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父の消息
眠れぬ夜7
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「はいはいわかりました 美香さんのお父さんがどんな人かの答えにならないかもしれないけど俺は美香さんのお父さん好きだな あの人の話す言葉のすべてがすぅーと胸に入ってきたんだ 俺の美香さんへの思いは誰にも負けないと自負していたけどこの人にだけは敵わないなって思ったよ 病身のやせ細ったあの人がセピア色になった美香さんの写真を濡れた目で見つめていた姿がいまも目に焼きついて忘れられないよ あの人別れ際に言ったんだ 生きる糧が見つかったから頑張ってみるかって・・その顔は晴れやかだった 美香さんの話を聞いたあの人は見違えるほど元気になっていた。孤独なあの人に希望と生きる糧を齎したのは自分の血を分けた美香さんだったんだ」
「孤独な人か・・私と一緒ね 人は皆一人で生まれ一人死に逝くものだから誰もが孤独といえるでしょうね でも身寄りがいるといないとでは雲泥の差だわ 美香さんのお父さんやっと眠れぬ夜と決別できたのでしょうね 体も徐々に持ち直して元気になれるといいわね」
「俺も眠れない夜のつらさは沢山経験しているよ なんたって次の日の仕事が超しんどくてつらいんだよなぁ」
「いやだわ井川君そうじゃなくて身につまされるつらさを言っているのよ それが分らないようじゃまだまだね、井川君って天然なの」
「やっぱり俺はまだまだってことですか 風向きが悪くなった所でそろそろ帰ろうかな ママなにか美香さんに伝えることある」
「手紙の返事はもう少し待ってねってそれだけ伝えて頂戴」
「了解です」
ママは美香さんの父親の何かを探り出そうとしている気がする 俺の思い過ごしなのかな・・
雅和は美香が待つ病院へ全力で駆け出した。
「孤独な人か・・私と一緒ね 人は皆一人で生まれ一人死に逝くものだから誰もが孤独といえるでしょうね でも身寄りがいるといないとでは雲泥の差だわ 美香さんのお父さんやっと眠れぬ夜と決別できたのでしょうね 体も徐々に持ち直して元気になれるといいわね」
「俺も眠れない夜のつらさは沢山経験しているよ なんたって次の日の仕事が超しんどくてつらいんだよなぁ」
「いやだわ井川君そうじゃなくて身につまされるつらさを言っているのよ それが分らないようじゃまだまだね、井川君って天然なの」
「やっぱり俺はまだまだってことですか 風向きが悪くなった所でそろそろ帰ろうかな ママなにか美香さんに伝えることある」
「手紙の返事はもう少し待ってねってそれだけ伝えて頂戴」
「了解です」
ママは美香さんの父親の何かを探り出そうとしている気がする 俺の思い過ごしなのかな・・
雅和は美香が待つ病院へ全力で駆け出した。
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