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決闘
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「お嬢様。覚悟はいいですか?」
元騎士団長が馬鹿にしたように笑う。
「それはこっちのセリフよ。小娘に負ける準備はできたかしら?」
私も負けじと馬鹿にする。
元騎士団長は今の言葉に腹を立て「絶対殺す!」と誓う。
木刀だが当たりどころが悪ければ死ぬだろうと考える。
本来決闘は真剣でやるのが普通だが、男爵が私が怪我をするのが心配で木刀でやるように命じた。
元騎士達は自分達の番はないと判断し、私の負ける姿を想像して楽しそうに笑っていた。
それを見ていた使用人と騎士達は絶対に戻ってきてほしくないと思った。
私に勝って欲しいと思うも、貴族令嬢が騎士に勝てるはずないとわかっているので、せめて怪我だけはしないで欲しいと祈った。
「それではこれより決闘を始める。両者構え」
男爵の指示に従い剣を構える。
「はじめっ!」
男爵が開始の宣言をするのと同時に元騎士団長が突っ込んで剣を振り下ろす。
'死ね!'
元騎士団長の容赦のない攻撃を見て男爵は椅子から立ち上がる。
夫人はローズが死ぬと思い顔を青くし、使用人も騎士達も同様に顔が真っ青になった。
全員が私の死を確信した。
ただ一人を除いて。
カンッ!
私は元騎士団長の攻撃を受け止める。
「なっ!」
元騎士団長は攻撃を受け止められ目を見開く。
信じられなかった。
全力で攻撃したのに、一回りも離れている小娘に自身の攻撃を受け止められたのが……
「あら?どうしたの?そんな顔して。信じられない?たかが小娘に剣を止められて」
私は元騎士団長だけに聞こえるよう小声で言う。
「言ったでしょう。後悔しないでねって。覚悟しなさい。このクズヤロー。今からはお仕置きタイムだから」
そう宣言すると私は彼の剣を打ち返し、向こうが一歩後ろに下がったタイミングで攻撃を仕掛ける。
そこからは元騎士団長は手も足も出ず、私に木刀で殴られ続けた。
元騎士団長は「やめてくれ!降参だ!」と叫んでも無視して攻撃し続けた。
我に帰った男爵が「やめ!この決闘はローズ勝ちとする」と宣言するまで私は手を緩めなかった。
この決闘見ていた者達は男爵の宣言を聞いて歓声を上げた。
「すごい!お嬢様は剣の才能まであったのか!」
「私、お嬢様に一生ついていくわ!」
その言葉を聞いて、完璧に彼らのイメージを払拭できたなと確信した。
「さてと、次は誰が相手かしら?」
私は元騎士達に笑いかける。
彼らはその笑みを見て子鹿みたいに足をプルプル震わせ、顔が真っ青になった。
私は容赦なく彼らを一人一人ボコボコにした。
泣こうが喚こうが関係なく。
「お父様。彼らとの決闘は終わりましたが、もう一人。決闘したいものがいます。許可をもらえますか」
全員との決闘を終え、私は裏切り者を倒すためにそう願い出る。
「それは一体誰だ?」
男爵はまだするのかと思うも、何か考えがあるのかと思い許可することにした。
「執事長のグレイです」
私はグレイを見る。
「は……?」
名指しされた本人は顔には出さなかったが、何を言ってるんだこの小娘はと腹を立てた。
「なっ!何を言ってるんだ!彼は執事だぞ。剣を持ったこともないのに、決闘などできるわけないだろ」
男爵はグレイを守ろうと慌ててそう叫ぶ。
他の者達も急になぜ彼と決闘すると言い出したのか理解できず混乱する。
こうなることをあらかじめ知っていたアスターだけはグレイを冷めた目で見つめ、合図があればいつでも攻撃するできるように準備する。
「いえ。できますよ。そうよね。グレイ」
私の言葉にグレイはどこまで知っているのか焦る。
あの日、ホットケーキを食べた日からローズが別人みたいになったと思っていたが、こんなことになるならそうなる前にさっさと殺しておけばよかったと後悔する。
だが、まだ勝機はあると思いグレイはしらばっくれることにした。
「お嬢様。一体何をおっしゃっているのかわかりません。何か勘違いしていませんか?」
私より自分の方の信頼の方が厚いとわかった上での発言だ。
グレイの勝ち誇った顔をボコボコにしたいのをなんとか我慢して私はこう言った。
「そう。残念ね。これが私からあなたへの最後のチャンスだったのに。自らそれを捨てるなんて愚かね」
元々助けるつもりなんてなかったが、こう言えば全てが終わった後私が慈悲深いと皆が勝手に勘違いしてくれると思い言った。
「本当に私が何も知らないと思ってるのね。アスター。お父様にアレを見せなさい」
「はい。畏まりました」.
アスターは自身の足元に置いておいた箱を机の上に置き男爵に確認するよう伝える。
男爵は恐る恐る箱を開け中を確認する。
そこには大量の手紙が入っていた。
男爵はその中から一番上にあった手紙を取り中を確認する。
グレイは男爵が持っている手紙が自分宛に送られてきたものだと封筒を見て気づき顔を青くする。
「これはっ……!」
男爵は手紙の内容を確認して呆然とする。
すぐに我に返り他の手紙の内容も確認する。
ほとんど確認し終えるとこれ以上は見たくなかったのか椅子に腰掛け頭を抱えた。
「お父様。その者は敵国のミレアンとオレスティに我が領土を売る算段をしていました。私達の領土は川を挟み、東がミレアン、北がオレスティに挟まれています。両国は私達の領土を手に入れればこの国を簡単に攻められると考え手に入れようとしていました。そうして両国は簡単に手に入れらるようグレイに接触したのです。あとはもうおわかりですよね。そこに書かれてるのですから」
手紙にはこう書かれていた。
両国はグレイにまず男爵を嵌め借金を作らすように指示をした。
そのあとは、水を駄目にし食料の支給を断つことで動く気力を奪ってからこの地に乗り込み領土を奪おうから毒を仕込めと。
毒で動かない敵など脅威にはならない。
伝令を出す暇もなくこの地は奪われる。
自国の領土を奪われたと知らずに呑気に国王達は暮らし、気づいた時には手遅れで両国は国王を殺し、国を滅ぼす計画だった。
だが、問題が起きた。
私が水の精霊王と契約したことで水の心配がなくなり、さらに甘味料を開発したことで借金の返済の目処がたったこと。
このままでは両国に殺さらると思い、グレイは元騎士達に会いに行き協力を願い出た。
ーー男爵家はもうじき全員死ぬ。だから両国に協力して地位を手に入れよう。
元騎士団達は二つ返事で了承した。
そのためにはまず男爵家に戻る必要があった。
それなのに……
どうしてこんなことになったのだと、元騎士達は後悔する。
彼らはグレイの言葉を聞くんじゃなかった。いや、追い出された日にさっさとこの地を離れればよかったと。
「お前達。あの者達を捕まえなさい」
男爵の命令で騎士達は元同僚達を捕まえる。
「お前達は国家反逆罪の罪で裁かれる。覚悟しなさい」
国家反逆罪。それは死刑より重い罪を意味する。
実際どんな罪かは国王と実行者以外には知らない。
だが、一つだけ言えることがある。
それは二度と太陽を見ることはできないところにいくということ。
王宮に連れて行かれたら終わりだ。
それを知っていたグレイは「うわぁああーっ!」と叫びながら逃げ出していく。
'うわぁー。逃げるなら黙って逃げろよ。声出すとか自分から捕まえてくれって言ってるようなもんじゃん'
私はグレイに呆れながら、アスターに数回手を振り捕まえろと指示する。
その指示を待っていたアスターは、一瞬で距離を詰め横腹を思いっきり蹴り飛ばす。
その瞬間、すごい音が皆の耳に届いた。
ボコッ!
'あ、絶対折れたな'
私は蹴られて宙に舞うグレイを見て呑気にそんなことを思った。
ドンッ!
グレイが男爵の前に落ちた。
「……死んだのか」
誰かわからないがグレイの姿を見てそう呟く。
「いえ。気絶してるだけですね。話を聞かないといけないので叩き起こしますね」
私は笑顔でそう言うと木刀をグレイに振り下ろし、意識を取り戻すまで攻撃した。
それを見ていた男爵夫婦は「我が娘ながら悪魔か」と思い、アイリーンと使用人、料理人達は「嫌な役目を率先してやるなんて、なんとお優しい人なのか」かと勘違いし、主人公二人は「いつものことだな」とこれくらいのことでは動じなくなっていた。
元騎士達は私を「あれは人間の姿をした悪魔」だと思い、次は自分がグレイのようになるのでないかと恐怖で体がずっと震えていた。
グレイが目を覚ますと攻撃をやめ笑顔で「誰が寝ていいと言った?テメェはこれから私と話をするべきでしょう」と言うと、情けない悲鳴を上げて「あ、悪魔……」と呟くとまた気絶した。
「は……?誰が悪魔よ」
ムカついて思いっきり往復ビンタをお見舞いする。
結局そのあとも、何回かグレイは意識を取り戻すが私の顔を見るなり悪魔と言って気絶するの繰り返しで話ができないので、他の人に任せて休むことにした。
グレイを殴ったことで、この世界にきてからのストレスを発散できスッキリした。
そのおかげで今日はぐっすりと眠ることができた。
元騎士団長が馬鹿にしたように笑う。
「それはこっちのセリフよ。小娘に負ける準備はできたかしら?」
私も負けじと馬鹿にする。
元騎士団長は今の言葉に腹を立て「絶対殺す!」と誓う。
木刀だが当たりどころが悪ければ死ぬだろうと考える。
本来決闘は真剣でやるのが普通だが、男爵が私が怪我をするのが心配で木刀でやるように命じた。
元騎士達は自分達の番はないと判断し、私の負ける姿を想像して楽しそうに笑っていた。
それを見ていた使用人と騎士達は絶対に戻ってきてほしくないと思った。
私に勝って欲しいと思うも、貴族令嬢が騎士に勝てるはずないとわかっているので、せめて怪我だけはしないで欲しいと祈った。
「それではこれより決闘を始める。両者構え」
男爵の指示に従い剣を構える。
「はじめっ!」
男爵が開始の宣言をするのと同時に元騎士団長が突っ込んで剣を振り下ろす。
'死ね!'
元騎士団長の容赦のない攻撃を見て男爵は椅子から立ち上がる。
夫人はローズが死ぬと思い顔を青くし、使用人も騎士達も同様に顔が真っ青になった。
全員が私の死を確信した。
ただ一人を除いて。
カンッ!
私は元騎士団長の攻撃を受け止める。
「なっ!」
元騎士団長は攻撃を受け止められ目を見開く。
信じられなかった。
全力で攻撃したのに、一回りも離れている小娘に自身の攻撃を受け止められたのが……
「あら?どうしたの?そんな顔して。信じられない?たかが小娘に剣を止められて」
私は元騎士団長だけに聞こえるよう小声で言う。
「言ったでしょう。後悔しないでねって。覚悟しなさい。このクズヤロー。今からはお仕置きタイムだから」
そう宣言すると私は彼の剣を打ち返し、向こうが一歩後ろに下がったタイミングで攻撃を仕掛ける。
そこからは元騎士団長は手も足も出ず、私に木刀で殴られ続けた。
元騎士団長は「やめてくれ!降参だ!」と叫んでも無視して攻撃し続けた。
我に帰った男爵が「やめ!この決闘はローズ勝ちとする」と宣言するまで私は手を緩めなかった。
この決闘見ていた者達は男爵の宣言を聞いて歓声を上げた。
「すごい!お嬢様は剣の才能まであったのか!」
「私、お嬢様に一生ついていくわ!」
その言葉を聞いて、完璧に彼らのイメージを払拭できたなと確信した。
「さてと、次は誰が相手かしら?」
私は元騎士達に笑いかける。
彼らはその笑みを見て子鹿みたいに足をプルプル震わせ、顔が真っ青になった。
私は容赦なく彼らを一人一人ボコボコにした。
泣こうが喚こうが関係なく。
「お父様。彼らとの決闘は終わりましたが、もう一人。決闘したいものがいます。許可をもらえますか」
全員との決闘を終え、私は裏切り者を倒すためにそう願い出る。
「それは一体誰だ?」
男爵はまだするのかと思うも、何か考えがあるのかと思い許可することにした。
「執事長のグレイです」
私はグレイを見る。
「は……?」
名指しされた本人は顔には出さなかったが、何を言ってるんだこの小娘はと腹を立てた。
「なっ!何を言ってるんだ!彼は執事だぞ。剣を持ったこともないのに、決闘などできるわけないだろ」
男爵はグレイを守ろうと慌ててそう叫ぶ。
他の者達も急になぜ彼と決闘すると言い出したのか理解できず混乱する。
こうなることをあらかじめ知っていたアスターだけはグレイを冷めた目で見つめ、合図があればいつでも攻撃するできるように準備する。
「いえ。できますよ。そうよね。グレイ」
私の言葉にグレイはどこまで知っているのか焦る。
あの日、ホットケーキを食べた日からローズが別人みたいになったと思っていたが、こんなことになるならそうなる前にさっさと殺しておけばよかったと後悔する。
だが、まだ勝機はあると思いグレイはしらばっくれることにした。
「お嬢様。一体何をおっしゃっているのかわかりません。何か勘違いしていませんか?」
私より自分の方の信頼の方が厚いとわかった上での発言だ。
グレイの勝ち誇った顔をボコボコにしたいのをなんとか我慢して私はこう言った。
「そう。残念ね。これが私からあなたへの最後のチャンスだったのに。自らそれを捨てるなんて愚かね」
元々助けるつもりなんてなかったが、こう言えば全てが終わった後私が慈悲深いと皆が勝手に勘違いしてくれると思い言った。
「本当に私が何も知らないと思ってるのね。アスター。お父様にアレを見せなさい」
「はい。畏まりました」.
アスターは自身の足元に置いておいた箱を机の上に置き男爵に確認するよう伝える。
男爵は恐る恐る箱を開け中を確認する。
そこには大量の手紙が入っていた。
男爵はその中から一番上にあった手紙を取り中を確認する。
グレイは男爵が持っている手紙が自分宛に送られてきたものだと封筒を見て気づき顔を青くする。
「これはっ……!」
男爵は手紙の内容を確認して呆然とする。
すぐに我に返り他の手紙の内容も確認する。
ほとんど確認し終えるとこれ以上は見たくなかったのか椅子に腰掛け頭を抱えた。
「お父様。その者は敵国のミレアンとオレスティに我が領土を売る算段をしていました。私達の領土は川を挟み、東がミレアン、北がオレスティに挟まれています。両国は私達の領土を手に入れればこの国を簡単に攻められると考え手に入れようとしていました。そうして両国は簡単に手に入れらるようグレイに接触したのです。あとはもうおわかりですよね。そこに書かれてるのですから」
手紙にはこう書かれていた。
両国はグレイにまず男爵を嵌め借金を作らすように指示をした。
そのあとは、水を駄目にし食料の支給を断つことで動く気力を奪ってからこの地に乗り込み領土を奪おうから毒を仕込めと。
毒で動かない敵など脅威にはならない。
伝令を出す暇もなくこの地は奪われる。
自国の領土を奪われたと知らずに呑気に国王達は暮らし、気づいた時には手遅れで両国は国王を殺し、国を滅ぼす計画だった。
だが、問題が起きた。
私が水の精霊王と契約したことで水の心配がなくなり、さらに甘味料を開発したことで借金の返済の目処がたったこと。
このままでは両国に殺さらると思い、グレイは元騎士達に会いに行き協力を願い出た。
ーー男爵家はもうじき全員死ぬ。だから両国に協力して地位を手に入れよう。
元騎士団達は二つ返事で了承した。
そのためにはまず男爵家に戻る必要があった。
それなのに……
どうしてこんなことになったのだと、元騎士達は後悔する。
彼らはグレイの言葉を聞くんじゃなかった。いや、追い出された日にさっさとこの地を離れればよかったと。
「お前達。あの者達を捕まえなさい」
男爵の命令で騎士達は元同僚達を捕まえる。
「お前達は国家反逆罪の罪で裁かれる。覚悟しなさい」
国家反逆罪。それは死刑より重い罪を意味する。
実際どんな罪かは国王と実行者以外には知らない。
だが、一つだけ言えることがある。
それは二度と太陽を見ることはできないところにいくということ。
王宮に連れて行かれたら終わりだ。
それを知っていたグレイは「うわぁああーっ!」と叫びながら逃げ出していく。
'うわぁー。逃げるなら黙って逃げろよ。声出すとか自分から捕まえてくれって言ってるようなもんじゃん'
私はグレイに呆れながら、アスターに数回手を振り捕まえろと指示する。
その指示を待っていたアスターは、一瞬で距離を詰め横腹を思いっきり蹴り飛ばす。
その瞬間、すごい音が皆の耳に届いた。
ボコッ!
'あ、絶対折れたな'
私は蹴られて宙に舞うグレイを見て呑気にそんなことを思った。
ドンッ!
グレイが男爵の前に落ちた。
「……死んだのか」
誰かわからないがグレイの姿を見てそう呟く。
「いえ。気絶してるだけですね。話を聞かないといけないので叩き起こしますね」
私は笑顔でそう言うと木刀をグレイに振り下ろし、意識を取り戻すまで攻撃した。
それを見ていた男爵夫婦は「我が娘ながら悪魔か」と思い、アイリーンと使用人、料理人達は「嫌な役目を率先してやるなんて、なんとお優しい人なのか」かと勘違いし、主人公二人は「いつものことだな」とこれくらいのことでは動じなくなっていた。
元騎士達は私を「あれは人間の姿をした悪魔」だと思い、次は自分がグレイのようになるのでないかと恐怖で体がずっと震えていた。
グレイが目を覚ますと攻撃をやめ笑顔で「誰が寝ていいと言った?テメェはこれから私と話をするべきでしょう」と言うと、情けない悲鳴を上げて「あ、悪魔……」と呟くとまた気絶した。
「は……?誰が悪魔よ」
ムカついて思いっきり往復ビンタをお見舞いする。
結局そのあとも、何回かグレイは意識を取り戻すが私の顔を見るなり悪魔と言って気絶するの繰り返しで話ができないので、他の人に任せて休むことにした。
グレイを殴ったことで、この世界にきてからのストレスを発散できスッキリした。
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