純黒なる殲滅龍の戦記物語

キャラメル太郎

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第9章

第152話  風の蒼龍

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 人間の脳というのは本来の力の1割しか使われていないと言われている。嘘か誠かは解らないが、大部分は使用されずに、ほんの少しの力しか使っていないということは何となく解るだろう。

 そしてそれは龍にとっても同じ事。潜在能力という形でセーブされている力が存在する。その幅は当然個体差があるが、強い個体こそ、その潜在能力を隠し持っている事が多い。内に秘めた本来の力。それを解放するのは意図的には不可能に近い。

 魔法でやろうにも、意図的にやる以上頭が勝手にセーブするようにしてしまうのだ。何故ならば、本来の力は肉体に多大な負荷を与えてしまうからだ。つまり、出したはいいが肉体が耐えられないのだ。なので体を壊さない為に抑制される。

 火事場の馬鹿力のように、危機的状況に陥った際には頭のリミッターが外れるということがあると聞く。それに、世に名を轟かす天才も、他人が10%使っているところを11%だとか12%使っているだけとの声もある。それはつまり、潜在能力を全て解放した際の力は、計り知れないということに他ならない。



「──────……すげェ。力が溢れてきやがる。いや、今のオレになら解る。こりゃァオレの本来の力だ。強くなったンじゃなくて、取り戻したんだな。ははッ。すげーよ。すーッ……はぁ……感じる全能感でどうにかなりそうだぜ。お前、やるじゃねーかよ。蒼神嵐慢扇」



 右手で蒼神嵐慢扇を持ち、左手を眺めて体を覆っている莫大な魔力を感じ取る。数十……いや、数百数千倍にも膨れ上がってしまった途方も無い魔力。元から膨大な魔力を内包していたのに、今では自身が今、どれだけの魔力を秘めているのか把握しきれない程のものだった。

 新しく生まれ変わったような感覚。これまでは自身の肉体に身動きが取れないくらいの強力な封印でも施されていたのかと思うくらいの清々しさ。身軽さ。冴え渡る頭。研ぎ澄まされる鋭い感覚。そして世界が自身を中心に回っているとしか思えないほどの圧倒的全能感。クレアは今、全ての頂点に立ったことを感じ取った。

 しかしそんな彼の周囲は変わり果てている。超広範囲に強大な力を持つ風が常に吹き荒らし、大地を大きく抉って浮かび上がらせていた。木々を根刮ぎ引き抜いて螺旋を描かせ、雲を吹き飛ばしていく。分厚く強い風は陽の光すらも遮って薄暗くし、天候は嵐そのものへと変えられた。彼の周りだけが何も起きていない安全地帯。

 此処は風の絶対領域。侵入も勝手も、生存すらも赦さない死の風域。上空から見れば巨大な風が円を描いていることだろう。中心は恐ろしく狭く、中に入れば一方向からだけの風とは限らない乱れた風力に晒される。右も左も、前後上下の何処からでも体を消し飛ばすような風が吹いているのだ。

 だが、風の蒼龍であるクレアにとって、これ程居心地の良い楽園はない。世界を風のみで粉微塵にしかねないだけの力が多い包み込んでいるこの風域で、彼が把握していない風は無い。言うなれば、吹き荒れる風は全てクレアの力によって生み出されたものだった。



「これが“オレ”か。数分前のオレが弱くて仕方ねェように感じるぜ。なァ?お前もそう思うだろ?」



「──────……っ………っ!!」



 クレアの周囲で踊る業風は、獣に身動きの権利を与えてはくれなかった。地面に腕を深く刺し込んで、脚も同じくめり込ませてどうにか吹き飛ばされようとしているのを耐えているだけ。それ以外に動くことなど出来やしない。

 彼の声すらも耳の鼓膜を刺激できない程の風が叩き付けられている。たった一振り。扇子の蒼神嵐慢扇をたった一振りしただけのこの天変地異である。世界の崩壊が始まったと言われても頷ける状況を作り出したクレアに、獣は警戒も殺意も全てリセットし、単なる脅威という括りに入れた。

 飛ばされないようにどうにか耐えている獣に、開いた蒼神嵐慢扇を向けて少しだけ上に向けて持ち上げた。ただそれだけの動きで、獣が張り付いている地面の下から、爆発したかに思える爆風が生み出され、獣を上空に跳ね飛ばした。

 不規則な風の餌食となる。右へ下へ左に上へ、全く軌道が読めない業風の中をもみくちゃにされる。そして、危機察知能力が何かを感じ取った。危険を報せる警鐘に従って状態を後ろに反らせた瞬間だった。黒い毛並みの数本が斬られて業風の中に消えていき、遥か奥にあった標高5000メートルの山が縦に真っ二つとなった。

 不可視の風の斬撃は巨大な山を両断しても突き進み、山の向こう数百キロに渡っても斬撃の爪跡を残した。大地を斬り裂くだけの風刃が飛来していた。避けなければ首から上が完全に失っていた。それを瞬時に理解すると同時に、瞬間移動の権能を使用して風の絶対領域の外になる遙か上空へと退避した。その後、獣が居た場所に無数の風刃が通り、両断された山1つを粉微塵になるほど斬り刻んだ。



「■■■■■■■■■…………ッ!!」



 遙か上空へと瞬間移動した獣が見たのは、地面が見えない程の厚い風の壁に阻まれ、円を描いているように動いている超弩級の風域だった。あまりに大きすぎるそれは、台風の規模を遥かに超えている。あの場に居れば逃げ場が有るはずが無い恐ろしい場所だった。現に、身動きすら取れない風に煽られてしまっていた程だ。瞬間移動が無ければ既に詰んでいた。

 これだけの超大規模な風域を生み出したのが、何の変哲もない扇子の払いだとはどうしても結び付かない。だが、それを頷けてしまうくらいに、獣から見たクレアは変わっていた。外見は何も変わらないが、醸し出す雰囲気、気配、覇気が一切違うものへと変わってしまっていたのだ。

 今まで何を相手にして殺し合っていたのかと、言葉を介していれば自問自答していたに違いない。そんな相手をこれから殺さねばならない。怒りが湧いたとか、戦っている最中だからとか関係無い。脅威だ。自身の事を脅かす存在と認めたからこそ、殺さねばならないという使命感を抱いていた。そしてそんな獣の肩に手が置かれる。



「──────よォ。何もオレの領域から逃げなくたってイイじゃねーかよ」

「──────ッ!!■■■■■■■■■ッ!!!!」

「おっと、危ねェな」



 振り向き様に裏拳。何時の間にか背後に居たクレアの頭を弾け飛ばすつもりの全力で打った。しかしその拳は、閉じられた蒼神嵐慢扇でいとも簡単に防がれてしまった。右拳で時計回りに腕を回して狙ったものを、右手で持った扇子で防ぐ。簡単に言っているが、クレアは肉体派ではないはずだ。

 筋力勝負をすれば負けてしまうというのを自覚して尚、獣の全力の右裏拳を腕1本で難なくと受け止めてみせる。腕が震える程の力を込めているのに、クレアの腕はピクリとも動かない。まるで彼の方が圧倒的腕力を持っているかのようだった。

 蒼神嵐慢扇を解放した事でクレアが手に入れたのは、潜在能力の全解放。脳がセーブして抑制している力のリミッターを外すこと。そして更に蒼神嵐慢扇から多大なバックアップとして強化を施されていることだ。本来出せる力を出し、強化を受け、魔力でも肉体強化をしている現状、獣の腕力をクレアは遙かに上回っていた。

 扇子で腕を弾く。軽くやったつもりでも、その強さは獣の腕を大きく弾いて仰け反らせるに至る。あまりにも強い力に獣も驚愕した様子。4つの目を瞠目させているのだから。その様子に気分を良くしながら、クレアは灰色の遅緩した世界に入り込んだ。獣でも入り込めるものよりも更に時が凝縮されて遅くなった世界で、彼は獣の肩に軽く蒼神嵐慢扇を置いた。

 灰色の遅緩した世界が色を取り戻す。瞬間、蒼神嵐慢扇が置かれた獣の肩に強烈な力が加えられ、ばきりと音を響かせながら真下に向けて叩き飛ばされた。止まろうにも止まれない速度で風域に叩き込まれる。そして飛び交う風刃が獣の体を斬り裂いた。10や20では済まない斬撃が叩き込まれた。

 少なくない血飛沫が上がり、裂傷が刻まれていく。しかし風域の攻撃はそれだけで終わらなかった。風の壁とでも言えば良いだろうか。その硬く頑強な風が獣に叩き付けられて弾き飛ばされる。その飛ばされた先にも同じようなものに叩き飛ばされ、まるでピンボールの弾の如く打ち付けられ続けた。

 最後は真上からの叩き付けを入れられ、地面に大の字で縫い付けられた後、直径30メートルの、獣と同じ大きさの風が円を作ってのし掛かってきた。大気が落ちていると錯覚する重さに、あの獣も身動き1つ取れる様子が無かった。

 ゆっくりと歩いて獣の方へ近づくクレア。蒼神嵐慢扇を開いたり閉じたりして遊びながら来て、上から腰を曲げて顔を覗き込む。嘲りの笑い声すらも出さず、単に生きているか確認しているだけに思える動き。体中から血を流している獣は、低い唸り声を上げながら首の骨をへし折ろうと手を伸ばすべく身動ぎをし、風に押さえ付けられて失敗に終わっていた。



「ホントに清々しい気分なんだぜ、今のオレはよ。それに今のオレとお前の状況はなるべくしてなったとしか思えねェ。これが全能感かって自覚はしてるが止められねェ。最ッ高の気分だ。なァ、お前はどんな気分だ?」

「■■■■■■■■■■■■■■■■ッ!!!!」

「殺意じゃねェな。怒りでもねェ。なら使命感か?オレが危険だからこの場で殺さねェとマズいって悟ったンだろ。けど残念だよな。もうお前じゃオレに勝てねェよ。だってホラ見てみろ。めちゃくちゃ強くなっちまったンだよ」



 開いた蒼神嵐慢扇でパタパタと扇ぐと、蒼い小さな竜巻が発生する。しかしその竜巻が見た目通りのものであるとは思えなかった。実際、小さな竜巻の下から風が巻き上がって大気を捻じ曲げていた。向こうの景色が歪んでしまう程の代物が、吹けば消えてしまいそうな大きさの竜巻1つが発生させているのだ。

 扇いで発生させた竜巻を閉じた蒼神嵐慢扇で薙ぎ払って消したクレアは、また上から覗き込んだ。今のだけでも、お前でも勝てない程の力をこの程度で作れるんだぞと語っているようだった。それをむざむざ見せつけられて、表情が険しくなっていく。

 手を握り込んで四肢に力を込めていく。そうすれば、背をつけている地面に罅が入っていった。無理矢理風の圧力から抜け出そうというのだ。それをただ眺めているだけで何かをしようともしないクレア。その隙というか、慢心を突いて瞬間移動をした。

 点と点での移動に予備動作は必要としない。油断して隙を見せているのだから使って背後を取っても当然だ。しかしそれはあまりにも早計だった。感覚が極限まで研ぎ澄まされて鋭くなっている今のクレアは、権能を発動しようと考えている事も、発動する瞬間も全て読めていた。丸わかりだったのだ。故に、背後に現れた時には、体の向きを変えて、獣の目と視線が合っていた。

 加えて右手に持った蒼神嵐慢扇を開いており、腕を引いて構えを取っていた。隙を見せていたと思わせて、その実一切隙を作っておらず迎撃の態勢を整え終えていたクレアは、上から下……もっと細かく言うならば右上から左下に向けて蒼神嵐慢扇を振り下ろした。

 発生した風が獣の殴る動作に入った右腕の肩周辺に集まり、風が強く回転しながら範囲を狭めた。そうなればやって来るのは捻る力。肩から先の腕を捕まえて、ぐるりと捻じ回した。大量の血飛沫が上がり、痛みの咆哮が響く。捻じ切られた獣の右腕が宙を舞い、その重量から木々を潰しながら腕が落ちた。



「──────■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ッ!?」



「あーあ、痛ェ痛ェ。でも安心しろよ。お前は分身なんだからそれで死んでも本体には何の影響も無ェンだろ?なら大丈夫じゃねーか。それよかその傷口如何すンだ?出血多量で死にましたじゃ味気ねェぞ」



 落ちた腕が風に巻き込まれて上に持ち上がり、ぐちゅりと生々しい音を生みながら捻り潰され、最後は腕だった肉の塊が作られた。獣は自身の腕だったものを見ながら更に顔を険しくさせながら、咆哮して右肩周辺の筋肉を限界まで力ませた。すると、捻じ切られた肉の断面が筋肉の隆起によって血管を圧迫し、力業の止血をした。

 疲れたように息切れをしている。相当な負担があったはずだ。獣とて疲れるのは例外ではなかったらしい。息を荒くしながらこちらを見てくる獣に、クレアは何とも思わなかった。凄まじい気配を滲ませているのだろうが、今ではもう何も感じない。遙かに上回ってしまったからだ。

 緊迫した雰囲気が場を包む。クレアが風を弱めたので獣でも立っていられるようになった。睨み合う龍と獣。次の攻撃をどう出ようかと思案している……ように思えて、獣は権能で麻痺と猛毒。筋力強化に加速を同時使用した。そして予備動作も無くクレアに向かって突っ込んでいき、瞬間移動を多用して周囲を転々と移動している。

 それに対してクレアは蒼神嵐慢扇を扇いだ。風が生まれて前方に円を描く。外側は蒼い風が形作り、内側は蒼い光を発している。込められた魔力は莫大であり、放たれれば視界の中は残らず消し飛ばすことだろう。

 瞬間移動をしながら近づいてくる獣のフェイントにも引っ掛からず、クレアは扇子を構えたまま撃ち出す時を待っていた。まだ撃つときではない。獣は近づく。毒も麻痺も込めた左爪で引き裂くために。そして、瞬間移動して転々とすること30。真上からの攻撃を決行した。しかし……獣は黄金の瞳と視線が合ってしまった。

 圧縮された時間を経験する。残っている引き絞った左腕を前に突き出すのがゆっくりとしており、上を見上げているクレアの形成した風の円が自身の動きよりも速く動いてこちらに向けられる。そして眩い光を発し、込められた莫大な魔力が解放された。



「──────『流離う我が蒼き風が来たアァレン・ヴァーリハイト』」



「────────────。」



 真上に向けられて放たれた、莫大な魔力は超極大の蒼き光となり、遠方に居る者達は柱のように伸びる光線を目撃した。至近距離で放たれた獣は眩い光に目を焼かれ、莫大な魔力に晒された。硬い黒毛は一瞬にして焼かれて肉までも蝕む。

 脆くなった灰が崩れていくように四肢の先から粉々になっていく。崩壊が止められない。瞬間移動の権能ももう使える状態にない。冷たいのか熱いのか、寒いのか何も感じていないのか解らない中で、獣は己の死を確かに感じ取り、消滅した。



「悪いな犬っコロ──────ちょっと強くなりすぎちった♡」



 蒼い光線が細くなって掻き消えた後、広大な天候を変えていた風域を解除し、蒼神嵐慢扇の力の解放も解いた後、元の状態に戻りながら顔を扇いで涼み、左掌にぱしんと打ちながら蒼神嵐慢扇を閉じ、獣が消滅したところを見ながらケタケタと笑った。





 本来の力を解放した風を支配する蒼龍、クレア・ツイン・ユースティアは、歴然とした力の差を見せつけて黒き獣を一欠片も残さず消し去ったのだった。






 ──────────────────


 獣(分身)

 クレアが個体として持っている本来の力により消滅。肉体でも勝つことができなくなれば負けは濃厚であることは悟っていた。




 クレア

 自身の本来の力を経験した。風の何もかもを支配し、操る風の蒼龍。その力は風で世界を消し飛ばし、削り取りかねない程のもの。台風の規模よりも遙かに広い範囲の天候を変え、風による死の絶対領域を構築し、その中央にて風と共に居る。

 肉体のリミッターは脳が抑制しており、体が壊れないようにしているが、解放されても違和感なく体を動かすことができた。それはつまり、それだけの土台がしっかりと出来上がっていたということになる。彼の肉体はリミッターを解除し、獣を凌駕した。




 蒼神嵐慢扇

 解放すれば、主の潜在能力を100%引き出して、肉体のリミッターも外す。個体として持っている力を全て引き出しながら、潜在能力の高さによって非常に強い強化を施す。100%+αの状態に持っていく。

 操るものは風。そして支配して生み出し、風の絶対領域を軽い一振りで構築する。謂わばクレアのための独壇場の構築。他者の存在を風を使って捻じ曲げる。



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