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悲しみの連鎖
大切なものが15
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「ちょっと待て、俺は君を帰さない このまま帰るなんて許さないからな」
「離して腕が痛いわ」
「俺たち昔もこんなことあったよな」
「・・・・・」
「あの時と同じだ 俺がこの手を放したらすべてがここで終わる いまある絆が切れたら俺達はもう会うこともないだろう、それでいいのなら好きにすればいい」
佐知はその場を動けなくなっていた。
「わかってくれたんだね」
「井川君の美香さんを思う気持ちは少しも色褪せていない その思いは永遠に変わらないって分かっているのに私はいつもあなたを困らせてしまう ごめんなさい」
「気持ちが変わらないなんて誰が断言できる おれ自身この先どうなるかわからないし女々しく思いをひきずっている俺に愛を語る資格はないんだ 男だったら誰だって愛する人を幸せにしたいよ、だけどそれが出来ないとわかって愛を受け入れたらそれは親父と同じだ 俺はずっと母親の涙をみて育ったから愛する人を母さんのようにはしたくないんだ 父のすべてを知っている君にならわかるだろ 俺たちがこれからどうなるかそれは分からない でも絆がある限り俺は君と繋がっていられる繋がっていたいんだ佐知・・俺は美香さんだけをこれからも一生愛すると決めたけど・・ときが経てば人の気持ちは変わってしまうのかな、もしかするとどんなにあがいても変えなければならない時が来るのかもしれないな」
「そんな日が本当に来るの 生涯美香さんを愛すると誓ったあなたにそんな日がいつくるの」
「何度も言うけど先のことは誰にも分からないんだ 俺の気持ちがこれからも変わらないと俺は勿論きみも云い切れるものなのかわからないけど、もしかしてだけど・・いつか向き合える日がくるかもしれない 佐知と俺は別れたけど今もこうして繋がっている 普通じゃ考えられない事だよね 世の中には色んな愛が散らばっていて俺たちの絆もそのひとつ 愛がどんな形に姿を変えようが愛に変わりはないそう俺は思っている」
「絆も愛ならその愛ってなに、それってどんな愛なの」
「それは・・俺にもわからないけど
龍一と真砂子の結婚式で再会した夜のこと覚えてる?ホテルで話したこと」
「服を着たまま二人手を繋いで夜を明かして 思い出すとおかしいわね」
「あの夜、握り合った手だけは朝まで離さなかったよね あの日俺達の終わったはずの愛が男と女を超越した愛に変わったんだ」
「あの時の再会は亡くなった和由兄さんが導いてくれたと思っているわ 私たち共通の兄、和由兄さんが繋いでくれた絆が愛なら私たちは愛で繋がっていると思っていいのよね井川君」
「あぁ俺達は愛で繋がっている 但しその愛は残念ながら君が願う昔の愛とは別物だけど」
「わたし過去の愛にしがみつくのはもうやめる 簡単にはいかないかもしれないけど今ある絆の方が大切だから」
「それがいい、いつか二人で笑いながら昔の愛を語れるようになれたらいいな」
その雅和の言葉に佐知は涙を拭い笑顔を見せ大きくうなずいた。
「離して腕が痛いわ」
「俺たち昔もこんなことあったよな」
「・・・・・」
「あの時と同じだ 俺がこの手を放したらすべてがここで終わる いまある絆が切れたら俺達はもう会うこともないだろう、それでいいのなら好きにすればいい」
佐知はその場を動けなくなっていた。
「わかってくれたんだね」
「井川君の美香さんを思う気持ちは少しも色褪せていない その思いは永遠に変わらないって分かっているのに私はいつもあなたを困らせてしまう ごめんなさい」
「気持ちが変わらないなんて誰が断言できる おれ自身この先どうなるかわからないし女々しく思いをひきずっている俺に愛を語る資格はないんだ 男だったら誰だって愛する人を幸せにしたいよ、だけどそれが出来ないとわかって愛を受け入れたらそれは親父と同じだ 俺はずっと母親の涙をみて育ったから愛する人を母さんのようにはしたくないんだ 父のすべてを知っている君にならわかるだろ 俺たちがこれからどうなるかそれは分からない でも絆がある限り俺は君と繋がっていられる繋がっていたいんだ佐知・・俺は美香さんだけをこれからも一生愛すると決めたけど・・ときが経てば人の気持ちは変わってしまうのかな、もしかするとどんなにあがいても変えなければならない時が来るのかもしれないな」
「そんな日が本当に来るの 生涯美香さんを愛すると誓ったあなたにそんな日がいつくるの」
「何度も言うけど先のことは誰にも分からないんだ 俺の気持ちがこれからも変わらないと俺は勿論きみも云い切れるものなのかわからないけど、もしかしてだけど・・いつか向き合える日がくるかもしれない 佐知と俺は別れたけど今もこうして繋がっている 普通じゃ考えられない事だよね 世の中には色んな愛が散らばっていて俺たちの絆もそのひとつ 愛がどんな形に姿を変えようが愛に変わりはないそう俺は思っている」
「絆も愛ならその愛ってなに、それってどんな愛なの」
「それは・・俺にもわからないけど
龍一と真砂子の結婚式で再会した夜のこと覚えてる?ホテルで話したこと」
「服を着たまま二人手を繋いで夜を明かして 思い出すとおかしいわね」
「あの夜、握り合った手だけは朝まで離さなかったよね あの日俺達の終わったはずの愛が男と女を超越した愛に変わったんだ」
「あの時の再会は亡くなった和由兄さんが導いてくれたと思っているわ 私たち共通の兄、和由兄さんが繋いでくれた絆が愛なら私たちは愛で繋がっていると思っていいのよね井川君」
「あぁ俺達は愛で繋がっている 但しその愛は残念ながら君が願う昔の愛とは別物だけど」
「わたし過去の愛にしがみつくのはもうやめる 簡単にはいかないかもしれないけど今ある絆の方が大切だから」
「それがいい、いつか二人で笑いながら昔の愛を語れるようになれたらいいな」
その雅和の言葉に佐知は涙を拭い笑顔を見せ大きくうなずいた。
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