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不思議な三角関係
揺らぐ心1
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週明けの月曜日佐知はいつもより30分早く出勤して入院病棟に向かった。美香は集中治療室から一般病棟に移されていた。301号の個室を開けた佐知は微かに赤みをさした顔で眠る美香に安堵していた。
「あの顔色なら心配ないわ」
朝ご飯もそこそこに家を出た佐知の胸のつかえが薄れていった。ロッカー室でいつものリップでなく珍しく口紅をさしていた。
雅和とまた会える・・馬鹿おバカな私雅和は倒れた美香さんを心配してここに来るの わたしに会いに来るんじゃないのよ
我に返り佐知は塗ったばかりの口紅を手の甲で拭い落した。
受付の奥で新患のカルテを書いていると聞き覚えのある声がして思わず手を止めた。
「すみません 受付の皆井さんいますか」
「はいおりますが」
「井川と言ってもらえればわかります 呼んでもらえないでしょうか」
「皆井さ~ん 井川さんと言う方がみえてますよ」
「井川君おはよう 美香さん一般病棟に移ったから会えるわよ」
「えっ会えるの本当に会えるんだね でも一人じゃ・・佐知今日だけ病室まで一緒に行ってもらえないかな」
「えぇいいわよ、私でよければ」
「仕事中なのにわるいな」
「これも大事なお仕事よ、気にしないで でも少しだけ待っててくれる」
ハイミス部長に許可をもらい雅和とエレベーターに乗り込んだ。
「美香さんの苦しむ姿見たくないな 俺は美香さんの笑顔だけを見ていたいんだ・・」
「そうね、美香さん良くなって笑顔で退院できるといいわね」
「もし神様に願いを叶えてやると言われたら佐知は何を願う?俺は迷わず美香さんを救ってほしいと土下座して懇願するよ 美香さんの存在そのものがいま俺が生きている力の源だから」
返す言葉もなく佐知の口から零れたのは悲しき落胆の吐息だけだった。佐知はナース室に声をかけて雅和を病室へ案内した 病室のドアを開け佐知はしり込みする雅和の背を押した。ベッドに歩み寄った雅和は美香の寝顔に顔を近づけていた。無言の対面だったが二人は会話しているようだった。
二人は声なき会話をしている、二人の思いがキャッチボールしている 私が割ってはいる余地などもうないんだ でも・・それでも私は
終結させたはずの雅和への愛がまた反逆の狼煙を上げ始めた。
雅和は看護士に呼ばれ病室を出て行った。佐知は雅和と入れ違いに美香のベッドに駆け寄った。
「早く元気になって雅和に笑顔をみせてあげて 美香さんは雅和にとって命と同じくらい大切な人なのよ そして私にとっても雅和は今も忘れえぬ大切な人・・わたし雅和の悲しい顔はみたくないの だから美香さん早く目を覚まして雅和を喜ばせて笑顔にしてあげて、お願いだから目を覚まして」
佐知は美香の手を優しく擦り続けていた。
「あの顔色なら心配ないわ」
朝ご飯もそこそこに家を出た佐知の胸のつかえが薄れていった。ロッカー室でいつものリップでなく珍しく口紅をさしていた。
雅和とまた会える・・馬鹿おバカな私雅和は倒れた美香さんを心配してここに来るの わたしに会いに来るんじゃないのよ
我に返り佐知は塗ったばかりの口紅を手の甲で拭い落した。
受付の奥で新患のカルテを書いていると聞き覚えのある声がして思わず手を止めた。
「すみません 受付の皆井さんいますか」
「はいおりますが」
「井川と言ってもらえればわかります 呼んでもらえないでしょうか」
「皆井さ~ん 井川さんと言う方がみえてますよ」
「井川君おはよう 美香さん一般病棟に移ったから会えるわよ」
「えっ会えるの本当に会えるんだね でも一人じゃ・・佐知今日だけ病室まで一緒に行ってもらえないかな」
「えぇいいわよ、私でよければ」
「仕事中なのにわるいな」
「これも大事なお仕事よ、気にしないで でも少しだけ待っててくれる」
ハイミス部長に許可をもらい雅和とエレベーターに乗り込んだ。
「美香さんの苦しむ姿見たくないな 俺は美香さんの笑顔だけを見ていたいんだ・・」
「そうね、美香さん良くなって笑顔で退院できるといいわね」
「もし神様に願いを叶えてやると言われたら佐知は何を願う?俺は迷わず美香さんを救ってほしいと土下座して懇願するよ 美香さんの存在そのものがいま俺が生きている力の源だから」
返す言葉もなく佐知の口から零れたのは悲しき落胆の吐息だけだった。佐知はナース室に声をかけて雅和を病室へ案内した 病室のドアを開け佐知はしり込みする雅和の背を押した。ベッドに歩み寄った雅和は美香の寝顔に顔を近づけていた。無言の対面だったが二人は会話しているようだった。
二人は声なき会話をしている、二人の思いがキャッチボールしている 私が割ってはいる余地などもうないんだ でも・・それでも私は
終結させたはずの雅和への愛がまた反逆の狼煙を上げ始めた。
雅和は看護士に呼ばれ病室を出て行った。佐知は雅和と入れ違いに美香のベッドに駆け寄った。
「早く元気になって雅和に笑顔をみせてあげて 美香さんは雅和にとって命と同じくらい大切な人なのよ そして私にとっても雅和は今も忘れえぬ大切な人・・わたし雅和の悲しい顔はみたくないの だから美香さん早く目を覚まして雅和を喜ばせて笑顔にしてあげて、お願いだから目を覚まして」
佐知は美香の手を優しく擦り続けていた。
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