Future Sight

白黒ちゃん

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村の隠し事

訓練2

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射撃訓練はほぼ毎日行われた。

しかし、銃の詳細については教えてくれなかった。

「俺達一体いつまで続けるんだ?」

「さぁな。」

「サヨリに会いてえ」

「お前はそればっかりだな」


僕達は毎日同じ場所でひたすら射撃練習をしていた。

「いつきくん、最近ここ空気が薄く感じない?」

「え?」

「酸素が薄く感じるんだ。」

「君もやっぱりそう思う?」

話しかけてきたのは知らない男だった。

「いきなり話しかけてごめんね、僕はシチって言うんだ。よろしく。」

「僕はいつきだ。よろしく。」

「僕以外にも異変に気づいてる人がいるんだ。体力のない僕は直ぐに気づいたんだけど。」

合格者の中に体調不良で脱落者が何人か出たのは知っていた。
これが原因だったのか。

「僕も最近は立っていられないん………」

バタッ

「お、おい!しっかりしろ!」

シイという男はいきなり倒れてしまった。
係員に運ばれて行ったがその日以降見かけることは無かった。






「合格者の皆様。よくぞ頑張ってくれました。明日、皆様には地上にでて未知の生物の排除をして頂きます。」


それはいきなりだった。


「あまりにもいきなりすぎねーか?」

「いつか来るとは思っていたが……まさか明日だとはな。」


泣き出す者もいた。
僕自身も戸惑いを隠せないでいた。
みんな知っているのだ。
化け物がどんな姿なのかを。

「皆様の活躍を期待しております。」


辞めるといえば何をされるかわからない。
それをみんなはわかっていた。


「あんな化け物に殺されるくらいならここで死んでやる!!!!」

そう言って自殺する者もいた。

髪の毛をむしり取っている人もいる。

余計に嫌な雰囲気が流れた。

「俺も……逃げたい……」

そうきも不安そうだった。
誰もが恐怖を感じていた。







「エマ、私怖いの。」
「どうしたのよ、やこらしくないわ。」

怖かった。
ずっと死ぬことが怖かった。

死んだらどうなるんだろうとか、
私という存在が消えたらどうなるんだろうとか。
そんなことが頭でぐるぐると回るんだ。

「死んだらどうなるの?」
「知らないわよ、死んだことないから。死ぬこともないし。」
「そういえばなんでエマは検査に引っかからなかったの?」
「私にもそれが分からないの。ずっと考えてるんだけど、何か意図でもあるんじゃないかって。」

「エマは生きたくないの?」

「そうね、終わりがない人生はあまりいいものじゃないわ。価値を見出しても意味を与えられても、結局は無意味なの。」

「へぇ~……私にはわかんないや」

エマはいつも愛想笑いをする。
人と関わっているのもあまり見たことがない。
人と距離を置いているようにも見える。
不老不死っていうのはあまり良いものでもないらしい。

「今日はもう寝ましょ。」

「うん。」






「そうきはあまりよく眠れなかったみたいだな?」
「意外とびびりなんだな」
「うるさーい!ビビってなんかないさ!」

僕達は変な服に着替えさせられた。


「皆様、スーツには着替えて頂きましたでしょうか?」

大きさがやけにぴったりだった。

「そちらのスーツを着ていれば感染のおそれはほぼないと言っていいでしょう。」

(ほぼ……?)

「それでは皆様!あちらの車にお乗り下さい。」

久々に出る地上はやけに太陽が眩しくて目を背けたくなるような景色が広がっていた。

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