涙が幸せの泉にかわるまで

寿佳穏 kotobuki kanon

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トライアングルLOVE

揺れ惑う心7

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雅和は喉を詰まらせたような獣にも似た大きな唸り声をあげた。手塚は思わず身を引いて後ずさりした。ベッドから降りた雅和は大声で泣き喚き暴れ出して手が付けられない有り様だった。手塚は医師や看護師らの手を借り雅和を取り押さえた。鎮静睡眠剤の注射を打たれた雅和は一昼夜眠り続けた。 

目を覚ました雅和は迷惑をかけた医師や看護師に自分の無礼を詫び人が変わってように頭を下げていた。雅和は落ち着きを取り戻し時折笑顔を見せながらリハビリに励んでいた。事故前に戻ったかのように明るく振る舞う雅和のその姿は誰の目にも無理していることは明らかだった。手塚はそんな雅和が不憫でならなかった。しかし背負う苦しみ悲しみは自身が癒してこそ解決するものそう考える手塚はあえて厳しく雅和に向き合っていた。一切の同情は捨て時に傷口を広げる言葉を浴びせることもあったが雅和には父親のような手塚の気持ちが痛いほどわかっていた雅和は連日のつらいリハビリに励み終わりのない懺悔の日々を受け入れ生きようとしていた。


俺は誰ひとりも幸せにできなかった・・佐知きみには幸せになって欲しい 親父(柳木沢)が願った君の幸せは俺とでは掴めない・・君が幸せになりたいのなら俺を、君の中にいる俺を棄ててしまうんだ 佐知は今近くにある愛に早く気付け 大切に佐知を思い愛してくれる西條先生が君のすぐそばにいる 俺とでは君は絶対幸せになれない・・俺は君の愛を受け入れてはいけない男、愛する人たちを幸せには出来ない男だから


雅和は自分を責め続けいまは亡き愛する家族に涙する日々を送っていた。


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