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~第2部~第1章、加速する敵意
第6話、買い出しデート。
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いざ買い物に出た俺達だったが、町に出て沢山の人混みを見ると足が重い。
もしかして疲れてる?
実際、木と草と時々モンスターしかいなかった場所にいたからな。
言ってて悲しくなるけども……
精神的に疲れてるのかもしれない。
それを見てリリムが休憩しましょうと言ってきた。
オススメの甘味処があるんだとか。
疲れには甘いものは、どこの世界でも共通らしい。
3人で甘味処へ到着し、いざ店内に入ろうとした時、コウが用事を思い出したと言って走り去ってしまった。
居なくなる前にリリムに何か言ってたみたいだけど。
リリムはと言うと下を向いてプルプルしてるし何だろう?
ふむ?何が何だか分からんな。
顔を真っ赤にしながらリリムが店に入ろうと言ったので、そのまま2人で入店する。
「マ、マサムネさんは何を食べますか?」
「お?おう、何にしようかな?…………」
そう言ったが、メニューに書いてある品名を見ても、まったくどういう物なのか分からない。
異世界に来てから、こういう処に来る事は無かったし、地球とは同じ様な見た目でも名前なんかも違うから、正直、メニューを見ても分からないし。
「リリムは何を食べるの?俺はリリムと同じ物で良いよ」
「え?は、はい。分かりました」
フムフムホウホウ呟きながらメニューを睨むリリムを見て思わずクスリとしてしまう。
どの仕草をしても可愛いし、何より気遣いも出来る。
俺がもっと若かったら、絶対にほっとかないんだけどな~(*若返っているのを忘れてる)
何て事を考えながらリリムを見ていたが、リリムが見られているのに気が付くと顔が一気に真っ赤になってメニューで顔を隠す。
少し落ち着きメニューが決まったのか、リリムが店員を呼び注文をした。
頼んだ物が来るまでの間、他愛の無い話をしながら待った。
暫くして、運ばれてきた料理を見ると、それはホットケーキとかパンケーキに似ていた。
まぁ、見た目がどっちかと言えばホットケーキなのでホットケーキで良いかな?多分。(適当)
ホットケーキと紅茶の様な物、それに小さな瓶に入ったハチミツのセットメニューになってるらしい。
ナイフとフォークを使い切り分けて口に運ぶ。
味は地球の物より甘さが足りない気がする。
でもそこにハチミツをかけて食べると丁度良い甘さになった。
……優しい味だな。そう思った。
「どうですか?」
少し不安げに俺を見て感想を聞くリリムに
「ん!美味しいよ」
と俺が答えるとホッとした顔をしてリリムも食べ始める。
どうやら俺の口に合うのか不安だったみたいだな、もっと早く言えば良かった。
「おいし~です~」
と、モムモム噛みながら頬を膨らませるリリム、何かリスみたいで可愛い。
そう言えば紅茶の様な物は、まさに紅茶だった。
もしかすると地球の紅茶より美味しいかもしれない、味は殆んど同じだが香りが圧倒的に強いけど、でも嫌な感じはない。
美味しい紅茶とホットケーキで食が進み、それほど時間が掛からずに二人とも完食した。
そうそうさっきのホットケーキの正式名称は「ホットパウンド」と言うらしい何か納得出来る。
もしかすると過去の勇者とかが、俺と同じ地球人で地球のメニューとかをこの世界に広めたのかもしれないな。
今となっては確認出来ないけどさ。
その後は、二人で町に繰り出し食材や日用雑貨、後は各種ポーション等を買い込んで行く、ふとアクセサリー店に差し掛かった時、リリムが店先に並ぶネックレスを見ていた。
「あ!マサムネさん、次行きましょう」
と再び歩き出そうとしたが、俺はリリムに声をかけ呼び止める。
「リリム、少し中に入って見よう、こんな所に中々来れないから、ちょっと商品を見ていこうか?」
「は、はい!分かりました」
少し嬉しそうに返事をしたリリムを見て、俺はアクセサリー買ってあげようと心に決めました。
目を輝かせて色々見ていくリリム、その後を俺は付いて行きながらもリリムに似合いそうなアクセサリーを探す。
ふと、店の奥の棚に不思議な魔力を感じた。
俺はその魔力を放つ物を近付いて見てみると、そこには薄い青色に輝くネックレスがあった。
何故か、そのネックレスを見ると心が落ち着くし安心する。
気になって鑑定をしてみた。
「鑑定」
◇
《慈愛の首飾り》(レア度S)
清浄なる水の魔力を纏った首飾りで、装着者は、各種エンチャントにより守られる。
※ただし、装着者は選ばれた者しか装備出来ない。
「エンチャント」
・状態異常耐性(大)
・HP、MP自動回復(大)
・魔力増大(大)
・水魔法、威力増大(2倍)
・光魔法、威力増大(2倍)
・退魔の光…悪魔族、魔族、不死族に対して持続ダメージを与える光を放つ、消費MP300(5分間、持続ダメージ毎秒5%)
・慈愛の光…仲間に向け自動回復の光を放つ、消費MP300(5分間、毎秒5%回復)
・拒絶の光…認めた者しか装備出来ない、認められない者は、弾かれる
______________
「これは………凄いな………」
「マサムネさん?どうしました?」
俺の呟きを聞き、リリムもネックレスを見に来る。
「わぁ~……綺麗なネックレスですね……」
息をのみネックレスを見つめるリリム、俺は店員を呼ぶと、迷うこと無く買う事を伝える。
「お客様、この商品は装備者を選ぶと言われています、もしお買い上げになられましても、装備出来ないかと思われますが?」
「ああ、分かっている、それに装備するのは俺じゃない、この娘だ」
「はえ?」
いきなり俺に言われ戸惑っているリリムだが、俺は何故かリリムなら装備出来ると確信していた。
「装備出来たら売ってくれるんだよな?」
「はい、商品ですので勿論でございます」
店員の答えを聞いて、リリムに試しに装備する様に促す。
少し不安げな顔をしたが、俺が「大丈夫!」と声を掛けると意を決した様に、そのネックレスを手に持つ。
「え?」
リリムが持った瞬間、店内が暖かい光に包まれる。
そして光が消えていくと、手にあったネックレスがいつの間にかリリムの首に装備されていた。
それにはリリムも驚いている。
自分で装備した訳でも無いのに首にあるんだから、ビックリするだろうな。
店員もそれを見て言葉を失っていたが、気を取り直し再び俺達に声を掛ける。
「お客様、それでは御購入で宜しいんでしょうか?」
「ああ、お願いする、それで金額は?」
「はい、こちらの商品は、レジェンド級の………「分かっているから、値段を頼む」………分かりました、こちらの商品は白金貨3枚となります」
「了解した、買おう」
「ふぇ?マサムネさん?こんなに高価な物を私に!?ダメですよ!私なんかに!」
「1、2、3、良しこれでいいな?」
リリムが言うのは分かっていたので、とりあえず無視して店員に会計を済ませる。
少し涙目になっていたが、俺達は店の外に出ると言葉では俺に色々言っていたが、顔は嬉しそうに笑っていたので結果オーライだと思う。
「今日は二人で初めての買い物だったし、それに普段からリリムには世話になってるからな、気にしないで受け取ってくれ」
「あ、あう………分かりました………マサムネさん、ありがとうございます」
目尻に涙を溜めながら、俺に礼を言うリリムを見て、俺は「可愛い」ではなく「綺麗」と思った。
俺は今まで感じた事のないほど心臓の鼓動が高鳴っていた。
「そう言えばリリム、今日は二人っきりでデートみたいだったな?」と、照れ隠しにリリムに声を掛けると、リリムは何時も通りの「ボン!」と顔を赤らめ、両手で顔を隠していた。
しばらくして、俺達は買い物を終わり、ゆっくりと門の外に向かって歩く、亜空間に戻る為だ。
門に着くとコウが待っていた。
何かニヤニヤしててムカついたけども。
こうして初めてデート(?)は終わったのであった。
◇
戻ってから、大食漢達'にせがまれ、せっせと料理をリリムと二人で作り続けたのは言うまでもない。
こんなオチはいらないと思う。
もしかして疲れてる?
実際、木と草と時々モンスターしかいなかった場所にいたからな。
言ってて悲しくなるけども……
精神的に疲れてるのかもしれない。
それを見てリリムが休憩しましょうと言ってきた。
オススメの甘味処があるんだとか。
疲れには甘いものは、どこの世界でも共通らしい。
3人で甘味処へ到着し、いざ店内に入ろうとした時、コウが用事を思い出したと言って走り去ってしまった。
居なくなる前にリリムに何か言ってたみたいだけど。
リリムはと言うと下を向いてプルプルしてるし何だろう?
ふむ?何が何だか分からんな。
顔を真っ赤にしながらリリムが店に入ろうと言ったので、そのまま2人で入店する。
「マ、マサムネさんは何を食べますか?」
「お?おう、何にしようかな?…………」
そう言ったが、メニューに書いてある品名を見ても、まったくどういう物なのか分からない。
異世界に来てから、こういう処に来る事は無かったし、地球とは同じ様な見た目でも名前なんかも違うから、正直、メニューを見ても分からないし。
「リリムは何を食べるの?俺はリリムと同じ物で良いよ」
「え?は、はい。分かりました」
フムフムホウホウ呟きながらメニューを睨むリリムを見て思わずクスリとしてしまう。
どの仕草をしても可愛いし、何より気遣いも出来る。
俺がもっと若かったら、絶対にほっとかないんだけどな~(*若返っているのを忘れてる)
何て事を考えながらリリムを見ていたが、リリムが見られているのに気が付くと顔が一気に真っ赤になってメニューで顔を隠す。
少し落ち着きメニューが決まったのか、リリムが店員を呼び注文をした。
頼んだ物が来るまでの間、他愛の無い話をしながら待った。
暫くして、運ばれてきた料理を見ると、それはホットケーキとかパンケーキに似ていた。
まぁ、見た目がどっちかと言えばホットケーキなのでホットケーキで良いかな?多分。(適当)
ホットケーキと紅茶の様な物、それに小さな瓶に入ったハチミツのセットメニューになってるらしい。
ナイフとフォークを使い切り分けて口に運ぶ。
味は地球の物より甘さが足りない気がする。
でもそこにハチミツをかけて食べると丁度良い甘さになった。
……優しい味だな。そう思った。
「どうですか?」
少し不安げに俺を見て感想を聞くリリムに
「ん!美味しいよ」
と俺が答えるとホッとした顔をしてリリムも食べ始める。
どうやら俺の口に合うのか不安だったみたいだな、もっと早く言えば良かった。
「おいし~です~」
と、モムモム噛みながら頬を膨らませるリリム、何かリスみたいで可愛い。
そう言えば紅茶の様な物は、まさに紅茶だった。
もしかすると地球の紅茶より美味しいかもしれない、味は殆んど同じだが香りが圧倒的に強いけど、でも嫌な感じはない。
美味しい紅茶とホットケーキで食が進み、それほど時間が掛からずに二人とも完食した。
そうそうさっきのホットケーキの正式名称は「ホットパウンド」と言うらしい何か納得出来る。
もしかすると過去の勇者とかが、俺と同じ地球人で地球のメニューとかをこの世界に広めたのかもしれないな。
今となっては確認出来ないけどさ。
その後は、二人で町に繰り出し食材や日用雑貨、後は各種ポーション等を買い込んで行く、ふとアクセサリー店に差し掛かった時、リリムが店先に並ぶネックレスを見ていた。
「あ!マサムネさん、次行きましょう」
と再び歩き出そうとしたが、俺はリリムに声をかけ呼び止める。
「リリム、少し中に入って見よう、こんな所に中々来れないから、ちょっと商品を見ていこうか?」
「は、はい!分かりました」
少し嬉しそうに返事をしたリリムを見て、俺はアクセサリー買ってあげようと心に決めました。
目を輝かせて色々見ていくリリム、その後を俺は付いて行きながらもリリムに似合いそうなアクセサリーを探す。
ふと、店の奥の棚に不思議な魔力を感じた。
俺はその魔力を放つ物を近付いて見てみると、そこには薄い青色に輝くネックレスがあった。
何故か、そのネックレスを見ると心が落ち着くし安心する。
気になって鑑定をしてみた。
「鑑定」
◇
《慈愛の首飾り》(レア度S)
清浄なる水の魔力を纏った首飾りで、装着者は、各種エンチャントにより守られる。
※ただし、装着者は選ばれた者しか装備出来ない。
「エンチャント」
・状態異常耐性(大)
・HP、MP自動回復(大)
・魔力増大(大)
・水魔法、威力増大(2倍)
・光魔法、威力増大(2倍)
・退魔の光…悪魔族、魔族、不死族に対して持続ダメージを与える光を放つ、消費MP300(5分間、持続ダメージ毎秒5%)
・慈愛の光…仲間に向け自動回復の光を放つ、消費MP300(5分間、毎秒5%回復)
・拒絶の光…認めた者しか装備出来ない、認められない者は、弾かれる
______________
「これは………凄いな………」
「マサムネさん?どうしました?」
俺の呟きを聞き、リリムもネックレスを見に来る。
「わぁ~……綺麗なネックレスですね……」
息をのみネックレスを見つめるリリム、俺は店員を呼ぶと、迷うこと無く買う事を伝える。
「お客様、この商品は装備者を選ぶと言われています、もしお買い上げになられましても、装備出来ないかと思われますが?」
「ああ、分かっている、それに装備するのは俺じゃない、この娘だ」
「はえ?」
いきなり俺に言われ戸惑っているリリムだが、俺は何故かリリムなら装備出来ると確信していた。
「装備出来たら売ってくれるんだよな?」
「はい、商品ですので勿論でございます」
店員の答えを聞いて、リリムに試しに装備する様に促す。
少し不安げな顔をしたが、俺が「大丈夫!」と声を掛けると意を決した様に、そのネックレスを手に持つ。
「え?」
リリムが持った瞬間、店内が暖かい光に包まれる。
そして光が消えていくと、手にあったネックレスがいつの間にかリリムの首に装備されていた。
それにはリリムも驚いている。
自分で装備した訳でも無いのに首にあるんだから、ビックリするだろうな。
店員もそれを見て言葉を失っていたが、気を取り直し再び俺達に声を掛ける。
「お客様、それでは御購入で宜しいんでしょうか?」
「ああ、お願いする、それで金額は?」
「はい、こちらの商品は、レジェンド級の………「分かっているから、値段を頼む」………分かりました、こちらの商品は白金貨3枚となります」
「了解した、買おう」
「ふぇ?マサムネさん?こんなに高価な物を私に!?ダメですよ!私なんかに!」
「1、2、3、良しこれでいいな?」
リリムが言うのは分かっていたので、とりあえず無視して店員に会計を済ませる。
少し涙目になっていたが、俺達は店の外に出ると言葉では俺に色々言っていたが、顔は嬉しそうに笑っていたので結果オーライだと思う。
「今日は二人で初めての買い物だったし、それに普段からリリムには世話になってるからな、気にしないで受け取ってくれ」
「あ、あう………分かりました………マサムネさん、ありがとうございます」
目尻に涙を溜めながら、俺に礼を言うリリムを見て、俺は「可愛い」ではなく「綺麗」と思った。
俺は今まで感じた事のないほど心臓の鼓動が高鳴っていた。
「そう言えばリリム、今日は二人っきりでデートみたいだったな?」と、照れ隠しにリリムに声を掛けると、リリムは何時も通りの「ボン!」と顔を赤らめ、両手で顔を隠していた。
しばらくして、俺達は買い物を終わり、ゆっくりと門の外に向かって歩く、亜空間に戻る為だ。
門に着くとコウが待っていた。
何かニヤニヤしててムカついたけども。
こうして初めてデート(?)は終わったのであった。
◇
戻ってから、大食漢達'にせがまれ、せっせと料理をリリムと二人で作り続けたのは言うまでもない。
こんなオチはいらないと思う。
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