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第二部
48.懺悔Ⅱ
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「終わったか」
「ああ。悪かったな急に手伝わせて」
「そう思うんなら連れてくんじゃねえよ」
違法売人から血液を受け取り、この男に渡しに行くとそのままオペに立ち会わされた。あれを取れ、これを持ってこい、この器具のここを押さえておけと、医療知識なんて皆無な人間を問答無用で顎で使っていた。
それに大人しく従ってしまった俺も俺ではあると思うが。
間近で見せられた医療行為。本格的で抜かりないそれは、この男の腕を顕著に示した。
あとは自分一人でどうにかなると、終盤を過ぎたオペ室から俺が退出を許可されたのはそこからずいぶん経ってから。下で待っていろと言われたために、カウンター席に腰掛けて馬鹿正直に時間を潰して過ごした。
どうせやることも何もない。同じ場所でじっとしている口実があるのはこちらとしても好都合。
それから少しして下りてきた男は、汚れていない服に着替えてきたようで血に濡れた痕跡はない。
「……あんた何者だ?」
「ここの店主」
「違ぇだろ」
「兼医者」
「なんだよ兼って。普通兼ねねえよ」
遠い目をして呆れた俺に、男は笑って替えの服を差し出してきた。
「そのカッコで外出ると捕まるからな」
「…………」
あの怪我人を担いだ時に俺の服も血で真っ赤に染まった。なんだかもう今更のような気もするが、着ていた服を適当に脱ぎ捨て渡された白いシャツを羽織った。
妙な男だ。カウンターの上のビニール袋に手を伸ばし、男はまたもや煙草を咥えた。肺に煙を入れながら俺を見下ろし、長時間の作業による疲れを見せることもなく笑って言った。
「ここの店主ってのは本当のことだ。で、医者も兼ねてる」
「だから兼ねねえって。どうせ闇医者だろ」
「失礼な。ちゃんと医師免許だって持ってんだぞ。診療所の届出してねえだけで」
「……保険きかねえぼったくりってとこか。いい商売だな。変わんねえよ、闇医者と」
本業は医者の方なのだろう。でなければわざわざこんな所に店を構えるはずがない。
俺のイヤミに男は含みのある笑いを見せ、気にした風もなくカウンターの内側に入っていった。グラスを二つ手に取ると、後ろの棚から適当なボトルを取り出して片方のグラスを差し出してくる。
「礼だ。飲んでけ」
目の前には濃い色の液体。それと同じ酒を煙草片手に仰ぐ男。俺も遠慮なく手を伸ばした。
喉を焼く、酒特有の感覚。俺がカウンターにグラスを置くと、男はそんな素振りも見せずに突如それを口にした。
「お前、竜崎だろ」
「…………」
半分中身が残っている俺のグラスに、男は穏やかな笑みとともに酒をトポッと注ぎ足した。落ち着き払ったこの様子は信用して良いものかどうか。
「こんな商売してると情報には長けるもんでな。さっき転がってたあの三人には同情のしようもねえよ。もう退いたか?」
「……どうせ名前だけだ。あいつらも俺に気づいたら急に手の平返してきた」
「なんだ。家柄コンプレックス?」
「…………」
からかうようなその口調を、今の俺は冗談として受け取れない。目を逸らした。ついでに酒を一気に飲み干してゴトッと置いた。
「……あんたに何がわかる」
「いやぁ、残念だが分かんねえな。俺には背負うもんなんかねえからよ」
「俺だって好きでやってる訳じゃねえよ」
「だから家出か?」
切り返し受けた言葉で顔を上げた。見透かしたような目を向けられる。内心では穏やかでいられない。
組の人間ではないはずだ。怪しいのはもちろん。しかし業界は違う。その辺を見極める程度のことなら俺にもできる。同業者に会えば一目で分かるが、この男からはその匂いを感じ取れない。
「なんなんだよあんた。どこまで知ってる。情報屋まで兼ねてんのか」
「いいや? 今のは適当に。当たったか?」
「…………」
ムカつく。なんだこの男。
胸糞悪いことからはできるだけ離れたい。腰を上げ、ドアに向かう。そこで男は俺の背に穏やかな声を投げつけてきた。
「お前まだ全然若ぇだろ」
煙草の白い煙はここまで届く。足を止め、振り返らずに言った。
「それがなんだよ」
「まだまだなんじゃねえかってことだ。良く言うだろ、クセぇけどよ。諦めるのはいつでもできるって」
なんの義理があってそんなことを。そうは思っても、言い返せない。
「いつでも来い。患者がいなけりゃ毎晩開けてる」
「…………」
答えず、そのまま外に出た。夜が明けるにはまだ遠い。来た道を戻ってみても、数時間前そこに転がっていた奴らの姿は見えなかった。
こんな意味の分からない法外な店なんて二度と来るか。心に決めたのは確かなのに、結局は毎晩のようにここへ通うことになっていた。
それはあの人の人柄もデカい。集まってくる客達との間の雰囲気を見れば確信できる。それに何よりここにいれば、もしかしたら何かが変わるかもしれないと。
そうして一年も経つ頃には昭仁さんともずいぶん親しくなっていた。この店にいると気分も紛れる。店主はああだし客達もああだ。
いつしか精神的な避難所のようになり、それでも過去からずっと続いている憤りはいつまでも残存していた。怒りは時に虚無を呼び起こす。ぽっかりと開いたような穴を埋めるために望むものは、決して手に入らない。
紛い物の平和に浸った。この店に入れば一時は守られる。クソダセェだけの逃げ方をしていた。
「……なんか外騒がしくねえか?」
金を払う気のない酒を飲みながら、さっきからしばらく感じていたことをとうとう口に出して言ってみた。昭仁さんもそれに頷いて応じる。煙を吐いて興味なさげに言った。
「喧嘩だろ。じゃなきゃどっかの馬鹿どもが誰かにタカってるか」
「すっげえ身に覚えある感じ」
この近辺のこの時間帯。治安がいいとはとても言えない。女の悲鳴でも上がれば話は別だが、男ばかりの喧騒を耳にしていちいち気にしていたら身が持たない。
「ほっとけよ。お前が首突っ込むとロクなことになんねえぞ」
「んー、まあ……」
昭仁さんの的確な忠告には心の籠っていない返事を。
なぜだか、気になる。外の様子が。厄介ごとであるのは明白なうえ、無関心を決め込んでおくのが妥当。賢明であり最善でもあり普段の俺ならば間違いなくそうした。
けれども今は。なぜか。どういう訳か。考えるよりも先に体が動いている。
「ちょっと見てくる」
「はあ? あ、おい恭介っ」
駈け出した。声のする方へ行けばやはり喧嘩の真っ最中だった。
しかし何やら様子がおかしい。徐々に速度を落としながら近づいて眺めてみれば、昭仁さんのさっきの二択は後者が正解だったと分かった。
「おい」
言ってから自分でも、少し驚く。その場に割り込むことには迷いがなかった。
「うるせえんだよ人の店の前で。やるんならよそでヤレ」
言いながら近づく。五人でまとまる連中が食ってかかってきた。
その足元で地面に倒れているのは一人。暗くてその姿ははっきり確認できない。騒ぎ立てるつまらない連中よりも、そいつのことがどうにも気になった。
一方的にやられたのであろうその状態。同情してやるつもりはない。ただ単純に、興味が湧いた。
面倒だが仕方ねえ。連中を蹴散らかすための体勢にそこで入りかけたが、結局その必要はなかった。
いつものお決まりのアレが出る。五人のうちの一人が俺に気がつくと連中の様子は一変し、その場からそそくさと逃げ去っていった。
あっけない。だが好都合だ。目的のものには辿り着けた。
「おい。立てるか」
倒れている男の前に屈み込んだ。その顔を近くから見下ろす。ほとんど意識もないような状態なのだろうとは思うが、男は俺の呼びかけに気力だけで目を向けてきた。
強い警戒心が剥き出しだ。反射的な威嚇なのだろうか、俺をきつく睨みつけている。
顔面も殴打されたようで口の端は痛々しく切れていた。しかし何より印象に深く刻みつけられるのは、強気できかなそうなこの目つき。酷い人相だ。これでは絡まれるのも仕方がない。だがそれでも一目見ただけで、綺麗な顔の造りは分かった。
こういう奴は標的にされやすい。その男の腕を持ち上げた。この肩に回させたものの、支えてやらないとすぐズリ落ちる。
ほとんど意識の落ちている男だから、身に圧し掛かる体重を覚悟してゆっくりと立ち上がった。ところが少し拍子抜けするくらい、軽い。思ったほどたいした重さではなかった。触れてみてようやく分かるが、支えるこの体もずいぶんと華奢だ。
なんだか、壊してしまいそう。男相手にこんなことを思うのも異様だろうけど、そんな考えが頭を過ぎった。
まさか男に惚れるなんてあの時は思ってもみなかった。けれど惹かれるのは簡単だった。
負けん気の強いあの目がいい。媚びない態度も気に入っている。綺麗で、強くて。口は悪いけど。カッコよくて優しい。俺が惚れたのはそういう奴だ。
本来であれば求めていい相手じゃない。分かっていたのに望んでしまった。
一緒にいようなんて言っておきながら、いつかの終わりを覚悟している。そばにいたくて、どうしようもなくて、ほとんど無理やり手に入れた。
自分の欲を満たすためだけに大事な存在を強奪し、縛り付けたその先に来るのは恐怖だ。絶えず迫ってくる不安を抱えながらあいつの隣を陣取っている。いつかは終わる。それを知りつつ、身勝手な甘えを押し付けている。
壊してしまいそうだと思ったのは、俺が壊す側の人間だからだ。
「ああ。悪かったな急に手伝わせて」
「そう思うんなら連れてくんじゃねえよ」
違法売人から血液を受け取り、この男に渡しに行くとそのままオペに立ち会わされた。あれを取れ、これを持ってこい、この器具のここを押さえておけと、医療知識なんて皆無な人間を問答無用で顎で使っていた。
それに大人しく従ってしまった俺も俺ではあると思うが。
間近で見せられた医療行為。本格的で抜かりないそれは、この男の腕を顕著に示した。
あとは自分一人でどうにかなると、終盤を過ぎたオペ室から俺が退出を許可されたのはそこからずいぶん経ってから。下で待っていろと言われたために、カウンター席に腰掛けて馬鹿正直に時間を潰して過ごした。
どうせやることも何もない。同じ場所でじっとしている口実があるのはこちらとしても好都合。
それから少しして下りてきた男は、汚れていない服に着替えてきたようで血に濡れた痕跡はない。
「……あんた何者だ?」
「ここの店主」
「違ぇだろ」
「兼医者」
「なんだよ兼って。普通兼ねねえよ」
遠い目をして呆れた俺に、男は笑って替えの服を差し出してきた。
「そのカッコで外出ると捕まるからな」
「…………」
あの怪我人を担いだ時に俺の服も血で真っ赤に染まった。なんだかもう今更のような気もするが、着ていた服を適当に脱ぎ捨て渡された白いシャツを羽織った。
妙な男だ。カウンターの上のビニール袋に手を伸ばし、男はまたもや煙草を咥えた。肺に煙を入れながら俺を見下ろし、長時間の作業による疲れを見せることもなく笑って言った。
「ここの店主ってのは本当のことだ。で、医者も兼ねてる」
「だから兼ねねえって。どうせ闇医者だろ」
「失礼な。ちゃんと医師免許だって持ってんだぞ。診療所の届出してねえだけで」
「……保険きかねえぼったくりってとこか。いい商売だな。変わんねえよ、闇医者と」
本業は医者の方なのだろう。でなければわざわざこんな所に店を構えるはずがない。
俺のイヤミに男は含みのある笑いを見せ、気にした風もなくカウンターの内側に入っていった。グラスを二つ手に取ると、後ろの棚から適当なボトルを取り出して片方のグラスを差し出してくる。
「礼だ。飲んでけ」
目の前には濃い色の液体。それと同じ酒を煙草片手に仰ぐ男。俺も遠慮なく手を伸ばした。
喉を焼く、酒特有の感覚。俺がカウンターにグラスを置くと、男はそんな素振りも見せずに突如それを口にした。
「お前、竜崎だろ」
「…………」
半分中身が残っている俺のグラスに、男は穏やかな笑みとともに酒をトポッと注ぎ足した。落ち着き払ったこの様子は信用して良いものかどうか。
「こんな商売してると情報には長けるもんでな。さっき転がってたあの三人には同情のしようもねえよ。もう退いたか?」
「……どうせ名前だけだ。あいつらも俺に気づいたら急に手の平返してきた」
「なんだ。家柄コンプレックス?」
「…………」
からかうようなその口調を、今の俺は冗談として受け取れない。目を逸らした。ついでに酒を一気に飲み干してゴトッと置いた。
「……あんたに何がわかる」
「いやぁ、残念だが分かんねえな。俺には背負うもんなんかねえからよ」
「俺だって好きでやってる訳じゃねえよ」
「だから家出か?」
切り返し受けた言葉で顔を上げた。見透かしたような目を向けられる。内心では穏やかでいられない。
組の人間ではないはずだ。怪しいのはもちろん。しかし業界は違う。その辺を見極める程度のことなら俺にもできる。同業者に会えば一目で分かるが、この男からはその匂いを感じ取れない。
「なんなんだよあんた。どこまで知ってる。情報屋まで兼ねてんのか」
「いいや? 今のは適当に。当たったか?」
「…………」
ムカつく。なんだこの男。
胸糞悪いことからはできるだけ離れたい。腰を上げ、ドアに向かう。そこで男は俺の背に穏やかな声を投げつけてきた。
「お前まだ全然若ぇだろ」
煙草の白い煙はここまで届く。足を止め、振り返らずに言った。
「それがなんだよ」
「まだまだなんじゃねえかってことだ。良く言うだろ、クセぇけどよ。諦めるのはいつでもできるって」
なんの義理があってそんなことを。そうは思っても、言い返せない。
「いつでも来い。患者がいなけりゃ毎晩開けてる」
「…………」
答えず、そのまま外に出た。夜が明けるにはまだ遠い。来た道を戻ってみても、数時間前そこに転がっていた奴らの姿は見えなかった。
こんな意味の分からない法外な店なんて二度と来るか。心に決めたのは確かなのに、結局は毎晩のようにここへ通うことになっていた。
それはあの人の人柄もデカい。集まってくる客達との間の雰囲気を見れば確信できる。それに何よりここにいれば、もしかしたら何かが変わるかもしれないと。
そうして一年も経つ頃には昭仁さんともずいぶん親しくなっていた。この店にいると気分も紛れる。店主はああだし客達もああだ。
いつしか精神的な避難所のようになり、それでも過去からずっと続いている憤りはいつまでも残存していた。怒りは時に虚無を呼び起こす。ぽっかりと開いたような穴を埋めるために望むものは、決して手に入らない。
紛い物の平和に浸った。この店に入れば一時は守られる。クソダセェだけの逃げ方をしていた。
「……なんか外騒がしくねえか?」
金を払う気のない酒を飲みながら、さっきからしばらく感じていたことをとうとう口に出して言ってみた。昭仁さんもそれに頷いて応じる。煙を吐いて興味なさげに言った。
「喧嘩だろ。じゃなきゃどっかの馬鹿どもが誰かにタカってるか」
「すっげえ身に覚えある感じ」
この近辺のこの時間帯。治安がいいとはとても言えない。女の悲鳴でも上がれば話は別だが、男ばかりの喧騒を耳にしていちいち気にしていたら身が持たない。
「ほっとけよ。お前が首突っ込むとロクなことになんねえぞ」
「んー、まあ……」
昭仁さんの的確な忠告には心の籠っていない返事を。
なぜだか、気になる。外の様子が。厄介ごとであるのは明白なうえ、無関心を決め込んでおくのが妥当。賢明であり最善でもあり普段の俺ならば間違いなくそうした。
けれども今は。なぜか。どういう訳か。考えるよりも先に体が動いている。
「ちょっと見てくる」
「はあ? あ、おい恭介っ」
駈け出した。声のする方へ行けばやはり喧嘩の真っ最中だった。
しかし何やら様子がおかしい。徐々に速度を落としながら近づいて眺めてみれば、昭仁さんのさっきの二択は後者が正解だったと分かった。
「おい」
言ってから自分でも、少し驚く。その場に割り込むことには迷いがなかった。
「うるせえんだよ人の店の前で。やるんならよそでヤレ」
言いながら近づく。五人でまとまる連中が食ってかかってきた。
その足元で地面に倒れているのは一人。暗くてその姿ははっきり確認できない。騒ぎ立てるつまらない連中よりも、そいつのことがどうにも気になった。
一方的にやられたのであろうその状態。同情してやるつもりはない。ただ単純に、興味が湧いた。
面倒だが仕方ねえ。連中を蹴散らかすための体勢にそこで入りかけたが、結局その必要はなかった。
いつものお決まりのアレが出る。五人のうちの一人が俺に気がつくと連中の様子は一変し、その場からそそくさと逃げ去っていった。
あっけない。だが好都合だ。目的のものには辿り着けた。
「おい。立てるか」
倒れている男の前に屈み込んだ。その顔を近くから見下ろす。ほとんど意識もないような状態なのだろうとは思うが、男は俺の呼びかけに気力だけで目を向けてきた。
強い警戒心が剥き出しだ。反射的な威嚇なのだろうか、俺をきつく睨みつけている。
顔面も殴打されたようで口の端は痛々しく切れていた。しかし何より印象に深く刻みつけられるのは、強気できかなそうなこの目つき。酷い人相だ。これでは絡まれるのも仕方がない。だがそれでも一目見ただけで、綺麗な顔の造りは分かった。
こういう奴は標的にされやすい。その男の腕を持ち上げた。この肩に回させたものの、支えてやらないとすぐズリ落ちる。
ほとんど意識の落ちている男だから、身に圧し掛かる体重を覚悟してゆっくりと立ち上がった。ところが少し拍子抜けするくらい、軽い。思ったほどたいした重さではなかった。触れてみてようやく分かるが、支えるこの体もずいぶんと華奢だ。
なんだか、壊してしまいそう。男相手にこんなことを思うのも異様だろうけど、そんな考えが頭を過ぎった。
まさか男に惚れるなんてあの時は思ってもみなかった。けれど惹かれるのは簡単だった。
負けん気の強いあの目がいい。媚びない態度も気に入っている。綺麗で、強くて。口は悪いけど。カッコよくて優しい。俺が惚れたのはそういう奴だ。
本来であれば求めていい相手じゃない。分かっていたのに望んでしまった。
一緒にいようなんて言っておきながら、いつかの終わりを覚悟している。そばにいたくて、どうしようもなくて、ほとんど無理やり手に入れた。
自分の欲を満たすためだけに大事な存在を強奪し、縛り付けたその先に来るのは恐怖だ。絶えず迫ってくる不安を抱えながらあいつの隣を陣取っている。いつかは終わる。それを知りつつ、身勝手な甘えを押し付けている。
壊してしまいそうだと思ったのは、俺が壊す側の人間だからだ。
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