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黄道十二神 2
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「あのクソ狸が」
蠍座を司るスコルピオが近くの壁を蹴る。
「全く王のおふざけには毎回困りますね」
乙女座を司るパルテノが困った顔をする。
「本当にね~、王は気まぐれだからね」
射手座を司るトクソテスが同意する。
「でも、やるしかないだろ。王の命令だし」
山羊座を司るアイゴルヌスが眠そうに言う。
「チャンスを与えられるのは唯一神のみ。王は誰にそれを与えるつもりなのかな」
双子座を司るディデェイモが小さく呟く。
その呟きに十一神は、
「(それは俺だな)」
「(それはもちろん俺でしょ)」
「(僕だね)」
「(俺だな)」
「(俺以外ありえんな)」
「(俺でしょ)」
「(もちろん俺で決まりでしょ)」
「(もちろん僕だね)」
「(当然俺だな)」
「(俺だね)」
「(俺で決まりだろうな)」
「「((勝つのは俺だな( 僕だね)))」」
ある一神以外の神は自分こそが勝者だと確信する。
「アスター」
王がある神の名を口にする。
「お呼びでしょうか、我らが王」
どことからなく部屋の中にいきなり現れた下級の神アスターは王の前に跪く。
「世の頼みを聞いてくれるか」
「もちろんです、王」
王は頼みと言ったが下級の神が王の頼みを断ることは死を意味する。
「これから黄道十二神の神が自らの椅子を守る為殺し合いをはじめる。其方にはその進行役となって闘いを盛り上げてほしい。やってくれるか」
「喜んで」
アスターら十二神が今から殺し合いを始めるのかと想像するとその力を思い出しゾッとする。
十二神が天界で殺し合いなんてしたら殆どの神は死んでしまう。
それくらい圧倒的な力の差がある。
「安心しろ。そんなことにはならぬ」
アスターの考えていた最悪の事態を王が否定する。
「これを」
王がアスターに一つの鍵を渡す。
「これは」
「その鍵はこの天界の真実が眠っている部屋のものだ。其方にも見せてやろう」
王の言葉が意味深過ぎて戸惑うアスター。
「真実が眠っているとはどういうことだ)」
「ここか」
王の部屋をでて二時間以上捜しまくってようやくお目当の部屋を見つけ出したアスター。
鍵を差し込んで回そうとするとその前に勝手に扉の作りが変わり始めた。
茶色のボロボロの扉から白に変わり金色の線が浮かびだし輝きだす。
気付いたら鍵は自分の手の中にあり、部屋の中にいた。
あまりの厳重な結界にアスターはそれ程の秘密が眠っているのかと好奇心がうずく。
扉の見た目からは全く想像できない程中は美しい部屋になっていた。
部屋の中を見渡しているとある六冊の本に目がとまった。
何気なく一冊を開くとその本に書かれてある内容が一瞬でアスターの頭の中に流れ込む。
「嘘だろ」
アスターは残りの五冊も同様にして内容を確認した。
「これは、繰り返しているのか。王の目的は一体何なんだ」
蠍座を司るスコルピオが近くの壁を蹴る。
「全く王のおふざけには毎回困りますね」
乙女座を司るパルテノが困った顔をする。
「本当にね~、王は気まぐれだからね」
射手座を司るトクソテスが同意する。
「でも、やるしかないだろ。王の命令だし」
山羊座を司るアイゴルヌスが眠そうに言う。
「チャンスを与えられるのは唯一神のみ。王は誰にそれを与えるつもりなのかな」
双子座を司るディデェイモが小さく呟く。
その呟きに十一神は、
「(それは俺だな)」
「(それはもちろん俺でしょ)」
「(僕だね)」
「(俺だな)」
「(俺以外ありえんな)」
「(俺でしょ)」
「(もちろん俺で決まりでしょ)」
「(もちろん僕だね)」
「(当然俺だな)」
「(俺だね)」
「(俺で決まりだろうな)」
「「((勝つのは俺だな( 僕だね)))」」
ある一神以外の神は自分こそが勝者だと確信する。
「アスター」
王がある神の名を口にする。
「お呼びでしょうか、我らが王」
どことからなく部屋の中にいきなり現れた下級の神アスターは王の前に跪く。
「世の頼みを聞いてくれるか」
「もちろんです、王」
王は頼みと言ったが下級の神が王の頼みを断ることは死を意味する。
「これから黄道十二神の神が自らの椅子を守る為殺し合いをはじめる。其方にはその進行役となって闘いを盛り上げてほしい。やってくれるか」
「喜んで」
アスターら十二神が今から殺し合いを始めるのかと想像するとその力を思い出しゾッとする。
十二神が天界で殺し合いなんてしたら殆どの神は死んでしまう。
それくらい圧倒的な力の差がある。
「安心しろ。そんなことにはならぬ」
アスターの考えていた最悪の事態を王が否定する。
「これを」
王がアスターに一つの鍵を渡す。
「これは」
「その鍵はこの天界の真実が眠っている部屋のものだ。其方にも見せてやろう」
王の言葉が意味深過ぎて戸惑うアスター。
「真実が眠っているとはどういうことだ)」
「ここか」
王の部屋をでて二時間以上捜しまくってようやくお目当の部屋を見つけ出したアスター。
鍵を差し込んで回そうとするとその前に勝手に扉の作りが変わり始めた。
茶色のボロボロの扉から白に変わり金色の線が浮かびだし輝きだす。
気付いたら鍵は自分の手の中にあり、部屋の中にいた。
あまりの厳重な結界にアスターはそれ程の秘密が眠っているのかと好奇心がうずく。
扉の見た目からは全く想像できない程中は美しい部屋になっていた。
部屋の中を見渡しているとある六冊の本に目がとまった。
何気なく一冊を開くとその本に書かれてある内容が一瞬でアスターの頭の中に流れ込む。
「嘘だろ」
アスターは残りの五冊も同様にして内容を確認した。
「これは、繰り返しているのか。王の目的は一体何なんだ」
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