たった4人の最終戦争≁Quatuor jouant dans la guerre finale≁

【ルナの日記編】

【12】ルナの日記：海岸

神谷さんが私の空間に来てから明日で1週間。

やばい。

私は限界かもしれない。

最初の失敗のせいで性欲強いキャラを演じてるつもりだった。
でも本当に欲情が抑えられなくなってきたんだよ。

こんなことになるなんて思ってなかった。
早く神谷さんと結ばれたい。

もう我慢できない。
ちょっと作戦を立てることにした。

神谷さんを誘惑して告白してもらうんだ。

最初の一歩は男の子から踏み出してほしい。
それは私のこだわり。

なんとかして告白してもらうために。
明日その作戦を実行するよ。

まず海岸に誘って。
水着で誘惑する。

そしてイルカさんと遊んで。
ばいばいする振りをしながら。
クジラさんに大波を起こしてもらう。

波が来たらこっそり水着の紐をほどいて。
きわどいところを見せて欲情を煽る。

水着姿のままお昼寝もして見せちゃおう。

そしてここからが大仕掛け。

お昼過ぎくらいのタイミングで強い風が吹くようにしておく。
そしてお弁当用のナフキンを洞窟の前まで飛ばす。

ここはぱーくんと綿密な打ち合わせをしてある。

ナフキンの置き方と位置はぱーくんの指示通りにする。
入念な演算をしてくれてるから成功確率は99.8％あるよ。

洞窟の前までくれば男の子は冒険心に火が付くに決まってる。
あとは触手のモンスターを見てくれれば完璧。

神谷さんが戻ってきたら恥じらいの顔をして。
モンスターを使ってることを匂わす。

これで欲情を爆発させられるはず。

ここまできたらもう告白せずにはいられない。
そうなるよね。

でもダメ押しで温泉も行っちゃう。

混浴で二人きり。
絶対限界が来るはず。

うん。

これは必勝だね。

明日が楽しみ。





誘惑作戦。

大失敗だった。

何がいけなかったんだろう。

まず私が神谷さんに男を意識していることをアピールするために。
神谷さんの水着をブーメランパンツにしておいた。

でも神谷さん全然似合わなくて。
お互い微妙な気持ちになって誰も得しなかった。

でもそんなの関係ないはず。

問題は触手のモンスターかも。
まるで手ごたえがなかった。
なんか神谷さん上の空になってた。

だけど温泉で改まった顔で声をかけられたとき。

きた。

って思った。
でも全然違う話だった。

どうしよう。
あの人鈍感すぎるのかもしれない。


大仕掛けのために風が吹く時間を作ったけど。
その中でちょっと寝ちゃって。
体を冷やしてしまった。

そのせいかなんだかあたまがぼーっとする。

とりあえず寝よう。
今日はもう無理。