142 / 290
父の消息
眠れぬ夜1
しおりを挟む
美香は会社から送られてきた書類に目を通していた。長期病気休暇承諾の書類だった。その書類を手帳に挿もうとしたそのとき一枚の名刺が何気に目に入った。SIGNPOSTその名前に美香はお店のちょっとミステリアスなママの事を思い出した。
「ママは私のこと覚えているかしら」
美香は会いたい気持ちを抑えられなくなっていた。土曜の夜、病室に駆けつけた雅和に美香は待ってましたとばかり大袈裟に手招きしてみせた。
「雅和に頼みたい事があるの 明日行ってきてほしい場所があるんだけど、お願いしてもいいわよね」
「いいよわねってもう決まりなんだろ 俺がいくって」
「さすが飲み込みが早いわ じゃ用件を言うわよ、明日SIGNPOSTに行ってきてほしいの」
「・・・ 」
「雅和、聞いているの」
「あっごめん、美香さんの口からSIGNPOSTの名前が出てくるとは驚きだな」
「出張のとき一度だけあの店に行ったの ママが何かあったら力になるからって声をかけてくれてこの名刺をくれたのよ 私あのママのことがどうしても気になって仕方ないの」
「あのママは気さくで面倒見がよくてみんなに慕われているからね」
「雅和はママがあの界隈でちょっとした有名人だって知っていたの」
「有名人?俺そんな話一度も聞いたことないな」
「実はママは占い師で超能力者なんですって」
「やめてくれよ そんなことありえないよ」
「でも・・見えるって言ったのよ、私のことが見えたって」
「見えるって何が?」
「人の人生が見えるらしいの」
雅和は美香の話がまったくのでたらめでないことは少しだが理解できた。
「私が倒れたあの日、ママには私が見えていたの 初めて会った私を見て早急に病院にいきなさい頭に注意しなさいって言ったわ」
「なんか背中がゾクゾクしてきたよ」
「初対面だったけど店を出た私を追ってきてくれたママの姿が忘れられないの、可笑しいでしょうけど何故だか無性に恋しいの 力になると言ってくれたママに私の何が見えたのか、わたしママに力をもらいたいからもう一度会いたいの」
「美香さんがそうしたいのなら俺がなんとしてもママを連れて来てやるよ」
「雅和はただこの手紙を届けてくれるだけでいいの 後はこれを読んだママにまかせたいから」
「わかった 明日病院に来る前にママに届けるよ」
「ママは私のこと覚えているかしら」
美香は会いたい気持ちを抑えられなくなっていた。土曜の夜、病室に駆けつけた雅和に美香は待ってましたとばかり大袈裟に手招きしてみせた。
「雅和に頼みたい事があるの 明日行ってきてほしい場所があるんだけど、お願いしてもいいわよね」
「いいよわねってもう決まりなんだろ 俺がいくって」
「さすが飲み込みが早いわ じゃ用件を言うわよ、明日SIGNPOSTに行ってきてほしいの」
「・・・ 」
「雅和、聞いているの」
「あっごめん、美香さんの口からSIGNPOSTの名前が出てくるとは驚きだな」
「出張のとき一度だけあの店に行ったの ママが何かあったら力になるからって声をかけてくれてこの名刺をくれたのよ 私あのママのことがどうしても気になって仕方ないの」
「あのママは気さくで面倒見がよくてみんなに慕われているからね」
「雅和はママがあの界隈でちょっとした有名人だって知っていたの」
「有名人?俺そんな話一度も聞いたことないな」
「実はママは占い師で超能力者なんですって」
「やめてくれよ そんなことありえないよ」
「でも・・見えるって言ったのよ、私のことが見えたって」
「見えるって何が?」
「人の人生が見えるらしいの」
雅和は美香の話がまったくのでたらめでないことは少しだが理解できた。
「私が倒れたあの日、ママには私が見えていたの 初めて会った私を見て早急に病院にいきなさい頭に注意しなさいって言ったわ」
「なんか背中がゾクゾクしてきたよ」
「初対面だったけど店を出た私を追ってきてくれたママの姿が忘れられないの、可笑しいでしょうけど何故だか無性に恋しいの 力になると言ってくれたママに私の何が見えたのか、わたしママに力をもらいたいからもう一度会いたいの」
「美香さんがそうしたいのなら俺がなんとしてもママを連れて来てやるよ」
「雅和はただこの手紙を届けてくれるだけでいいの 後はこれを読んだママにまかせたいから」
「わかった 明日病院に来る前にママに届けるよ」
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる