7 / 22
代行者 牡羊座
しおりを挟む
「アスター、代行者が決まった」
クリオフがそう言うと光に包まれた知らない男がいきなり現れた。
「お呼びでしょうか、クリオフ様」
クリオフに頭を下げるアスター。
「アスター、ルーカスが俺の代行者として参加する」
ルーカスをアスターに簡単に紹介する。
「初めましてルーカス様。私はルーカスと申します。以後お見知りおきを」
アスターはルーカスに頭を下げ自己紹介する。本来アスターはルーカスに頭を下げる必要などないがクリオフの代行者となったため礼を尽くすことにした。
「ルーカスです。こちらこそよろしくお願いします」
同じようにいに頭を下げ挨拶する。
「では、これよりクリオフ様の代行者という証を体につけてもらいます」
「証を体に?」
ルーカスが言ってる意味がわからないという顔をする。
「はい。証はどの神の代行者かを示すものでもあり、代行者以外の人間を間違って殺さないため見分けるものでもあります。そのため、代行者は必ず体の何処かにその証をつける必要があります」
アスターの説明にそういうことかと納得するクリオフとルーカス。クリオフの説明でこの戦いで代行者以外の人間が死んだり人間同士の殺し合いがあるかもしれないと思っていたが、代行者の証をつけるならその可能性は低くなるかもと思うルーカス。
「そういうことか、では頼む」
アスターに右手を差し出す。
「つけるのは私ではなくクリオフ様です」
困ったように笑うアスター。
「あぁ、それもそうだな。頼む」
クリオフの方へと向き直る。
「どこでもいいのか」
アスターに尋ねる。
「はい。どこでも構いません」
アスターがそう答えるとクリオフはどこがいいかと目で訴えてくる。右腕を上げてここに頼むと。
クリオフはルーカスの右の二の腕に神力を注いでいき自らの星座を示す牡羊座の紋章を刻んでいく。
「これでいいのか」
刻まれたら紋章をアスターに見せる。
「はい、問題ありません。これより、ルーカス様はクリオフ様の代行者としてアナテマの参加が認められました。アナテマが始まるまでもう数日ありますのでお待ち下さい。それと、この戦いが終わるまだ天界には戻れませんのでご注意下さい。では、私はこれで失礼します」
アスターはそう言うと天界に戻っていく。アスターが消え部屋の中にはクリオフとルーカスだけになる。
「(天界にはもう戻れないのか)」
戦いが終わるまで戻るつもりはなかったが、アスターの口からそう聞かされると少しだけ天界に戻りたい気持ちがあったことに気づいたクリオフ。
「天界に戻れないにら、ここに住むか」
「迷惑なら外にいる」
いきなり自分の家によく知らない神と一緒に暮らすのは嫌だろうと思い外に出ようとすると「そんな必要はない。嫌じゃなければいてくれて構わない。神様ってのは食事はするのか」
外に出て行こうとしたがルーカスがいていいと言うので世話になることにした。
「してもしなくても問題はないが食べれないこともない」
クリオフの返事に微笑み「なら一緒に食べよう」と言うとキッチンに向かうルーカス。野菜や肉を切って料理を作っていくルーカスに「何か手伝おう」と声をかける。
「なら、肉を焼いてくれ」
「わかった」
ルーカスの隣に立ち肉を焼いていく。
ククリオフとルーカスはアナテマが始まるまで、不器用ながらもお互いのことを知っていこうと歩み寄る日々を過ごした。
数日共に過ごし一人の神と一人の人間は生まれて初めて自分を理解してくれる存在に出会えたと喜んだ。そこから、互いに自分の考えやこれからどうしたいかを延々に語っていった。クリオフとルーカスはこの数日が人生の中で一番幸せだと感じた。こんな生活をずっと続けていたいと夢に見るくらいには。
もちろん、そんな未来など存在しないことはクリオフとルーカスが一番わかっていた。だから、ルーカスは必ず勝ってクリオフを十二神の座に留まらせると心に誓った。一緒にいることはできなくても同じ正義を心に抱き続けていれば、隣にいらずとも共に歩んでいけると。
それに、自分にとってクリオフ以上の神などきっといないとルーカスは確信してしまったから。
クリオフがそう言うと光に包まれた知らない男がいきなり現れた。
「お呼びでしょうか、クリオフ様」
クリオフに頭を下げるアスター。
「アスター、ルーカスが俺の代行者として参加する」
ルーカスをアスターに簡単に紹介する。
「初めましてルーカス様。私はルーカスと申します。以後お見知りおきを」
アスターはルーカスに頭を下げ自己紹介する。本来アスターはルーカスに頭を下げる必要などないがクリオフの代行者となったため礼を尽くすことにした。
「ルーカスです。こちらこそよろしくお願いします」
同じようにいに頭を下げ挨拶する。
「では、これよりクリオフ様の代行者という証を体につけてもらいます」
「証を体に?」
ルーカスが言ってる意味がわからないという顔をする。
「はい。証はどの神の代行者かを示すものでもあり、代行者以外の人間を間違って殺さないため見分けるものでもあります。そのため、代行者は必ず体の何処かにその証をつける必要があります」
アスターの説明にそういうことかと納得するクリオフとルーカス。クリオフの説明でこの戦いで代行者以外の人間が死んだり人間同士の殺し合いがあるかもしれないと思っていたが、代行者の証をつけるならその可能性は低くなるかもと思うルーカス。
「そういうことか、では頼む」
アスターに右手を差し出す。
「つけるのは私ではなくクリオフ様です」
困ったように笑うアスター。
「あぁ、それもそうだな。頼む」
クリオフの方へと向き直る。
「どこでもいいのか」
アスターに尋ねる。
「はい。どこでも構いません」
アスターがそう答えるとクリオフはどこがいいかと目で訴えてくる。右腕を上げてここに頼むと。
クリオフはルーカスの右の二の腕に神力を注いでいき自らの星座を示す牡羊座の紋章を刻んでいく。
「これでいいのか」
刻まれたら紋章をアスターに見せる。
「はい、問題ありません。これより、ルーカス様はクリオフ様の代行者としてアナテマの参加が認められました。アナテマが始まるまでもう数日ありますのでお待ち下さい。それと、この戦いが終わるまだ天界には戻れませんのでご注意下さい。では、私はこれで失礼します」
アスターはそう言うと天界に戻っていく。アスターが消え部屋の中にはクリオフとルーカスだけになる。
「(天界にはもう戻れないのか)」
戦いが終わるまで戻るつもりはなかったが、アスターの口からそう聞かされると少しだけ天界に戻りたい気持ちがあったことに気づいたクリオフ。
「天界に戻れないにら、ここに住むか」
「迷惑なら外にいる」
いきなり自分の家によく知らない神と一緒に暮らすのは嫌だろうと思い外に出ようとすると「そんな必要はない。嫌じゃなければいてくれて構わない。神様ってのは食事はするのか」
外に出て行こうとしたがルーカスがいていいと言うので世話になることにした。
「してもしなくても問題はないが食べれないこともない」
クリオフの返事に微笑み「なら一緒に食べよう」と言うとキッチンに向かうルーカス。野菜や肉を切って料理を作っていくルーカスに「何か手伝おう」と声をかける。
「なら、肉を焼いてくれ」
「わかった」
ルーカスの隣に立ち肉を焼いていく。
ククリオフとルーカスはアナテマが始まるまで、不器用ながらもお互いのことを知っていこうと歩み寄る日々を過ごした。
数日共に過ごし一人の神と一人の人間は生まれて初めて自分を理解してくれる存在に出会えたと喜んだ。そこから、互いに自分の考えやこれからどうしたいかを延々に語っていった。クリオフとルーカスはこの数日が人生の中で一番幸せだと感じた。こんな生活をずっと続けていたいと夢に見るくらいには。
もちろん、そんな未来など存在しないことはクリオフとルーカスが一番わかっていた。だから、ルーカスは必ず勝ってクリオフを十二神の座に留まらせると心に誓った。一緒にいることはできなくても同じ正義を心に抱き続けていれば、隣にいらずとも共に歩んでいけると。
それに、自分にとってクリオフ以上の神などきっといないとルーカスは確信してしまったから。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる