモォナ。精々残り少ない命を──────」
「──────シモォナァッ!!……ッ!?貴様ァッ!!シモォナに何をしたァッ!!」
「彼奴は……なるほど、あの時狂ったように目の仇にしていたのはそういうことだったのか。納得がいった。というより思い出した。なんだ、お前は中々に良い生まれだったのだな。ははははははははははは──────」
時空の亀裂に呑み込まれ、リュウデリアは笑いながら消えていった。シモォナはもう喋る気力すらも残っておらず、消えていく彼に力無く頭を下げるだけだった。そしてそこへ、杖を手に持ち、ローブを身につけた神が全速力で彼女の元へ飛んでくる。
しかし辿り着く頃には、シモォナの体は光の粒子となって消えていき、空へと上っていった。漸く見つけて辿り着いた神はシモォナだった光の粒子に必死に手を伸ばし、掻き集めようとしてもできず、膝を付いて泣き崩れた。彼はシモォナの父。そして後に新たに君臨する最高神デヴィノスにより四天神の名を与えられる時を司る神であった。
「あの禍々しい純黒……ッ!!忘れん……ッ!!忘れんぞッ!!かわいい娘を殺した純黒よッ!!必ず見つけ出して殺してやるッ!!」
数千年未来に於いて、リュウデリアと邂逅する事ができる時を司る神。しかしその時は、彼に会ったという記憶はなく、圧倒的力で捻じ伏せられるのだ。
「──────彼等は元の時間軸に帰っちゃったかな。それにしても時を司る神の彼は可哀想だよね。やっと見つけたと思ったら相手は何も知らないし、結局殺されちゃうんだもん。彼に殺されない未来が無いのが1番可哀想かなぁ。まあ、相手がリュウデリア君なら仕方ないよね。だって彼──────だもん。そりゃあ神達じゃ勝てないよ、あはは。さてさてこの時間軸に彼は居ないけど、どうなるのか少し視させてもらおうかな!」
神界の何処かで、とある存在は和やかな笑みを浮かべながら歩き、相手も居ないのに喋る。彼の言葉を聞く者は居ない。でもいいのだ。これは癖みたいなものだから。独り言が多いのは仕方ない。話が合う存在が居ないからだ。数少ないそんな者も、元の時間軸に帰ってしまった。だから独りで話す。
彼、リュウデリアに獣が現れる場所を教えた存在のノアーシは歩きながら遠いところを見るような目をして上を見上げた。見えるのは赤黒い雲が晴れて出て来た綺麗な空だ。でもノアーシには違うものが視えていた。
「よしそこだ!やれやれー!……ふぅ。やっぱり彼は強いなぁ。どんな敵も必ず倒しちゃうんだもん。ファンになっちゃいそうだよ!あ、それにしても悪いことしたなぁ。何も言わず居なくなっちゃったから。さよならの挨拶ぐらいするべきだったかな。でもあんまり深入りすると怒られちゃうし……まあバレなきゃ大丈夫だよね!じゃあバイバイ、リュウデリア君。またどこかで会えたら、今度はもっとお話ししようね!」
虚空に向かって声援を送ったり手を振りながら別れの挨拶をしているノアーシは不気味に見えるだろう。でも彼には視えているのだ。これから先の分岐した、現実に成り得る全ての可能性を。
彼は笑う。和やかに。まるでそれ以外の表情は知らないと言わんばかりの楽しそうな表情で。そして、頭に被った帽子を外し、中に隠れていた頭の上に浮かぶ黒い輪を指で弾いて、変わらない和やかな笑みを浮かべて歩き続けた。
──────────────────
シモォナ
存在を削って権能を発動し続けていたので、最後は消えた。新たにシモォナの記憶を持った存在は現れない。『役』に嵌まる存在が生まれるだけ。でも、その生涯に悔いはなかった。
龍ズ
シモォナのことは何となく解っていた。けど言う必要も無かったので黙っていただけ。彼等の目は誤魔化せない。
バルガスとクレアは別の場所で時空の亀裂に呑み込まれている。
オリヴィア
同じ神として、シモォナの限界を悟っていた。それにしても限界の時間とリュウデリアが獣を倒すタイミングが絶妙だったなと思う。間に合わなかったらどうなっていたか解らないので、まあ少しホッとしている。
流石に神界が滅べば自身も確実に無事とは言い切れないので。
ヘイスス
戦いの神達に保護された後、師の元に返してもらった。リュウデリアとの約束を他者に話すわけにはいかなかったので、危ないところを戦いの神々に助けてもらったと、本当だけど全部ではない言い方で誤魔化した。
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