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09.まだまだ続くよ町を探索してみよう!
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ノアに渡されたマントのフードをしっかりをかぶると、来た時と同じように階段を下りて表へと出る。
出かけ際、宿の奥さんが気を付けていったらっしゃい、と声をかけてくれたので、ノアは小さく会釈をしてから私の手を引いて表へと出た。
―――――ノアって、迷いなく歩くよね
日が暮れ、少し酒気を帯びた町人が歩く中、迷いなく目的の店へと歩いていくノアに聞けば、慣れてるからな、とあっさりと返事が頭の中に帰ってきた。
――――たいていの町は似たような作りになってるからな。
―――――そうなの?
――――おおよそはな。服の着替えが必要だったな
―――――あぁ、覚えてくれてたのね
迷わず歩き続けるノアに連れられ、まず来たのは、洋服店だ。
国境沿いに近い町とあって、立派な砦が築かれているため、ほかの町よりもにぎやかなここは、洋服などといったものも多く取り揃えているようだった。
とりわけ、兵士や冒険者が多くやってくるこの場所は、外套などといったものにも力を入れているようだ。
店内へと入ると、すぐさま店主が声をかけてきた。
女性ものを探していると、ノアがいうと、ちらりと隣に立っている私のほうを見てから、入って右手側にある服を何着か選んで見せてきた。
【気に入るものはあるか?】
――――ズボンがいい
数着持ってきた見せたそれらは、どれも町中で生活をするならば問題のないであろう服だった。
ここまで見てきた町の住人が来ていたものとそう変わりなく、足首まで隠れているワンピースといったもの。
確かに寒いから足元まで隠れている服はいいかもしれないが、どれもこれもこれから長い間歩いたりするには適さないものばかりだった。
【あぁ、そうか。動きやすいもののほうが良いのか】
その考えに至らなかったらしいノアは、店主に改めて旅の途中なので、防寒と動きやすさを重視でお願いしなおした。
すると、今後は動きやすさと防寒重視のものを選んでくれた。
今はいているようなホットパンツもあれば、キュロットスカートのようなものもある。上着も同じようなタートルネックのセーターもあったし、さらにその上に羽織るのにちょうどいい羽織も出してきた。
――――タイツとかもほしい
そういうと、ノアが店主に伝えてくれて、店の奥のほうからタイツとかオーバニーほどの長さの靴下なども持ってきてくれた。ついでに下着も数点持ってきてくれた店主さんグッジョブ。
一通り、目の前に並べられたものを見てから、ノアのほうを見上げ、うなずくと、ノアは出されたものをすべて購入してくれた。
購入したものは、アイテムボックスに入れればいいのだが、アイテムボックスは、貴重なスキルで、人間はあまり持っていないらしいので、人前で使わないほうがいいだろう、と言われたため袋詰めされたそれをもって店から出た。
もちろん、人目のない路地で、こそっとアイテムボックスの中へと購入したものは放り込んだ。
――――そんなにアイテムボックスって珍しいの?
次は旅の間の食糧と、夕食を探しに行くため、市場や屋台が出ているほうへと移動することになった。
移動中にノアへと聞くと、ノアはわずかに悩んでから、
――――冒険者の間では、さほど珍しくはないな。あと、商人の間でも
―――――そうなの?
――――冒険者は、魔力適性が高いものが多いからな。商人は、アイテムボックス持ちの人間を雇っていることが多いから珍しくもないが
―――――アイテムボックス持ちってだけで雇ってもらえるのか
――――お前はやめとけよ。アイテムボックスだけで終わらないからな、絶対に
―――――はいはい。あ、ノア、ストップ、あそこの屋台の香辛料ほしい!
――――どれだ
―――――あそこ!ほらっ、道の隅っこでおばあさんが敷物広げてやってるでしょ!
――――あぁ、あれか・・・・・・だが、あれは・・・・・・
―――――いくよっ!!
出かけ際、宿の奥さんが気を付けていったらっしゃい、と声をかけてくれたので、ノアは小さく会釈をしてから私の手を引いて表へと出た。
―――――ノアって、迷いなく歩くよね
日が暮れ、少し酒気を帯びた町人が歩く中、迷いなく目的の店へと歩いていくノアに聞けば、慣れてるからな、とあっさりと返事が頭の中に帰ってきた。
――――たいていの町は似たような作りになってるからな。
―――――そうなの?
――――おおよそはな。服の着替えが必要だったな
―――――あぁ、覚えてくれてたのね
迷わず歩き続けるノアに連れられ、まず来たのは、洋服店だ。
国境沿いに近い町とあって、立派な砦が築かれているため、ほかの町よりもにぎやかなここは、洋服などといったものも多く取り揃えているようだった。
とりわけ、兵士や冒険者が多くやってくるこの場所は、外套などといったものにも力を入れているようだ。
店内へと入ると、すぐさま店主が声をかけてきた。
女性ものを探していると、ノアがいうと、ちらりと隣に立っている私のほうを見てから、入って右手側にある服を何着か選んで見せてきた。
【気に入るものはあるか?】
――――ズボンがいい
数着持ってきた見せたそれらは、どれも町中で生活をするならば問題のないであろう服だった。
ここまで見てきた町の住人が来ていたものとそう変わりなく、足首まで隠れているワンピースといったもの。
確かに寒いから足元まで隠れている服はいいかもしれないが、どれもこれもこれから長い間歩いたりするには適さないものばかりだった。
【あぁ、そうか。動きやすいもののほうが良いのか】
その考えに至らなかったらしいノアは、店主に改めて旅の途中なので、防寒と動きやすさを重視でお願いしなおした。
すると、今後は動きやすさと防寒重視のものを選んでくれた。
今はいているようなホットパンツもあれば、キュロットスカートのようなものもある。上着も同じようなタートルネックのセーターもあったし、さらにその上に羽織るのにちょうどいい羽織も出してきた。
――――タイツとかもほしい
そういうと、ノアが店主に伝えてくれて、店の奥のほうからタイツとかオーバニーほどの長さの靴下なども持ってきてくれた。ついでに下着も数点持ってきてくれた店主さんグッジョブ。
一通り、目の前に並べられたものを見てから、ノアのほうを見上げ、うなずくと、ノアは出されたものをすべて購入してくれた。
購入したものは、アイテムボックスに入れればいいのだが、アイテムボックスは、貴重なスキルで、人間はあまり持っていないらしいので、人前で使わないほうがいいだろう、と言われたため袋詰めされたそれをもって店から出た。
もちろん、人目のない路地で、こそっとアイテムボックスの中へと購入したものは放り込んだ。
――――そんなにアイテムボックスって珍しいの?
次は旅の間の食糧と、夕食を探しに行くため、市場や屋台が出ているほうへと移動することになった。
移動中にノアへと聞くと、ノアはわずかに悩んでから、
――――冒険者の間では、さほど珍しくはないな。あと、商人の間でも
―――――そうなの?
――――冒険者は、魔力適性が高いものが多いからな。商人は、アイテムボックス持ちの人間を雇っていることが多いから珍しくもないが
―――――アイテムボックス持ちってだけで雇ってもらえるのか
――――お前はやめとけよ。アイテムボックスだけで終わらないからな、絶対に
―――――はいはい。あ、ノア、ストップ、あそこの屋台の香辛料ほしい!
――――どれだ
―――――あそこ!ほらっ、道の隅っこでおばあさんが敷物広げてやってるでしょ!
――――あぁ、あれか・・・・・・だが、あれは・・・・・・
―――――いくよっ!!
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