4 / 81
アイリス
しおりを挟む
「調べてもらいたい人物がいる」
屋敷から誰にも気づかれないよう細心の注意をはらって情報屋の店にきた。
男に公爵家の娘だとバレないよう深くフードを深く被る。
ドレスも平民が着るものにした。
「お嬢ちゃん。ここは君のような……」
子が来るようなところじゃない、と続けようとしたが、それを言う前にマーガレットは大金を机の上に置く。
「カラントという男を見つけ調べて欲しい」
フェイスフルの名を言わなかったのは、マーガレットの記憶が正しければその名はカラントが騎士団長になってから与えられたもの。
その前の性は知らない。
だがら、名しか言わなかった。
もし情報屋がこれくらいの情報で見つけられないのなら、その程度のレベルでこれ以上頼むことはないと判断できる。
これからの復讐にカラントは必要だが、それと同時にこの情報屋が使えるかテストするとうい目的もあった。
「わかりました」
先程とは打って変わり礼儀正しくする。
男はマーガレットを客と認めたのだ。
「なるべく早くお願いするわ」
「はい、お任せください。ご連絡方法はどうされますか」
客によって連絡方法を指定される時があるので念のため確認した。
「この町には大きな鐘があるわ。それを七回鳴らしなさい。そしたらここに私が来るから」
鐘は町の中にいればどこからでも聞こえるほど大きく鳴る。
屋敷にいても確実にこの方法なら誰にも知られず、マーガレットだけがその意味を知ることができる。
「わかりました」
「じゃあ頼んだわよ」
そう言うとマーガレットは男の返事も聞かずに店から出て行く。
「久しぶりの上客だな」
舌舐めずりをしてマーガレットの後ろ姿を見つめる。
態度は上からでむかつきはするが、金払いは今までの客の中で断トツだった。
長い付き合いにするためにも、この仕事を完璧にこなさなければならない。
「ジーク、ローガン、仕事だ。それも、とびっきりの上客だ。早くこい」
「何だよ、兄貴。もう少し寝かせてくれよ」
二階から細身の男が欠伸をしながら降りてくる。
「ジーク。ローガンはどうした」
呼んだのにローガンだけ降りてこない。
どこかに出かけているのか。
「まだ寝てるよ」
「起こしてこい」
「えー、やだよ。めんどく……今すぐ起こしてきます」
男の圧が半端なく急いでローガンを起こしに行く。
「あの客とこの人物は一体どういう関係なんだろな」
長年情報屋として働いている男はこの二人の関係があまり良いものではないと直感で気づいていた。
受けた以上は完璧にこなすが、果たして本当にこの二人を引き合わせていいのだろうかと心配になる。
「吉とでるか、凶とでるか」
「そろそろ戻らないと気づかれるわね」
マーガレットは店を出ると急いで屋敷まで戻る。
「マーガレット。こんなところにいたのかい」
サルビアが声をかける。
「お父様。どうかされましたか?」
「いや、少しマーガレットの姿が見えなくて町にでも行ったのかと心配しただけだ」
「町に出かけるときは声をかけてから行くと約束したではありませんか。今日は天気が良くて気持ちがよかったので散歩をしたり、日にあたったりしていたのです。心配をかけてしまい、ごめんなさい」
眉を下げしゅんと悲しそうな顔をする。
マーガレットは今まで誰にも嘘をついたことがなく上手くできるか心配だったが、驚くほど上手くつけたことに内心驚いていた。
それと同時に悲しくなった。
'復讐のためなら私も大切な人を騙せるのね'と。
「気にしなくていい。私の方こそせっかくのいい気分を台無しにしてしまって悪かった。お詫びと言ったらなんだが、美味しいスイーツを買ったんだ。一緒に食べないか」
サルビアは大のスイーツ好き。
屋敷からでるとほぼ毎回スイーツを買って帰ってくる。
もちろんこの屋敷で働いている料理人達も毎日スイーツは作る。
「はい。食べたいです」
スイーツを食べ終わりサルビアが仕事に戻る。
カトレアはマーガレットと二人でお茶を飲んでいるとふと思い出したかのように話し出す。
「マーガレット、先程アイリスからの手紙が届いてね、明後日こちらに来られるそうよ。どんなドレスになるか今から楽しみね」
「本当ですか。こんなに早くきてくださるとは思っていませんでした」
本当にそう思っていた。
早くても一週間はかかると。
「私もここにくるのはもう少し先かと思ってたのだけど、昨日使いのものを出したらすぐにここに来ようとしてたらしいけど、明日大事な用があるからと皆から止められて明後日になったらしいわ」
「もしかして、無理な頼みを私はしてしまったのでしょうか」
カトレアはマーガレットの頭を優しく撫でる。
「マーガレットの為に無理をしようとしているのは確かね。だから、それを受け入れてくれたアイリスに感謝しないとね」
「はい」
ああ、本当にその通りだ。
アイリスには感謝してもしきれない。
この借りはきっちり返さないといけない。
「奥様。お嬢様。この度ドレスのご依頼を我が社にしてくださり誠に感謝いたします」
アイリスは二人に美しい礼をする。
「こちらこそありがとう。娘の復帰パーティーだからぜひ貴方にお願いしたかったの。無理を言って悪かったわ」
「奥様、気にしないでください。今の私があるのは全て旦那様と奥様のお陰です。奥様のご依頼とあるなら例え王宮からのご依頼を断ってでもこちらを優先させます」
カトレアには感謝してもしきれない。返しきれない程の恩がある。
「ありがとう。さっそく娘のドレスをお願いしてもいいかしら」
「畏まりました。では、お嬢様まず初めにサイズを測らせていたます。どうぞ、こちらに」
マーガレットは返事をしアイリスの前に立つとお礼を言う。
「アイリスさん。今回は無理なお願いを聞いていただき本当にありがとうございます。今日はよろしくお願いします」
美しい笑みを浮かべるマーガレットに一瞬で虜にされた。
自分が作った最高のドレスを着て欲しい、とそう思った。
「はい。お任せください。最高のドレスをお嬢様にお贈りします」
「はい。楽しみにしてますね」
「では、手を横に上げてください」
アイリスの指示に従いサイズを測っていく。
「ありがとうございます。もう、おろしてもらった大丈夫です。では、次にどんなドレスがいいか決めましょう。一応何着か持ってきたのですが、こういう感じがいいとかありますか」
使用人達がマーガレットがサイズを測っている時に部屋に運んでいた。
「あまり胸元が開いてないのがいいです」
今の自分ならあまり気にしないが、昔の自分はそういったドレスを好まなかった。
一気に変わり過ぎると怪しまれるので気を付けないといけない。
使用人達が運んできたドレスはどれも胸元が開いているので着るわけにはいかない。
「わかりました。では、こういう感じはどうでしょうか」
アイリスがドレスではなく一枚の絵を見せる。
まだその絵は未完成だが、まだ誰も着たことない新しいデザイン。
近い将来社交界で流行するデザインのドレスが描かれていた。
「実は、奥様からご依頼を受けてお嬢様を思い浮かべて書いたものなんです」
「いいわ。すごくいい。きっとマーガレットによく似合うわ。マーガレットもそう思うでしょう」
「はい。とても気に入りました。これがいいです」
「わかりました。では、パーティーに間に合うよう今から作り始めます。本日はお招きいただきありがとうございました」
二人に褒められたアイリスは幸せな顔をしてお礼を言い、慌ただしく帰っていく。
「気に入ったドレスが見つかってよかったわね」
「はい。お母様、本当にありがとうございます」
「気にしなくていいのよ。貴方の幸せが私の幸せなのだから」
屋敷から誰にも気づかれないよう細心の注意をはらって情報屋の店にきた。
男に公爵家の娘だとバレないよう深くフードを深く被る。
ドレスも平民が着るものにした。
「お嬢ちゃん。ここは君のような……」
子が来るようなところじゃない、と続けようとしたが、それを言う前にマーガレットは大金を机の上に置く。
「カラントという男を見つけ調べて欲しい」
フェイスフルの名を言わなかったのは、マーガレットの記憶が正しければその名はカラントが騎士団長になってから与えられたもの。
その前の性は知らない。
だがら、名しか言わなかった。
もし情報屋がこれくらいの情報で見つけられないのなら、その程度のレベルでこれ以上頼むことはないと判断できる。
これからの復讐にカラントは必要だが、それと同時にこの情報屋が使えるかテストするとうい目的もあった。
「わかりました」
先程とは打って変わり礼儀正しくする。
男はマーガレットを客と認めたのだ。
「なるべく早くお願いするわ」
「はい、お任せください。ご連絡方法はどうされますか」
客によって連絡方法を指定される時があるので念のため確認した。
「この町には大きな鐘があるわ。それを七回鳴らしなさい。そしたらここに私が来るから」
鐘は町の中にいればどこからでも聞こえるほど大きく鳴る。
屋敷にいても確実にこの方法なら誰にも知られず、マーガレットだけがその意味を知ることができる。
「わかりました」
「じゃあ頼んだわよ」
そう言うとマーガレットは男の返事も聞かずに店から出て行く。
「久しぶりの上客だな」
舌舐めずりをしてマーガレットの後ろ姿を見つめる。
態度は上からでむかつきはするが、金払いは今までの客の中で断トツだった。
長い付き合いにするためにも、この仕事を完璧にこなさなければならない。
「ジーク、ローガン、仕事だ。それも、とびっきりの上客だ。早くこい」
「何だよ、兄貴。もう少し寝かせてくれよ」
二階から細身の男が欠伸をしながら降りてくる。
「ジーク。ローガンはどうした」
呼んだのにローガンだけ降りてこない。
どこかに出かけているのか。
「まだ寝てるよ」
「起こしてこい」
「えー、やだよ。めんどく……今すぐ起こしてきます」
男の圧が半端なく急いでローガンを起こしに行く。
「あの客とこの人物は一体どういう関係なんだろな」
長年情報屋として働いている男はこの二人の関係があまり良いものではないと直感で気づいていた。
受けた以上は完璧にこなすが、果たして本当にこの二人を引き合わせていいのだろうかと心配になる。
「吉とでるか、凶とでるか」
「そろそろ戻らないと気づかれるわね」
マーガレットは店を出ると急いで屋敷まで戻る。
「マーガレット。こんなところにいたのかい」
サルビアが声をかける。
「お父様。どうかされましたか?」
「いや、少しマーガレットの姿が見えなくて町にでも行ったのかと心配しただけだ」
「町に出かけるときは声をかけてから行くと約束したではありませんか。今日は天気が良くて気持ちがよかったので散歩をしたり、日にあたったりしていたのです。心配をかけてしまい、ごめんなさい」
眉を下げしゅんと悲しそうな顔をする。
マーガレットは今まで誰にも嘘をついたことがなく上手くできるか心配だったが、驚くほど上手くつけたことに内心驚いていた。
それと同時に悲しくなった。
'復讐のためなら私も大切な人を騙せるのね'と。
「気にしなくていい。私の方こそせっかくのいい気分を台無しにしてしまって悪かった。お詫びと言ったらなんだが、美味しいスイーツを買ったんだ。一緒に食べないか」
サルビアは大のスイーツ好き。
屋敷からでるとほぼ毎回スイーツを買って帰ってくる。
もちろんこの屋敷で働いている料理人達も毎日スイーツは作る。
「はい。食べたいです」
スイーツを食べ終わりサルビアが仕事に戻る。
カトレアはマーガレットと二人でお茶を飲んでいるとふと思い出したかのように話し出す。
「マーガレット、先程アイリスからの手紙が届いてね、明後日こちらに来られるそうよ。どんなドレスになるか今から楽しみね」
「本当ですか。こんなに早くきてくださるとは思っていませんでした」
本当にそう思っていた。
早くても一週間はかかると。
「私もここにくるのはもう少し先かと思ってたのだけど、昨日使いのものを出したらすぐにここに来ようとしてたらしいけど、明日大事な用があるからと皆から止められて明後日になったらしいわ」
「もしかして、無理な頼みを私はしてしまったのでしょうか」
カトレアはマーガレットの頭を優しく撫でる。
「マーガレットの為に無理をしようとしているのは確かね。だから、それを受け入れてくれたアイリスに感謝しないとね」
「はい」
ああ、本当にその通りだ。
アイリスには感謝してもしきれない。
この借りはきっちり返さないといけない。
「奥様。お嬢様。この度ドレスのご依頼を我が社にしてくださり誠に感謝いたします」
アイリスは二人に美しい礼をする。
「こちらこそありがとう。娘の復帰パーティーだからぜひ貴方にお願いしたかったの。無理を言って悪かったわ」
「奥様、気にしないでください。今の私があるのは全て旦那様と奥様のお陰です。奥様のご依頼とあるなら例え王宮からのご依頼を断ってでもこちらを優先させます」
カトレアには感謝してもしきれない。返しきれない程の恩がある。
「ありがとう。さっそく娘のドレスをお願いしてもいいかしら」
「畏まりました。では、お嬢様まず初めにサイズを測らせていたます。どうぞ、こちらに」
マーガレットは返事をしアイリスの前に立つとお礼を言う。
「アイリスさん。今回は無理なお願いを聞いていただき本当にありがとうございます。今日はよろしくお願いします」
美しい笑みを浮かべるマーガレットに一瞬で虜にされた。
自分が作った最高のドレスを着て欲しい、とそう思った。
「はい。お任せください。最高のドレスをお嬢様にお贈りします」
「はい。楽しみにしてますね」
「では、手を横に上げてください」
アイリスの指示に従いサイズを測っていく。
「ありがとうございます。もう、おろしてもらった大丈夫です。では、次にどんなドレスがいいか決めましょう。一応何着か持ってきたのですが、こういう感じがいいとかありますか」
使用人達がマーガレットがサイズを測っている時に部屋に運んでいた。
「あまり胸元が開いてないのがいいです」
今の自分ならあまり気にしないが、昔の自分はそういったドレスを好まなかった。
一気に変わり過ぎると怪しまれるので気を付けないといけない。
使用人達が運んできたドレスはどれも胸元が開いているので着るわけにはいかない。
「わかりました。では、こういう感じはどうでしょうか」
アイリスがドレスではなく一枚の絵を見せる。
まだその絵は未完成だが、まだ誰も着たことない新しいデザイン。
近い将来社交界で流行するデザインのドレスが描かれていた。
「実は、奥様からご依頼を受けてお嬢様を思い浮かべて書いたものなんです」
「いいわ。すごくいい。きっとマーガレットによく似合うわ。マーガレットもそう思うでしょう」
「はい。とても気に入りました。これがいいです」
「わかりました。では、パーティーに間に合うよう今から作り始めます。本日はお招きいただきありがとうございました」
二人に褒められたアイリスは幸せな顔をしてお礼を言い、慌ただしく帰っていく。
「気に入ったドレスが見つかってよかったわね」
「はい。お母様、本当にありがとうございます」
「気にしなくていいのよ。貴方の幸せが私の幸せなのだから」
1
お気に入りに追加
51
あなたにおすすめの小説
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
もう散々泣いて悔やんだから、過去に戻ったら絶対に間違えない
もーりんもも
恋愛
セラフィネは一目惚れで結婚した夫に裏切られ、満足な食事も与えられず自宅に軟禁されていた。
……私が馬鹿だった。それは分かっているけど悔しい。夫と出会う前からやり直したい。 そのチャンスを手に入れたセラフィネは復讐を誓う――。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
前世と今世、合わせて2度目の白い結婚ですもの。場馴れしておりますわ。
ごろごろみかん。
ファンタジー
「これは白い結婚だ」
夫となったばかりの彼がそう言った瞬間、私は前世の記憶を取り戻した──。
元華族の令嬢、高階花恋は前世で白い結婚を言い渡され、失意のうちに死んでしまった。それを、思い出したのだ。前世の記憶を持つ今のカレンは、強かだ。
"カーター家の出戻り娘カレンは、貴族でありながら離婚歴がある。よっぽど性格に難がある、厄介な女に違いない"
「……なーんて言われているのは知っているけど、もういいわ!だって、私のこれからの人生には関係ないもの」
白魔術師カレンとして、お仕事頑張って、愛猫とハッピーライフを楽しみます!
☆恋愛→ファンタジーに変更しました
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
離縁をさせて頂きます、なぜなら私は選ばれたので。
kanon
恋愛
「アリシア、お前はもうこの家に必要ない。ブライト家から追放する」
父からの予想外の言葉に、私は目を瞬かせる。
我が国でも名高いブライト伯爵家のだたっぴろい応接間。
用があると言われて足を踏み入れた途端に、父は私にそう言ったのだ。
困惑する私を楽しむように、姉のモンタナが薄ら笑いを浮かべる。
「あら、聞こえなかったのかしら? お父様は追放と言ったのよ。まさか追放の意味も知らないわけじゃないわよねぇ?」
【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます
宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。
さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。
中世ヨーロッパ風異世界転生。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる