たった4人の最終戦争≁Quatuor jouant dans la guerre finale≁

【ルナの日記編】

【9】ルナの日記：女神

やってしまった。

今。彼は病気の治療処置後の睡眠中でもうすぐ目を覚ます。
服装は女神だってわかってもらえるようにばっちりきめた。

さっきから彼が起きてくるタイミングを計ってる。

部屋の監視でもすればいいじゃんと思うかもだけど。
覗きはよくない。

女神だからって人々の生活を覗いていいわけではないんだよ。
人のプライベートな空間を魂を持つものが管理するのは禁止されているの。

魂たちはそういう契約の同意のもとで世界を体験しているよ。
人々の状態を管理するのは機械知能であるぱーくんの役目。

たまにちょっと街中のかわいい女の子をウォッチングすることはあるけど。

そいえば彼の論文を改めて全部確認してみた。
なんだか優しい人柄が伝わってくるような気がする。
私は男の人なら優しい人が好きだ。

さて。

そろそろ起きてくるはずなので行ってくる。

ちょっとドキドキしてきた。





やらかした。

完全にやらかした。

せっかくの初対面だったのに。
大好きなお花畑を見せたい一心で。

すっかり忘れてた。

あそこにはスライムたちがよく集まること。
当たり前になりすぎてたのかもしれない。

神谷さんがスライムを見つけた瞬間。
状況に気が付いて血の気が引いたよ。

ほんとはちゃんと説明を経てスライムと対面してほしかった。

唐突にあの状況になっちゃったからそれっぽい理由も作れなくて。
てんぱっていきなり性癖とか行っちゃった。

そんなキャラで行く予定ではなかったのに。

うわー。うわー。

大失敗。

でもとりあえずこの空間は気に入ってくれたみたいでよかった。

そしてやっぱり会ってみて思った。
完全にどタイプ

ご飯もおいしそうに食べてくれてたし。
胃袋は掴めたかも。

あとは私の問題は語彙力。
きっとあれな女だと思われてしまっただろうな。

実はスイッチさえ入ればけっこう真面目にも話せるんだ。

ただスイッチ入るとすごい堅い話し方になるし少しくどさもでちゃう。
そしていい感じにほどよく切り替えるという事が私はできない。

とっつきにくい嫌な感じの女とは絶対思われたくない。
女神ってだけでちょっと構えそうなのに。
話し方まで堅かったらなかなか距離を縮められないかもだし。

だからつい脱力モードで話してしまうんだよ。

ま。とりあえずはブレスレットもあげたし。
資料見てもらえばいっか。

例の漫画の主人公の他にも推しが出来ちゃって。
しかも一緒に生活ができる。

これからなんか楽しくなりそう。