涙が幸せの泉にかわるまで

不思議な三角関係

決心2

「木内さんは妊娠しています　勿論ご存知ですよね　残念ですが今回は諦めてください　その後、病気治療に専念してもらいますがよろしいですか」

わたし産みたいです　先生お願いです　授かった命を守りたいんです　お願いします　お腹の子を助けてください

「手術を成功させなければあなたの命も保障されないのですよ　あなたに、もしもの事があればお腹の子もおなじです　妊娠したままの治療はリスクが大きすぎます」

先生、わたしは死んでしまう可能性が高い病気と言うことですか　わたしは生きたいまだ死になくない、先生わたしは死ぬのですか

唐突過ぎる美香の質問に橘医師は動じなかった。

「それを避けるために治療をし手術をするのですよ　木内さんを死なせない努力を私達医師は全力で尽くします　ですから木内さんも死ぬことではなく生きる努力を希望を捨てないでください　私が言おうとしていること分かりますね」

まさしく厳しい宣告だった。

病室に戻った美香は涙していた。美香は自分の命と新たな命をどうすべきか真剣に考えていた。

私の命に限りがあるならなおのこと　お腹の子を誕生させたい　死してなお自分が生きた人生をわが子に繋げたい

過酷な運命を告げられた美香は自分を産んでくれた母の気持ちが身に沁みていた。

新たな命は消したくない消せない、誰になんと言われようと私が守ってみせる　命に代えても・・・