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人生の機微
ふたりは未知数2
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「わかったから佐知と俺のことはもういいよ」
「お分かりになったのなら雅和さんも奥様にならい真実の道を突き進んで下さいませ」
「まったく母さんが生き返ってきたみたいだな」
「奥様が私の口を借りて話されているのかもしれません」
「俺そういうたぐいの話し嫌いなんだけどな~」
「ホラー映画を見るとひとりで眠れず大きくなられてからも奥様のベッドに潜り込んだ事をお聞きして知っております」
「話を変えよう泉さんの今後のことだけど事務所のてっちゃんが用心棒がわりにこの家で暮らしてもいいと言ってくれているんだ 泉さんどうかな」
「お心遣いは有り難いのですがお断り頂きとうございます 誤解なさらないで下さい手塚さんの御世話をしたくない訳ではございません わたくしこの家には旦那様、奥様、雅和さん、佐知さん、秀和坊ちゃん以外の足跡をつけたくないのでございます」
「そうか分かった てっちゃんにはいつでも駆けつけてくれるように頼んでおくから何かあったらすぐ連絡するといい」
「それは有り難いですね、あの方は本当に頼りがいがおありですものね」
「てっちゃんは情に厚く信頼のおける男だと親父が言ってた 親父にはてっちゃんが唯一心を許せる相棒だったんだろうな」
「柳木沢様がありのままのご自分をお見せできたのは手塚さんだけと記憶しております」
「家族が知らない親父のすべてを知っているのがてっちゃんとは、何だかやるせないな」
「全てというのはいかがなものかと人は誰でも語れない一つや二つ必ずお持ちになっているものでございますから」
「そう言ってしまえばそうなんだけど」
「申し訳ございません わたくしは人様の話を途中で台無しにしてしまうことが多々ございまして」
「そんなことないよ 泉さんの話は刺激があって俺は楽しいよ」
「ところで佐知さんにはもうお会いにならずアメリカに」
「あぁ今度会うのは俺が帰国したときそう決めたんだ」
「お仕事に励まれていたら一年なんてあっという間でございましょうね」
「そう願いたいな」
「雅和さんがお帰りになるまでわたくしがこの家をしっかりお守り致します」
「俺いなくなったら泉さん絶対寂しくなると思うけど大丈夫?もし一人でいられなかったら遠慮しないでてっちゃんに電話して来てもらうといい」
「一人は慣れておりますからご心配はいりません それにわたくしはもう一人ではございませんから」
「そうだった泉さんには息子のようないや息子の俺がいるからね」
母親がわが子を見つめるような眼差しを見せた泉は両親が雅和に残してくれた一番の財産だった。
ほどなくして雅和はてっちゃんと従業員に盛大に見送られアメリカに旅立っていった。
「お分かりになったのなら雅和さんも奥様にならい真実の道を突き進んで下さいませ」
「まったく母さんが生き返ってきたみたいだな」
「奥様が私の口を借りて話されているのかもしれません」
「俺そういうたぐいの話し嫌いなんだけどな~」
「ホラー映画を見るとひとりで眠れず大きくなられてからも奥様のベッドに潜り込んだ事をお聞きして知っております」
「話を変えよう泉さんの今後のことだけど事務所のてっちゃんが用心棒がわりにこの家で暮らしてもいいと言ってくれているんだ 泉さんどうかな」
「お心遣いは有り難いのですがお断り頂きとうございます 誤解なさらないで下さい手塚さんの御世話をしたくない訳ではございません わたくしこの家には旦那様、奥様、雅和さん、佐知さん、秀和坊ちゃん以外の足跡をつけたくないのでございます」
「そうか分かった てっちゃんにはいつでも駆けつけてくれるように頼んでおくから何かあったらすぐ連絡するといい」
「それは有り難いですね、あの方は本当に頼りがいがおありですものね」
「てっちゃんは情に厚く信頼のおける男だと親父が言ってた 親父にはてっちゃんが唯一心を許せる相棒だったんだろうな」
「柳木沢様がありのままのご自分をお見せできたのは手塚さんだけと記憶しております」
「家族が知らない親父のすべてを知っているのがてっちゃんとは、何だかやるせないな」
「全てというのはいかがなものかと人は誰でも語れない一つや二つ必ずお持ちになっているものでございますから」
「そう言ってしまえばそうなんだけど」
「申し訳ございません わたくしは人様の話を途中で台無しにしてしまうことが多々ございまして」
「そんなことないよ 泉さんの話は刺激があって俺は楽しいよ」
「ところで佐知さんにはもうお会いにならずアメリカに」
「あぁ今度会うのは俺が帰国したときそう決めたんだ」
「お仕事に励まれていたら一年なんてあっという間でございましょうね」
「そう願いたいな」
「雅和さんがお帰りになるまでわたくしがこの家をしっかりお守り致します」
「俺いなくなったら泉さん絶対寂しくなると思うけど大丈夫?もし一人でいられなかったら遠慮しないでてっちゃんに電話して来てもらうといい」
「一人は慣れておりますからご心配はいりません それにわたくしはもう一人ではございませんから」
「そうだった泉さんには息子のようないや息子の俺がいるからね」
母親がわが子を見つめるような眼差しを見せた泉は両親が雅和に残してくれた一番の財産だった。
ほどなくして雅和はてっちゃんと従業員に盛大に見送られアメリカに旅立っていった。
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