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ヴァイオレット 2
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「本当に!?」
「はい」
「そう、よかった」
昨日屋敷に戻ってもまだヴァイオレットが目を覚さないと報告を受けた。
医者の話ではいつ目が覚めるかわからないとのことで、精神的な問題だと。
もしかしたら呪術師が何かしたのかもと思いアドルフの一件の後、ヘリオトロープに見てもらった。
呪術師の仕業でないと言うので安心したが、今度は何故目を覚さないのかと不安になる。
マーガレットの顔が険しくなっていくのがわかると念のために神聖力で清めようと提案する。
今まで何をやっても目を覚さなかったに今日ヴァイオレットが目を覚ましたのは昨日の神聖力のお陰なのではとヘリオトロープの方を見る。
ヘリオトロープはただ微笑むだけで何も言わなかった。
「お嬢様。ヴァイオレットがお嬢様にお礼を言いたいと申しております。もしよろしければ、後で会いに行ってはもらえないでしょうか」
使用人が貴族にお願いをするなど他の家本来なら身の程知らずと打たれるだろうが、此処ではそうはならない。
それに、自分の欲の為ではなく誰かを想いやる気持ちでお願いするのだからこの家の者達はそんな風には思わない。
「わかったわ。後で行くと伝えておいて」
「かしこまりました。では、私はこれで失礼します」
美しい一礼をしてメイナードは部屋から出て行く。
「クラーク様。ありがとうございます」
メイナードが部屋から出ていくのを確認した後お礼を言う。
「いえ、気にしないでください」
「すみませんが一旦話しを中断してもいいでしょうか」
ヴァイオレットの様子を見に行きたい。
聞きたいこともある。
「構いません。いきましょうか」
二人とも立ち上がりヴァイオレットのところに向かう。
マーガレットは見舞いに行くのに手ぶらなのはどうかと思い庭に咲いてある美しい花達を持っていくことにした。
トントントン。
扉を叩き名を名乗り入ってもいいか尋ねる。
掠れた声で大丈夫だと伝える。
ずっと寝ていて上手く声が出せないみたいだ。
起き上がろうとするヴァイオレットを手で静止しそのままで大丈夫だと伝える。
花を花瓶に飾り椅子に座り体は大丈夫かと尋ねる。
「はい、大丈夫です」
ゆっくりと言葉を話す。
「そう」
ヴァイオレットは微笑むマーガレットを眩しそうな瞳で見つめる。
「あの……」
「ん?どうしたの?」
「お嬢様が私を助けてくださったと聞きました。本当にありがとうございます」
涙を流しながらお礼を言う。
「それは違うわ。皆が貴方を助けたのよ。お礼なら皆にね」
ヴァイオレットの涙を拭い頭を撫でる。
「はい。きちんと伝えます」
「それとクラーク様が力を貸してくれたのよ」
隣にいたヘリオトロープを紹介する。
「クラーク様。ありがとうございます」
目の前にいる男が誰かはわからないが見た一目見ただけで気品が溢れ出ていて高貴な人間だとわかる。
そんな方が自分のために力を貸してくれたという事実が信じられなかった。
「気にしないでいい、神官として当然のことをしただけだ」
神官。
その言葉に目をこれでもかというくらい見開き驚く。
神官がわざわざ来てくれたのか、と。
「ヴァイオレット。暫くは何も考えずゆっくり休みなさい。もし実家に帰りたいのなら馬車で送るわ。好きな方を選びなさい」
優しい口調で心からヴァイオレットのことを心配しているとわかる。
「私は此処にいたいです。ご迷惑でなければ此処にいさせてください」
「わかった。迷惑なんてことはないからそんな風に思うのはやめなさい」
「はい、お嬢様。本当にありがとうございます」
貴族や平民、身分など関係なくこれほど誰かに優しくしてもらったことがなかった。
実の家族達でさえ自分のことをただの金づるとしか見ていない。
人の優しさが自分に向けられることが、これほど温かく嬉しいものだと生まれて初めて知った。
「また来るわ。今はゆっくり休みなさい」
「はい」
返事をするとヴァイオレットは目を閉じゆっくりと眠りについた。
二人はなるべく音を立てずに部屋から出る。
「良かったのですか?話を聞かなくて」
何か聞きたいことがあって尋ねたのではないか、と。
「ええ。目が覚めたばかりでそれを聞くのは辛いことを思い出させる気がして。もう少し体調が良くなってから聞くわ。今はゆっくり休むことが一番大事よ」
自分もそうだからわかる。
もし自分が戻ったばかりのときに何があったのか話せと言われたら発狂し暴れだすかもしれない。
ヴァイオレットが発見されたとき痕が残るくらい手足がきつく縛られ倒れていた。
今確認したらヴァイオレットの手は綺麗で痕消えていた。
だが、心にできた傷痕は消えていない。
本人達から話は聞き出したから傷痕を抉ってまで急いで聞き出す必要はない。
いずれ話しを聞くことにはなるが。
「ええ。確かにその通りです」
マーガレットのことを日に日に好きになっていく。
ずっと傍にいたいと。
「話しが途中で中断になったままですが、その前に練習場によってもいいでしょうか」
部屋に戻る道ではない方に行きたいと許可をとる。
「マンクスフドさんですか」
サルビアが昨日アドルフの件をマンクスフドにだけ伝えると言っていたことを思い出す。
「はい」
「わかりました。いきましょう」
「ありがとうございます」
どうしてもマンクスフドのことが気がかりで仕方なかった。
きっと屋敷の中に裏切り者がまだいる可能性が高いことも聞かされたはず。
表面上いつもと変わらない様にして過ごしているだろうが、内心は今すぐその裏切り者を見つけて殺したいはずだ。
何と声をかけるのが正解かわからないが会いにいかなければならない気がした。
「はい」
「そう、よかった」
昨日屋敷に戻ってもまだヴァイオレットが目を覚さないと報告を受けた。
医者の話ではいつ目が覚めるかわからないとのことで、精神的な問題だと。
もしかしたら呪術師が何かしたのかもと思いアドルフの一件の後、ヘリオトロープに見てもらった。
呪術師の仕業でないと言うので安心したが、今度は何故目を覚さないのかと不安になる。
マーガレットの顔が険しくなっていくのがわかると念のために神聖力で清めようと提案する。
今まで何をやっても目を覚さなかったに今日ヴァイオレットが目を覚ましたのは昨日の神聖力のお陰なのではとヘリオトロープの方を見る。
ヘリオトロープはただ微笑むだけで何も言わなかった。
「お嬢様。ヴァイオレットがお嬢様にお礼を言いたいと申しております。もしよろしければ、後で会いに行ってはもらえないでしょうか」
使用人が貴族にお願いをするなど他の家本来なら身の程知らずと打たれるだろうが、此処ではそうはならない。
それに、自分の欲の為ではなく誰かを想いやる気持ちでお願いするのだからこの家の者達はそんな風には思わない。
「わかったわ。後で行くと伝えておいて」
「かしこまりました。では、私はこれで失礼します」
美しい一礼をしてメイナードは部屋から出て行く。
「クラーク様。ありがとうございます」
メイナードが部屋から出ていくのを確認した後お礼を言う。
「いえ、気にしないでください」
「すみませんが一旦話しを中断してもいいでしょうか」
ヴァイオレットの様子を見に行きたい。
聞きたいこともある。
「構いません。いきましょうか」
二人とも立ち上がりヴァイオレットのところに向かう。
マーガレットは見舞いに行くのに手ぶらなのはどうかと思い庭に咲いてある美しい花達を持っていくことにした。
トントントン。
扉を叩き名を名乗り入ってもいいか尋ねる。
掠れた声で大丈夫だと伝える。
ずっと寝ていて上手く声が出せないみたいだ。
起き上がろうとするヴァイオレットを手で静止しそのままで大丈夫だと伝える。
花を花瓶に飾り椅子に座り体は大丈夫かと尋ねる。
「はい、大丈夫です」
ゆっくりと言葉を話す。
「そう」
ヴァイオレットは微笑むマーガレットを眩しそうな瞳で見つめる。
「あの……」
「ん?どうしたの?」
「お嬢様が私を助けてくださったと聞きました。本当にありがとうございます」
涙を流しながらお礼を言う。
「それは違うわ。皆が貴方を助けたのよ。お礼なら皆にね」
ヴァイオレットの涙を拭い頭を撫でる。
「はい。きちんと伝えます」
「それとクラーク様が力を貸してくれたのよ」
隣にいたヘリオトロープを紹介する。
「クラーク様。ありがとうございます」
目の前にいる男が誰かはわからないが見た一目見ただけで気品が溢れ出ていて高貴な人間だとわかる。
そんな方が自分のために力を貸してくれたという事実が信じられなかった。
「気にしないでいい、神官として当然のことをしただけだ」
神官。
その言葉に目をこれでもかというくらい見開き驚く。
神官がわざわざ来てくれたのか、と。
「ヴァイオレット。暫くは何も考えずゆっくり休みなさい。もし実家に帰りたいのなら馬車で送るわ。好きな方を選びなさい」
優しい口調で心からヴァイオレットのことを心配しているとわかる。
「私は此処にいたいです。ご迷惑でなければ此処にいさせてください」
「わかった。迷惑なんてことはないからそんな風に思うのはやめなさい」
「はい、お嬢様。本当にありがとうございます」
貴族や平民、身分など関係なくこれほど誰かに優しくしてもらったことがなかった。
実の家族達でさえ自分のことをただの金づるとしか見ていない。
人の優しさが自分に向けられることが、これほど温かく嬉しいものだと生まれて初めて知った。
「また来るわ。今はゆっくり休みなさい」
「はい」
返事をするとヴァイオレットは目を閉じゆっくりと眠りについた。
二人はなるべく音を立てずに部屋から出る。
「良かったのですか?話を聞かなくて」
何か聞きたいことがあって尋ねたのではないか、と。
「ええ。目が覚めたばかりでそれを聞くのは辛いことを思い出させる気がして。もう少し体調が良くなってから聞くわ。今はゆっくり休むことが一番大事よ」
自分もそうだからわかる。
もし自分が戻ったばかりのときに何があったのか話せと言われたら発狂し暴れだすかもしれない。
ヴァイオレットが発見されたとき痕が残るくらい手足がきつく縛られ倒れていた。
今確認したらヴァイオレットの手は綺麗で痕消えていた。
だが、心にできた傷痕は消えていない。
本人達から話は聞き出したから傷痕を抉ってまで急いで聞き出す必要はない。
いずれ話しを聞くことにはなるが。
「ええ。確かにその通りです」
マーガレットのことを日に日に好きになっていく。
ずっと傍にいたいと。
「話しが途中で中断になったままですが、その前に練習場によってもいいでしょうか」
部屋に戻る道ではない方に行きたいと許可をとる。
「マンクスフドさんですか」
サルビアが昨日アドルフの件をマンクスフドにだけ伝えると言っていたことを思い出す。
「はい」
「わかりました。いきましょう」
「ありがとうございます」
どうしてもマンクスフドのことが気がかりで仕方なかった。
きっと屋敷の中に裏切り者がまだいる可能性が高いことも聞かされたはず。
表面上いつもと変わらない様にして過ごしているだろうが、内心は今すぐその裏切り者を見つけて殺したいはずだ。
何と声をかけるのが正解かわからないが会いにいかなければならない気がした。
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