涙が幸せの泉にかわるまで

不思議な三角関係

見透かされた心6

「美香さんにひとつだけいいですか、井川君のことわたし今も好きだけど好きにはピンからキリまであるでしょ　今の好きは兄を慕う妹のような気持ちなの本当よ　だから安心して」

「あー今の好きは兄って言ったよね、てことはちょっと前までは私と同じだったのね」

「えぇでもそれは私の一方通行の気持ちだから・・悔しいけど美香さんと同じじゃないわ」

「気持ちが一方通行だったなんてそれはそれはさぞかし御つらかったでしょうね～佐知さん」

「ものすごい皮肉に聞こえたんだけど気のせいかしら」

「ごめんなさい佐知さん謝るからご機嫌直して　だけどさっきも言ったように私と雅和は堅い絆で結ばれているの　だから佐知さんには悪いけど今はまだ分け入る余地などないってことだけは覚えておいてね」

「よくもぬけぬけと仰ってくれましたね～　美香さん本当は性格悪いでしょ　根性悪の美香さんに虐められたって誰かさんに泣きついちゃおうかな」

「佐知さんお願いだからそれだけはやめて～」

美香は最初で最後の友情を佐知と育もうとしていた。