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予期せぬ巡り合わせ
こんなことって10
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ピンポーン・ピンポーン
何度押しても応答はなかった。
美香さんはいる
モニターで俺だとわかっているはず
雅和は鍵を取り出しオートロックのドアを解除してマンション内に入った。雅和は美香の部屋の前で立ちすくんでいた。合鍵で強引に部屋に入ることにはやはり抵抗感があった。
ドン、ドン・・
拳を上げドアを叩いた。
「美香さんおれ雅和だよ 開けてくれいるんだろ 俺は帰されることを承知でここに来た 話がある美香さんに話さなければならないことがあるんだ」
扉の向こうから聞こえる雅和の必死な呼びかけに美香は息を殺していた。返答のない静寂に諦め顔の雅和が足先を変えた時だった。
ガチャ、ガシャ・・
ドアが開く音に雅和は一目散にドアに走りよった。
「美香さん、ごめん」
白いナイトガウンを羽織り立っていた美香は雅和を部屋に入れた。雅和はお決まりの場所に座り神妙な面持ちでナイトクリームで艶々光る美香の顔を見つめていた。珈琲を入れようと立ち上がろうとする美香を雅和は制した。
「何もしないでいいからここに座って 美香さんにどうしても話しておきたいことがある」
「話って今日じゃないといけないの。約束の日は明日、明日じゃだめだった」
「一刻も早く美香さんに話さないと俺の気がすまなくて どうしても今日中に話さなければと思って来たんだ」
「そういうことなら聞くわ でもこういう事はルール違反だからもうやめてね、今回だけ特別よ」
「ごめんね美香さん 俺が話したかったのはペンダントを届けてくれた友人のことなんだ その人は皆井佐知っていうんだ」
その名前に美香は一瞬たじろぎを見せた。顔色を変えた美香の姿に雅和は確信した。
やぱり美香さんは手紙を見つけ佐知の名前を見たのかもしれない
「私が病院であった人それが皆井佐知さんなのね」
「・・・・・」
「それでその人がどうかしたの」
「友人なんて嘘をついてごめん 彼女、皆井佐知は俺の恋人だった 余計な心配かけたくなくて俺は美香さんに嘘をついた」
「そうだったの それを言うために今夜此処に来てくれたの」
「ああ・・・」
「正直に話してくれて嬉しいわ、ありがとう 前にも言ったけどわたし彼女のこと好きよ 雅和と一緒よ彼女のこと嫌いになれないわ」
「何だか棘のある言い方に聞こえるのは気のせいかな」
「私だって女だものトゲのひとつやふたつあるかもしれないわね。でも雅和は彼女とは終わったんでしょ」
「ああ、もう遠い昔の話し」
「だったら私に気を使うことないわ 過去の色恋は当事者の問題だもの彼女のことは一切私には関係のないこと、そうでしょ」
「俺のこだわり過ぎだったか」
「余計な心配しないで夢の実現に向かって頑張ろう」
「そうだな いま俺が欲しいのは過去じゃない未来なんだ すっきりした~これでぐっすり眠れる」
「そんなに悩んでいたのそれも眠れないほど それは私を思って、それとも佐知さんのこと」
「・・・・・」
「人との繋がりや一度結んだ縁って終わったからそれでお終いじゃないと思うの どこかでまた巡り会うようにって目には見えない何かで繋がっているような気がするわ それっきりになるのは気持ちが一方通行だからよきっと。大切な縁で結ばれた相手なら再び出会えるんじゃないかしら 雅和と佐知さん二人はそうじゃないのかなって 雅和は佐知さんを恨んでいる?そうじゃないでしょ 佐知さんとの愛は幸せな思い出ばかりだったんじゃない 二人がまた出会えたなんてすごいことよ 終わった愛は忘れてもいいけど新たな出会いを握りつぶさないで変なこだわりは捨てて佐知さんとの縁をつなげて欲しいな 偶然の出会いなんかこの世にはないっていうでしょう だから大切にしないと」
「美香さんは自分が何を言っているかわかってるのか 佐知と付き合えって言ってるのと同じだろ」
「そうじゃない 彼女は雅和にとって必要な人、雅和あなたにも彼女は必要な人だからまた出会えた そこには何か意味があるってことを私は言いたいの」
「わからないよ、俺にわかるように納得できるように話してくれよ」
「今日はもう遅いわ 続きは明日しましょう 話してくれてありがとう」
「・・・・・」
「そんな顔してないで、ほら早く帰らないともう遅いわ 今日はぐっすり眠ってね おやすみなさい雅和」
「おやすみ、美香さん」
星ひとつない空を見上げ雅和は溜め息を吐き佇んでいた。
何度押しても応答はなかった。
美香さんはいる
モニターで俺だとわかっているはず
雅和は鍵を取り出しオートロックのドアを解除してマンション内に入った。雅和は美香の部屋の前で立ちすくんでいた。合鍵で強引に部屋に入ることにはやはり抵抗感があった。
ドン、ドン・・
拳を上げドアを叩いた。
「美香さんおれ雅和だよ 開けてくれいるんだろ 俺は帰されることを承知でここに来た 話がある美香さんに話さなければならないことがあるんだ」
扉の向こうから聞こえる雅和の必死な呼びかけに美香は息を殺していた。返答のない静寂に諦め顔の雅和が足先を変えた時だった。
ガチャ、ガシャ・・
ドアが開く音に雅和は一目散にドアに走りよった。
「美香さん、ごめん」
白いナイトガウンを羽織り立っていた美香は雅和を部屋に入れた。雅和はお決まりの場所に座り神妙な面持ちでナイトクリームで艶々光る美香の顔を見つめていた。珈琲を入れようと立ち上がろうとする美香を雅和は制した。
「何もしないでいいからここに座って 美香さんにどうしても話しておきたいことがある」
「話って今日じゃないといけないの。約束の日は明日、明日じゃだめだった」
「一刻も早く美香さんに話さないと俺の気がすまなくて どうしても今日中に話さなければと思って来たんだ」
「そういうことなら聞くわ でもこういう事はルール違反だからもうやめてね、今回だけ特別よ」
「ごめんね美香さん 俺が話したかったのはペンダントを届けてくれた友人のことなんだ その人は皆井佐知っていうんだ」
その名前に美香は一瞬たじろぎを見せた。顔色を変えた美香の姿に雅和は確信した。
やぱり美香さんは手紙を見つけ佐知の名前を見たのかもしれない
「私が病院であった人それが皆井佐知さんなのね」
「・・・・・」
「それでその人がどうかしたの」
「友人なんて嘘をついてごめん 彼女、皆井佐知は俺の恋人だった 余計な心配かけたくなくて俺は美香さんに嘘をついた」
「そうだったの それを言うために今夜此処に来てくれたの」
「ああ・・・」
「正直に話してくれて嬉しいわ、ありがとう 前にも言ったけどわたし彼女のこと好きよ 雅和と一緒よ彼女のこと嫌いになれないわ」
「何だか棘のある言い方に聞こえるのは気のせいかな」
「私だって女だものトゲのひとつやふたつあるかもしれないわね。でも雅和は彼女とは終わったんでしょ」
「ああ、もう遠い昔の話し」
「だったら私に気を使うことないわ 過去の色恋は当事者の問題だもの彼女のことは一切私には関係のないこと、そうでしょ」
「俺のこだわり過ぎだったか」
「余計な心配しないで夢の実現に向かって頑張ろう」
「そうだな いま俺が欲しいのは過去じゃない未来なんだ すっきりした~これでぐっすり眠れる」
「そんなに悩んでいたのそれも眠れないほど それは私を思って、それとも佐知さんのこと」
「・・・・・」
「人との繋がりや一度結んだ縁って終わったからそれでお終いじゃないと思うの どこかでまた巡り会うようにって目には見えない何かで繋がっているような気がするわ それっきりになるのは気持ちが一方通行だからよきっと。大切な縁で結ばれた相手なら再び出会えるんじゃないかしら 雅和と佐知さん二人はそうじゃないのかなって 雅和は佐知さんを恨んでいる?そうじゃないでしょ 佐知さんとの愛は幸せな思い出ばかりだったんじゃない 二人がまた出会えたなんてすごいことよ 終わった愛は忘れてもいいけど新たな出会いを握りつぶさないで変なこだわりは捨てて佐知さんとの縁をつなげて欲しいな 偶然の出会いなんかこの世にはないっていうでしょう だから大切にしないと」
「美香さんは自分が何を言っているかわかってるのか 佐知と付き合えって言ってるのと同じだろ」
「そうじゃない 彼女は雅和にとって必要な人、雅和あなたにも彼女は必要な人だからまた出会えた そこには何か意味があるってことを私は言いたいの」
「わからないよ、俺にわかるように納得できるように話してくれよ」
「今日はもう遅いわ 続きは明日しましょう 話してくれてありがとう」
「・・・・・」
「そんな顔してないで、ほら早く帰らないともう遅いわ 今日はぐっすり眠ってね おやすみなさい雅和」
「おやすみ、美香さん」
星ひとつない空を見上げ雅和は溜め息を吐き佇んでいた。
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