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愛は陽炎(あいはかげろう)
ここにある愛6
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秀行は20分遅れて待ち合わせたお店に駆け込んできた。
「待たせてごめん」
「お疲れ様でした お腹すいたでしょう」
「佐知さんもペコペコだろ おかみに食事お願いしてきたからもう少し我慢して」
秀行から彼女の名前がでたのは食後のコーヒーが運ばれた時だった。
「佐知さん君にも五十嵐杏子という人から手紙が届いているよね」
「えぇ・・」
「君はその話をしようと僕を誘った、そうだよね」
「・・はい」
持ってきた手紙をテーブルに置いた佐知は姿勢を正し座りなおした。
「わたし秀行さんを信じています」
「結婚しようと約束した君ではなく、他の人を選ぼうとした男を・・そんな僕をどうして信じられる」
「わたし達は何も変わっていないわ
あなたが誰よりもわたしを愛し、わたしもあなたを・・今も私達は愛しあっているのに何かが変わったというのならそれを私に分かるように教えて」
「確かに・・・僕は君を愛している、その気持ちに嘘はない」
「秀行さん前に話してくれましたね 大切にしたい思いが行動になったときそれが支えだったり色んな形になっていくのかもしれないって 大切な友人を一度は愛し合った彼女を放っておけなかった秀行さんの気持ち私にはわかるような気がします 私が井川君に抱いた気持ちと同じだと思うから 秀行さんが彼女のためにしたその行動がどんな形になったのか、それだけはどうしても知りたいの 私に聞かせてほしいの」
「彼女を支えることが僕の人生に組み込まれた選択のような気がしたんだ」
「秀行さんは自分の心に逆らうことが出来ない人だから一人で先走りしてしまうんだわ 相手が望むそれ以上のことを彼女の気持ちもお構いなしに ごめんなさい言過ぎました」
「いやその通りなのかもしれない
僕は彼女のすべてを理解していると過信しすぎたようだ もっと慎重に洞察すべきだった 僕が良かれと思ってした事は彼女に負担を課すことになってしまった 今思うと僕は自分の気持ちを彼女に押し付けていただけ・・・ 彼女にとって何が最善で何を望んでいるのかを僕はもっと考えるべきだった」
「でも秀行さんは彼女を救った だから秀行さんの役目はもう終わったわ 五十嵐杏子さんは明るい未来を見いだせたのは秀行さんのおかげだと手紙で感謝しています 彼女が望んでいた事がなにかを本当は秀行さんわかっていたんじゃないですか 彼女が人生を共にするのは秀行さんではなく亡くなった親友の彼だけだという事も彼の代わりは誰にも出来ない事も何もかも全部わかっていた、そうなのでしょう秀行さん」
「亡き親友と彼女が僕に願う事それはただ一つ愛する君と幸せになること 夫婦生活を笑いながら話してくれた生前の親友に僕は二人の幸せを確信できた 僕から奪いさらうほど心底愛した彼女と結ばれた彼は彼女を誰より大切に愛おしんで生きていた そんな二人だから確かな幸せを手に出来たのだと思った 僕と一緒になっていたら彼女はその幸せを掴めはしなかった 佐知さんが言うように僕はすべてを承知して彼女を引き受けようとした でも僕は愛する君の存在を会いに行った日に彼女に話した 君の存在と君への気持ちを知っていた彼女にこれからの人生を共に生きてゆくなど口にしてしまった自分を恥じると同時に彼女には申し訳ないと思っている 僕が彼女にしたことは自尊心の押し売りだった」
「待たせてごめん」
「お疲れ様でした お腹すいたでしょう」
「佐知さんもペコペコだろ おかみに食事お願いしてきたからもう少し我慢して」
秀行から彼女の名前がでたのは食後のコーヒーが運ばれた時だった。
「佐知さん君にも五十嵐杏子という人から手紙が届いているよね」
「えぇ・・」
「君はその話をしようと僕を誘った、そうだよね」
「・・はい」
持ってきた手紙をテーブルに置いた佐知は姿勢を正し座りなおした。
「わたし秀行さんを信じています」
「結婚しようと約束した君ではなく、他の人を選ぼうとした男を・・そんな僕をどうして信じられる」
「わたし達は何も変わっていないわ
あなたが誰よりもわたしを愛し、わたしもあなたを・・今も私達は愛しあっているのに何かが変わったというのならそれを私に分かるように教えて」
「確かに・・・僕は君を愛している、その気持ちに嘘はない」
「秀行さん前に話してくれましたね 大切にしたい思いが行動になったときそれが支えだったり色んな形になっていくのかもしれないって 大切な友人を一度は愛し合った彼女を放っておけなかった秀行さんの気持ち私にはわかるような気がします 私が井川君に抱いた気持ちと同じだと思うから 秀行さんが彼女のためにしたその行動がどんな形になったのか、それだけはどうしても知りたいの 私に聞かせてほしいの」
「彼女を支えることが僕の人生に組み込まれた選択のような気がしたんだ」
「秀行さんは自分の心に逆らうことが出来ない人だから一人で先走りしてしまうんだわ 相手が望むそれ以上のことを彼女の気持ちもお構いなしに ごめんなさい言過ぎました」
「いやその通りなのかもしれない
僕は彼女のすべてを理解していると過信しすぎたようだ もっと慎重に洞察すべきだった 僕が良かれと思ってした事は彼女に負担を課すことになってしまった 今思うと僕は自分の気持ちを彼女に押し付けていただけ・・・ 彼女にとって何が最善で何を望んでいるのかを僕はもっと考えるべきだった」
「でも秀行さんは彼女を救った だから秀行さんの役目はもう終わったわ 五十嵐杏子さんは明るい未来を見いだせたのは秀行さんのおかげだと手紙で感謝しています 彼女が望んでいた事がなにかを本当は秀行さんわかっていたんじゃないですか 彼女が人生を共にするのは秀行さんではなく亡くなった親友の彼だけだという事も彼の代わりは誰にも出来ない事も何もかも全部わかっていた、そうなのでしょう秀行さん」
「亡き親友と彼女が僕に願う事それはただ一つ愛する君と幸せになること 夫婦生活を笑いながら話してくれた生前の親友に僕は二人の幸せを確信できた 僕から奪いさらうほど心底愛した彼女と結ばれた彼は彼女を誰より大切に愛おしんで生きていた そんな二人だから確かな幸せを手に出来たのだと思った 僕と一緒になっていたら彼女はその幸せを掴めはしなかった 佐知さんが言うように僕はすべてを承知して彼女を引き受けようとした でも僕は愛する君の存在を会いに行った日に彼女に話した 君の存在と君への気持ちを知っていた彼女にこれからの人生を共に生きてゆくなど口にしてしまった自分を恥じると同時に彼女には申し訳ないと思っている 僕が彼女にしたことは自尊心の押し売りだった」
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