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レベル1
犯人捜し
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「では、一人一部屋ご用意させていただきました。今夜の就寝の際は必ず自分のお部屋でお休みください」
三人に部屋のカードキーを渡す。
蒼太は三〇三号室。
藍は三〇七号室。
藤爾は三〇八号室。
「あ、ありがとうございます」
蒼太は一人一部屋何て豪華だなと初めての旅館での一部屋に浮かれる。
コックリさんゲームが終えてから目隠しで旅館まで移動してきたので、この旅館がどこに建ててあるか知らない。
小さい旅館だからあまり人がいない。
「お迎えは明後日の十時になります。それまではこの旅館から、くれぐれも出ないようお願いします」
「わかりました」
また蒼太だけが東雲の言葉に返事をする。
他の二人は聞いているが返事をしない。
「では、私はこれで失礼します」
「あ、はい。おやすみなさい」
去っていく東雲の後ろ姿に慌てて声をかける。
「明後日までゆっくりできますね。何しますか……て、もういないし」
東雲を見送り二人にどうするか声をかけるも返事がないので振り向くと誰もいなかった。
周囲を見渡すとエレベーターの前にいた。
蒼太は慌てて二人の所に行き、タイミングよくきたエレベーターに乗る。
「あ、そういえば。藍さん、さっきのゲームどうやってクリアしたんですか?」
車の中でずっと考えていたが何をしたのかわからない。
「どうやってって、簡単だよ。紙を動かしただけだから」
「え?紙?」
まさかの簡単すぎる方法に開いた口が塞がらない。
「そう。簡単でしょう。あのゲームのルールは質問にいいえで答えればいいだけ。紙を触っちゃいけないってルールはなかった。そもそもね、あれは人間の力では絶対動かせないようになっていたんだよ」
「え?そんなんですか?」
確かに物凄い力で引っ張られたがそんなこと可能なのか疑う。
すぐに幽霊のことを思い出し、やっぱりそうなのかと全身に悪寒が走る。
「うん。多分というかほぼ間違いないよ。三問目だったかな、質問が終わって机の下を触ったんだよね。そしたら物凄く熱くなってたんだ。多分、東雲が質問が終わると同時にスイッチを入れてコインが決まった方向に動くようにしてたんだと思う」
チーン。
三階につきエレベーターから降りる。
蒼太の部屋番号は藍達と反対方向だが、話の続きが気になりついていく。
「え!?そんなこと可能なんですか?」
「机の中を見ない事にはどういう仕組みで動いているかまではわからないけど、あの机がコインを動かす鍵だったのは間違いないよ。だからあの机が使われる以上、質問が終わると同時に紙を引っ張って、いいえの上にコインがいくようにしたってわけ」
他の方法もなかったわけではないが、その方法を東雲が許してくれるかは微妙だったので紙を引っ張っるという方法を選んだ。
「なるほど。全然思い浮かばなかったです」
藍の頭の回転の速さと柔らかさに尊敬する。
「まぁ、今日のゲームは子供騙しみたいなもの。ゲームに慣らすためのウォーミングアップ。次からのゲームは一気に難易度が上がっていくはず。油断は禁物だからね、二人共」
「はい」と返事をする蒼太と無視をする藤爾。
「あー、極楽だわ」
藍は温泉に浸かりおっさんみたいな声を出す。
「本当ですね。凄く気持ちいいです」
蒼太もおっさんみたいな声を出して同意する。
藤爾は気持ち良さそう目を瞑っている。
三人は一時間近く温泉に浸かってから夕食を食べ、それぞれの部屋に戻り眠りについた。
ドンドンドンッ!
「藤爾、起きてる?」
思いっきり扉を叩く。
「うるせーな。何だよ」
寝起きのせいか、いつもより語尾が伸びる。
「これ見て。藤爾の方にもきてない?」
支給されたスマホをみせる。
昨日部屋に入ると机の上にスマホが置いてあり「この旅館にいる間肌身離さずお持ちください」と書いてあった。
朝起きると支給されたスマホにメールが届いていた。
確認すると「これよりゲームを開始します」と開いた瞬間、その文字が目に入りやっぱりかと納得するもゲーム内容を見て慌てて部屋から飛び出し蒼太の部屋にいくもそこに蒼太はおらず、藤爾にはどんなメールがきたか確認するため扉を叩き続けた。
「……は?」
藍に見せられたスマホの画面の文字を読んで一気に目が覚める。
「ゲームか?」
藍が頷く。
「あの間抜けが容疑者?」
「みたい」
「もし、犯人をみつけられなかったらゲームオーバーか」
「うん。間違いなく」
二人はそれ以上何も言葉を交わさなかったが同じことを思っていた。
「とりあえず、指示に従って読書室ってところに行こう」
二人に届いたメールは同じでこう書かれていた。
『これよりゲームを開始します。ルールは至って簡単です。無実の罪を着せられた白蒼太を救うこと。そして、明後日の十時までに真犯人を捕まえ警察に引き渡すことです。明後日の十時にならないと警察は来ません。殺人現場は読書室です。まずはそこに行くことをお勧めします。それでは、頑張って真犯人を見つけてください』
二人が部屋を出てエレベーターで一階に着くと同時に女性の悲鳴が聞こえた。
「キャアアアッー!誰か来てー!」
二人は急いで悲鳴の聞こえた方へと走る。
他の人もその悲鳴を聞いて集まってきた。
藍と藤爾は殺人現場を見て言葉を失った。
死体の傍に凶器となった包丁を手に持ち隣で倒れている蒼太がいたからだ!
気を失っていた蒼太が周りの騒がしさで目を覚まし立ち上がる。
周囲にいた人達は包丁を持った蒼太に殺されると思い怯えだす。
一人の男性が意を決して蒼太に向かってこう言った。
「止まれ!これ以上こっちに来るな!俺達も殺すつもりか!」
男性に意味のわからないことを言われ蒼太は困惑する。
誰が誰を殺す?
蒼太は自分が人を殺すわけない。
何を馬鹿なことを言っているのかと思ったが、近くに血だらけの女性の死体があり自分の手に血のついた包丁があり驚いて腰を抜かさす。
「は?な、何で……僕じゃない!僕は殺していない!」
慌てて周囲の人に助けを求めるが誰も信用しない。
このままでは人殺しにされるとそう思ったとき、誰かが手を二回叩きこう言った。
「皆さん、落ち着いてください。彼の言う通りかもしれませんよ」
全員が声のした方を向く。
蒼太も声のした方を向く。
そこにいたのは藍だった!
三人に部屋のカードキーを渡す。
蒼太は三〇三号室。
藍は三〇七号室。
藤爾は三〇八号室。
「あ、ありがとうございます」
蒼太は一人一部屋何て豪華だなと初めての旅館での一部屋に浮かれる。
コックリさんゲームが終えてから目隠しで旅館まで移動してきたので、この旅館がどこに建ててあるか知らない。
小さい旅館だからあまり人がいない。
「お迎えは明後日の十時になります。それまではこの旅館から、くれぐれも出ないようお願いします」
「わかりました」
また蒼太だけが東雲の言葉に返事をする。
他の二人は聞いているが返事をしない。
「では、私はこれで失礼します」
「あ、はい。おやすみなさい」
去っていく東雲の後ろ姿に慌てて声をかける。
「明後日までゆっくりできますね。何しますか……て、もういないし」
東雲を見送り二人にどうするか声をかけるも返事がないので振り向くと誰もいなかった。
周囲を見渡すとエレベーターの前にいた。
蒼太は慌てて二人の所に行き、タイミングよくきたエレベーターに乗る。
「あ、そういえば。藍さん、さっきのゲームどうやってクリアしたんですか?」
車の中でずっと考えていたが何をしたのかわからない。
「どうやってって、簡単だよ。紙を動かしただけだから」
「え?紙?」
まさかの簡単すぎる方法に開いた口が塞がらない。
「そう。簡単でしょう。あのゲームのルールは質問にいいえで答えればいいだけ。紙を触っちゃいけないってルールはなかった。そもそもね、あれは人間の力では絶対動かせないようになっていたんだよ」
「え?そんなんですか?」
確かに物凄い力で引っ張られたがそんなこと可能なのか疑う。
すぐに幽霊のことを思い出し、やっぱりそうなのかと全身に悪寒が走る。
「うん。多分というかほぼ間違いないよ。三問目だったかな、質問が終わって机の下を触ったんだよね。そしたら物凄く熱くなってたんだ。多分、東雲が質問が終わると同時にスイッチを入れてコインが決まった方向に動くようにしてたんだと思う」
チーン。
三階につきエレベーターから降りる。
蒼太の部屋番号は藍達と反対方向だが、話の続きが気になりついていく。
「え!?そんなこと可能なんですか?」
「机の中を見ない事にはどういう仕組みで動いているかまではわからないけど、あの机がコインを動かす鍵だったのは間違いないよ。だからあの机が使われる以上、質問が終わると同時に紙を引っ張って、いいえの上にコインがいくようにしたってわけ」
他の方法もなかったわけではないが、その方法を東雲が許してくれるかは微妙だったので紙を引っ張っるという方法を選んだ。
「なるほど。全然思い浮かばなかったです」
藍の頭の回転の速さと柔らかさに尊敬する。
「まぁ、今日のゲームは子供騙しみたいなもの。ゲームに慣らすためのウォーミングアップ。次からのゲームは一気に難易度が上がっていくはず。油断は禁物だからね、二人共」
「はい」と返事をする蒼太と無視をする藤爾。
「あー、極楽だわ」
藍は温泉に浸かりおっさんみたいな声を出す。
「本当ですね。凄く気持ちいいです」
蒼太もおっさんみたいな声を出して同意する。
藤爾は気持ち良さそう目を瞑っている。
三人は一時間近く温泉に浸かってから夕食を食べ、それぞれの部屋に戻り眠りについた。
ドンドンドンッ!
「藤爾、起きてる?」
思いっきり扉を叩く。
「うるせーな。何だよ」
寝起きのせいか、いつもより語尾が伸びる。
「これ見て。藤爾の方にもきてない?」
支給されたスマホをみせる。
昨日部屋に入ると机の上にスマホが置いてあり「この旅館にいる間肌身離さずお持ちください」と書いてあった。
朝起きると支給されたスマホにメールが届いていた。
確認すると「これよりゲームを開始します」と開いた瞬間、その文字が目に入りやっぱりかと納得するもゲーム内容を見て慌てて部屋から飛び出し蒼太の部屋にいくもそこに蒼太はおらず、藤爾にはどんなメールがきたか確認するため扉を叩き続けた。
「……は?」
藍に見せられたスマホの画面の文字を読んで一気に目が覚める。
「ゲームか?」
藍が頷く。
「あの間抜けが容疑者?」
「みたい」
「もし、犯人をみつけられなかったらゲームオーバーか」
「うん。間違いなく」
二人はそれ以上何も言葉を交わさなかったが同じことを思っていた。
「とりあえず、指示に従って読書室ってところに行こう」
二人に届いたメールは同じでこう書かれていた。
『これよりゲームを開始します。ルールは至って簡単です。無実の罪を着せられた白蒼太を救うこと。そして、明後日の十時までに真犯人を捕まえ警察に引き渡すことです。明後日の十時にならないと警察は来ません。殺人現場は読書室です。まずはそこに行くことをお勧めします。それでは、頑張って真犯人を見つけてください』
二人が部屋を出てエレベーターで一階に着くと同時に女性の悲鳴が聞こえた。
「キャアアアッー!誰か来てー!」
二人は急いで悲鳴の聞こえた方へと走る。
他の人もその悲鳴を聞いて集まってきた。
藍と藤爾は殺人現場を見て言葉を失った。
死体の傍に凶器となった包丁を手に持ち隣で倒れている蒼太がいたからだ!
気を失っていた蒼太が周りの騒がしさで目を覚まし立ち上がる。
周囲にいた人達は包丁を持った蒼太に殺されると思い怯えだす。
一人の男性が意を決して蒼太に向かってこう言った。
「止まれ!これ以上こっちに来るな!俺達も殺すつもりか!」
男性に意味のわからないことを言われ蒼太は困惑する。
誰が誰を殺す?
蒼太は自分が人を殺すわけない。
何を馬鹿なことを言っているのかと思ったが、近くに血だらけの女性の死体があり自分の手に血のついた包丁があり驚いて腰を抜かさす。
「は?な、何で……僕じゃない!僕は殺していない!」
慌てて周囲の人に助けを求めるが誰も信用しない。
このままでは人殺しにされるとそう思ったとき、誰かが手を二回叩きこう言った。
「皆さん、落ち着いてください。彼の言う通りかもしれませんよ」
全員が声のした方を向く。
蒼太も声のした方を向く。
そこにいたのは藍だった!
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