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癒しの音色
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有太は人混みを掻き分け、あの笛吹きの女子を追いますが……一度見失ってしまうと見付けるのはとても困難です。必死に探していますが、相当時間が掛かる事でしょう。
一方……城内に向かった眞是守と阿多醐は、城の奥の間へ通され殿様に謁見します。奥の一段高い座敷に座る殿様の御前で、眞是守は礼儀正しく正座するのですが……阿多醐はドカッと胡座をかき、腕組みして太々しい態度です。
「これ阿多醐、行儀良くせぬか!」眞是守が注意します。
「行儀なんて知らねえなぁ。生まれてこの方聞いた覚えが無えもんだ」と阿多醐はそっぽを向きます。
「申し訳御座いませぬ。この通り、生まれつき礼儀を知らぬ所で育った愚か者故、どうか御勘弁を……」眞是守は頭を下げます。
「よい、其方らには楽しませて貰った、今日のところは無礼講で許す。あの見事な芸と民を沸かせた貢献に褒美を用意させておる故暫し待て。その待つ間、ゆるりと話でもしようぞ」
割と心の広い殿様でしたので、眞是守は内心ホッとしました。褒美は何か……どのくらい貰えるのでしょう。
「しかし、本当に見事な芸であったな。とても人間技とは思えぬ程に……其方ら、何者ぞ?」
今まで笑顔だった殿様は、口角は上げたままで眼だけは真剣な眼差しに変わりました。それを見て二人は身構え、その場に緊張が走ります。
「ふっ……まあそう構えるでない。其方らが例え人外の者であったとて、宴の功労者をどうこうしたりはせぬ」
殿様がまた普通の笑顔に戻った事で緊張が解け、眞是守はここは素直に事情を話す事にしました。
「食えぬ男よ……人の上に立つ者だけあって、なかなかのキレ者よの。察しの通り……儂は天狗、こっちは鬼じゃ」
「ほぉ、天狗に鬼か。妖が人の前に出て宴に加わるとは……主らも生きるのが苦しいか?」
「確かに苦しいが、人より丈夫な儂らはまだまだ平気じゃわい」
「では……何用で参った?」
「うむ、実はな……先日ある僧が儂の元を訪ねて参った。其奴は儂に、獅子退治をするので手を貸せと言うた。普通なら笑い飛ばすところじゃが、よくよく話を聞いてみれば興味深い内容でのぅ……納得いったので話に乗る事にしたのじゃ。どうせこのままでは人も妖も、この日の本ごと滅ぶだけじゃ。その前に、希望が有るならば賭けてみるのも悪くなかろうて」
「獅子退治とな?」
殿様が興味を示したので、眞是守はもっと詳しく説明する事にしました。そしてその頃……笛吹きの女子を探す有太は、城門の外まで出て女子を探し続けておりました。
門を出れば人の密度も薄くなり、個々の特徴を捉え易くなりました。そして漸く、あの紺色の着物と髪を結う赤い紐が目に付いたのです。走ってその横に並ぶと、間違い無くあの女子でありました。有太は慌てて彼女に声を掛けます。
「あのっ、ちょっといいですか!?」
「……はい?」
二人は人の流れを外れ、道の端に寄り壁際で話をする事にしました。有太はまず、彼女が信用出来る人間か確かめる為に適当に話を切り出します。
「急に呼び止めてごめん。さっきは途中で止まっちゃったけど、すごく良い演奏だった。笛は始めてもう長いの?」
「ええ。私は旅芸人の一座でずっと笛を吹いていたの。私の家族を中心に……父が座長で、母が家事をして支え、何人もの座員と一緒に方々を回ったわ。でも……獅子の所為で皆芸が出来なくなって、一座は解散……父は身体を壊して亡くなった。それからは母が女で一つで私と幼い弟を養ってくれてたんだけど、これ以上無理はさせられなくて家を出たの。私にはこの笛があるから、何とかやっていけるって言ったものの……あの通り、陰気な音しか吹けなくなってしまった。もう……笛を手放して、何処かに奉公するしかないかな」
彼女はとても寂しそうな顔で、暗くなり始めた空を見上げます。有太は、自分と同じく口減らしで家を出た彼女に深く同情し共感もしました。そして彼女を信じようと思い、風呂敷から霊笛を取り出し彼女に手渡します。
「これを……」
「なぁに、この笛?」
「試しに持ってみてよ」
彼女が笛を手に取ると……笛がぼんやりと光り、彼女の手から伝って体に染み込んでいく様に有太には視えました。
「不思議……今の今まで落ち込んでたのに、気持ちが和らいだわ」
「吹いてみてよ」
彼女は有太に促されるまま、慣れ親しんだ横笛と同じ様に霊笛を構え……目を瞑り、そっと息を吹き込みます。
ヒュィーー♪ ~~♪
その音色は、先程の静かで悲しげな物とは違い、とても安らかで心の底からほんのり温かくなってくる様な優しい音色でした。気付けば、城からの帰路に就いた者達も足を止め、二人の周りに集まりその笛の音に耳を傾けます。
~~♪~~♪ …………パチパチ、パチパチパチパチ!!!!
演奏が終わると、惜しみない大きな拍手が巻き起こり、彼女は驚いて目を開けその光景を見て更に驚きました。
「嬢ちゃん、やれば出来るじゃねえか!」
「アンタ、さっきは本当に調子が悪かったんだねえ」
「今度また聴かせてくんな。次はちゃんとお代払って聴かせて貰うからよっ!」
皆満面の笑みで彼女を褒め称えました。すると彼女は胸の底から何かが込み上げ、涙を流しながらも笑顔で応えたのでした。
客が全て帰り、有太は彼女に寄り添い壁際に座って休んでおりました。そして彼女が落ち着いたところで、自分達の素性と旅の目的を話して聞かせたのです。
「……そう、大変な旅ね」
どうやら彼女は有太の話を信じてくれた様です。有太は彼女の目を見つめ、協力を求めます。
「その笛はアンタを認めたみたいだ。だから……俺らと一緒に獅子と戦ってくれないか!」
「……いいわ、一緒に行きましょ」
「ほ、本当か!? よっしゃああ!」
有太は立ち上がり、浮かれて喜びます。丁度そこに、城から戻った眞是守と阿多醐がやって来ました。
「な~にはしゃいでんだ小僧?」と阿多醐が声を掛けます。
「その様子じゃと、どうやら上手くいった様じゃの」と眞是守は察します。
「あぁ、お帰り。そっちはどうだった?」
有太は気持ちを一旦抑えてそう尋ね、阿多醐が答えた後に眞是守が説明します。
「上々だ! あの殿様っての、なかなか話の分かる奴だったぜ」
「うむ、あれは良き名君になるやもしれん。儂らの正体に勘付いたのでな、正直に話をしてやったところ……快く強力を申し出、褒美に加えて多額の資金を出してくれたわ。これでもう路銀の心配は要らぬぞ」
阿多醐が肩に背負った風呂敷の中には、殿様から頂いた千両箱が包まれています。有太はまた嬉しくなり、笑顔で彼女に二人を紹介します。
「こっちのお爺さんに化けてるのが天狗の眞是守、そっちの強そうなのが鬼の阿多醐、そして俺は有太……普通の人間だ」
「私は箕輪、これからよろしくね」
挨拶を済ませた一行は、夕飯を食べに料理屋に向かいました。食事を摂りながら、雑談をしつつ今後について相談しています。箕輪に太鼓の奏者について心当たりは無いか尋ねたところ……
「……太鼓の奏者って訳ではないのだけれど……ここに来る途中に、太鼓を使って何かをしようとしてる人を見たわ」
「……どうせ他に当ては無いんだ、行ってみよう」
有太の言葉に皆頷きます。この夜は宿を取り明日の朝、箕輪の案内でとある村に向かう事になったのでありました。
一方……城内に向かった眞是守と阿多醐は、城の奥の間へ通され殿様に謁見します。奥の一段高い座敷に座る殿様の御前で、眞是守は礼儀正しく正座するのですが……阿多醐はドカッと胡座をかき、腕組みして太々しい態度です。
「これ阿多醐、行儀良くせぬか!」眞是守が注意します。
「行儀なんて知らねえなぁ。生まれてこの方聞いた覚えが無えもんだ」と阿多醐はそっぽを向きます。
「申し訳御座いませぬ。この通り、生まれつき礼儀を知らぬ所で育った愚か者故、どうか御勘弁を……」眞是守は頭を下げます。
「よい、其方らには楽しませて貰った、今日のところは無礼講で許す。あの見事な芸と民を沸かせた貢献に褒美を用意させておる故暫し待て。その待つ間、ゆるりと話でもしようぞ」
割と心の広い殿様でしたので、眞是守は内心ホッとしました。褒美は何か……どのくらい貰えるのでしょう。
「しかし、本当に見事な芸であったな。とても人間技とは思えぬ程に……其方ら、何者ぞ?」
今まで笑顔だった殿様は、口角は上げたままで眼だけは真剣な眼差しに変わりました。それを見て二人は身構え、その場に緊張が走ります。
「ふっ……まあそう構えるでない。其方らが例え人外の者であったとて、宴の功労者をどうこうしたりはせぬ」
殿様がまた普通の笑顔に戻った事で緊張が解け、眞是守はここは素直に事情を話す事にしました。
「食えぬ男よ……人の上に立つ者だけあって、なかなかのキレ者よの。察しの通り……儂は天狗、こっちは鬼じゃ」
「ほぉ、天狗に鬼か。妖が人の前に出て宴に加わるとは……主らも生きるのが苦しいか?」
「確かに苦しいが、人より丈夫な儂らはまだまだ平気じゃわい」
「では……何用で参った?」
「うむ、実はな……先日ある僧が儂の元を訪ねて参った。其奴は儂に、獅子退治をするので手を貸せと言うた。普通なら笑い飛ばすところじゃが、よくよく話を聞いてみれば興味深い内容でのぅ……納得いったので話に乗る事にしたのじゃ。どうせこのままでは人も妖も、この日の本ごと滅ぶだけじゃ。その前に、希望が有るならば賭けてみるのも悪くなかろうて」
「獅子退治とな?」
殿様が興味を示したので、眞是守はもっと詳しく説明する事にしました。そしてその頃……笛吹きの女子を探す有太は、城門の外まで出て女子を探し続けておりました。
門を出れば人の密度も薄くなり、個々の特徴を捉え易くなりました。そして漸く、あの紺色の着物と髪を結う赤い紐が目に付いたのです。走ってその横に並ぶと、間違い無くあの女子でありました。有太は慌てて彼女に声を掛けます。
「あのっ、ちょっといいですか!?」
「……はい?」
二人は人の流れを外れ、道の端に寄り壁際で話をする事にしました。有太はまず、彼女が信用出来る人間か確かめる為に適当に話を切り出します。
「急に呼び止めてごめん。さっきは途中で止まっちゃったけど、すごく良い演奏だった。笛は始めてもう長いの?」
「ええ。私は旅芸人の一座でずっと笛を吹いていたの。私の家族を中心に……父が座長で、母が家事をして支え、何人もの座員と一緒に方々を回ったわ。でも……獅子の所為で皆芸が出来なくなって、一座は解散……父は身体を壊して亡くなった。それからは母が女で一つで私と幼い弟を養ってくれてたんだけど、これ以上無理はさせられなくて家を出たの。私にはこの笛があるから、何とかやっていけるって言ったものの……あの通り、陰気な音しか吹けなくなってしまった。もう……笛を手放して、何処かに奉公するしかないかな」
彼女はとても寂しそうな顔で、暗くなり始めた空を見上げます。有太は、自分と同じく口減らしで家を出た彼女に深く同情し共感もしました。そして彼女を信じようと思い、風呂敷から霊笛を取り出し彼女に手渡します。
「これを……」
「なぁに、この笛?」
「試しに持ってみてよ」
彼女が笛を手に取ると……笛がぼんやりと光り、彼女の手から伝って体に染み込んでいく様に有太には視えました。
「不思議……今の今まで落ち込んでたのに、気持ちが和らいだわ」
「吹いてみてよ」
彼女は有太に促されるまま、慣れ親しんだ横笛と同じ様に霊笛を構え……目を瞑り、そっと息を吹き込みます。
ヒュィーー♪ ~~♪
その音色は、先程の静かで悲しげな物とは違い、とても安らかで心の底からほんのり温かくなってくる様な優しい音色でした。気付けば、城からの帰路に就いた者達も足を止め、二人の周りに集まりその笛の音に耳を傾けます。
~~♪~~♪ …………パチパチ、パチパチパチパチ!!!!
演奏が終わると、惜しみない大きな拍手が巻き起こり、彼女は驚いて目を開けその光景を見て更に驚きました。
「嬢ちゃん、やれば出来るじゃねえか!」
「アンタ、さっきは本当に調子が悪かったんだねえ」
「今度また聴かせてくんな。次はちゃんとお代払って聴かせて貰うからよっ!」
皆満面の笑みで彼女を褒め称えました。すると彼女は胸の底から何かが込み上げ、涙を流しながらも笑顔で応えたのでした。
客が全て帰り、有太は彼女に寄り添い壁際に座って休んでおりました。そして彼女が落ち着いたところで、自分達の素性と旅の目的を話して聞かせたのです。
「……そう、大変な旅ね」
どうやら彼女は有太の話を信じてくれた様です。有太は彼女の目を見つめ、協力を求めます。
「その笛はアンタを認めたみたいだ。だから……俺らと一緒に獅子と戦ってくれないか!」
「……いいわ、一緒に行きましょ」
「ほ、本当か!? よっしゃああ!」
有太は立ち上がり、浮かれて喜びます。丁度そこに、城から戻った眞是守と阿多醐がやって来ました。
「な~にはしゃいでんだ小僧?」と阿多醐が声を掛けます。
「その様子じゃと、どうやら上手くいった様じゃの」と眞是守は察します。
「あぁ、お帰り。そっちはどうだった?」
有太は気持ちを一旦抑えてそう尋ね、阿多醐が答えた後に眞是守が説明します。
「上々だ! あの殿様っての、なかなか話の分かる奴だったぜ」
「うむ、あれは良き名君になるやもしれん。儂らの正体に勘付いたのでな、正直に話をしてやったところ……快く強力を申し出、褒美に加えて多額の資金を出してくれたわ。これでもう路銀の心配は要らぬぞ」
阿多醐が肩に背負った風呂敷の中には、殿様から頂いた千両箱が包まれています。有太はまた嬉しくなり、笑顔で彼女に二人を紹介します。
「こっちのお爺さんに化けてるのが天狗の眞是守、そっちの強そうなのが鬼の阿多醐、そして俺は有太……普通の人間だ」
「私は箕輪、これからよろしくね」
挨拶を済ませた一行は、夕飯を食べに料理屋に向かいました。食事を摂りながら、雑談をしつつ今後について相談しています。箕輪に太鼓の奏者について心当たりは無いか尋ねたところ……
「……太鼓の奏者って訳ではないのだけれど……ここに来る途中に、太鼓を使って何かをしようとしてる人を見たわ」
「……どうせ他に当ては無いんだ、行ってみよう」
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