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戦闘開始
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王宮パーティー当日。
「ではお父様、お母様、行ってまいります」
美しいドレス、宝石を身に纏いパーティーへと向かう。
朝から使用人達が準備の為慌ただしく動きマーガレットを美しくしていく。
今回の支度手伝いをした使用人達は普段しているもの達ではないため少し時間がかかったが、完璧な仕上がりに仕上げてくれたので何も問題はなかった。
いつもの使用人達だったらこんな完璧な仕上がりにはならなかっただろう。
こちらを睨みつけている使用人達がいるが知らない振りをする。
今から女の戦場に向かうのに無駄な体力を使えわけにはいかない。
使用人達のことは別の日に対処するとしよう。
「ああ、充分気をつけるのだぞ」
「はい」
「もし何かあったらすぐ帰ってくるのよ。無理は駄目だからね」
「はい。わかっております」
「クラーク様。娘をお願いします」
サルビアとカトレアがヘリオトロープに頼む。
「はい。お任せください」
言われなくてもそのつもりだ。
もしマーガレットに指一本でも触れようものなら八つ裂きにしてやると決めていた。
「お前達も頼むぞ」
マンクスフドとその部隊もマーガレットを守る為一緒についていく。
流石にパーティーの中には入れないが道中で何かあったら大変な為護衛することになった。
「はい。お任せください、旦那様。必ずお嬢様をお守りいたします」
マンクスフドが代表して返事する。
「マーガレット。さっきも言っけど無理は駄目だからね」
「はい」
「それと、本当に綺麗よ。よく似合ってるわ」
部屋でドレスと宝石を身に纏ったマーガレットの姿を見て一瞬息をするのを忘れて魅入ってしまった。
実の娘だからではなく、本当に女神なのではないかと目を疑った。
それほど、美しかった。
普段は質素な服装ばかり着ているから着飾った姿を見るのは初めてだった。
当の本人は自分がどれほど美しいのかわかっておらずどこかおかしいところはないかと尋ねてきた。
皆が美しいですよ、と言うと安心したように笑う。
それでも少し不安があったのか鏡の前でおかしなところがないか確認していた。
「ありがとうございます」
少し照れたようにはにかむ。
「では、行ってきます」
馬車に乗り込み王宮へと向かっていく。
「クラーク様、もしかして緊張していますか?」
普段のヘリオトロープなら何かしらの話題を見つけ話しかけてくるのに、今はずっと俯いて黙り込んでいる。
神官は基本社交界には出ない。
国王の命とはいえ本当は嫌だったのではなないか。
自分を守る為無理してきたのではないか申し訳なく思い声をかける。
「いえ……その……はい、そうかも知れません」
マーガレットが美しすぎて直視できない。
逆光のせいでマーガレットには見えていないが耳まで真っ赤に染まっている。
「大丈夫です。私の傍から離れないで下さい。ちゃんとエスコートするので安心して下さい」
本来エスコートするのは男性の役目だが、神官であるヘリオトロープにそんな義務はない。
行きたくもないパーティーに行かされ、自分を守る為に逃げる事もできない。
せめて、貴族達からは守らなければ。
マーガレット自身もそこまで自信があるわけではないがそれくらいはやらなければ、と思いそう言う。
「ありがとうございます」
ヘリオトロープはパーティーに出るのは嫌だが、いつもみたいにあしらえばいいと思っているので緊張はしていない。
マーガレットが勘違いしていると気づいたが、護衛するのに丁度良いのでそのまま勘違いさせる事にした。
「その、一つ気になっていることがあるのですが聞いても」
「構いません」
「それは神官の正装ですか?」
白と金の服。
いつも神殿で見かける神官達は真っ白の服。
それに比べると結構派手。
「はい、そうです。私はあまりこういった格好は好きではないんですが、王宮主催のパーティーなのでこれでいくよう指示されたので仕方なくです」
神官の正装服は派手で着るのにも一苦労する。
たかが服にこんなのにお金をかけるなんて理解できない。
二度と着たくなかったのにとため息を吐く。
「そうだったんですね。とても素敵でお似合いなのでよく着られているのかと思いました。でも、確かに着るのに一苦労しそうですね」
見だだけでもわかる複雑な作りになっている。
「ありがとうございます。私よりマーガレット様の方が素敵です。とても綺麗でお似合いです」
ずっと綺麗だと似合っていると伝えたかったので言えて一安心する。
この格好のことも褒められて心の中で喜びまくる。
マーガレットがそう言うなら毎日着るのもいいかも知れないと思い始める。
「本当ですか。そう言ってもらえて嬉しいてす。ありがとうございます」
両親や使用人達に褒められてもどうしても身内贔屓みたいなところもある気がして少し不安が残っていた。
ヘリオトロープに綺麗だ、似合っていると言われ皆の言う通り大丈夫なのかもしれないと安心する。
「……見えてきましたね」
「はい」
魔法石を使って移動したので一時間くらいで王都に入った。
王宮に入る為の正門まで行く。
正門を守る王宮専属の騎士がマーガレット達が乗っている馬車の家紋を見て中を確認するとこなく通す事を許可する。
一目でわかるのだ。
ブローディア家の家紋は名の由来となった花の絵が使われているため。
それに騎士達の着ている服もブローディア家の専属騎士の服。
騎士なら一目でわかる。
全騎士が憧れ入団したいと思う騎士団だから。
馬車が止まり扉が開く。
マンクスフドが手を差し出す。
「ありがとう」
その手を掴み馬車から降りる。
「では、行きましょうか」
「はい」
マンクスフド達も騎士専用の部屋で待機する為途中まで一緒にくる。
パーティーに入る為の扉にも騎士達がいる。
招待状を見せ名を言うと騎士達は驚く。
目の前にいる美しい女性があのマーガレット・ブローディアなのかと。
噂とは全然違う。
今まで見てきた貴族達の中で一番美しく気品に溢れていた。
「入っても」
「どうぞ」
騎士達はハッと我に返り扉を開ける。
騎士は王宮専属の執事の一人に二人の名を伝える。
執事は二人の美しさに目を奪われるも何とか声を振り絞り二人の名を言う。
「神官ヘリオトロープ・クラーク様、マーガレット・ブローディ公爵令嬢のご到着です」
「ではお父様、お母様、行ってまいります」
美しいドレス、宝石を身に纏いパーティーへと向かう。
朝から使用人達が準備の為慌ただしく動きマーガレットを美しくしていく。
今回の支度手伝いをした使用人達は普段しているもの達ではないため少し時間がかかったが、完璧な仕上がりに仕上げてくれたので何も問題はなかった。
いつもの使用人達だったらこんな完璧な仕上がりにはならなかっただろう。
こちらを睨みつけている使用人達がいるが知らない振りをする。
今から女の戦場に向かうのに無駄な体力を使えわけにはいかない。
使用人達のことは別の日に対処するとしよう。
「ああ、充分気をつけるのだぞ」
「はい」
「もし何かあったらすぐ帰ってくるのよ。無理は駄目だからね」
「はい。わかっております」
「クラーク様。娘をお願いします」
サルビアとカトレアがヘリオトロープに頼む。
「はい。お任せください」
言われなくてもそのつもりだ。
もしマーガレットに指一本でも触れようものなら八つ裂きにしてやると決めていた。
「お前達も頼むぞ」
マンクスフドとその部隊もマーガレットを守る為一緒についていく。
流石にパーティーの中には入れないが道中で何かあったら大変な為護衛することになった。
「はい。お任せください、旦那様。必ずお嬢様をお守りいたします」
マンクスフドが代表して返事する。
「マーガレット。さっきも言っけど無理は駄目だからね」
「はい」
「それと、本当に綺麗よ。よく似合ってるわ」
部屋でドレスと宝石を身に纏ったマーガレットの姿を見て一瞬息をするのを忘れて魅入ってしまった。
実の娘だからではなく、本当に女神なのではないかと目を疑った。
それほど、美しかった。
普段は質素な服装ばかり着ているから着飾った姿を見るのは初めてだった。
当の本人は自分がどれほど美しいのかわかっておらずどこかおかしいところはないかと尋ねてきた。
皆が美しいですよ、と言うと安心したように笑う。
それでも少し不安があったのか鏡の前でおかしなところがないか確認していた。
「ありがとうございます」
少し照れたようにはにかむ。
「では、行ってきます」
馬車に乗り込み王宮へと向かっていく。
「クラーク様、もしかして緊張していますか?」
普段のヘリオトロープなら何かしらの話題を見つけ話しかけてくるのに、今はずっと俯いて黙り込んでいる。
神官は基本社交界には出ない。
国王の命とはいえ本当は嫌だったのではなないか。
自分を守る為無理してきたのではないか申し訳なく思い声をかける。
「いえ……その……はい、そうかも知れません」
マーガレットが美しすぎて直視できない。
逆光のせいでマーガレットには見えていないが耳まで真っ赤に染まっている。
「大丈夫です。私の傍から離れないで下さい。ちゃんとエスコートするので安心して下さい」
本来エスコートするのは男性の役目だが、神官であるヘリオトロープにそんな義務はない。
行きたくもないパーティーに行かされ、自分を守る為に逃げる事もできない。
せめて、貴族達からは守らなければ。
マーガレット自身もそこまで自信があるわけではないがそれくらいはやらなければ、と思いそう言う。
「ありがとうございます」
ヘリオトロープはパーティーに出るのは嫌だが、いつもみたいにあしらえばいいと思っているので緊張はしていない。
マーガレットが勘違いしていると気づいたが、護衛するのに丁度良いのでそのまま勘違いさせる事にした。
「その、一つ気になっていることがあるのですが聞いても」
「構いません」
「それは神官の正装ですか?」
白と金の服。
いつも神殿で見かける神官達は真っ白の服。
それに比べると結構派手。
「はい、そうです。私はあまりこういった格好は好きではないんですが、王宮主催のパーティーなのでこれでいくよう指示されたので仕方なくです」
神官の正装服は派手で着るのにも一苦労する。
たかが服にこんなのにお金をかけるなんて理解できない。
二度と着たくなかったのにとため息を吐く。
「そうだったんですね。とても素敵でお似合いなのでよく着られているのかと思いました。でも、確かに着るのに一苦労しそうですね」
見だだけでもわかる複雑な作りになっている。
「ありがとうございます。私よりマーガレット様の方が素敵です。とても綺麗でお似合いです」
ずっと綺麗だと似合っていると伝えたかったので言えて一安心する。
この格好のことも褒められて心の中で喜びまくる。
マーガレットがそう言うなら毎日着るのもいいかも知れないと思い始める。
「本当ですか。そう言ってもらえて嬉しいてす。ありがとうございます」
両親や使用人達に褒められてもどうしても身内贔屓みたいなところもある気がして少し不安が残っていた。
ヘリオトロープに綺麗だ、似合っていると言われ皆の言う通り大丈夫なのかもしれないと安心する。
「……見えてきましたね」
「はい」
魔法石を使って移動したので一時間くらいで王都に入った。
王宮に入る為の正門まで行く。
正門を守る王宮専属の騎士がマーガレット達が乗っている馬車の家紋を見て中を確認するとこなく通す事を許可する。
一目でわかるのだ。
ブローディア家の家紋は名の由来となった花の絵が使われているため。
それに騎士達の着ている服もブローディア家の専属騎士の服。
騎士なら一目でわかる。
全騎士が憧れ入団したいと思う騎士団だから。
馬車が止まり扉が開く。
マンクスフドが手を差し出す。
「ありがとう」
その手を掴み馬車から降りる。
「では、行きましょうか」
「はい」
マンクスフド達も騎士専用の部屋で待機する為途中まで一緒にくる。
パーティーに入る為の扉にも騎士達がいる。
招待状を見せ名を言うと騎士達は驚く。
目の前にいる美しい女性があのマーガレット・ブローディアなのかと。
噂とは全然違う。
今まで見てきた貴族達の中で一番美しく気品に溢れていた。
「入っても」
「どうぞ」
騎士達はハッと我に返り扉を開ける。
騎士は王宮専属の執事の一人に二人の名を伝える。
執事は二人の美しさに目を奪われるも何とか声を振り絞り二人の名を言う。
「神官ヘリオトロープ・クラーク様、マーガレット・ブローディ公爵令嬢のご到着です」
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