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第一部
29.6-Ⅳ
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落ち着かない。
夕べ部屋に戻って、朝を迎えた今までずっとそう。まだ雀が鳴き出したばかりで、朝日すら射さない早朝だ。
竜崎はもう実家に向かったのだろうか。それともまだあのアパートの部屋で、似合わないスーツでも着こんでいるのか。
竜崎組若頭。そんな大層な肩書きを背負い、弱みを見せる隙すら与えない。ただのヘラヘラしている男が一瞬で狂気を孕む。
今にして思えばあの時の感情は、畏怖よりも、空虚だった。近くにあると思っていたものが実はとても遠かった。それを思い知らされたようで、虚しさのようなものを感じた。
部屋を訪れたところでもういないかもしれない。仮にそこにいたとしても、何か言いたいことがあるのでもない。
話すこともないのに電話をかけるのは無意味。送りつけるようなメッセージもない。ならばやはり俺がこれ以上首を突っ込むような話ではないか。待っていてと言われても、頷いてやることすらできないのだから。
こうして考え続けること一晩。俺もいよいよ本気のマヌケに成り下がってきたようだ。
細かいことでいちいち悩むような女々しい男にはなりたくない。しかしこと最近に至っては何かと頭を悩ませている。
それもこれも全ては竜崎のせいだ。人の脳内を占拠し、図々しく居座るあの男が悪い。ならば、いっそ行けばいいかと。いないならいないでそれでいい。行ってみて顔を合わせたとすれば、俺が何かしら話し出す前に向こうが軽口を叩くだろう。
言い訳がましく結論を出し、竜崎のアパートにやって来た。ほんの軽い気持ちだった。明確な目的はなく、まだいるならその顔を拝んでやろうと。
ところがそう思っていられたのは実際にその光景を見るまで。薄暗く、人の活動もまだまだ始まらない簡素なこの場所。そこで俺が目にした現実は、無情なほどに冷たかった。
「りゅ……」
声を掛けようかと一歩踏み出し、しかしそこで躊躇った。
アパート前の狭い通り。昇っていない朝日の代わりに、心もとない街頭に照らされるスーツの後ろ姿を見た。間違えるはずがない。竜崎だ。
だがその両隣には人がいた。同じような装いをした二人の男が控えている。半歩後ろから、竜崎に付き従うように歩いていた。
三人の男達から感じるのは異様なまでの威圧感。単にスーツを着た男三人。しかしそれだけでは決してなかった。呆然と立ち尽くしているうちに、竜崎はどんどん遠ざかっていく。
来るんじゃなかった。見たくなかった。頭では理解していても、実際に目の当たりにしてしまうと思った以上に堪えるものがある。
何も背負ったことがない俺とは違う。重すぎる。そんな場所に、あいつは立っている。
「っ……竜崎ッ」
広くなる距離を埋めるように思わず叫び上げていた。振り返った三人に向け足を踏み出し、まっすぐ駆け寄る。自殺行為なのはバカでも分かる。
目を見開いた竜崎を庇うようにして立ちはだかった両側の二人。うち一人の手は即座に懐へと伸ばされていた。敵意と防御の意図を示して身構える二人が俺を囲い込む、その前に。
「やめろ」
竜崎の静かなその声。寒い空気の中に響き、そのたった一言によって男二人は動作を止めた。
一瞬の緊張感からさらに重苦しさは増す。二人の男は竜崎を微かに振り返り、身構えたその姿勢をジリッと元に戻した。しかしそれらの射殺すような視線はしっかりと俺を捉えている。
非は俺にある。あの二人は仕事をしているだけだ。あの一件があったばかりではなおさらだろう。
「カシラ……」
一人が竜崎に向けて呼びかけた。この二人からしてみれば俺は得体の知れない男だ。こちらへの敵意を残しつつ、竜崎の指示を待っている。
この場にいる誰よりも竜崎は冷静だった。眉の一つも動かさず、二人に向けて淡々と言った。
「こいつは違う。先行って車出しとけ」
「しかし……」
「行け」
最後の一言には少し苛立ちを含め、ピタリと口を閉じた男二人は、警戒した目でこちらを睨みつけながらその場から離れていく。
竜崎はしばらく黙っていた。だから俺も何も言えない。通りの角を曲がった男達のその姿が見えなくなった時、ふっと表情をいささか緩めていつもの調子で笑いかけてくる。
「ビックリした。来るとは思わねえじゃん」
「…………」
一瞬でこの変わりよう。俺がここに来たことは、少なからずこいつの負担になった。車の前に飛び出す子供のような俺の行動を責めることもなく、竜崎はこっちに歩いてくる。
凍てつくような声はこいつに似合わない。黒いスーツだって見慣れない。普段とは打って変わって仕立ての良すぎるそれなのに、着慣れている感じを否めないのは実際に着慣れているからだろう。
「手ぇ冷た」
冷たい空気にここまで晒してきた俺の手に竜崎は触れた。両手を包み込むようにしながら握りしめて温められる。無言でぎこちなく手を引くと、今度は開け広げたままになっている上着の前を合わせられた。
「風邪引くぞ」
「……お前だってそれしか着てねえだろ」
スーツは防寒に適さない。ボタンの外されたジャケットの下からは黒いシャツが覗いている。それが余計に寒々しく見える。
この男は本当に、人のことばかり。
「俺はその先に車ついてるから。この道だと入って来らんねえんだよ」
黒塗りの高級車が頭に浮かぶ。ヤクザと言えば。そんな陳腐な想像でしかないが、お馴染みのイメージもおそらく間違いではないと思う。
竜崎を迎えに来たのは、今の二人だけなのだろうか。違うと思う。何せ若頭のご帰還だ。この通りを一本進めば、そこにはあからさまに場違いで異様な光景が広がっているはずだ。
顔を上げた。竜崎と目が合う。声の調子はやわらかくても、実際に俺が目にしたのは少しだけ困ったような、無理のある笑顔。似合わないのは着ているものだけで十分なのに。
上着だけ引っ掴んで慌てて飛び出してきてしまったから、ファスナーを閉める余裕もなくて下の薄いシャツが剥き出しになっている。その前を竜崎は両手で合わせながら、温めるように体の距離が近づく。その腕をごくごく軽い力で押し退け、しかし竜崎の目はしっかりとらえる。
逸らしたくなる。それを堪えた。これだけはちゃんと、言っておかないと。
「待っててやるよ」
ほとんど吐き捨てるような言い方になった。
「え……?」
「待っててやる。帰ってこなかったら許さねえ」
竜崎がいくらか目を見開いたところでとうとう視線を落としていた。踵を返したのは直後。背を向けたまま後ろのこいつに言った。
「それだけだ。とっとと行け」
言うだけ言った。あとは帰るだけ。消えたい気分で足を進める。
けれども相手は、この男。
「裕也」
速足で歩いていたにもかかわらずパシッと腕を掴まれた。
グイッとひかれ、背中には軽い衝撃。背後からぎゅっと抱き締められた。
かと思えばクルリと反転させられ、正面から覆いかぶさってくる竜崎の体重で足がよろめく。
「おいっ……」
「ありがとう」
痛いくらいに抱きしめてくる竜崎の胸板についた手が、つい、緩んだ。
「……バカが。早く行けよ。待たせてんだろ」
もう一度強く抱きしめられて、それからすぐに離れていった。その手は俺の肩に置かれる。強い視線にまっすぐ晒された。
負けるかもしれない。俺はこの男に勝てない。そこまで認めそうになった時、大きな手のひらが頬を包み込んできた。片手では再び抱き寄せられ、おとなしく従う。唇が重ねられても、今だけは抵抗しなかった。
何度目になるのかさえ分からない。ただ触れるだけだった薄い唇は、すぐにゆっくり離れていった。
「帰ってきたら……」
「…………」
その声に黙って耳を傾ける。どうしてここまで、許してしまうのか。
答えを探り出すよりも先に、その顔を見て、しまったと思った。
「続きしような」
「ッ……」
二ッと口角を吊り上げた竜崎を渾身の力で突き飛ばした。早朝であるにもかかわらず、腹から思いきり絞り出した声。
「死ね! やっぱ帰ってくんな!!」
今度こそその場から駆け出した。後ろで竜崎がどのような顔をしているかは考えたくない。
振り返ることもできず曲がり角に行き着くまで走った。そこをさらに少し行った辺りでようやく徐々に速度を緩め、逃げ切ったあとの脱力感を感じつつ肩で息をする。
「はぁ……」
温度差により、吐く息は白い。頬が冷たいのも当然だ。ところが竜崎が触れた感触はそこにだけしつこく残っていて、それが俺を動揺させた。
寒さは、この頭を冷やさない。
夕べ部屋に戻って、朝を迎えた今までずっとそう。まだ雀が鳴き出したばかりで、朝日すら射さない早朝だ。
竜崎はもう実家に向かったのだろうか。それともまだあのアパートの部屋で、似合わないスーツでも着こんでいるのか。
竜崎組若頭。そんな大層な肩書きを背負い、弱みを見せる隙すら与えない。ただのヘラヘラしている男が一瞬で狂気を孕む。
今にして思えばあの時の感情は、畏怖よりも、空虚だった。近くにあると思っていたものが実はとても遠かった。それを思い知らされたようで、虚しさのようなものを感じた。
部屋を訪れたところでもういないかもしれない。仮にそこにいたとしても、何か言いたいことがあるのでもない。
話すこともないのに電話をかけるのは無意味。送りつけるようなメッセージもない。ならばやはり俺がこれ以上首を突っ込むような話ではないか。待っていてと言われても、頷いてやることすらできないのだから。
こうして考え続けること一晩。俺もいよいよ本気のマヌケに成り下がってきたようだ。
細かいことでいちいち悩むような女々しい男にはなりたくない。しかしこと最近に至っては何かと頭を悩ませている。
それもこれも全ては竜崎のせいだ。人の脳内を占拠し、図々しく居座るあの男が悪い。ならば、いっそ行けばいいかと。いないならいないでそれでいい。行ってみて顔を合わせたとすれば、俺が何かしら話し出す前に向こうが軽口を叩くだろう。
言い訳がましく結論を出し、竜崎のアパートにやって来た。ほんの軽い気持ちだった。明確な目的はなく、まだいるならその顔を拝んでやろうと。
ところがそう思っていられたのは実際にその光景を見るまで。薄暗く、人の活動もまだまだ始まらない簡素なこの場所。そこで俺が目にした現実は、無情なほどに冷たかった。
「りゅ……」
声を掛けようかと一歩踏み出し、しかしそこで躊躇った。
アパート前の狭い通り。昇っていない朝日の代わりに、心もとない街頭に照らされるスーツの後ろ姿を見た。間違えるはずがない。竜崎だ。
だがその両隣には人がいた。同じような装いをした二人の男が控えている。半歩後ろから、竜崎に付き従うように歩いていた。
三人の男達から感じるのは異様なまでの威圧感。単にスーツを着た男三人。しかしそれだけでは決してなかった。呆然と立ち尽くしているうちに、竜崎はどんどん遠ざかっていく。
来るんじゃなかった。見たくなかった。頭では理解していても、実際に目の当たりにしてしまうと思った以上に堪えるものがある。
何も背負ったことがない俺とは違う。重すぎる。そんな場所に、あいつは立っている。
「っ……竜崎ッ」
広くなる距離を埋めるように思わず叫び上げていた。振り返った三人に向け足を踏み出し、まっすぐ駆け寄る。自殺行為なのはバカでも分かる。
目を見開いた竜崎を庇うようにして立ちはだかった両側の二人。うち一人の手は即座に懐へと伸ばされていた。敵意と防御の意図を示して身構える二人が俺を囲い込む、その前に。
「やめろ」
竜崎の静かなその声。寒い空気の中に響き、そのたった一言によって男二人は動作を止めた。
一瞬の緊張感からさらに重苦しさは増す。二人の男は竜崎を微かに振り返り、身構えたその姿勢をジリッと元に戻した。しかしそれらの射殺すような視線はしっかりと俺を捉えている。
非は俺にある。あの二人は仕事をしているだけだ。あの一件があったばかりではなおさらだろう。
「カシラ……」
一人が竜崎に向けて呼びかけた。この二人からしてみれば俺は得体の知れない男だ。こちらへの敵意を残しつつ、竜崎の指示を待っている。
この場にいる誰よりも竜崎は冷静だった。眉の一つも動かさず、二人に向けて淡々と言った。
「こいつは違う。先行って車出しとけ」
「しかし……」
「行け」
最後の一言には少し苛立ちを含め、ピタリと口を閉じた男二人は、警戒した目でこちらを睨みつけながらその場から離れていく。
竜崎はしばらく黙っていた。だから俺も何も言えない。通りの角を曲がった男達のその姿が見えなくなった時、ふっと表情をいささか緩めていつもの調子で笑いかけてくる。
「ビックリした。来るとは思わねえじゃん」
「…………」
一瞬でこの変わりよう。俺がここに来たことは、少なからずこいつの負担になった。車の前に飛び出す子供のような俺の行動を責めることもなく、竜崎はこっちに歩いてくる。
凍てつくような声はこいつに似合わない。黒いスーツだって見慣れない。普段とは打って変わって仕立ての良すぎるそれなのに、着慣れている感じを否めないのは実際に着慣れているからだろう。
「手ぇ冷た」
冷たい空気にここまで晒してきた俺の手に竜崎は触れた。両手を包み込むようにしながら握りしめて温められる。無言でぎこちなく手を引くと、今度は開け広げたままになっている上着の前を合わせられた。
「風邪引くぞ」
「……お前だってそれしか着てねえだろ」
スーツは防寒に適さない。ボタンの外されたジャケットの下からは黒いシャツが覗いている。それが余計に寒々しく見える。
この男は本当に、人のことばかり。
「俺はその先に車ついてるから。この道だと入って来らんねえんだよ」
黒塗りの高級車が頭に浮かぶ。ヤクザと言えば。そんな陳腐な想像でしかないが、お馴染みのイメージもおそらく間違いではないと思う。
竜崎を迎えに来たのは、今の二人だけなのだろうか。違うと思う。何せ若頭のご帰還だ。この通りを一本進めば、そこにはあからさまに場違いで異様な光景が広がっているはずだ。
顔を上げた。竜崎と目が合う。声の調子はやわらかくても、実際に俺が目にしたのは少しだけ困ったような、無理のある笑顔。似合わないのは着ているものだけで十分なのに。
上着だけ引っ掴んで慌てて飛び出してきてしまったから、ファスナーを閉める余裕もなくて下の薄いシャツが剥き出しになっている。その前を竜崎は両手で合わせながら、温めるように体の距離が近づく。その腕をごくごく軽い力で押し退け、しかし竜崎の目はしっかりとらえる。
逸らしたくなる。それを堪えた。これだけはちゃんと、言っておかないと。
「待っててやるよ」
ほとんど吐き捨てるような言い方になった。
「え……?」
「待っててやる。帰ってこなかったら許さねえ」
竜崎がいくらか目を見開いたところでとうとう視線を落としていた。踵を返したのは直後。背を向けたまま後ろのこいつに言った。
「それだけだ。とっとと行け」
言うだけ言った。あとは帰るだけ。消えたい気分で足を進める。
けれども相手は、この男。
「裕也」
速足で歩いていたにもかかわらずパシッと腕を掴まれた。
グイッとひかれ、背中には軽い衝撃。背後からぎゅっと抱き締められた。
かと思えばクルリと反転させられ、正面から覆いかぶさってくる竜崎の体重で足がよろめく。
「おいっ……」
「ありがとう」
痛いくらいに抱きしめてくる竜崎の胸板についた手が、つい、緩んだ。
「……バカが。早く行けよ。待たせてんだろ」
もう一度強く抱きしめられて、それからすぐに離れていった。その手は俺の肩に置かれる。強い視線にまっすぐ晒された。
負けるかもしれない。俺はこの男に勝てない。そこまで認めそうになった時、大きな手のひらが頬を包み込んできた。片手では再び抱き寄せられ、おとなしく従う。唇が重ねられても、今だけは抵抗しなかった。
何度目になるのかさえ分からない。ただ触れるだけだった薄い唇は、すぐにゆっくり離れていった。
「帰ってきたら……」
「…………」
その声に黙って耳を傾ける。どうしてここまで、許してしまうのか。
答えを探り出すよりも先に、その顔を見て、しまったと思った。
「続きしような」
「ッ……」
二ッと口角を吊り上げた竜崎を渾身の力で突き飛ばした。早朝であるにもかかわらず、腹から思いきり絞り出した声。
「死ね! やっぱ帰ってくんな!!」
今度こそその場から駆け出した。後ろで竜崎がどのような顔をしているかは考えたくない。
振り返ることもできず曲がり角に行き着くまで走った。そこをさらに少し行った辺りでようやく徐々に速度を緩め、逃げ切ったあとの脱力感を感じつつ肩で息をする。
「はぁ……」
温度差により、吐く息は白い。頬が冷たいのも当然だ。ところが竜崎が触れた感触はそこにだけしつこく残っていて、それが俺を動揺させた。
寒さは、この頭を冷やさない。
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