257 / 316
愛は陽炎(あいはかげろう)
決意6
しおりを挟む
「やっとこれで俺も恩返しができる これまで色々あった俺だけど言い尽くせないほど佐知には助けてもらったからな」
「助けたなんて大げさよ 困っている人がいたら手を差し伸べるのは当たり前だもの」
「その当たり前のことさえ出来ないご時世で佐知は絶滅危惧種に近い存在なんだよ」
「バカにされてるのか持ち上げられているのかなんだか複雑な気持ち」
「佐知を悪く言う奴なんかいないからもっと自分に自信を持ったほうがいいお前は本当にいい女だから」
「私がいい女ならそんないい女を捨てる男は大馬鹿野郎だわ ねぇそう思わない」
「はいはい大馬鹿野郎ですみませんでした あの時の俺は未熟者でまだまだ青二才でしたから」
「だったら私も同じ、幼くて大人になりきれていなかった」
「あのときの俺たち・・あの時はあれが精一杯で、だからあれはあれでよかったんだ」
「あれはあれでって、あれってなに」
「あれはあれだよ」
「それじゃ答えになってないわ」
「あ~めんどくさいな つらい別れもあったけどあんときは楽しくていい思い出だった・・て事」
「回りくどい言い方しないで始めからそう言えばいいのに」
「いま思えば年齢に応じた恋愛ってものがあるのかも知れないな おれ若い時の恋愛も結末はどうあれ悪くなかったなって思ってるんだ」
「そうね、私たちのあの恋愛もあの時でなければ体感できなかった大切な思い出よね」
「いい思い出だったなんて言ってる俺たちは年くって成長したって事か」
「ピンポーン大正解、雅和は頼もしい立派な殿方に成長なされ佐知は嬉しゅうごじゃります~」
「急になんだよそれ、日本語おかしくなってるぞ」
二人して昔話を笑って話せるようになった佐知は先が見えない霧が少しずつ晴れて行くような気持ちだった。別離から今なお繋がる雅和との関係を生涯失くしたくないと心から思っていた。
「助けたなんて大げさよ 困っている人がいたら手を差し伸べるのは当たり前だもの」
「その当たり前のことさえ出来ないご時世で佐知は絶滅危惧種に近い存在なんだよ」
「バカにされてるのか持ち上げられているのかなんだか複雑な気持ち」
「佐知を悪く言う奴なんかいないからもっと自分に自信を持ったほうがいいお前は本当にいい女だから」
「私がいい女ならそんないい女を捨てる男は大馬鹿野郎だわ ねぇそう思わない」
「はいはい大馬鹿野郎ですみませんでした あの時の俺は未熟者でまだまだ青二才でしたから」
「だったら私も同じ、幼くて大人になりきれていなかった」
「あのときの俺たち・・あの時はあれが精一杯で、だからあれはあれでよかったんだ」
「あれはあれでって、あれってなに」
「あれはあれだよ」
「それじゃ答えになってないわ」
「あ~めんどくさいな つらい別れもあったけどあんときは楽しくていい思い出だった・・て事」
「回りくどい言い方しないで始めからそう言えばいいのに」
「いま思えば年齢に応じた恋愛ってものがあるのかも知れないな おれ若い時の恋愛も結末はどうあれ悪くなかったなって思ってるんだ」
「そうね、私たちのあの恋愛もあの時でなければ体感できなかった大切な思い出よね」
「いい思い出だったなんて言ってる俺たちは年くって成長したって事か」
「ピンポーン大正解、雅和は頼もしい立派な殿方に成長なされ佐知は嬉しゅうごじゃります~」
「急になんだよそれ、日本語おかしくなってるぞ」
二人して昔話を笑って話せるようになった佐知は先が見えない霧が少しずつ晴れて行くような気持ちだった。別離から今なお繋がる雅和との関係を生涯失くしたくないと心から思っていた。
1
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。



サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。


【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
命を狙われたお飾り妃の最後の願い
幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】
重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。
イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。
短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。
『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる