48 / 81
第4章、襲い来る強者達。
第11話、伝説の武器。
しおりを挟む
「武器や防具の精製は俺がやるからよ!オメーらはとにかく自分の装備に使う【星の涙】にありったけの魔力と気持ちを込めやがれ!それによって、ナマクラになるか伝説の武器になるか決まってくるからな!気合いを入れろよ!」
ゴルドーに言われ、俺達は既に2時間ぶっ通しで魔力を星の涙へと吸収させ続けている。
気持ち?良くわからん!でも、自分の中にある『守りたい』とか『魔族をぶっとばしたい』とか、そんな感じを思いっきり込めてみた。
皆もそうじゃないかな?分からんけど。
さすがに俺だけじゃなく皆も疲労の色が隠せなくなっている。
肉体の疲労は、今の俺達の強さであれば、ある程度回復出来る。
ただ、魔力の枯渇は肉体のダルだけではなく精神面での疲労の影響も受ける為に相当に堪える。
しかもHPに比べMPの方が回復に時間がかかってしまう。
「どうした?もうバテたのか?だらしねぇぞ!テメェらは冒険者だろうが、根性見せろや!」
根性で何でも解決できるなら、誰も苦労しねーだろうが!
そもそも俺達は、並の冒険者の数倍は魔力が高い、それでもこの状態になってるんだよ!
それでも2時間のがんばりは、目に見えて成果が出ている。
星の涙は、常に心臓の鼓動の様に光が強くなったり弱くなったりしている。
その光がより強く光っているのだ。
この強弱がが無くなり、常に光る様になると魔力の補填が完了するらしい。
星の涙は周りの魔力を吸収する性質がある。
他の鉱石も吸収してるらしいけど、星の涙は吸収するスピードも内容量も段違いに高い為に吸収しているサインが光の強弱なんだとか、だから魔力が満タンになれば光の強弱が止まるんだとか。
ちなみにゴルドーは、ミスリル(火&水)を溶かしてインゴットにしている。
後は魔力が貯まりきった星の涙も溶かしてインゴットにすれば、直ぐにでも装備を造る事になる。
鉱石を溶かすのは、一般的には炉を使い熱で溶かす。だけど、魔力が溜まった鉱石は溶けにくい性質を持っている。
だから特殊な鉱石を溶かすには、熱+魔力を使う。
分かりやすく言えば、火の魔法で溶かすって事だな。
石炭で火を起こし熱を上げていくのが第一段階、そしてその火に火の魔法で更に高温に熱して何倍にも温度を上げる特殊な炉を使い融かしていく。
想像の通り、かなりの熱を発する。
そのままで炉の前にいたら、人の身体なんて即座に燃え尽きてしまう。
その為、炉は土魔法で魔力を目一杯込めた土で作りどんな高温にも耐えれる物にして、発する熱は風魔法を使って空気の層を作り人が耐えれるレベルまで熱を遮断させて加工出来る環境にする。
まさに魔法がある世界ならではのゴリ押しのやり方だ。
俺達の中で一番に魔力が貯まるのは、恐らくコウだ。
一番小さい星の涙が7つ、それがコウに与えられた分で、数はあるが容量が小さめなので光の強さを見ても、もう少しな感じがする。
それから30分後、予想通りにコウの星の涙の魔力の補填が終わって、ゴルドーによってインゴットに作り替えている所だ。
「先ずは、その鼠のニーチャンからだな!」
手には蒼く光るインゴットが持たれている。
「ね、鼠!?まぁ良いでゴザルが……」
「ガハハハハ!まぁ俺が打つ所を後でみててくれや!」
バシバシ!とコウの背中を叩きながら豪快に笑うゴルドーに諦めの顔をするコウは、言われるままにゴルドーの後ろに立った。
「始めるぞ!」ふざけた雰囲気から一転、戦場に向かう戦士の様な顔つきに変り、全身から闘気が漂っている様に見えた。
俺は鍛冶の事はさっぱりなので良く分からんが、見た感じミスリルと星の涙のインゴットを熱し、二つを叩きながら、一つの塊に融合している様に見える。
ただ、配合を変えて融合している物が2つある。
その後は、熱しては叩き叩いては熱し、時々水につけて、と同じ作業を繰り返していく、徐々に長く薄く細くなって形も剣に近付いていく、初めて見る作業に俺達全員が魔力を込めながら見いっている。
それから暫く経つと全員の星の涙も魔力が貯まり、いつの間にか全員がゴルドーの後ろに集り武器の生成を眺めている。
「ん?」俺だけが反応した。
たぶん、他の皆は気が付いてない様だが、コウの武器になる剣の形が、俺が知る形に似ているからだ。
日本人なら実物は見たことはなくても、名前は知っているハズ。
そう「刀」だ。
どおりで二つに分けて融合させてると思った。
俺は鍛冶には、さっきも言った通り詳しくないが普通の剣なら、たぶんミスリルと星の涙二つを溶かして完全に一つにするハズ、それを二つ合わせているものの、二つが別れた状態で伸ばす作業に少し違和感を感じていた。
刃の部分は堅い材料、それ以外の部分は少し柔らかい材料に分けて、刀が折れにくくする。
それが確か刀の特長だったハズだ。
次第に形が整い仕上がっていく刀、コウは、それを見て何かを感じとっている様に見える。
それから時間が過ぎ、後は仕上げの研磨の作業だけになった。
ゴルドーに「もうお前らがやることねーから休んでおけ!」
と、言われて今は作業場の隣にある休憩室で休んでいる。
コウだけは、自分でも研磨のやり方を覚える為に作業場に残って刀の刃の研ぎ形を見ていた。
いわゆる、両刃の剣とは違い刀は反りがあるために普通の剣より研ぐのが難しい。
しかも剣より細くて、折れやすいし欠けやすい、自分でメンテナンスをしないと直ぐに切れ味が落ちてしまうだろう、侍も毎日手入れをしてたらしいけど…まぁ見たことないから分からんが。
隣からゴルドーの怒鳴り声が聞こえる。
たぶんコウが刀を研いでるのだろう。
2時間後、コウの「できたでゴザル!」の雄叫びが聞こえてきた。
その声を聞き皆で隣の部屋へと向かう。
「出来たのか?」
俺が聞くと、コウが鞘に入った状態の刀を俺に見えるように胸の前に掲げる。
「これがそうでゴザル……」
ゆっくりと鞘から刀を抜いていくコウを見て、思わずゴクリと唾を飲み込む。そして「シュリン」と擦れた鈴の様な綺麗な音と共に刀身が現れた。
「綺麗……」リリムが刀を見て呟く。
俺も見たが息を飲むほど綺麗だった。
良く見ると刀身の部分には、7つ色の星が輝いていて、しっかりとその存在感を出している。
少し角度を変えると光の反射で星の光の色が変わるから何色とは言い難いあえて言うなら虹色?
「凄いな、その刀」
「マサムネ殿は『刀』を知っているでゴザルか?」
「あぁ、前に見たことがあるからな」
「そうでゴザッたか……」
「その七星が凄いカッコいいな」
日本男児としては、刀は憧れの武器だ。
俺も欲しくなるのは仕方ないと思う。
「拙者の刀……カッコいいでござろう?」
ニパッと良い笑顔で俺に自慢してくる。
何故か、コッチが悔しくなるほど楽しそうだ。
コウの最高の相棒が出来た。
後にコウは『神速の剣聖』と呼ばれる事になる。
◇
少し落ち着いてきたと感じた俺は、コウの刀に鑑定をかける事にした。
そこには俺の想像以上の性能があった。
ゴルドーに言われ、俺達は既に2時間ぶっ通しで魔力を星の涙へと吸収させ続けている。
気持ち?良くわからん!でも、自分の中にある『守りたい』とか『魔族をぶっとばしたい』とか、そんな感じを思いっきり込めてみた。
皆もそうじゃないかな?分からんけど。
さすがに俺だけじゃなく皆も疲労の色が隠せなくなっている。
肉体の疲労は、今の俺達の強さであれば、ある程度回復出来る。
ただ、魔力の枯渇は肉体のダルだけではなく精神面での疲労の影響も受ける為に相当に堪える。
しかもHPに比べMPの方が回復に時間がかかってしまう。
「どうした?もうバテたのか?だらしねぇぞ!テメェらは冒険者だろうが、根性見せろや!」
根性で何でも解決できるなら、誰も苦労しねーだろうが!
そもそも俺達は、並の冒険者の数倍は魔力が高い、それでもこの状態になってるんだよ!
それでも2時間のがんばりは、目に見えて成果が出ている。
星の涙は、常に心臓の鼓動の様に光が強くなったり弱くなったりしている。
その光がより強く光っているのだ。
この強弱がが無くなり、常に光る様になると魔力の補填が完了するらしい。
星の涙は周りの魔力を吸収する性質がある。
他の鉱石も吸収してるらしいけど、星の涙は吸収するスピードも内容量も段違いに高い為に吸収しているサインが光の強弱なんだとか、だから魔力が満タンになれば光の強弱が止まるんだとか。
ちなみにゴルドーは、ミスリル(火&水)を溶かしてインゴットにしている。
後は魔力が貯まりきった星の涙も溶かしてインゴットにすれば、直ぐにでも装備を造る事になる。
鉱石を溶かすのは、一般的には炉を使い熱で溶かす。だけど、魔力が溜まった鉱石は溶けにくい性質を持っている。
だから特殊な鉱石を溶かすには、熱+魔力を使う。
分かりやすく言えば、火の魔法で溶かすって事だな。
石炭で火を起こし熱を上げていくのが第一段階、そしてその火に火の魔法で更に高温に熱して何倍にも温度を上げる特殊な炉を使い融かしていく。
想像の通り、かなりの熱を発する。
そのままで炉の前にいたら、人の身体なんて即座に燃え尽きてしまう。
その為、炉は土魔法で魔力を目一杯込めた土で作りどんな高温にも耐えれる物にして、発する熱は風魔法を使って空気の層を作り人が耐えれるレベルまで熱を遮断させて加工出来る環境にする。
まさに魔法がある世界ならではのゴリ押しのやり方だ。
俺達の中で一番に魔力が貯まるのは、恐らくコウだ。
一番小さい星の涙が7つ、それがコウに与えられた分で、数はあるが容量が小さめなので光の強さを見ても、もう少しな感じがする。
それから30分後、予想通りにコウの星の涙の魔力の補填が終わって、ゴルドーによってインゴットに作り替えている所だ。
「先ずは、その鼠のニーチャンからだな!」
手には蒼く光るインゴットが持たれている。
「ね、鼠!?まぁ良いでゴザルが……」
「ガハハハハ!まぁ俺が打つ所を後でみててくれや!」
バシバシ!とコウの背中を叩きながら豪快に笑うゴルドーに諦めの顔をするコウは、言われるままにゴルドーの後ろに立った。
「始めるぞ!」ふざけた雰囲気から一転、戦場に向かう戦士の様な顔つきに変り、全身から闘気が漂っている様に見えた。
俺は鍛冶の事はさっぱりなので良く分からんが、見た感じミスリルと星の涙のインゴットを熱し、二つを叩きながら、一つの塊に融合している様に見える。
ただ、配合を変えて融合している物が2つある。
その後は、熱しては叩き叩いては熱し、時々水につけて、と同じ作業を繰り返していく、徐々に長く薄く細くなって形も剣に近付いていく、初めて見る作業に俺達全員が魔力を込めながら見いっている。
それから暫く経つと全員の星の涙も魔力が貯まり、いつの間にか全員がゴルドーの後ろに集り武器の生成を眺めている。
「ん?」俺だけが反応した。
たぶん、他の皆は気が付いてない様だが、コウの武器になる剣の形が、俺が知る形に似ているからだ。
日本人なら実物は見たことはなくても、名前は知っているハズ。
そう「刀」だ。
どおりで二つに分けて融合させてると思った。
俺は鍛冶には、さっきも言った通り詳しくないが普通の剣なら、たぶんミスリルと星の涙二つを溶かして完全に一つにするハズ、それを二つ合わせているものの、二つが別れた状態で伸ばす作業に少し違和感を感じていた。
刃の部分は堅い材料、それ以外の部分は少し柔らかい材料に分けて、刀が折れにくくする。
それが確か刀の特長だったハズだ。
次第に形が整い仕上がっていく刀、コウは、それを見て何かを感じとっている様に見える。
それから時間が過ぎ、後は仕上げの研磨の作業だけになった。
ゴルドーに「もうお前らがやることねーから休んでおけ!」
と、言われて今は作業場の隣にある休憩室で休んでいる。
コウだけは、自分でも研磨のやり方を覚える為に作業場に残って刀の刃の研ぎ形を見ていた。
いわゆる、両刃の剣とは違い刀は反りがあるために普通の剣より研ぐのが難しい。
しかも剣より細くて、折れやすいし欠けやすい、自分でメンテナンスをしないと直ぐに切れ味が落ちてしまうだろう、侍も毎日手入れをしてたらしいけど…まぁ見たことないから分からんが。
隣からゴルドーの怒鳴り声が聞こえる。
たぶんコウが刀を研いでるのだろう。
2時間後、コウの「できたでゴザル!」の雄叫びが聞こえてきた。
その声を聞き皆で隣の部屋へと向かう。
「出来たのか?」
俺が聞くと、コウが鞘に入った状態の刀を俺に見えるように胸の前に掲げる。
「これがそうでゴザル……」
ゆっくりと鞘から刀を抜いていくコウを見て、思わずゴクリと唾を飲み込む。そして「シュリン」と擦れた鈴の様な綺麗な音と共に刀身が現れた。
「綺麗……」リリムが刀を見て呟く。
俺も見たが息を飲むほど綺麗だった。
良く見ると刀身の部分には、7つ色の星が輝いていて、しっかりとその存在感を出している。
少し角度を変えると光の反射で星の光の色が変わるから何色とは言い難いあえて言うなら虹色?
「凄いな、その刀」
「マサムネ殿は『刀』を知っているでゴザルか?」
「あぁ、前に見たことがあるからな」
「そうでゴザッたか……」
「その七星が凄いカッコいいな」
日本男児としては、刀は憧れの武器だ。
俺も欲しくなるのは仕方ないと思う。
「拙者の刀……カッコいいでござろう?」
ニパッと良い笑顔で俺に自慢してくる。
何故か、コッチが悔しくなるほど楽しそうだ。
コウの最高の相棒が出来た。
後にコウは『神速の剣聖』と呼ばれる事になる。
◇
少し落ち着いてきたと感じた俺は、コウの刀に鑑定をかける事にした。
そこには俺の想像以上の性能があった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,258
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる