純黒なる殲滅龍の戦記物語

キャラメル太郎

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第7章

第105話  余計な口

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 ミスラナ王国は外からの攻撃に遭った場合に備え、分厚い壁の上に設置型の武器を設けている。巨大な矢を放つバリスタ。鉄の砲弾を撃つ大砲。どれも絶大な威力を誇る。オーガをバリスタの矢1本で撃ち殺したこともあれば、大砲で粉微塵にしたこともある。

 しかし今回はミスラナ王国の外から攻めてくる魔物が相手なのではなく、突如として王国内に現れた龍が相手だ。その威力から住人が居る方へは絶対に向けてはならない代物なのだが、そんなことを言っていれば国は瞬く間に滅び去ってしまう。

 壁上に居る兵士のリーダーは、声を荒げて兵士達に指示を出した。武器の向き反転。目標は王国内に現れた龍。被害については最早致し方ないと判断して考慮しなくていい。兵士達は困惑する。本当に放って構わないのかと。その困惑を汲み取ったリーダーは、苦々しい表情で右腕を上げ、龍に向けて振り下ろした。困惑が否定的な感情になる前に攻撃を指示したのだ。



「──────放てェッ!!!!」



「くっ……撃て撃て撃てェッ!!」

「龍を討伐しろッ!!」

「住人を守るんだッ!!」



 人よりも大きいバリスタの矢が、大砲の弾が、飛んで宙に浮かぶ龍……リュウデリアへと向かっていった。龍は肉体的に絶大な力を持ち得ながら、魔法に対しても長けている種族。故に魔法も何も籠めていない矢と弾は届かないかと思われたが、その思いに反して放った矢と弾はいともあっさりとリュウデリアへ着弾した。

 大砲の弾が着弾と同時に爆発を起こして爆煙を上げ、バリスタの矢が朦々と広がった煙の中に入って鈍い音を立ててしっかりと着弾したことを知らせた。なんだ、もしかして龍ってそこまで強くないのか?魔法が使えないのか?そんな勝手な妄想が脳内に垂れ流された。

 士気が一気に上がって勝てる!というムードになっていく。大砲の弾とバリスタの矢が装填を済み次第立て続けに放ち、攻撃をしていく。そして大砲の弾40発。バリスタの矢80本を放った頃、一旦攻撃を中止した。爆煙で姿が見えなく、もしかしたら倒せているかも知れないと確認するためだ。

 兵士達はもう勝った気でいる。オーガを1発で討伐可能な大砲とバリスタをあれ程撃ち込んでやったのだ。死んでいるとは言わずとも、倒れて動けなくなるくらいにはなっているだろうと。しかしそんな浅はかな思い故の妄想が現実になることはなく、晴れた爆煙の向こうには傷一つ無いリュウデリアが居た。

 背後から攻撃していたので顔は見えていなかったが、リュウデリアが首を捻って背後を見た。縦に切れた黄金の瞳と目が合ってしまう。あ……と思う暇も無く、こちらに向けられた尻尾の先から純黒の細い光線が放たれ、壁を貫通。数瞬後、貫通した場所周辺がぐにゃりと飴細工のように歪曲し、吹き飛んだ。

 横200メートル分は吹き飛んだだろう。当然上に居た兵士達も吹き飛んでしまい、大砲もバリスタも粉々で使い物にならない。適当に攻撃しただけでこの威力。恐怖を煽るには優秀すぎる一撃だった。だがそれだけで怯む人間ではない。普通のバリスタや大砲とは違って魔力を使用する魔導兵器を使用する。

 魔力を持つ兵士達が複数人集まり、大砲に魔力を流し込んでいく。すると組み込まれている複数個の特殊な魔石が魔力を貯め込み、弾の形へと変えていく。これは魔導兵器の魔導砲台。流し込んだ魔力で大砲の弾を作製して撃ち放つ武器である。その威力は普通の大砲とは比べ物にならないが、その分製作にコストが掛かる。



「装填完了ッ!!」

「角度良しッ!!」

「よし、放てェッ!!」



 壁に設置されているのに足下が揺れるほどの衝撃を撒き散らしながら、魔力を籠められて炎の弾となった砲弾が一直線にリュウデリアへ飛んでいく。攻撃はできても防御の魔法を持たないと勝手に解釈している兵士達は、普通の大砲の弾よりも断然早い速度で飛んでいく砲弾が命中することを確信していた。

 標的であり、背を向けていたリュウデリアが振り返る。左腕を持ち上げて人差し指を向ける。そこへ向けて飛んでいくのは炎の砲弾。距離が近くなり、鋭い純黒の指先に炎の砲弾が触れた途端、ぱきりという不自然な音を響かせて止まってしまった。

 爆発するでもなく、突き進むでもなく、リュウデリアの指先の前に制止する。止まれと命じられて従順に従う躾けられた犬のように。兵士達は多大に困惑した。これ今、一体何が起きていて、何を起こされているのかと。



「効かんというのが分からんか。まあ良い。来た方向へ、倍率は20倍に設定──────『現象反転リフレクション』」



「ぁ……──────」

「そんな……──────」

「こんなバカな事が──────」



 籠められた魔力が20倍に膨れ上がり、見た目も20倍になって巨大な炎の砲弾へと姿を変えた。そしてリュウデリアの指先から来た方向へ真っ直ぐ帰っていき、魔導砲台と複数人の兵士達、そして壁を呑み込んで大爆発を起こした。周囲も巻き込んだ爆発は轟音を轟かし、地震を彷彿とさせる揺れを発生させた。

 住人は阿鼻叫喚となる。小規模だが黒いキノコ雲が発生しており、広範囲に渡って壁が吹き飛んでいるのだから。しかもそれは兵士達による攻撃が、リュウデリアに返されたことによるものという。眼下で住人が逃げ惑うのを冷や汗流しなが見る兵士達は、死ぬと理解していても、住人の避難が終わるまで戦わなければならない。

 覚悟も決めて決心もついている。龍を倒す為ならばこんな命惜しくはない。そう心の中で吠えたのは良かったが、炎の砲弾を弾いたときの姿勢、腕を突き出して人差し指を向けた状態のリュウデリアが莫大な魔力を練り上げ、指先から極細の純黒なる光線を放った。そしてそれを体ごと回転して一閃。結果、壁の上に居た兵士達と武器全て大爆発に捲き込まれて消し飛んだ。



「痛くも痒くもないが、お前達は鬱陶しいから死んで良いぞ」



 壁上の戦力は壊滅した。他には下に居る兵士達と、それらと共に力を合わせて魔法を飛ばしてくる冒険者や探索者だ。空を飛んでいて近接は行えないので遠距離の魔法を飛ばしてくるのが主な攻撃となっているが、彼には一切通用しない。

 本物の魔法というものを見せてやろう。そう言いながら、リュウデリアは手の平を上に向け、再び7つの莫大な魔力で形成した球体を生み出したのだった。



















 順調に人々を殺し回っているリュウデリアの一方で、地上に居るオリヴィアは周囲をぐるりと囲まれていた。冒険者、探索者、兵士。剣や槍の鋒を向けられ、魔法が使える者は今すぐにでも放てるようにして構えていた。

 それでもオリヴィアの表情に焦りなどといったものは浮かばなかった。フードを取ったことで露呈する美貌。しかしこの人物こそが、今起きている惨劇の原因であると知っているので、化け物を見る目を向けている。

 彼女を取り囲む者達の内、代表して冒険者ギルドのギルドマスターが1歩踏み締めて出てくる。攻撃をしてこようとするのではなく、対話を望んでいるような姿勢だった。



「お前は一体何者だ?アレは噂になっている『殲滅龍』だろう。何故従えている。いや、龍を従えさせることができる。そういう魔法なのか?」

「何者……な。私は人間ではない、神だ。治癒の女神オリヴィア。リュウデリアと私は愛する者同士。故に命令なんてものはしていない。私が言わなくても彼は勝手に今と同じ事をしていた筈だ」

「か、神……だと!?」

「そうだ。お前達のような人間の中に紛れ込み、旅をしている。愛しい私のリュウデリアと共にな。さて、もう問答は終わりだろう?死ぬ準備は整ったか?」

「──────死ぬのはお前だ神めッ!!これでも喰らえッ!!」



「はぁ……──────『現象反転リフレクション』」



 全方位から炎、水、氷、土、風、等といった属性の魔法の塊が飛んでくるが、オリヴィアに着弾するよりも先に跳ね返された。威力の倍率設定は限界の10倍にまでされ、返された魔法で放った者達は消し飛んでいった。

 辛うじて耐えることができたり、防御の魔法を張ることに成功した者達も数人は居るが、腕を吹き飛ばされていたり足が吹き飛んでいたり、下半身が無くなっていたりと重傷だ。オリヴィアはただ、威力は10倍にしただけで返したのみで、ホコリ1つ付いていない。

 囲んで攻撃したところで何の意味も為さない事が明らかとなり、攻撃をしておらず、皆がやられる瞬間の光景をを呆然と見ているしかできなかったギルドマスターは、龍どころかコイツも強いのかよと奥歯を噛み締めた。



「……『殲滅龍』は……ッ……お前の言葉ならば聞くのか?」

「当然だろう。あぁ、私の声を魔法で真似して発しても意味は無いぞ。彼はお前達程度が扱う魔法に欺かれる程愚かではない。寧ろ怒りをより買って殲滅までの時間が早くなるだけだ」

「くっ……交渉したい。これまでの非礼は詫びる。求めるものも全て用意しよう。いくらでも頭を下げてやるから、攻撃を止めさせろ。一般人は関係無いはずだ」

「……どうやらお前は口の利き方がなっていないようだな。何故お前が上からモノを言っている?──────人間風情が図に乗るなよ?」

「──────ッ!!申し訳……ありませんでした……」



 神秘的な彩りを持つ、朱い瞳が妖しく光り、交渉をしたいと言っていたギルドマスターを威圧した。確かに、どうあってもこのままならば一方的に滅ぼされるだけの自分達が、上から目線でモノを言っていた。だからその場で腰を折り、直角になるまで深く頭を下げた。

 言葉遣いも直す。刺激して交渉もクソもなくなってしまえば、本当に滅びまで一直線だからだ。攻撃なんて以ての外。攻撃した者達が一瞬で全滅してから、更にこの女が脅威なのだと認識して、再び2人を囲んで攻撃準備を整えた者達に目線を送り、絶対に手出しするなと釘を刺す。

 攻撃したところで先程の二の舞になるのがオチだ。恐らく、跳ね返す魔法か何かがある以上、こちらはどれだけ攻撃しても無駄だ。だから、ここは交渉が最優先で最適解なのだ。タイムリミットはリュウデリアが大方の人間を殺し終えてこちらに来るまでの時間だ。



「まあ、交渉も何も無いと思うがな」

「な、何故だ?」

「この国の王が言ったではないか。私のようなゴミクズは死んで然るべきだと。王の言葉は王の治める領域に住む者達の総意。お前がそれを否定しても、他でも無い王が言った言葉なのだから撤回はできないと思うが?私は殺されそうになった。だから殺されないためにお前達を皆殺しにして殲滅する。ほら、交渉なんて必要あるまい?そもそも、国王に対してくれてやった警告を国王が無視したのだ。お前の出る幕ではないだろう」

「……国王は何処に居るッ!!今すぐこの場に引き摺り出してこいッ!!」

「わ、分かりました!!」



 ギルドマスターでは交渉相手に値しない。決定したのは国王なのだから、言葉を撤回して交渉することが可能なのは国王だけだ。そう言われてしまえば、もうどうすることもできない。ギルドマスターは周囲の者達に国王を連れて来いと叫んで命令した。

 それからすぐに国王は引き摺られてやって来た。リュウデリアが殲滅を開始したと思えば、一目散にその場から逃げ出し、物置の中に隠れていたのだ。生憎傍で身を護る為の近衛兵達が居たのですぐに見つかり、原因はお前なのだから責任を持って交渉しろと言われて、嫌だと叫んでいるところを無理矢理引き摺ってきたというわけだ。

 何が嫌だ。お前の決定の所為でこんな事態に発展しているんだろうが!という言葉を必死に飲み込み、交渉の場から降りたギルドマスターは、代わりに涙と鼻水、そして涎で顔中を汚した国王と入れ替わった。しかし国王はオリヴィアのことを視界に収めると、ひっ……と喉をヒクつかせて尻餅をつく。



「で、何を交渉すると?自分の命を差し出してこの場を収めるか?収められるかは別として」

「ぐっ……うぅううう……っ。わ、私だけでも助けてくれぇ!!他の奴等なんぞ好きに殺していいから、私だけでも見逃してくれぇ!!」



「──────ッ!?このクズ野郎がッ!!」

「誰の仕業でこんな事になってると思ってんだこのゲスッ!!」

「何1人だけ見逃してもらおうとしてんだよッ!!国王だろ!?責任取ってお前が死ねよ!!」

「俺達を巻き込んでんじゃねぇぞ!!」

「先にテメェを殺してやろうか!?」



 必死に土下座しながら命乞いをする国王は、助かりたい一心で他の全てを犠牲にして、自身の命だけ助けてもらおうとしていた。その言葉を聞いて、周囲の者達は憤慨する。一体誰の行動と決定によって現状の地獄が広げられているというのかと。

 しかし国王は、どれだけの罵詈雑言を受けようと知ったことかと無視し、他の全員いくらでも殺していいから見逃してくれと叫ぶ。呆れてものも言えないとはまさにこの事。オリヴィアは前で土下座して愚劣さを剥き出す糞の詰まっただけの肉袋のことを、人間は本当に憐れで醜悪なモノが混じる時があるなと考えていた。

 交渉にすらなっていない現状、国王は自分の命だけを最優先にしている。しかしその時、耳元に全幅の信頼を寄せる者の声が聞こえてきた。それを聞き終えると、土下座をゆっくりとやめて立ち上がり、人差し指を立ててオリヴィアに突き付けながら宣言した。



《──────。──────────、────。》

「……そうだ……私は偉大なる王だ……神がなんだ、龍がなんだッ!!不敬であるぞゴミクズめッ!!貴様等も私に意見するなッ!!全員死刑にしてやるッ!!私は王だッ!!神よりも崇高で龍よりも偉く、完全なる存在なのだッ!!おいゴミクズ。今ならば私の性処理道具になるだけで許してやるッ!!地に這い蹲り頭を垂れ、私の足に誓いの口づけをしろッ!!そしてあの龍は私のペットに──────」




「──────リュウデリアを愚弄する者は何人たりとも赦さん。不快だ。実に不快で不愉快だ。。やはりお前達は全員死ぬが良い。1匹も逃がしはせん」




「……もう無理だ。あのクソ野郎の所為で俺達は死ぬ」

「何でこんな国に来ちまったんだろ……」

「あんなゴミ野郎が国王だと知ってたら来なかったのに……」

「ほんと……最悪だよ」

「俺ら何も悪いことしてねーのに……」



 突如、先程までの泣き落としは何だったのかと言いたい傲岸不遜な言い草に呆然としてしまい、オリヴィアの一番踏んではいけない部分を踏み抜いた。浮かべるのは無表情。交渉なんて元から絶望的なのに、これで殲滅は免れないものとなった。

 これからはもう覆しようがない未来が待っているというのに、国王は早くしろとわめいていた。オリヴィアを取り囲んでいた者達は、殺意を籠もった目を彼女に向けるのではなく、いつまでも訳の分からないことを叫いている国王へと向けた。





 結局、最後の最後まで余計なことしかしなかった国王の言動により、確実な殲滅が行われようとしている。




 ──────────────────


 魔導砲台

 見た目は殆ど普通の大砲と変わらないが、魔石が使われていて、魔力を流し込むことで設定されている属性の弾を作製して撃ち放つことができる武器。威力は普通のものよりも断然強力だが、大砲を作ることそのものにかなりのコストが掛かる。




 リュウデリア

 大砲もバリスタも魔導砲台もノーガードだったが、全く効かない。相変わらずの鱗硬度を持っている。

 実は純黒の光線は口からだけでなく尻尾の先や指先からも出せる。今回は壁を撃ち抜くのと、壁上の戦力を全て消し飛ばす薙ぎ払いに使った。




 オリヴィア

 交渉がどうのと言い始めたので、殲滅は引き続きリュウデリアに任せて聞くだけ聞いてやろうとしたが、国王がクソムカつく事言ってきたのでお望み通り絶対皆殺しにすると決めた。もう完全完璧に交渉の余地無し。

 彼女がローブを身につけている限り、魔法も物理も何も効かないので、何をしようと無駄の一言。それならノーガードのリュウデリアを攻撃した方がマシ。




 ギルドマスター

 どうにか交渉して攻撃をやめてもらおうと思ったのだが、自身では交渉相手になることができないと言われてしまったので国王を出したのだが、国王がここまで愚かだとは思ってなかっので、これから自分達は死ぬんだなと悟った。




 国王

 完全に戦犯。やらかしの王。何故そこでオリヴィアが言う通りにすると思った?理解不能だけど、彼からしてみれば従って当然だと思い込んでいる。オリヴィアよりも周りの奴等からの殺意の方が強い。


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