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~第2部~第1章、加速する敵意
第10話、ワシ、参上!(誰も呼んでない)
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悪魔との戦闘が終わり、少し休憩をしてから町に戻る。
レツガが引く熊車の中でグレートデーモンが言っていた事を思い出す。
「魔王……か」
魔族の戦闘力、その下位の悪魔族の戦闘力を思うと、その頂点たる魔王の実力がどれだけのモノなのか想像できない。
皆も同じ様な事を考えているのか表情が暗い。
ただ、まだ見た事も無い魔王を今から気にしていても仕方ないし、こんな暗い雰囲気でいるのも気が滅入る。
「さてと!悪魔もぶっ飛ばした事だし、町に戻ったら祝勝会でも開くか!」
突然、俺がデカイ声で話すと皆はキョトンとした顔をしていた。
「プッ……アハハハハ」
何故か、ツボに入り笑いが込み上げる。
それを見てコウはタメ息をつき。
リリムは、何で笑っているのか分からず頭を傾げ。
ハクヨウは……寝ていた。
まぁ、知ってた。
「確かに魔王の事を考えると、何かこう……何て言ったら良いんだ?ん~怖い?何か違うな…不気味…なのか?まぁ、とにかく分からん!見た事も無いし!今から気にしても仕方ないべ?だから、とにかく騒ごうぜ!宴会だ!」
コウのヤレヤレ、リリムの笑顔、「宴会」に反応して起きたハクヨウを見て、もう大丈夫だと思った。
レツガもガウガウ言ってるしな。
外だし、ガラガラ音がして聞こえにくいけど、何か楽しそうだ。
「深淵の闇に行って鍛えてきたし、装備も最強だし、上位の悪魔もサクッと倒したし、大丈夫だって」
うん、場の雰囲気も良くなった。
「勝てなそうなら、また山篭もりして、今以上に強くなれば良い!………だろ?」
「そうで………ゴザルな」
「そうですよね!皆と一緒なら何とかなりますよね!」
リリムが「フンフン」と気合いを入れているのを見るとホッコリするな。
そんな感じでアゲアゲになって来てたのに、それをズバッと斬るヤツがいた。
『あ~?正直、今のお主らだと、絶対に勝てんよ?』
「何だよ?やってみないとわかんねーだろうがオッサン!…………………ん?オッサン?……誰?」
いつの間にか俺達の座っていた向かいにあるソファーに座っていた50代程の渋い男、髪の毛は黒髪に前の部分に銀のメッシュが混ざり、肌の色は日サロに通ってンの?ってくらい綺麗に焼けている。
身長は180センチほど、何故か浴衣の様な服装をした知らないオッサンが座っていた。
見た目は知らないけど……気配は覚えがあるな。
「もしかして狼のオッサンか?」
プルプル震える指でオッサンを指差す。
『だれがオッサンだ。こんなダンディーなナイスガイを捕まえて』
フフン、と鼻をならし胸をはるオッサン。
どうやら、間違いないらしい………
「んで?何でそのナイスガイ(?)になってるんだ?」
「そう言えば、私聞いた事あります!確か上位のモンスターには擬人化の能力を持っている個体もいるって。例えば竜とか」
「マジかよ…………どんだけ規格外なオッサンなんだよ……」
『はっはっは♪お嬢ちゃん良く勉強してるの~どっかの阿呆とは全然違うわい……あと、オッサン言うなし』
何故か、随分と人の世を知っている風の【災害級の魔物】のオッサン、俺は取り敢えず、さっき言ってた事を聞いてみる事にした。
「んで?さっきの『絶対に勝てんよ?』の意味は?戦っても居ないのに何で分かるんだよ?」
俺は、ジト目でライオウを見ながら聞く。
『あ?そんなの簡単だろうが、ワシが昔、その【魔王】と戦った事があるからじゃ、そんな事、ふつう考えんでも分かると思うがの?』
「分かるわけねーだろうが!何で俺達が、あの陰気な暗い森に引きこもったオッサンの昔を知ってるんだよ!そもそも会ったのだって、つい最近だろうがよ!」
『おーーこわ!こんなイタイケな老人をイジめるなんてのぉ~?最近の若いモンと来たら………』
妙に人間くさくてイラつく俺は、いつの間にかオッサンのペースにハメられていた。
「だーー!うるせー!ちっとも話が進まねー!」
ガルルルとオッサンと睨み合う俺を見てコウも痺れを切らしたのか、間に入り声を掛ける。
「まぁまぁマサムネ殿、その辺で抑えるでゴザルよ。それでライオウ殿、以前に魔王と戦ったと言う事でゴザルが、その話を詳しく聞きたいでゴザルよ」
『お?そうかい?そこまで言われたら仕方ないの~教えてあげようかの~』
俺もタメ息をつきつつソファーに座り直し、全員でライオウに注目する。
『そうよの、あれはワシがまだ200才程の若々しい時の話じゃ………ワシもその頃、色々若くての~。
ま、要するに喧嘩っ早い年頃での。
毎日毎日、強い奴を見付けると喧嘩を吹っ掛けては勝ち、また見つけては勝ちの楽しい毎日じゃった♪もちろん今も強いがの!ダーーハッハ!』
ハハハハハ~凄い凄いと愛想笑いをして話を続けさせる。
『その楽しい毎日を続けて居る時じゃった。ワシはその時、バカデカい蛇と三日ほど休まず戦っていたのじゃが』
「え?まさかそのデカイ蛇って『ディザスターカイザースネーク』の事じゃ?」
思わず、驚きで俺は聞き直す。
『おー?人の話の腰を折りよって………まー良いがの、そう言えば、スーさんの種族名は、確かそんな感じじゃったかの~』
「す、スーさん?てか友達かよ!?」
『おーよ!その時の戦いが切っ掛けで、今ではマブダチじゃ♪それよりオヌシ、良くスーさんを知っておったの~?』
「やっぱりか……前にオッサンと会った森で、その「スーさん」と同じかどうか分からないけど、バッタリ遭遇した事があったんだよな。まぁその時は気がつかれる前に逃げたけどな……アンタと同じで勝てる気がしなかったよ」
『はっはっは、そりゃそうだ。ワシに勝てないのにスーさんに勝てるワケが無いじゃろう。オヌシら逃げたって言ったがな。多分、逃がしてもらったんだと思うぞ?何たってスーさんは、空きっ腹の時以外は基本的に動かんからの。気が付いても、自分に害が無いならシカトじゃシカト』
次々に知る事実、レツガも外で聞きながら、走る速度を少し落としつつ町に向かっていた。
レツガが引く熊車の中でグレートデーモンが言っていた事を思い出す。
「魔王……か」
魔族の戦闘力、その下位の悪魔族の戦闘力を思うと、その頂点たる魔王の実力がどれだけのモノなのか想像できない。
皆も同じ様な事を考えているのか表情が暗い。
ただ、まだ見た事も無い魔王を今から気にしていても仕方ないし、こんな暗い雰囲気でいるのも気が滅入る。
「さてと!悪魔もぶっ飛ばした事だし、町に戻ったら祝勝会でも開くか!」
突然、俺がデカイ声で話すと皆はキョトンとした顔をしていた。
「プッ……アハハハハ」
何故か、ツボに入り笑いが込み上げる。
それを見てコウはタメ息をつき。
リリムは、何で笑っているのか分からず頭を傾げ。
ハクヨウは……寝ていた。
まぁ、知ってた。
「確かに魔王の事を考えると、何かこう……何て言ったら良いんだ?ん~怖い?何か違うな…不気味…なのか?まぁ、とにかく分からん!見た事も無いし!今から気にしても仕方ないべ?だから、とにかく騒ごうぜ!宴会だ!」
コウのヤレヤレ、リリムの笑顔、「宴会」に反応して起きたハクヨウを見て、もう大丈夫だと思った。
レツガもガウガウ言ってるしな。
外だし、ガラガラ音がして聞こえにくいけど、何か楽しそうだ。
「深淵の闇に行って鍛えてきたし、装備も最強だし、上位の悪魔もサクッと倒したし、大丈夫だって」
うん、場の雰囲気も良くなった。
「勝てなそうなら、また山篭もりして、今以上に強くなれば良い!………だろ?」
「そうで………ゴザルな」
「そうですよね!皆と一緒なら何とかなりますよね!」
リリムが「フンフン」と気合いを入れているのを見るとホッコリするな。
そんな感じでアゲアゲになって来てたのに、それをズバッと斬るヤツがいた。
『あ~?正直、今のお主らだと、絶対に勝てんよ?』
「何だよ?やってみないとわかんねーだろうがオッサン!…………………ん?オッサン?……誰?」
いつの間にか俺達の座っていた向かいにあるソファーに座っていた50代程の渋い男、髪の毛は黒髪に前の部分に銀のメッシュが混ざり、肌の色は日サロに通ってンの?ってくらい綺麗に焼けている。
身長は180センチほど、何故か浴衣の様な服装をした知らないオッサンが座っていた。
見た目は知らないけど……気配は覚えがあるな。
「もしかして狼のオッサンか?」
プルプル震える指でオッサンを指差す。
『だれがオッサンだ。こんなダンディーなナイスガイを捕まえて』
フフン、と鼻をならし胸をはるオッサン。
どうやら、間違いないらしい………
「んで?何でそのナイスガイ(?)になってるんだ?」
「そう言えば、私聞いた事あります!確か上位のモンスターには擬人化の能力を持っている個体もいるって。例えば竜とか」
「マジかよ…………どんだけ規格外なオッサンなんだよ……」
『はっはっは♪お嬢ちゃん良く勉強してるの~どっかの阿呆とは全然違うわい……あと、オッサン言うなし』
何故か、随分と人の世を知っている風の【災害級の魔物】のオッサン、俺は取り敢えず、さっき言ってた事を聞いてみる事にした。
「んで?さっきの『絶対に勝てんよ?』の意味は?戦っても居ないのに何で分かるんだよ?」
俺は、ジト目でライオウを見ながら聞く。
『あ?そんなの簡単だろうが、ワシが昔、その【魔王】と戦った事があるからじゃ、そんな事、ふつう考えんでも分かると思うがの?』
「分かるわけねーだろうが!何で俺達が、あの陰気な暗い森に引きこもったオッサンの昔を知ってるんだよ!そもそも会ったのだって、つい最近だろうがよ!」
『おーーこわ!こんなイタイケな老人をイジめるなんてのぉ~?最近の若いモンと来たら………』
妙に人間くさくてイラつく俺は、いつの間にかオッサンのペースにハメられていた。
「だーー!うるせー!ちっとも話が進まねー!」
ガルルルとオッサンと睨み合う俺を見てコウも痺れを切らしたのか、間に入り声を掛ける。
「まぁまぁマサムネ殿、その辺で抑えるでゴザルよ。それでライオウ殿、以前に魔王と戦ったと言う事でゴザルが、その話を詳しく聞きたいでゴザルよ」
『お?そうかい?そこまで言われたら仕方ないの~教えてあげようかの~』
俺もタメ息をつきつつソファーに座り直し、全員でライオウに注目する。
『そうよの、あれはワシがまだ200才程の若々しい時の話じゃ………ワシもその頃、色々若くての~。
ま、要するに喧嘩っ早い年頃での。
毎日毎日、強い奴を見付けると喧嘩を吹っ掛けては勝ち、また見つけては勝ちの楽しい毎日じゃった♪もちろん今も強いがの!ダーーハッハ!』
ハハハハハ~凄い凄いと愛想笑いをして話を続けさせる。
『その楽しい毎日を続けて居る時じゃった。ワシはその時、バカデカい蛇と三日ほど休まず戦っていたのじゃが』
「え?まさかそのデカイ蛇って『ディザスターカイザースネーク』の事じゃ?」
思わず、驚きで俺は聞き直す。
『おー?人の話の腰を折りよって………まー良いがの、そう言えば、スーさんの種族名は、確かそんな感じじゃったかの~』
「す、スーさん?てか友達かよ!?」
『おーよ!その時の戦いが切っ掛けで、今ではマブダチじゃ♪それよりオヌシ、良くスーさんを知っておったの~?』
「やっぱりか……前にオッサンと会った森で、その「スーさん」と同じかどうか分からないけど、バッタリ遭遇した事があったんだよな。まぁその時は気がつかれる前に逃げたけどな……アンタと同じで勝てる気がしなかったよ」
『はっはっは、そりゃそうだ。ワシに勝てないのにスーさんに勝てるワケが無いじゃろう。オヌシら逃げたって言ったがな。多分、逃がしてもらったんだと思うぞ?何たってスーさんは、空きっ腹の時以外は基本的に動かんからの。気が付いても、自分に害が無いならシカトじゃシカト』
次々に知る事実、レツガも外で聞きながら、走る速度を少し落としつつ町に向かっていた。
応援ありがとうございます!
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