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【世界の転覆編2】
【33】潜入
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2018年末。俺の冒険が始まった。
表向きは自社製品を売るのが目的な経営者として人脈を広げることからスタートした。
俺はチームの技術には絶対の自信を持っている。
秘匿性の高い通信技術はどこぞの支配者さんとも相性が良さそうと想像していた。
場合によっては思考で会話できるヘッドホンや近距離なら思考を読み取れる装置もカードとして使うかもしれない。
基本的には隠していく方針だけど。
商品の性質上幅広く使われることを目的としておらず、強力な取引相手を選びたいという建前も使っていた。
その建前を前面に情報収集し、ときに思考を読み取る装置も使って、支配者に繋がることができそうなコネクションを探した。
もし支配者を見つけたとして、ただ自分が傘下になっては面白くない。
そこで何か戦えるカードがないか探すための人脈も並行して模索していた。
そして支配者とはいったい何なのか。そのイメージも漠然とだけど考察した。
何か大きな利権や投資家といった要素が鍵になるのではないかと予測を立てていた。
そんな冒険の日々も2年が経過した。
いくつか臭いコネクションを見つけることには成功していた。
ただ、そこに自分からガツガツアプローチするのは怪しまれる可能性がある。
だから慎重に行動し、信頼関係の構築や餌を巻く行為に留めて日々を過ごしていた。
そして、その臭いコネクションの一つであるDという男との繋がりが光明となった。
Dは芸能界やマスコミさらには政治家などなど幅広い人脈を持つ謎の投資家だった。
Dとはアニメやゲームの話で馬が会ってちょくちょく飲みに行く仲になっていた。
ある日、仕事の話込みで父親を紹介したいと申し出があった。
快諾して後日3人で会食をした。
Dの父親は世界規模の投資家グループのリーダーをしているとの事だった。
組織名はなんだかはぐらかされて特にないよと言われた。
現在使用している秘匿通信の信頼性に不安があるため乗り換えを検討しているという話だ。
俺自身も気に入ってもらえたみたいだ。
とんとん拍子に話が進み、近々お互いの技術者同士の話し合いの場を設ける事になった。
その後、その話し合いにも同席して、導入を検討してもらえる運びとなった。
俺のチームの技術理論を高く評価してくれた。
それから1か月後に導入が決定し、大きな仕事になった。
世界中に技術者を派遣したし、俺自身も世界中を飛び回った。
それを機にDの父親とも仲良くなることが出来た。
Dの父親と初めて会ってから1年くらい経過した頃には良好な信頼関係を築くことが出来ていた。
ある日、Dとプライベートルームで飲んでいた時に、Dが父親の秘密を打ち明けだした。
「うちの親父は世界を支配する側の人間なんだよ。」
酔った勢いなのかそんなことを言い出した。
そしてつらつらと世界の支配構造の話を俺にしてくれた。
Dの話では、世界は利権勢力のせめぎ合いで出来ているようだ。
そして世界の国々はその勢力のコントロール下にあるらしい。
さらに、その勢力同士の統合が時代と共に進んでいて世界の統一支配体制が構築されつつあると聞かせてくれた。
Dの父親はその一勢力の幹部なのだ。
俺はついに世界の支配者の尻尾を掴めたと思った。
それからの俺は、Dの父親との信頼関係の向上に注力した。
そして、じわじわ支配者たちの横の繋がりにも干渉できるようになっていった。
いつしかその支配の実態を垣間見て行く事になるのだった。
気付けば2023年になっていた。
今、俺はチームの技術と量子もつれを組み合わせた超秘匿通信の開発を進めている。
秘密裏かつ早期の実用化を約束することで世界の支配者たちからも投資を得ることが出来た。
支配者たちとのコネクションは十分に確立できたと言える状態だ。
近々Yに今の成果を報告してやろうと思う。
びっくりするだろうな。楽しみだ。
表向きは自社製品を売るのが目的な経営者として人脈を広げることからスタートした。
俺はチームの技術には絶対の自信を持っている。
秘匿性の高い通信技術はどこぞの支配者さんとも相性が良さそうと想像していた。
場合によっては思考で会話できるヘッドホンや近距離なら思考を読み取れる装置もカードとして使うかもしれない。
基本的には隠していく方針だけど。
商品の性質上幅広く使われることを目的としておらず、強力な取引相手を選びたいという建前も使っていた。
その建前を前面に情報収集し、ときに思考を読み取る装置も使って、支配者に繋がることができそうなコネクションを探した。
もし支配者を見つけたとして、ただ自分が傘下になっては面白くない。
そこで何か戦えるカードがないか探すための人脈も並行して模索していた。
そして支配者とはいったい何なのか。そのイメージも漠然とだけど考察した。
何か大きな利権や投資家といった要素が鍵になるのではないかと予測を立てていた。
そんな冒険の日々も2年が経過した。
いくつか臭いコネクションを見つけることには成功していた。
ただ、そこに自分からガツガツアプローチするのは怪しまれる可能性がある。
だから慎重に行動し、信頼関係の構築や餌を巻く行為に留めて日々を過ごしていた。
そして、その臭いコネクションの一つであるDという男との繋がりが光明となった。
Dは芸能界やマスコミさらには政治家などなど幅広い人脈を持つ謎の投資家だった。
Dとはアニメやゲームの話で馬が会ってちょくちょく飲みに行く仲になっていた。
ある日、仕事の話込みで父親を紹介したいと申し出があった。
快諾して後日3人で会食をした。
Dの父親は世界規模の投資家グループのリーダーをしているとの事だった。
組織名はなんだかはぐらかされて特にないよと言われた。
現在使用している秘匿通信の信頼性に不安があるため乗り換えを検討しているという話だ。
俺自身も気に入ってもらえたみたいだ。
とんとん拍子に話が進み、近々お互いの技術者同士の話し合いの場を設ける事になった。
その後、その話し合いにも同席して、導入を検討してもらえる運びとなった。
俺のチームの技術理論を高く評価してくれた。
それから1か月後に導入が決定し、大きな仕事になった。
世界中に技術者を派遣したし、俺自身も世界中を飛び回った。
それを機にDの父親とも仲良くなることが出来た。
Dの父親と初めて会ってから1年くらい経過した頃には良好な信頼関係を築くことが出来ていた。
ある日、Dとプライベートルームで飲んでいた時に、Dが父親の秘密を打ち明けだした。
「うちの親父は世界を支配する側の人間なんだよ。」
酔った勢いなのかそんなことを言い出した。
そしてつらつらと世界の支配構造の話を俺にしてくれた。
Dの話では、世界は利権勢力のせめぎ合いで出来ているようだ。
そして世界の国々はその勢力のコントロール下にあるらしい。
さらに、その勢力同士の統合が時代と共に進んでいて世界の統一支配体制が構築されつつあると聞かせてくれた。
Dの父親はその一勢力の幹部なのだ。
俺はついに世界の支配者の尻尾を掴めたと思った。
それからの俺は、Dの父親との信頼関係の向上に注力した。
そして、じわじわ支配者たちの横の繋がりにも干渉できるようになっていった。
いつしかその支配の実態を垣間見て行く事になるのだった。
気付けば2023年になっていた。
今、俺はチームの技術と量子もつれを組み合わせた超秘匿通信の開発を進めている。
秘密裏かつ早期の実用化を約束することで世界の支配者たちからも投資を得ることが出来た。
支配者たちとのコネクションは十分に確立できたと言える状態だ。
近々Yに今の成果を報告してやろうと思う。
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