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不思議な三角関係
決心5
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「佐知さん、雅和は妊娠のこと知らないの 雅和の子を私が産んでもいいものかずっと考えていた、そうこうしている内に言いそびれて・・でもわたし誰になんと言われようと産む決心をしたの 命の保障がなくても残したい私の生きた証を、私を産んでくれた母と私の生きた人生の道程を生まれ来る子に繋げたいの」
「話はこれくらいにしましょう 美香さん苦しそうだわ 少し休んで病院に戻りましょうね 私が病院に付き添いますから」
「佐知さんわたし父に会いたい 父に抱かれた記憶がまったくない私だけど生まれ来るわが子を父に抱いてもらいたいの その姿を見て私もこうして父に抱かれたのだと父の愛を感じたい、佐知さんお願い、父が存命ならば一度だけでいいから会いたいの、佐知さん父を探して」
「井川君きっと悲しむと思います どうして俺に頼んでくれないのかって、美香さんは順番を間違えています 一番に井川君に話すべきです、そうしてください 美香さんが言えないなら井川君には私が話してあげます 絶対にそうすべきです」
「駄目、雅和には言えない 彼は私の母と似ているの 自分を投げうっても私を救う人よ これ以上彼の重荷になりたくない分かってくれるでしょう、佐知さんになら分かるでしょ」
「今は重荷とか言ってる場合じゃないでしょ 心を通わせ大切に愛を育んできた二人だもの助け合わなければ、こんな時だからこそ井川君の力を借りるべきだわ」
「子供を産めたとして私はその成長を見届けられない、そんな気がするわ 私にはわかるの だから生まれた子供を父に託したいの 父ならきっといい養子先を見つけてくれる」
「美香さん本気で言ってるの 子供の父親である井川君の気持ちはどうするつもりなのですか」
「彼は自分が育てるって言うでしょうね、きっと」
「だったらそれでいいじゃないですか美香さんと井川君二人の子供なんですよ わかっていながら何故」
「男の人が一人で子供を育てるなんて無理だわ それにそんなこと私は望んでいない 雅和には何にも邪魔されず自分の道を突き進んでほしいの」
「それは美香さんの勝手な言い分だわ井川君の気持ちも聞かず自分で何もかも決めようとしている 今は一人ではなく二人で乗り越えるときです 井川君ときちんと向き合ってください それから自分と向き合っても遅くはないでしょう わたし美香さんに後悔してほしくないです それに井川君と生まれた子どもを引き離すことなど美香さんは望んでない出来ないことわかっているのに無理して偽って・・・美香さんそんなに自分を苦しめないで、ひとりで苦しまないで井川君がいるんだから」
口を閉ざした蒼白な美香の顔から疲れが滲み出ていた。
「話はこれくらいにしましょう 美香さん苦しそうだわ 少し休んで病院に戻りましょうね 私が病院に付き添いますから」
「佐知さんわたし父に会いたい 父に抱かれた記憶がまったくない私だけど生まれ来るわが子を父に抱いてもらいたいの その姿を見て私もこうして父に抱かれたのだと父の愛を感じたい、佐知さんお願い、父が存命ならば一度だけでいいから会いたいの、佐知さん父を探して」
「井川君きっと悲しむと思います どうして俺に頼んでくれないのかって、美香さんは順番を間違えています 一番に井川君に話すべきです、そうしてください 美香さんが言えないなら井川君には私が話してあげます 絶対にそうすべきです」
「駄目、雅和には言えない 彼は私の母と似ているの 自分を投げうっても私を救う人よ これ以上彼の重荷になりたくない分かってくれるでしょう、佐知さんになら分かるでしょ」
「今は重荷とか言ってる場合じゃないでしょ 心を通わせ大切に愛を育んできた二人だもの助け合わなければ、こんな時だからこそ井川君の力を借りるべきだわ」
「子供を産めたとして私はその成長を見届けられない、そんな気がするわ 私にはわかるの だから生まれた子供を父に託したいの 父ならきっといい養子先を見つけてくれる」
「美香さん本気で言ってるの 子供の父親である井川君の気持ちはどうするつもりなのですか」
「彼は自分が育てるって言うでしょうね、きっと」
「だったらそれでいいじゃないですか美香さんと井川君二人の子供なんですよ わかっていながら何故」
「男の人が一人で子供を育てるなんて無理だわ それにそんなこと私は望んでいない 雅和には何にも邪魔されず自分の道を突き進んでほしいの」
「それは美香さんの勝手な言い分だわ井川君の気持ちも聞かず自分で何もかも決めようとしている 今は一人ではなく二人で乗り越えるときです 井川君ときちんと向き合ってください それから自分と向き合っても遅くはないでしょう わたし美香さんに後悔してほしくないです それに井川君と生まれた子どもを引き離すことなど美香さんは望んでない出来ないことわかっているのに無理して偽って・・・美香さんそんなに自分を苦しめないで、ひとりで苦しまないで井川君がいるんだから」
口を閉ざした蒼白な美香の顔から疲れが滲み出ていた。
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