異世界に転生したら?(改)

まさ

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~第2部~第1章、加速する敵意

第1話、深淵の闇へ再び。

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俺達の武器が出来て1ヶ月、深淵の闇に戻り、再び修行レベル上げの日々を送っていた。


Sクラスのモンスターも危なげなく倒せる程だ。

俺達の武器は、とてつもない威力を発揮して時間が掛かりすぎてめんどくさかったガイアドラゴンもスパスパ解体してしまい、あの苦労はなんだったんだ?と思ってしまう。


そして今は深淵の闇の奥地へと入り俺とリリムは、コウ達とは別行動を取り気配を殺して偵察に出ていた。

そして俺の目の前には≪SS≫クラスのモンスターが、昼寝をしております…………





《キャッスルエレファント》レア度SS

HP90000/90000

MP5000/5000

巨大な象、体高は15㍍、体長は25㍍、その皮膚はガイアドラゴンよりも硬く、物理攻撃に強い。

見た目の通り力も凄まじく、中でも自分の体重の3倍程の重量をも持ち上げる事が出来る鼻が最大の特徴で、力だけでは鳴く鞭の様に使う攻撃力も高い。

口から出ている2本の牙は、ガイアドラゴンの鱗を簡単に貫く程の強度がある。

【スキル】

《突進》全てを薙ぎ倒して進む力わざ。


《ノーズラリアット》大木を小枝の様に薙ぎ倒す。

《ブレスキャノン》鼻から圧縮された空気の塊を吹き出し、多きな岩を粉々に粉砕する威力がある。

《鉄壁》MPを消費して、あらゆる攻撃を防ぐ。

《グランドプレッシャー》20㍍飛び上がり、4本の脚に土の魔力を纏って地面に落下、半径100㍍に居る敵を叩き潰す。

《魔力拡散陣》ジャミング効果のある結界、半径100㍍の結界内で魔法を使えなくする。


*若干、魔法に弱い。
その為、休んでいる時は魔力拡散陣を展開している事が多い。


________________

※マサムネ「おっきな象さん………」

※リリム「そうですね……」

二人で偵察に出て20分、現在の状況です。


さて、どうしましょ?下手にうごいて起こせばマズイと思うんですよね~

さっきも、動こうとしたら枝を踏んじゃって、「パキッ」って音が、イヤ本当にビビりました……ピクッて反応したし、あの象。

マジで動けません(震え声) 

しかもあの象、アホみたいなスキルばかり持ってるし、潰される未来しか見えません!

なに鞭の様に鼻を使うって。

銭湯の煙突くらいある鼻が鞭っておかしくない?


それは置いといて、とにかく逃げよう!


テレポートを使いたいんだけど、あの魔法を使えなくする結界の中にいるもんだから、使えない……ヤバイですわ。

最初、ただの岩だと思って近付き過ぎたしね。



ストップは……同じく使えないし、使えたおしても俺しか動けないし、八宝菜じゃなかった八方塞がりだな………


それでも、リリムだけは何としても逃がさないとな、俺の命を掛けても……


「リリム……今から俺が「イヤです!」……」

「へ?」

「だから、イヤです!」

「え?まだ何も言って無い……」

「どうせマサムネさんの事だから、私だけを逃がそうとしてるんでしょ?それに自分の命を掛けても!とか考えてますよね?」

「はへ?イヤそんな事は……」

「嘘ですね!目が泳いでいますよ」

*すべて小声で会話してます。



涙目でリリムに睨まれて、何も言えません。

完全にバレてます。何故だ?何故バレた?


「マサムネさん、ハッキリと言いますけど、私は、マサムネさんを犠牲にして生きるくらいなら、このまま戦って死んだ方がましです!」

完全に激オコの様子のリリムさん、何故か俺は正座になってます。

「そもそもマサムネさんは、自分の命を軽く見すぎです!マサムネが死んじゃったら、私達はどうしたら良いんですか?自分は死んでるだろうから後は関係ない!とか思ってるんですか!?残される方の身にもなって欲しいですね!聞いてますか?マサムネさん!」


ただひたすら正座になり、俯きながらハイハイと返事をする事しか出来ない状況に、マサムネは人生で一番のピンチだと汗をダラダラ流しながら思っていた。


「私は……イヤです………から……」


急に言葉が、とぎれとぎれになりマサムネは、リリムの顔を見上げる。

*すべて小声で会話してます。



その時、俺は自分のしようとしていた事がどれだけ自分勝手で、ただの自己満足に過ぎないか気付かされた。

そして俺は立ち上がり、リリムをそっと抱きしめると「ゴメンな」と一言だけリリムに言った。


リリムは声をひそめながら俺の胸で嗚咽を漏らしていた。






そんな感じで、良い雰囲気になっていたのにどこからか視線を感じた。

何だろう?と目線の元を探すと、そこには………



大きな象さんが、生暖かい目で、俺達をみていた。

「☆%▲★#&●◎*◇@§!?」

余りの驚きに言葉にならず、混乱する俺を見て、キャッスルエレファントは「フッ」と鼻で笑うと、そのまま後ろを向きズシンズシンとその場を後にした。


何だ?さっきの生暖かい目は?

鼻で笑われた?



俺は腑に落ちないながらも危険が無くなった事に安堵した。

「リリム……どうやら助かった様だぞ?」

「へう?」可愛い言葉と共に俺を見上げるリリムを見て俺は無意識に頭を撫でていた。

「ふぇえぇ!?」

ボン!と音が出そうな位に顔を赤くするリリムを見て、何故かメッチャ癒された。



その後、コウ達と合流し亜空間に入ってログハウスに戻る。

皆にキャッスルエレファントの事を話した後、時間的にも晩飯の時間になったので、食事をとりそのまま今日は休む事にした。


俺は一度、布団に入り目を瞑ったが中々寝付けなかったかのでログハウスを出て草原に寝転び亜空間の星空を眺めていた。


リリムを泣かせてしまった不甲斐無さと、キャッスルエレファントに見逃された情けなさに怒りが込み上げてくる。


ふと、隣に誰かが座った。

誰だろう?と見るとリリムだった。

「いつ見ても綺麗な星空ですね……」

星を見ながら話すリリムに見とれて思わず息を飲む。

ふと我に帰り、星空を見て「そうだな……」と言葉を返した。




そして、二人は暫く他愛の無い話しをした後、やっと訪れた眠気を感じ、其々の部屋へと戻って行った。



リリムには、戦闘だけでは無く精神的にも本当に助けられてるな~と前世含めれば結構な年上の自分に呆れつつ、眠気に任せて目を瞑るのだった。

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