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アリス

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背後から声がして振り返ろうとした瞬間、後ろから抱きしめられた。
んんん?? これ、デジャヴ感が半端ないんだけど・・・


――――なんで、僕は銀髪金眼のイケメン美丈夫に抱きしめられてるのかな? ――――


『アオイ?』

「・・・・・・って、誰!? 」

『我はヴァル。アオイに名をもらった神獣だ』

「はい? ヴァル? 本当に?? 」

『うむ。証拠に耳と尻尾はそのままだ』


そういうと指を差し『ほら、犬型の我と同じ手触りであろう?』と、僕の手をとり耳と尻尾に触れさせてくれた。


「・・・ほんとだ・・・。でも、どうして? 」

『森を出て移動するのであれば、獣人として動いた方が何かと面倒が減るのだ』

「どういうこと? 」

『我の大きさのまま森を出て移動してみよ。魔獣として討伐隊が組まれ、総攻撃してくるであろう』

「ヴァルを攻撃してくるってこと!? それは嫌だ!! 」

『まぁ、我が人間ひと如きに負けることはないが アオイを危険な目に合わせるのは本意ではない』

「じゃあ、僕の為に獣人化したってこと? 」

『そうだ。我は、アオイが見ているものも興味がある。もちろん、お主自身のこともな』


ヴァルは僕の見てるものに興味を示してくれてる。それって、すごく嬉しい。
でも、僕の目的は死に場所だ。

確か、契約者が命を落としたら 如何に神獣といえども無事ではいられないはず・・・
そんなことになっても、ヴァルは気にしないのかな。
いつか聞いてみたいな。そんな日が来るか怪しいけど・・・


「ねぇ、ヴァルのステータスってどうなってるの? 」

『我のステータスか。アオイには特別に開示してやろう』

「いいの?」

『構わぬ。が、我が許し認めた相手のみにしか開示はされん』

「僕に見せてくれるのって、ヴァルが僕に興味があるからだよね」

『それだけではないが、今は興味があるとだけ認識しておればよい』

「そっか・・・。うん、わかった」


それからヴァルが開示してくれたステータスは、どれも規格外すぎて正直 僕のキャパを大きく上回り数分は思考が停止した。

僕、こんな凄い神獣ヴァルと一緒に旅して目立たずにって無理だよね・・・
どうやっても目立つ。見た目もそうだけど、中身はもっと凄かった。




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