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追憶
新たな一歩2
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休日の澄み切った午後、ひとりで風に当たっていた。銀杏並木は秋色に染まった葉っぱの絨毯で敷き詰められていた。色づいた黄色やオレンジ色の葉っぱを掻き分けあてもなく歩いていた。べンチに座り日差しを遮る頭上の大木を見あげ溜め息をついた。未だ未練を引きずっている自分と向き合っていた。
/今年もまたクリスマスがやってくる 忘れられない愛の日々が甦るクリスマスがもうすぐやってくる
つらい・哀しい・虚しい・切ない・やるせない失った愛の悲しみの限りを・痛みを嫌というほど十分味わった この苦しみから解放されて早く自分の道を歩きたい このままじゃいけないってわかってる
毎日を精一杯生きなきゃ、生きてあげなきゃだめ
今日・今・この瞬間は二度と戻らない大切な時間
また明日がくることを当たり前に思っちゃだめ
柳木沢さんは限りある「命」を大切に逝ききった
雅和も人生をしっかり見据えて夢の実現のため自分の道を刻んでる
希望があるから人は明日に向かって生きている今日という日の繋がりの明日に夢を託し生きてゆける
私はいつまで無意味な日々を送るのだろう 自分の道をいつになったら歩き出せるのだろう/
その夜会いたくても会えない柳木沢の夢を見た。
「柳木沢さん来てくれたのね ずっと待っていたのよ」
「皆井君どうした いつまでそうして自分を甘やかし続けるつもりなんだ 君らしくないじゃないか殻に閉じこもり自らの人生を台無しにしている 他力だけで救われ逃れられる人生などありはしないんだよ 人生は自分が決めるあれは嘘だったのか 君の人生はこれからも長く果てしなく続く 出会い・別れ、そのどれもがまさしく人生だ すべてを受け入れそれを糧にして新たに進むんだ 一歩踏み出せば必ずまた次の一歩につながる、勇気を出して一歩を さあ踏み出すんだ 僕が見ている、さあ歩くんだ、前に進め」
夢を見た朝は幸せな気持ちのいい目覚めだった。鏡に映る晴れやかな自分に驚いていた。雅和に胸躍らせたあの日と同じ輝いていた頃と同じだった。鏡の向こうに思わず綺麗と呟いていた。
「おはよう、あら佐知今朝は顔色がいいわね ずっと眠れないって言っていたでしょ、心配していたのよ」
「もう大丈夫だよ」
「佐知の笑顔は天下一品だな、久しぶりに見る父さんの好きないい笑顔だ」
「父さんは誉め上手なんだから、でも嬉しいよありがとう もうすぐボーナスも入ることだしみんなで美味しいもの食べに行こうよ」
「待ってましたそのお言葉」
「あなた佐知のボーナスをあてにしていたの」
「アハハ、ばれてしまったか」
「やだなぁ、もお~」
久しぶりの笑い声が茶の間に訪れ心が軽やかに晴れていった。懐かしい柳木沢の言葉を思い出した。
「そんな家庭がある君が羨ましい 君は十分幸せ者だ」
/今年もまたクリスマスがやってくる 忘れられない愛の日々が甦るクリスマスがもうすぐやってくる
つらい・哀しい・虚しい・切ない・やるせない失った愛の悲しみの限りを・痛みを嫌というほど十分味わった この苦しみから解放されて早く自分の道を歩きたい このままじゃいけないってわかってる
毎日を精一杯生きなきゃ、生きてあげなきゃだめ
今日・今・この瞬間は二度と戻らない大切な時間
また明日がくることを当たり前に思っちゃだめ
柳木沢さんは限りある「命」を大切に逝ききった
雅和も人生をしっかり見据えて夢の実現のため自分の道を刻んでる
希望があるから人は明日に向かって生きている今日という日の繋がりの明日に夢を託し生きてゆける
私はいつまで無意味な日々を送るのだろう 自分の道をいつになったら歩き出せるのだろう/
その夜会いたくても会えない柳木沢の夢を見た。
「柳木沢さん来てくれたのね ずっと待っていたのよ」
「皆井君どうした いつまでそうして自分を甘やかし続けるつもりなんだ 君らしくないじゃないか殻に閉じこもり自らの人生を台無しにしている 他力だけで救われ逃れられる人生などありはしないんだよ 人生は自分が決めるあれは嘘だったのか 君の人生はこれからも長く果てしなく続く 出会い・別れ、そのどれもがまさしく人生だ すべてを受け入れそれを糧にして新たに進むんだ 一歩踏み出せば必ずまた次の一歩につながる、勇気を出して一歩を さあ踏み出すんだ 僕が見ている、さあ歩くんだ、前に進め」
夢を見た朝は幸せな気持ちのいい目覚めだった。鏡に映る晴れやかな自分に驚いていた。雅和に胸躍らせたあの日と同じ輝いていた頃と同じだった。鏡の向こうに思わず綺麗と呟いていた。
「おはよう、あら佐知今朝は顔色がいいわね ずっと眠れないって言っていたでしょ、心配していたのよ」
「もう大丈夫だよ」
「佐知の笑顔は天下一品だな、久しぶりに見る父さんの好きないい笑顔だ」
「父さんは誉め上手なんだから、でも嬉しいよありがとう もうすぐボーナスも入ることだしみんなで美味しいもの食べに行こうよ」
「待ってましたそのお言葉」
「あなた佐知のボーナスをあてにしていたの」
「アハハ、ばれてしまったか」
「やだなぁ、もお~」
久しぶりの笑い声が茶の間に訪れ心が軽やかに晴れていった。懐かしい柳木沢の言葉を思い出した。
「そんな家庭がある君が羨ましい 君は十分幸せ者だ」
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