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不思議な三角関係
縁は異なもの6
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「お待たせしました」
「佐知だよね俺、雅和」
「井川君、あなたからの連絡を待っていたのよ」
「美香さんが倒れたって・・美香さんは」
「午前中の診察が終わった待合室に倒れていたの」
「・・・・倒れていた」
「心配でしょうけど美香さんは大丈夫、優秀な先生が診てくださっているから それで井川君、美香さんの家族と連絡取れた?住所とか教えてくれる」
「それは無理、彼女に身寄りはいないんだ」
「美香さん・・家族がいないの?なら手続きが必要なんだけど今は無理ね」
「俺が唯一身寄りのようなものだから俺が美香さんの家族、俺じゃだめなのかな」
「私には分からないから明日聞いておくわ」
「佐知、俺いまから病院に向かうよ」
「そうしてもらえると有りがたいわ
一応入院手続きや諸々の書類とか渡しておきたいし美香さんも心強いと思うわ」
「俺が行くまで美香さんをよろしく頼みます」
「はい任せてください」
美香さんには身寄りがない 雅和が身寄りで家族、二人はすでにそういう関係なんだ 美香さんは幸せ者 だめだめこんなときに・・いま美香さんに幸せだなんて不謹慎すぎるわ
手帳に書かれた名前で美香の姓を知った。
「木内美香 綺麗な名前あの人にぴったりの名前だわ」
佐知は美香を支えたいと思った どこか自分と同じ匂いのする美香への偽らざる思いだった。肩越しに婦長が声が聞こえてきた
「皆井さんご苦労様、受付はみんな帰ったのに一人残業させちゃって悪いわね」
「いいえ大丈夫です 運ばれた患者さんのカルテいまお持ちしようと思ってたんですよ」
「私が届けるからあなたはもうお帰りなさい」
「患者さんの容態はどうですか」
「集中治療室に入っているけど今は命に係わる重篤じゃないから心配ないわ 皆井さん今日はお疲れ様、暗いから気をつけて帰りなさい」
「はいおつかれさまでした」
佐知は一人残された事務所で留守番電話に伝言を残した。
「佐知です いま仕事終わって帰るところです 美香さんの容態は安定していますから心配しないで夜間の運転にはくれぐれも気をつけて来てください 明日美香さんと会うのは無理です。どんなに頼んでも会わせて貰えないのでそのことを伝えておこうと思って電話しました。美香さんに会いたい一心で駄々っ子みたいな姿の雅和見たくないから伝えておきますね」
サービスエリアで休憩をとり佐知からの伝言を聞いた雅和は折り返し電話を入れた。
「佐知の留守電聞いたよ 明日病院に行っても美香さんには会えないんだね 会いたいけど仕方ないな 俺しばらく龍一のところに泊めてもらうことにしたけど正直新婚夫婦のお邪魔虫みたいで気が引けるよ ホテルにしたかったけど真砂子と龍一がうちに泊まれってうるさくて、あいつらの命令なら逆らえないからね」
「世話好きの真砂子なら良くしてくれるわ 友達だもの甘えていいのよ こんな時のひとりぽっちはつらいわよ」
「・・・そうだな」
「井川君、仲間は真砂子たちだけじゃないよ 忘れないで私もいる協力するから遠慮しないで何でも言ってね」
「ありがとう佐知」
「私は受付にいるから声をかけてね」
「助かるよ」
電話の向こうでは明るく振る舞っているが美香が心配でたまらない雅和の心中が佐知には手に取るように分かった
いまも昔と同じ私には雅和のことが分かる・・愛する美香を案じる雅和の気持が痛いほど伝わっていた。
雅和が大切に思っているのは美香さんもう私じゃない 私たちの愛は終わった いま私たちは兄と妹のような絆で繋がっている でもわたしは・・まだ愛している、雅和を・・・あきらめられないでいる
この日佐知は勢いよく立ち昇る愛慕の火柱を止められなかった。
あとがき
SIGNPOSTのママと美香の出会いによってこれから隠し持つ過去ある人たちの秘め事、真実があぶり出されていきます。生き別れた美香の父佐々木悟朗と繋がる必然的出会いの展開も始まります。美香と雅和の愛・・・襲い来る困難に立ち向かう二人の苦悩、その愛を間近で見守る佐知と雅和の絆(愛)は・・・
「佐知だよね俺、雅和」
「井川君、あなたからの連絡を待っていたのよ」
「美香さんが倒れたって・・美香さんは」
「午前中の診察が終わった待合室に倒れていたの」
「・・・・倒れていた」
「心配でしょうけど美香さんは大丈夫、優秀な先生が診てくださっているから それで井川君、美香さんの家族と連絡取れた?住所とか教えてくれる」
「それは無理、彼女に身寄りはいないんだ」
「美香さん・・家族がいないの?なら手続きが必要なんだけど今は無理ね」
「俺が唯一身寄りのようなものだから俺が美香さんの家族、俺じゃだめなのかな」
「私には分からないから明日聞いておくわ」
「佐知、俺いまから病院に向かうよ」
「そうしてもらえると有りがたいわ
一応入院手続きや諸々の書類とか渡しておきたいし美香さんも心強いと思うわ」
「俺が行くまで美香さんをよろしく頼みます」
「はい任せてください」
美香さんには身寄りがない 雅和が身寄りで家族、二人はすでにそういう関係なんだ 美香さんは幸せ者 だめだめこんなときに・・いま美香さんに幸せだなんて不謹慎すぎるわ
手帳に書かれた名前で美香の姓を知った。
「木内美香 綺麗な名前あの人にぴったりの名前だわ」
佐知は美香を支えたいと思った どこか自分と同じ匂いのする美香への偽らざる思いだった。肩越しに婦長が声が聞こえてきた
「皆井さんご苦労様、受付はみんな帰ったのに一人残業させちゃって悪いわね」
「いいえ大丈夫です 運ばれた患者さんのカルテいまお持ちしようと思ってたんですよ」
「私が届けるからあなたはもうお帰りなさい」
「患者さんの容態はどうですか」
「集中治療室に入っているけど今は命に係わる重篤じゃないから心配ないわ 皆井さん今日はお疲れ様、暗いから気をつけて帰りなさい」
「はいおつかれさまでした」
佐知は一人残された事務所で留守番電話に伝言を残した。
「佐知です いま仕事終わって帰るところです 美香さんの容態は安定していますから心配しないで夜間の運転にはくれぐれも気をつけて来てください 明日美香さんと会うのは無理です。どんなに頼んでも会わせて貰えないのでそのことを伝えておこうと思って電話しました。美香さんに会いたい一心で駄々っ子みたいな姿の雅和見たくないから伝えておきますね」
サービスエリアで休憩をとり佐知からの伝言を聞いた雅和は折り返し電話を入れた。
「佐知の留守電聞いたよ 明日病院に行っても美香さんには会えないんだね 会いたいけど仕方ないな 俺しばらく龍一のところに泊めてもらうことにしたけど正直新婚夫婦のお邪魔虫みたいで気が引けるよ ホテルにしたかったけど真砂子と龍一がうちに泊まれってうるさくて、あいつらの命令なら逆らえないからね」
「世話好きの真砂子なら良くしてくれるわ 友達だもの甘えていいのよ こんな時のひとりぽっちはつらいわよ」
「・・・そうだな」
「井川君、仲間は真砂子たちだけじゃないよ 忘れないで私もいる協力するから遠慮しないで何でも言ってね」
「ありがとう佐知」
「私は受付にいるから声をかけてね」
「助かるよ」
電話の向こうでは明るく振る舞っているが美香が心配でたまらない雅和の心中が佐知には手に取るように分かった
いまも昔と同じ私には雅和のことが分かる・・愛する美香を案じる雅和の気持が痛いほど伝わっていた。
雅和が大切に思っているのは美香さんもう私じゃない 私たちの愛は終わった いま私たちは兄と妹のような絆で繋がっている でもわたしは・・まだ愛している、雅和を・・・あきらめられないでいる
この日佐知は勢いよく立ち昇る愛慕の火柱を止められなかった。
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SIGNPOSTのママと美香の出会いによってこれから隠し持つ過去ある人たちの秘め事、真実があぶり出されていきます。生き別れた美香の父佐々木悟朗と繋がる必然的出会いの展開も始まります。美香と雅和の愛・・・襲い来る困難に立ち向かう二人の苦悩、その愛を間近で見守る佐知と雅和の絆(愛)は・・・
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