涙が幸せの泉にかわるまで

寿佳穏 kotobuki kanon

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不思議な三角関係

揺らぐ心5

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「・・何もないわ、井川君の勘ぐりすぎよ」

「ならいいけれど、でも俺に嘘はつかないでくれ、たとえ俺が絶望に悲しもうとも佐知だけは真実を伝えてくれ 約束してくれるよね佐知」

「ええ・・約束するわ でも今は余計なこと考えないで美香さんが良くなることだけを願いましょう」

「おれ今度こそ強い男になって美香さんを守っていくよ 佐知には申し訳ないけど・・」

「そうよ、それでこそ私が惚れた井川君だわ」

「喜んでいいのか、なんか複雑な気分だな」

「こういう時はさらっと聞き流してありがとうって言えばいいのよ」

「そっか」

「今日は本当にお疲れ様、真砂子によろしくね」

「ああ、じゃまたあした」

美香さんの病状がもし最悪なものであったら隠さず話すなんて私には無理だわ 雅和とした約束も・・・
安易に約束したことを佐知は悔いていた。

雅和が今も佐知の大切な男ひとであるように美香も大切な忘れられない女ひとになろうとはこの時の佐知は夢にも思わなかった。



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