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不思議な三角関係
見透かれた心1
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別れ際に雅和が言った言葉を思い出していた。
「たまには病室に顔を出してやってくれないかな 美香さんが君に会いたがっていたから」
久しぶりに佐知は入院病棟に向かっていた。
「ご機嫌はいかがですか」
「あ~佐知さん会いたかった ずっと待ってたのよ」
「ごめんなさい、お邪魔かと思って」
「遠慮なんかしないで、わたし佐知さんと会うと元気になれるの だから時間があったら顔を見せてちょうだい」
「そんなふうに言ってもらえて光栄です」
「佐知さん、ですとかますとか使うのやめにしない 私が年上だって事は忘れて話してくれると嬉しいんだけどな」
「はいそうします」
「ほら、また~」
ご無沙汰の対面だったが、二人はすっかり打ち解けていた。
「佐知さん雅和がやっと産んでもいいと言ってくれたの でも本心はドクター橘と同じ彼は子供の誕生を手放しで望んではいないわ」
「自分の命を懸けても産むと言われたら井川君に限らず愛する人の体を一番に考えるわ」
「でもそれって子供を諦めろってことでしょう」
「命を救うためには何かを犠牲にしなければならない時もあるわ 愛する人を守ろうとしている井川君と子供を守ろうとする美香さん、どちらも間違っていないけど今は母体を優先させるべきじゃないかしら」
「佐知さんも同じなのね」
「井川君は十分苦しんだ上で母子の保障がないのなら大切な美香さんを守ろうとしたんだわ その気持ちは美香さんだってわかっているはずです 井川君が子供の誕生を望んでないなんてそんなこと絶対ないわ 美香さんの意思を一番理解して一緒に戦おうとしている井川君を信じてあげて下さい」
「たまには病室に顔を出してやってくれないかな 美香さんが君に会いたがっていたから」
久しぶりに佐知は入院病棟に向かっていた。
「ご機嫌はいかがですか」
「あ~佐知さん会いたかった ずっと待ってたのよ」
「ごめんなさい、お邪魔かと思って」
「遠慮なんかしないで、わたし佐知さんと会うと元気になれるの だから時間があったら顔を見せてちょうだい」
「そんなふうに言ってもらえて光栄です」
「佐知さん、ですとかますとか使うのやめにしない 私が年上だって事は忘れて話してくれると嬉しいんだけどな」
「はいそうします」
「ほら、また~」
ご無沙汰の対面だったが、二人はすっかり打ち解けていた。
「佐知さん雅和がやっと産んでもいいと言ってくれたの でも本心はドクター橘と同じ彼は子供の誕生を手放しで望んではいないわ」
「自分の命を懸けても産むと言われたら井川君に限らず愛する人の体を一番に考えるわ」
「でもそれって子供を諦めろってことでしょう」
「命を救うためには何かを犠牲にしなければならない時もあるわ 愛する人を守ろうとしている井川君と子供を守ろうとする美香さん、どちらも間違っていないけど今は母体を優先させるべきじゃないかしら」
「佐知さんも同じなのね」
「井川君は十分苦しんだ上で母子の保障がないのなら大切な美香さんを守ろうとしたんだわ その気持ちは美香さんだってわかっているはずです 井川君が子供の誕生を望んでないなんてそんなこと絶対ないわ 美香さんの意思を一番理解して一緒に戦おうとしている井川君を信じてあげて下さい」
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