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愛は陽炎(あいはかげろう)
決意3
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海外に事務所を構えている先輩の勧めもあって雅和はアメリカに飛んで取得した資格を活かすため体験研修していた 雅和は日本を発つわずかな期間にあらゆる方面に手を回し秀行の所在を突き止めていた。仕事重視の短い滞在で雅和が秀行と対面できたのは帰国の前日だった。
「西條先生、お久しぶりです」
「井川君、君が・・どうしてここに」
「驚かせてすみません 仕事でこっちに来たものですから 遅くなりましたがあのせつは大変お世話になりました」
「僕がここにいる事が良くわかったね」
「いろいろ手を尽くしました 物凄く大変でしたよ 先生の友人でもある斉藤先生もご尽力下さったおかげです」
「きみは凄腕の探偵になれるよ あの斉藤君の口を開かせたのだから」
「先生は・・先生のアメリカ行きは病気を治療するためだったのですか」
「いや研修を受ける目的だった しかし研修前の事前検査で引っかかってしまってね 検査を外部に出して調べてもらったところ病状がことのほか重くて・・考えれば確かに疲れやすくなってはいたけどそれ以外の自覚症状は何もなかったんだ 僕自身急なことで驚いたけれどここにきてから体は急激に悪くなっている 遅かれ早かれいずれは移植しなければと覚悟はしてる」
「佐知が心配していましたよ」
「・・・・・」
「こっちに来る前に佐知から電話が来て会ってきました」
「佐知さん元気にしてましたか」
「先生、なに呑気なこと言ってるんだ 元気なわけないだろう 食べるものも食べられなくなって俺あんな佐知をみたの初めてだよ 先生から連絡がないからやせ細って可哀想だったよ」
「僕は佐知さんに
助けてもらうばかりで彼女には本当に申し訳ないと思っている」
「先生は早く元気になって佐知を安心させてくれ・・佐知を笑顔にしてやれるのは先生あんたなんだ あいつの寂しい顔俺は二度と見たくないよ」
「佐知さんは笑顔が一番似合う 笑っている彼女の写真に今も僕は勇気を貰っている」
「先生は佐知を幸せにしたいんだろう 二人で幸せを探すって約束したんだろう だったら二人で命尽きるまでその幸せを探し続けろよ ずっと佐知のそばにいてやってくれよ」
「確かに約束はした、でも僕は幸せを探せず途中で命尽きてしまうかもしれない体なんだ 守ってやるどころか佐知さんから笑顔を奪い悲しませる事になってしまう」
「だからそれが何だっていうんだ 佐知は先生が本気で惚れた大切な女ひとなんだろう だったら命がどうこうなんて関係ないよ 健康でも明日何があるかなんて誰にもわからないんだ 俺が愛した美香さんと娘の明日香に突然、死が訪れたように誰もが死を避けて生きるのは無理なんだ 先生は佐知との約束を破棄して死ぬのか死ねるのか本当にそれでいいのか先生、今も佐知を思う気持ちに嘘がないなら隠し事はやめてすべてを話すべきだ あいつはどんなことがあってもどんなことを聞いても先生のそばを離れはしないよ 先生のプロポーズを信じ待っている佐知がいる事を忘れないで彼女との約束は何があろうと守ってくれ それと生まれてくる子供のためにも先生は病気に勝たなくちゃ負けては駄目なんだ」
「子供・・いま子どもと」
「西條先生、お久しぶりです」
「井川君、君が・・どうしてここに」
「驚かせてすみません 仕事でこっちに来たものですから 遅くなりましたがあのせつは大変お世話になりました」
「僕がここにいる事が良くわかったね」
「いろいろ手を尽くしました 物凄く大変でしたよ 先生の友人でもある斉藤先生もご尽力下さったおかげです」
「きみは凄腕の探偵になれるよ あの斉藤君の口を開かせたのだから」
「先生は・・先生のアメリカ行きは病気を治療するためだったのですか」
「いや研修を受ける目的だった しかし研修前の事前検査で引っかかってしまってね 検査を外部に出して調べてもらったところ病状がことのほか重くて・・考えれば確かに疲れやすくなってはいたけどそれ以外の自覚症状は何もなかったんだ 僕自身急なことで驚いたけれどここにきてから体は急激に悪くなっている 遅かれ早かれいずれは移植しなければと覚悟はしてる」
「佐知が心配していましたよ」
「・・・・・」
「こっちに来る前に佐知から電話が来て会ってきました」
「佐知さん元気にしてましたか」
「先生、なに呑気なこと言ってるんだ 元気なわけないだろう 食べるものも食べられなくなって俺あんな佐知をみたの初めてだよ 先生から連絡がないからやせ細って可哀想だったよ」
「僕は佐知さんに
助けてもらうばかりで彼女には本当に申し訳ないと思っている」
「先生は早く元気になって佐知を安心させてくれ・・佐知を笑顔にしてやれるのは先生あんたなんだ あいつの寂しい顔俺は二度と見たくないよ」
「佐知さんは笑顔が一番似合う 笑っている彼女の写真に今も僕は勇気を貰っている」
「先生は佐知を幸せにしたいんだろう 二人で幸せを探すって約束したんだろう だったら二人で命尽きるまでその幸せを探し続けろよ ずっと佐知のそばにいてやってくれよ」
「確かに約束はした、でも僕は幸せを探せず途中で命尽きてしまうかもしれない体なんだ 守ってやるどころか佐知さんから笑顔を奪い悲しませる事になってしまう」
「だからそれが何だっていうんだ 佐知は先生が本気で惚れた大切な女ひとなんだろう だったら命がどうこうなんて関係ないよ 健康でも明日何があるかなんて誰にもわからないんだ 俺が愛した美香さんと娘の明日香に突然、死が訪れたように誰もが死を避けて生きるのは無理なんだ 先生は佐知との約束を破棄して死ぬのか死ねるのか本当にそれでいいのか先生、今も佐知を思う気持ちに嘘がないなら隠し事はやめてすべてを話すべきだ あいつはどんなことがあってもどんなことを聞いても先生のそばを離れはしないよ 先生のプロポーズを信じ待っている佐知がいる事を忘れないで彼女との約束は何があろうと守ってくれ それと生まれてくる子供のためにも先生は病気に勝たなくちゃ負けては駄目なんだ」
「子供・・いま子どもと」
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