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【05】竜人の愛情表現
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(食べられる……!?)
へたり込んだまま、私はただ、身体を固くするほかなかった。
色々な事が頭を過ったが、全て動きにつながってくれない。覆いかぶさるほど大きく姿を変貌させたマクマトさまが、じり、じりと寄ってくる。
それでも何もできなかった。
何もできないまま、私は、視界いっぱいに銀と赤が、埋め尽くされるのを見て――
ぎゅう、っと、抱きしめられた。
そして、手を掴まれて、ぐっと角を握らされた。
「……へ?」
死すら意識した、私に訪れたのは謎の抱擁だった。
大きな身体に文字通りがっしり、手足を使って抱きしめられて、これは抱擁というかもう拘束だ。手の方は、無理やり角に押し付けられている。細かく動かす事を促されているので撫でろと言っているようも思える。
肩に乗った喉から地響きみたいな振動が伝わり、事実轟音が漏れていた。
ぐるぐるぐるぐるごるごぐるごごごご。
滅茶苦茶に喉が鳴っている。
(いったい何が起こってるの……?)
「あ、あの、マクマトさま?」
「――っ、は」
恐る恐る呼びかけた、私の声。
名前を呼んだのが良かったのだろうか。尋常ではない喉の振動が止み、いつものマクマトさまの声が戻ってきた。大分掠れてはいたけれど、それは確かに彼のものだった。
ばっ、と、マクマトさまが身体を離す。銀色になった頬に細い瞳孔の金瞳。それは変わらなかったけれど理性がある。彼は私を見つめ、強く両肩を掴んで怒鳴った。
「何をしてるんだ、逆鱗に触れるなんて!!」
「げ、げきりん?」
「竜が持つ特別な鱗の事だ。触れただろう!?」
あの赤い宝石がそうだったのか。私が視線を自然とそちらに向けると、マクマトさまもまた追った。開いた襟から覗く赤。それを確認して、ああ、と彼は嘆息する。
「……いや、すまない。俺の油断だ。襟を開いて寝たのが悪い。見えたから気になったんだな」
「ごめんなさい。あんまり綺麗だったから…… そんな大切なものだったなんて」
自分の顔から、みるみる血の気が失せるのが分かった。
声が震える。私はきっと、とんでもない事をしてしまったのだ。マクマトさまが声をこんなにも荒げるなんて今までになかった。それほどまでの事を、私はしでかしたのだ。
「申し訳ありません、ひどい事を、なんてお詫びを!」
「ああ、違う。君が悪いんじゃない、知らなくて当然なんだ。普段隠してるし、触れられないように気を配らなければならないのは俺の方だ。謝らないでくれ」
言って、マクマトさまはそっと肩を叩いてくれた。
泣き出しそうなほど後悔している私に、君のせいじゃないと繰り返し言う。だけれど私は情けなくて申し訳なくて、何一つ気の利いた言葉が出てこない。
ばかだ。粗忽者だ。前よりは至らなさを改善できたと思っていたのに、また私はやらかしてしまったのだ。
「どうしたら。なんて事、私……!」
そんな私を宥める為か、マクマトさまは教えてくれた。竜人族の逆鱗の事を。
「竜人族には、触っちゃいけない鱗が身体にひとつだけ生えてるんだ。それを逆鱗と言う。俺の場合は胸のここ、さっき見たよな? ガーネットみたいな真っ赤なやつだ。弱点みたいなものでさ、擬態の末に、鱗の見た目じゃなくなったって言われてる」
「弱点…… い、痛くはないのですか? さっき触ってしまったから」
「大丈夫、痛覚はない。ただほら、見た目がさ、変わっちまうから」
マクマトさまの爪の伸びた指が、自らの顔を示す。
銀鱗に覆われた頬。少しずつ元に戻ってはいるけど、褐色の肌との境目は隠しようもない。
「逆鱗を刺激すると、竜の血が活性化するんだ。力とか欲とかが膨れ上がって、本能で行動する。暴走って感じだな。だから触ったら駄目。了解?」
「りょうかい、です…… 先ほどの地響きのような音が、本能を押さえ切れなくなった結果なのですか?」
「……」
急にマクマトさまが黙ってしまった。視線が斜め上の方を向く。
「一体何だったのでしょうか。おなかに響くくらいすごい音…… それからお角にも触れさせようと。あれもどういう意味が?」
「……」
「マクマトさま?」
「あれは…… 何というか……」
と。
言いかけて、マクマトさまはがっくりと項垂れた。
見間違いでなければ、頬と耳が真っ赤になっていた。乱れた黒髪の隙間から覗いた褐色の肌が、分かりづらいけれど赤面している。どうして?
「お、仰っていただかないと分かりません。もう二度としないようにします。理解したいのです。竜人族の方々の本能的な欲求があるなら、妻として知るべきです。どうか教えて。秘密だというなら厳守しますから!」
「種族は関係なくて、個人的にっていうか…… あれは、その、求愛表現、みたいな……」
はあああ。
深い深い、長い溜息が、マクマトさまの大きな口から洩れた。
のろのろ顔を上げて、浮かべた表情は弱り切ったそれ。怒っているようには見えなかった。赤い頬のまま彼は言う。あれは求愛表現なのだ、と。
「俺たちなりのな。そういうもんだと思ってくれ。分かってくれ」
「お角に触れさせて、地響きみたいな音を鳴らすのが、求愛?」
「もう勘弁してくれ。俺だって恥ずかしいんだ」
(逆鱗に触られると、竜人族は本能的な部分がむき出しになる。
欲望に忠実になって、私にした事が、求愛……)
つまり、私に好きだと伝えたかったって。
本能でそう願うくらい、したかったって事?
「っ……か、勘弁、できません!!」
込み上げる気持ちに逆らえない。私は膝立ちになって、マクマトさまの両手を掴んでいた。触れると熱い。いつも冷たい体温が、竜になりかけるとこんなにも熱くなるのか。それとも照れているらしい彼の心情がそうさせているのか。
後者だったら嬉しかった。
私も、くらくらするくらいに熱くなっていたから。
「ちゃんと教えて下さい! 知りたいわ、貴方がどんな気持ちでそうしてくれたのか、お角に触れさせるのはどういう意味があるのか!」
「いやほら俺たち秘密主義だし、別にそんなの知らなくても夫婦にはなれるし……」
「マクマトさま!!」
「……角っていうのは、祝福なんだ」
渋々しかたなく。そんな雰囲気で、マクマトさまは教えてくれた。
「遠い昔に、竜が授けてくれた祝福。角はその証だ。命と同じくらい大切なものでもある。そんな大事な箇所に触れてもいいのは、家族と、共に生きると誓った相手だけだ。君なら俺の命に触れてもいい。そういう意味だ。
それと地響きじゃない。あれは竜の言語だ」
「ほ、翻訳を希望します!」
「君が素敵だと言った」
その声は、ほとんどもうやけっぱちで、勢い任せの言い方だった。
「はじめは、他国に婿入りなんて上手く行かないって思ってた。だけど君は賢くて優しくて、何よりとても可愛らしかった。すぐに虜になった。膝枕も最高だ、ずっとああして眠りたい。って言った」
「っ……そ、そ、そんな事、言ってたんですか……?」
「一音で多くの意味を含むから。なあ、もういいか? 自分の醜態の説明なんて地獄みたいなもんだよ。ほんとに、本気で、勘弁してくれ。恥で死にそうだ」
そう言ったきり、マクマトさまは、力尽きたようにがっくり脱力した。
こんな事を思うのは申し訳ないし、事を起こしたのは私だけれど、可愛いと思ってしまう。尖ったお耳が下を向いて、小さな声で醜態だ、嫁さんに何やってんだ、親父殿に顔向けできない、と、ぶつぶつ自分に対して叱咤している。
(私はこんなに嬉しいのに)
どくどく、どきどき、心臓が破裂しそうなくらい、早い鼓動を打ち鳴らしている。
この熱も、心音も、押さえられそうになかった。本能的になるっていうのなら私だってそうだ。こんなに熱烈に求愛されて、嬉しくない訳がない。ときめかないわけがない。
高鳴りが私を図々しくさせる。慎みも何も投げ捨てて、私はマクマトさまの手に再び触れた。
「もう一つだけ、我侭を聞いてもらえませんか……?」
へたり込んだまま、私はただ、身体を固くするほかなかった。
色々な事が頭を過ったが、全て動きにつながってくれない。覆いかぶさるほど大きく姿を変貌させたマクマトさまが、じり、じりと寄ってくる。
それでも何もできなかった。
何もできないまま、私は、視界いっぱいに銀と赤が、埋め尽くされるのを見て――
ぎゅう、っと、抱きしめられた。
そして、手を掴まれて、ぐっと角を握らされた。
「……へ?」
死すら意識した、私に訪れたのは謎の抱擁だった。
大きな身体に文字通りがっしり、手足を使って抱きしめられて、これは抱擁というかもう拘束だ。手の方は、無理やり角に押し付けられている。細かく動かす事を促されているので撫でろと言っているようも思える。
肩に乗った喉から地響きみたいな振動が伝わり、事実轟音が漏れていた。
ぐるぐるぐるぐるごるごぐるごごごご。
滅茶苦茶に喉が鳴っている。
(いったい何が起こってるの……?)
「あ、あの、マクマトさま?」
「――っ、は」
恐る恐る呼びかけた、私の声。
名前を呼んだのが良かったのだろうか。尋常ではない喉の振動が止み、いつものマクマトさまの声が戻ってきた。大分掠れてはいたけれど、それは確かに彼のものだった。
ばっ、と、マクマトさまが身体を離す。銀色になった頬に細い瞳孔の金瞳。それは変わらなかったけれど理性がある。彼は私を見つめ、強く両肩を掴んで怒鳴った。
「何をしてるんだ、逆鱗に触れるなんて!!」
「げ、げきりん?」
「竜が持つ特別な鱗の事だ。触れただろう!?」
あの赤い宝石がそうだったのか。私が視線を自然とそちらに向けると、マクマトさまもまた追った。開いた襟から覗く赤。それを確認して、ああ、と彼は嘆息する。
「……いや、すまない。俺の油断だ。襟を開いて寝たのが悪い。見えたから気になったんだな」
「ごめんなさい。あんまり綺麗だったから…… そんな大切なものだったなんて」
自分の顔から、みるみる血の気が失せるのが分かった。
声が震える。私はきっと、とんでもない事をしてしまったのだ。マクマトさまが声をこんなにも荒げるなんて今までになかった。それほどまでの事を、私はしでかしたのだ。
「申し訳ありません、ひどい事を、なんてお詫びを!」
「ああ、違う。君が悪いんじゃない、知らなくて当然なんだ。普段隠してるし、触れられないように気を配らなければならないのは俺の方だ。謝らないでくれ」
言って、マクマトさまはそっと肩を叩いてくれた。
泣き出しそうなほど後悔している私に、君のせいじゃないと繰り返し言う。だけれど私は情けなくて申し訳なくて、何一つ気の利いた言葉が出てこない。
ばかだ。粗忽者だ。前よりは至らなさを改善できたと思っていたのに、また私はやらかしてしまったのだ。
「どうしたら。なんて事、私……!」
そんな私を宥める為か、マクマトさまは教えてくれた。竜人族の逆鱗の事を。
「竜人族には、触っちゃいけない鱗が身体にひとつだけ生えてるんだ。それを逆鱗と言う。俺の場合は胸のここ、さっき見たよな? ガーネットみたいな真っ赤なやつだ。弱点みたいなものでさ、擬態の末に、鱗の見た目じゃなくなったって言われてる」
「弱点…… い、痛くはないのですか? さっき触ってしまったから」
「大丈夫、痛覚はない。ただほら、見た目がさ、変わっちまうから」
マクマトさまの爪の伸びた指が、自らの顔を示す。
銀鱗に覆われた頬。少しずつ元に戻ってはいるけど、褐色の肌との境目は隠しようもない。
「逆鱗を刺激すると、竜の血が活性化するんだ。力とか欲とかが膨れ上がって、本能で行動する。暴走って感じだな。だから触ったら駄目。了解?」
「りょうかい、です…… 先ほどの地響きのような音が、本能を押さえ切れなくなった結果なのですか?」
「……」
急にマクマトさまが黙ってしまった。視線が斜め上の方を向く。
「一体何だったのでしょうか。おなかに響くくらいすごい音…… それからお角にも触れさせようと。あれもどういう意味が?」
「……」
「マクマトさま?」
「あれは…… 何というか……」
と。
言いかけて、マクマトさまはがっくりと項垂れた。
見間違いでなければ、頬と耳が真っ赤になっていた。乱れた黒髪の隙間から覗いた褐色の肌が、分かりづらいけれど赤面している。どうして?
「お、仰っていただかないと分かりません。もう二度としないようにします。理解したいのです。竜人族の方々の本能的な欲求があるなら、妻として知るべきです。どうか教えて。秘密だというなら厳守しますから!」
「種族は関係なくて、個人的にっていうか…… あれは、その、求愛表現、みたいな……」
はあああ。
深い深い、長い溜息が、マクマトさまの大きな口から洩れた。
のろのろ顔を上げて、浮かべた表情は弱り切ったそれ。怒っているようには見えなかった。赤い頬のまま彼は言う。あれは求愛表現なのだ、と。
「俺たちなりのな。そういうもんだと思ってくれ。分かってくれ」
「お角に触れさせて、地響きみたいな音を鳴らすのが、求愛?」
「もう勘弁してくれ。俺だって恥ずかしいんだ」
(逆鱗に触られると、竜人族は本能的な部分がむき出しになる。
欲望に忠実になって、私にした事が、求愛……)
つまり、私に好きだと伝えたかったって。
本能でそう願うくらい、したかったって事?
「っ……か、勘弁、できません!!」
込み上げる気持ちに逆らえない。私は膝立ちになって、マクマトさまの両手を掴んでいた。触れると熱い。いつも冷たい体温が、竜になりかけるとこんなにも熱くなるのか。それとも照れているらしい彼の心情がそうさせているのか。
後者だったら嬉しかった。
私も、くらくらするくらいに熱くなっていたから。
「ちゃんと教えて下さい! 知りたいわ、貴方がどんな気持ちでそうしてくれたのか、お角に触れさせるのはどういう意味があるのか!」
「いやほら俺たち秘密主義だし、別にそんなの知らなくても夫婦にはなれるし……」
「マクマトさま!!」
「……角っていうのは、祝福なんだ」
渋々しかたなく。そんな雰囲気で、マクマトさまは教えてくれた。
「遠い昔に、竜が授けてくれた祝福。角はその証だ。命と同じくらい大切なものでもある。そんな大事な箇所に触れてもいいのは、家族と、共に生きると誓った相手だけだ。君なら俺の命に触れてもいい。そういう意味だ。
それと地響きじゃない。あれは竜の言語だ」
「ほ、翻訳を希望します!」
「君が素敵だと言った」
その声は、ほとんどもうやけっぱちで、勢い任せの言い方だった。
「はじめは、他国に婿入りなんて上手く行かないって思ってた。だけど君は賢くて優しくて、何よりとても可愛らしかった。すぐに虜になった。膝枕も最高だ、ずっとああして眠りたい。って言った」
「っ……そ、そ、そんな事、言ってたんですか……?」
「一音で多くの意味を含むから。なあ、もういいか? 自分の醜態の説明なんて地獄みたいなもんだよ。ほんとに、本気で、勘弁してくれ。恥で死にそうだ」
そう言ったきり、マクマトさまは、力尽きたようにがっくり脱力した。
こんな事を思うのは申し訳ないし、事を起こしたのは私だけれど、可愛いと思ってしまう。尖ったお耳が下を向いて、小さな声で醜態だ、嫁さんに何やってんだ、親父殿に顔向けできない、と、ぶつぶつ自分に対して叱咤している。
(私はこんなに嬉しいのに)
どくどく、どきどき、心臓が破裂しそうなくらい、早い鼓動を打ち鳴らしている。
この熱も、心音も、押さえられそうになかった。本能的になるっていうのなら私だってそうだ。こんなに熱烈に求愛されて、嬉しくない訳がない。ときめかないわけがない。
高鳴りが私を図々しくさせる。慎みも何も投げ捨てて、私はマクマトさまの手に再び触れた。
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