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追憶
男女の機微5
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「俺は親父を・・ともかくあいつ出ていったから問題は解決した」
「あいつなんて言いかた止めて 雅和のお父さんでしょ」
「いいんだよあいつで あいつは母さんを殴ったんだ。口で負かされ分が悪くなるとすぐ感情をむき出し威圧する あいつはいつもそうだった」
「どんな理由があっても女に手をあげるのだけは許せないわ」
「君もそう思うだろう」
「雅和はお母さんを苦しめるお父さんが許せなかったのね」
「あいつは母さんの事なんかどうでもいいんだよ 母さんの目の色 好きな色 好きな曲 ほくろ 癖、何十年も夫婦だったのにあいつは母さんのこと何ひとつ知らない 知ろうとしなかった それじゃ悲しすぎるだろ 母さんはそれが一番悲しいんだ 親父の一方的な、してやってる感の愛、うまく言えないけどそういう愛じゃない愛がほしいんだと思う 母さんはその愛をずっと待っていたんだ」
「・・・・」
「大学もあと少しで卒業だし 母さんは俺が支え守る 母さんをいたぶるあいつは不要廃棄物、だから排除したんだ」
「お父さんがそんなに憎い?許してあげられない?お父さんと家族でもう一度話せないの」
「もう終わったんだよ 気に入らないと手を出すような男とは話し合う価値もないんだ 親父の言う権力やお金それが何だって言うんだ 人として駄目な奴はただのクズ人間だ 最悪最低なな親父は人間失格なんだ」
「もうやめましょう お父さんをそんな風に言う雅和を私は見たくない」
「ごめん親父の話になると俺はいつもこうなるんだ 母さんにも佐知と同じこと言われたよ」
「だけどご両親は本当にこのままでいいのかな」
「母さんはあんな親父でもまだ夫婦でいたいんだよ 俺が母さんを助けるから別れてしまえって言っても絶対首を縦にはしない 母さんの親父に対する気持ちは俺とは違うって分かってたんだ 親父をずっと愛しているんだってね あんな親父でも今も気持ちは変わっていない 今も愛しているんだ ひどい目に何度もあわされているのに何で今も愛せるのか俺には分からない 夫婦って複雑すぎるよ」
「夫婦の世界は私達にはまだ分からないけど夫婦の事は当事者の二人以外には到底理解できないんじゃないかな だから雅和はそっと見守るしかないんじゃない 夫婦が下した結果を受け入れるしかないわ 始まりの後には終わりがあるようにそれがどんな終わりになろうとそれを決めるのは雅和じゃなくお父さんとお母さん そう思わない」
「佐知のいうとおりだな 母さんの人生は母さんのものだ 母さんは俺の母さんだけど人生は俺のものじゃない」
一人で支え守ってきた母を思う雅和の苦悩に胸が痛んだ。佐知は雅和を抱きしめた。
「俺、佐知と出会って自分が変わっていくのがわかるんだ 君に出会えて本当に良かった 君が大好きだ 愛おしくてたまらない」
「わたしも」
燃えたぎる熱情にかられ互いを狂おしいまでに求めあった。
翌日雅和は東京へ帰って行った。
「佐知ありがとう また会おうな」
「また会えるのを楽しみに待ってるわ」
佐知の笑顔がみるみる泣きべそ顔になっていた。遠ざかる電車を見つめそっとつぶやいた。
早く帰ってきて
また優しくいっぱい抱きしめて
「あいつなんて言いかた止めて 雅和のお父さんでしょ」
「いいんだよあいつで あいつは母さんを殴ったんだ。口で負かされ分が悪くなるとすぐ感情をむき出し威圧する あいつはいつもそうだった」
「どんな理由があっても女に手をあげるのだけは許せないわ」
「君もそう思うだろう」
「雅和はお母さんを苦しめるお父さんが許せなかったのね」
「あいつは母さんの事なんかどうでもいいんだよ 母さんの目の色 好きな色 好きな曲 ほくろ 癖、何十年も夫婦だったのにあいつは母さんのこと何ひとつ知らない 知ろうとしなかった それじゃ悲しすぎるだろ 母さんはそれが一番悲しいんだ 親父の一方的な、してやってる感の愛、うまく言えないけどそういう愛じゃない愛がほしいんだと思う 母さんはその愛をずっと待っていたんだ」
「・・・・」
「大学もあと少しで卒業だし 母さんは俺が支え守る 母さんをいたぶるあいつは不要廃棄物、だから排除したんだ」
「お父さんがそんなに憎い?許してあげられない?お父さんと家族でもう一度話せないの」
「もう終わったんだよ 気に入らないと手を出すような男とは話し合う価値もないんだ 親父の言う権力やお金それが何だって言うんだ 人として駄目な奴はただのクズ人間だ 最悪最低なな親父は人間失格なんだ」
「もうやめましょう お父さんをそんな風に言う雅和を私は見たくない」
「ごめん親父の話になると俺はいつもこうなるんだ 母さんにも佐知と同じこと言われたよ」
「だけどご両親は本当にこのままでいいのかな」
「母さんはあんな親父でもまだ夫婦でいたいんだよ 俺が母さんを助けるから別れてしまえって言っても絶対首を縦にはしない 母さんの親父に対する気持ちは俺とは違うって分かってたんだ 親父をずっと愛しているんだってね あんな親父でも今も気持ちは変わっていない 今も愛しているんだ ひどい目に何度もあわされているのに何で今も愛せるのか俺には分からない 夫婦って複雑すぎるよ」
「夫婦の世界は私達にはまだ分からないけど夫婦の事は当事者の二人以外には到底理解できないんじゃないかな だから雅和はそっと見守るしかないんじゃない 夫婦が下した結果を受け入れるしかないわ 始まりの後には終わりがあるようにそれがどんな終わりになろうとそれを決めるのは雅和じゃなくお父さんとお母さん そう思わない」
「佐知のいうとおりだな 母さんの人生は母さんのものだ 母さんは俺の母さんだけど人生は俺のものじゃない」
一人で支え守ってきた母を思う雅和の苦悩に胸が痛んだ。佐知は雅和を抱きしめた。
「俺、佐知と出会って自分が変わっていくのがわかるんだ 君に出会えて本当に良かった 君が大好きだ 愛おしくてたまらない」
「わたしも」
燃えたぎる熱情にかられ互いを狂おしいまでに求めあった。
翌日雅和は東京へ帰って行った。
「佐知ありがとう また会おうな」
「また会えるのを楽しみに待ってるわ」
佐知の笑顔がみるみる泣きべそ顔になっていた。遠ざかる電車を見つめそっとつぶやいた。
早く帰ってきて
また優しくいっぱい抱きしめて
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