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女騎士ローズ
女騎士ローズ-4
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「……赤い……羽根」
小さな赤い蝶はこちらに来いと言わんばかりにマグマが溢れる火口の中心へと飛んでいく。限界まで疲弊したローズと言えど、そこへ行くには躊躇するものがあった。
「……ここまで来て、死ねと?」
人がマグマに飛び込めば死ぬ、当然の摂理だ。それがどれだけ身体を強化しようと同じことであり、耐性を得る魔術を使わなければ生きるのは難しいだろう。
そして今のローズには耐性を得る魔術は使えない。万全なら何の問題もなく使えただろうが、極限の疲労状態である今は不可能だ。
赤い蝶はひらひらと飛んでいる。来ないのか?と言わんばかりだ。
「いいだろう。行ってやるさ」
一歩歩くことさえ辛い。だが、ローズは身体を無理やり走らせた。身体の動きを知っているが故に、どこにどう反動をつければ走れるかくらいは分かっていた。
走る一歩一歩で脳裏に走るものがある。これまでの歩んできた道、ジルクとの思い出、ヤギとの遭遇による絶望……どれもこれも私の歴史だ。
走馬灯のように駆け続ける想い出を振り払い、ローズは火口の中心へと跳ぶ。
「ああああああああああ!」
叫び声と共に赤い蝶の下へと……マグマの上へと跳ぶローズ。案の定マグマの上に着地し、同時に足が熱で溶けていく。
「うぅぅぅぁぁぁああああああああ!!!」
膝まで溶けかかったところで無理やりに身体のばねを使い、下半身を跳ばさせるように身体を動かす。あと一歩だけでもと、その魂を振り絞るように。
(その想いあらば十分か)
熱で意識が朦朧とする意識に、直接響く声が聞こえた。
小さな赤い蝶はこちらに来いと言わんばかりにマグマが溢れる火口の中心へと飛んでいく。限界まで疲弊したローズと言えど、そこへ行くには躊躇するものがあった。
「……ここまで来て、死ねと?」
人がマグマに飛び込めば死ぬ、当然の摂理だ。それがどれだけ身体を強化しようと同じことであり、耐性を得る魔術を使わなければ生きるのは難しいだろう。
そして今のローズには耐性を得る魔術は使えない。万全なら何の問題もなく使えただろうが、極限の疲労状態である今は不可能だ。
赤い蝶はひらひらと飛んでいる。来ないのか?と言わんばかりだ。
「いいだろう。行ってやるさ」
一歩歩くことさえ辛い。だが、ローズは身体を無理やり走らせた。身体の動きを知っているが故に、どこにどう反動をつければ走れるかくらいは分かっていた。
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「うぅぅぅぁぁぁああああああああ!!!」
膝まで溶けかかったところで無理やりに身体のばねを使い、下半身を跳ばさせるように身体を動かす。あと一歩だけでもと、その魂を振り絞るように。
(その想いあらば十分か)
熱で意識が朦朧とする意識に、直接響く声が聞こえた。
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