涙が幸せの泉にかわるまで

寿佳穏 kotobuki kanon

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不思議な三角関係

揺らぐ心4

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「忘れてしまったかも知れないけれど井川君わたしに君を守る強い男になれるといいなって言ってくれたのよ だから今度こそ本物の強い男になって、美香さんを守ってあげて」

「・・・ごめん・・佐知」

「責めているんじゃないから謝らないで 私の素直な気持ちなの 井川君と美香さんをわたし応援したいの」

「佐知、ありがとう」

其のとき雅和のお腹がグゥーっと大きく鳴った。

「井川君、今日お昼食べた?」

「そういえば病院で口にしたのは缶コーヒーだけ」

「それじゃ早くなにかお腹に入れてあげないと」

「一緒にどこかで食事して帰らないか」

「ごめんなさい これから陶芸教室なの」

「そうか、それじゃ一人で食べて帰るよ」

「それはだめ、龍一君と真砂子が夕飯準備して待っているわ」

「わかっているんだけど、新婚の二人を見ると身の置き所なくて、どうも落着かなくてさ」

「でも今日は帰って真砂子の料理を食べて お昼に真砂子から電話がきたの 美香さんと井川君を心配してかけてきたのよ 井川君のために腕によりかけて料理を作って待ってるわ 今日はスタミナ料理にするって真砂子張り切っていたんだから だから今日は寄り道しないでまっすぐ帰って」

「なら急いで帰らないとまずいな」

「じゃ又あしたね」

「あっ佐知まって」

「え、なぁに」

「俺になにか隠してないか て言うか俺に何か言いたいことがあるんじゃないのかなって」

「・・急にどうしたの」

「目の前にいる佐知が俺が見た病院にいた佐知とは様子が少し違って見えるから それに会話中、佐知は俺から何度も目をそらした そんなこと今までなかっただろ」

「・・・・・」

佐知は返す言葉を失っていた。
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