ここから始まる俺の冒険!

まさ

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第三章、冒険者として成すべき事!

第4話、指名依頼!

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町にもどった俺達は、冒険者ギルドに向かった。


「すいません、依頼の報告と他にも報告したい事があるんですけど」


いつものお姉さんに声を掛けた。

このお姉さんのカウンター、いつも空いてるから待たなくて良いんだよね。


「了解しました」

「まずはフォレストウルフの討伐部位と魔石」

牙と魔石をそれぞれ20個渡す。


「……確かに、確認しました」

「それと違う報告なんですけど」

「はい」

「東の森に魔力が集まっていて、もしかするとダンジョンに変異するかもしれません」

「…!」

余り表情を変えないお姉さんが目を大きくして驚いている。

「……間違いないですか?」

「はい、魔力を感じやすいレイナが言ってたので間違いないと思います」


「…………」


お姉さんがスッと表情をいつも以上に無表情にさせたと思ったら無言になった。


声を掛けにくい雰囲気になって俺も無言になってしまい場が静かになる。


「分かりました。それでは指名依頼を発令します」


「は?え?指名依頼?」

「はい」

「指名依頼って?」

「言葉通りの指名する依頼です」

「……はい」

「通常はランク【C】からの指名依頼になりますが、今回はランク【D】から受注出来る様に調整します」

「え?どうしてですか?」

「一番の要因はランク【C】以上の冒険者が少ないと言うことですね」

「今、この町にランク【C】の冒険者はどれくらいいるんですか?」

「現在、このダイタロスには、ランク【C】は3組、ランク【D】は5組おります。ランク【E】以下は省きますが」


「じゃあ、その指名依頼?をランク【C】と【D】の冒険者に頼むって事ですか?」

「本来ならそうすべきなのですが、今回は【森林の息吹】の皆様のみの依頼となります」

「え?!俺達だけ!?」

「はい、そうです。現在ランク【C】と【D】のパーティーはすべて出払っておりまして、残っているのが【森林の息吹】だけなのです」

「ええ!?何で!?他の人達はどこにいってるんですか?!」

「申し訳ありませんが、もう少し声を小さくしてもらえれば……」

「あ、はい。すいません」

「それで?他のパーティーの人達は?」

「実は皆様、増えてきたモンスターを討伐する為にそれぞれの方面に行かれておりまして……残っているのはランク【E】や【F】になります」

「そうか……増えてきてるのは、ここや俺の村だけじゃないって事か」

「はい」

「確かに俺達しかいないんだろうけど、でも勝手にお姉さんがそんなの決めて良いの?ギルドマスターとかに相談するとかは?」

「ただいま、マスターもサブマスターもモンスターに対する対策の為に王都の方に会議で出ております。マスターからは私の考えで動かしても良いと言われておりますので、その点は大丈夫です」

「分かりました。俺達が受けます」

「ありがとうございます」


それから、報酬や依頼の内容を決めていった。


ギルドからは、魔力を測る魔道具を借りて、それを持って森に行く事になる。

ある程度の魔力の量を超えるとダンジョンに変化した事になるらしく、その魔道具を使いながら今の状況を調べて報告する事が依頼の内容になる。

報酬は金貨5枚、ランク【D】の依頼だと破格の値段だ。

ランク【D】だと銀貨数枚から多くて金貨1枚か2枚が相場になるから、それを考えると相当の額になる。

危険の度合いによっては、まだ上がるかもしれない。

それにモンスターの討伐部位と魔石とかも入ってくると相当の金額になると思う。


他の冒険者も、この依頼に飛び付きそうだけど、ランクが高い冒険者は不在だし、ランクの低い冒険者は俺達の実力を身に染みて知ってるので、何か言ってくる事はない。

俺も1人撃退してるけど、レイナはそれ以上に撃滅おもてなしをしてるので、声を掛けてくる勇者はいない。

一応、見た目は美少女だし胸も大きいからな。

俺達を知らない奴等は、一度は痛い目を見ている。


「それじゃ、今日は宿に戻って休んで、明日、森に行く準備をしてから町を出る事になるからな」

「……了解?」

「アン!」

「……zzz」


いやほんと、シバが癒しだよ。


夜は何事も無く・・・・・早く寝た。

朝はその分早く起きて宿を出た。

出る前に、何日かは戻らない事を伝えて、頼んでいた弁当をタップリ金貨1枚分作ってもらい、それをアイテムボックスに入れる。


予定だと、二日か三日を考えてるけど、どうなるか分からないし食料や水は一週間はもつ分は用意するつもりだ。

武器や防具は今ので問題は無いと思うけど、スペアの武器や防具は何個か用意しておく。

命に直結する大事な物だからな。



顔見知りの門番のオッチャンに森に行く事と暫く戻らない事を伝える。

まだ成人したばかりだし、オッチャン心配性だからな。

言っておかないと探しに来る可能性もある。

門を出るたびに声を掛けてくるからな。

まぁ、心配してくれるのは少し恥ずかしいけど嬉しくもある。




「さて、着いたな」

「アンアン!」


「「………」」


元気ある組、半分寝てる組で反応が違うものの、今のところモンスターも出てくる事無く森に着いた。

二日ぶり位に戻ってきたけど、俺でも感じる位には魔力が濃い。


「何かやばそうだな……」

「アン……」

「この前の何倍も魔力が集まってる。結構、ギリギリかも?」

「………コクコク」


マイペースコンビも覚醒する位に危険度が上がってる。


「良し、気合い入れて行くぞ!でも無理の無い程度で行くつもりだからな。危険すぎると感じたら撤退するのを忘れるなよ?」

「アン!」

「分かった」

「……コクン」


森に入るとすぐ、変化を感じた。

森の中の暗さが全然違う。

新人の冒険者が来る位には見通しが良い森だったし光もそれなりに入っていた。



「森の奥から嫌な感じがするな……」

「アン!ヴゥゥ」

「たぶん、もうすぐダンジョンに変わる」

「………」



間違いなく今までで一番、危険な気配を感じて俺達は気を引き締める。

一番マイペースなハズのコウは既に魔力を高めてシールドを張る用意をしている。

今ではアタックシールドとマジックシールドを同時に出して展開出来る様になっているから防御に不安は無い。


俺とシバは周囲に気を配ってモンスターの襲撃に備える。

レイナはコウを頭に乗せて俺とシバの後ろを歩く。

回復、攻撃、どっちにも対応出来るレイナのポジションだ。

状況に応じて隊列を変えていく。


まぁ、俺とシバが攻撃する前に「メテオストライク」で木っ端微塵になる事が多い気がするけど……

気にしたらダメな気がするから忘れよう……うん。







全身で感じるビリビリとした空気。

この先で何が待っているのか?

期待と不安を胸に俺達は森の奥へと進んで行った。




*魔道具での魔力量。

0から10は、平常。ランク【F】から【E】

10から30は、注意。ランク【D】から【C】

30から50は、危険。ランク【B】以上の強さ。

50以上は、マジやばい!今すぐ逃げろレベル。


森の入口で測定して魔力35でした。


普通は、成人したばかりのパーティーに依頼するレベルでは無いのですが、普段、無表情なお姉さんも余裕が無くて、カイト達の強さを鑑みて悩んだ結果、苦渋の選択で依頼を出した。

高ランクの冒険者がいない事もその選択をさせた要因になる。




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